GS美神の世界でサバイバル   作:京太郎

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いつも、誤字脱字の報告ありがとうございます。
アップする前に見直しているつもりなんですが・・・



27.GS試験本番~初日~

27.GS試験本番~初日~

 

 

 

雲一つない晴天となり、GS資格を受験するには絶好の日よりとなった。

前日から六道家に泊めてもらい、明け方に起床して水を被り禊をしたあとに

六道指定の霊装(スーツ)に着替える。

予定では、本日の1次試験、2次試験第1試合が終わったら、今日も泊めてもらい

夜は、対戦相手の傾向と対策をしながら、明日も頑張りましょう会か

または、残念でしたまた次会となる予定だ。

六道家の全面バックアップなので、なんとか一発で合格したい。

 

さて、霊装に着替えるわけだが、装備品にはネクタイもある。

腐っても元は社会人であった自分は、ネクタイくらいはなんとか結ぶことはできる。

しかし、六道婦人の眼からは歪んでいたのだろう、ささっと解き結び直してくれる。

 

「優君~こっちにいらっしゃい~ネクタイが歪んでいるわ~」

 

「あぁ~お母さまずるい~私が優君に~ネクタイ結んであげったかったのに~」

 

そう言って、冥子さんが若干すねているが、冥奈さんは当主の特権よ~と

歯牙にもかけない。

 

こんなイベントに必ず突っ込んでくる清姫は、珍しく大人しくしている。

どうやら、ネクタイの結び方がわからず、手が出せなかったようだ。

冥奈さんも清姫に結び方を教えている。

今は冥奈さんの結び方をしっかりと、目に焼き付けているようだ。

今度、適当なネクタイで清姫に練習をしてもらおう。

いや、迂闊なことをすると、一日中ネクタイの結び方で終わることもあるやも・・・・・・

 

「ご主人様の身嗜みを整えるのは、妻の仕事、つまりわたくしの仕事、

今後はわたくしにお任せくださいまし」

 

そう言って、フンスと鼻息荒く気合をいれる、これは一日ネクタイ結び練習コース

かもしれない。

 

どこか緊張していたのだが、通常通りの清姫を見て、変な緊張感も霧散する。

お礼に清姫の頭を撫でて、用意していただいた朝食を食べに行く。

 

「ご主人様~もっともっと撫でてくださいまし、これだけで足りません」

 

時間が余りないので、ステイ(待て)清姫さん、また今度。

 

「ご主人様はじらし上手で我慢ができません。

でもそんな鬼畜なご主人様も、わたくしはお慕いしております」

 


 

冥子さんが救護班として参加することもあり、GS試験会場までは一緒に車で連れて行って

くれることになった。

 

車で移動している間に、GS資格試験についてさらっとおさらいしておこう。

朝食の時に冥奈さんに教えていただいたが、今回も前回に引き続き1800余名が

受験するようだ。

 

GS資格試験は1次試験と2次試験に分かれている。

1次試験は霊波測定をして上位者の128名が次の2次試験に通れる。

2次試験はトーナメント形式で優勝までいけば全7試合となる。

 

初日の今日2次試験、第1試合をして、受験者は64名まで絞り込まれて本日は終了

明日から第2試合~第7試合まで行われるが第2試合を勝った時点で32名となり

GS資格が付与されることとなる。

 

では残りの試合は何故、実施されるとかといえば、成績付けだ。

今後の仕事に影響を及ぼすので、受験者は上位を目指す。

また、欠場してしまうと、GS資格が剥奪されてしまうので、試合にはどうしてもでるしかない。

僕としては上位入賞するつもりは、全然無いので第2試合を勝てば、適当なところで

負けるつもりでいる。初志貫徹、無駄なリスクは負わない、怪我をしない。

 


 

会場に到着し、さっそく受付を済ませる。

今回の受験で僕に割り振られた番号は223番だった。この受験番号はランダムで

割り振られている。

これは公式には認められていないが、受験番号がランダムだと言いつつ、運の良さで

番号が決まっているらしい。

僕は、もっと後ろの方の番号だと思ったが、運がよく前のほうの番号だったので安心した。

この受験番号を気にすることには、勿論理由がある。

 

それは1次試験は一度に全員を見ることができないため、40人ごとに分かれて

審判が受験者をふるいに掛ける。

審査の方法は霊波の強度を測定する機械と、審判が感覚で選出する。

おおよその合格目安はあるのだろうが、それは教えてもらえなかった。

 

1度の審査が40名として、受験者が1800余名だと

およそ45~47回は審査をすることになる。

1回あたりの合格差はこれもだいたい2~3名、もちろんその組に合格者0もいれば

多いこともあろうだろう。

最悪なのは実力があるのに、運が悪く後ろの方の番号だと、合格者が定員となってしまい

合格できないこともあるようだ。

その場合の救済措置はあるのか聞いたが、何処の業界でも多かれ少なかれあることだが

験を担ぐと言ったことや、運というものをこの業界は非常に重視している。

なので、運が悪いというのは実力、才能が欠如していると思われる。

良く言う、運も実力の内という言葉が真実としてまかり通っているのだ。

運の悪い奴はGSに向かない。

嘘だろうと思ったが、今ではそういうものだと考えることにしている。

 

ふと思い出したのだが、確か原作で忠夫君がGS試験を受験する話があったが

あの時は忠夫君は13番、美神さんは7番だった。

ピート、タイガー、ドクターカオスもみな50番以下だったので、運の良さが

良くわかる。

 

そういう訳で前のほうの番号でよかった。

若い番号から審査は進んでいくので、僕の審査は6組目だ。

 

 

6組目を呼ぶ声がかかり、40名がぞろぞろと審査会場に入っていく。

足元には白線は引いてあり、そこに全員が並び、審判の掛け声とともに

霊波を放出する。

 

それでは始めてください、と言う号令とともに、全員が霊波を放出する。

思った以上に、他の人の霊波が低い。しかしこのレベルより大きめに出して

も合格基準が分からないので、合格ラインに届いていないかもしれない。

その場合は全員が不合格になるだけだ。

本当なら次の2次試験のために、実力は隠しておくべきなのだろうが

ここでケチって不合格になってしまうのは笑えない。

 

前に一度だけ、六道で練習した時のように、如意宝珠への霊力供給をとめ

霊力を全力で放出する。

こういう時はあれだ。リリカルマジカルがんばります!これが私の全力全壊!!

自分で言っておいてなんだが笑えてくる。

その笑いを堪えて、一気に霊力を放出する。

 

失格のコールが続く中、最後まで無事に残り2次試験に駒を進めることができた。

 

 

 

~審判SIDE~

 

 

黒ずくめスーツを着た223番の受験者だが、それほど霊波がでていないので

不合格にしようかと思っていたところで、隣の審判から声がかかる。

 

「あの223番の胸についている徽章を見てください、あれって六道家の紋ですよね」

 

言われて、よく見れば、確かに六道の紋が徽章としてあしらわれている。

223番の申込書を確認すると、所属事務所は六道除霊事務所と記載されている。

六道除霊事務所は式神姫一人の除霊事務所だったはずだが、あの223番に何か

あるのかと、注目していると突然ニヤリと笑いだした。

その瞬間から爆発的な霊波が放出されるようになり、他の受験者の大小など

全く、分からなくなってしまった。

 

六道にあんな秘蔵っ子がいたなんて、これまで聞いたことなかったが

一つ確信したのが、今回のGS試験は荒れるということだ。

 

~SIDE END~

 

 

 

1次試験を無事通過したが2次試験の第1試合は午後からということで

食事をとりに行こうと、会場を出ようとしたところで、冥子さんから声がかかる。

 

「優君~お昼ご飯を食べにいきましょ~優君が凄いかも~ってみんな言っていたわ~

頑張ったご褒美に~冥子お姉様が~ご馳走してあげるわ~」

 

さぁいくわよ~と僕の手を引いて先に行く

会場近くの、僕だけではほぼ入ることが無いような高級店にためらいもなく入り

給仕を受ける冥子さんを見て、本当に良家のお嬢様なんだとしみじみ思う。

そして、冥子さんは清姫にも同様にご馳走してくれるのだ。

清姫は式神なので、食事をしなくてもいいのだが、自宅では清姫の作ってくれた食事を

一緒に食べているので、冥子さんの気遣いが嬉しい。

 

そして清姫も名前のとおり、豪族の娘なので本当の御姫様だ。

やはり相応の教育を受けているだけあって、食事の所作はしっかりしている。

この面子だと僕が一番だらしくなくなってしまう。

 

 

 

冥子さんと清姫との食事を終えて、試験会場に戻ってきた。

冥子さんは2次試験が始まるここからが本番なので、頑張ってね~と言い残し

救護班の待機場へと戻っていった。

 

2次試験の開始時間前に会場にはいる。ここからはスカウトなど業界関係者や

オカルト好きな一般人などが観覧席から見学することもあり、GS協会記録部広報課が

試合の実況を行う。

 

また試合解説役として、厄珍堂の店主、同志厄珍が呼ばれていた。

 

トーナメント表はオカルトを使った不正を防ぐため、くじ引きではなく

審判長が64試合をラプラスのダイスを振って決定する。

ラプラスのダイスとは、あらゆる霊的干渉をよせつけず、このサイコロで決められたことは

絶対公平かつ運命だと言われている。

 

第1試合のすべての対戦相手が決まり、あとは僕の試合まで待つだけだ。

 

ちょっとまてよ。道具の持ち込みは一つルールで決まっている。

清姫は僕の霊能扱いだから除外するとして神通棍、お札のどちらを持ち込もうか?

ちょっと悩んでから幅広く対応できる札をホルスターに突っ込み、取り出しやすさを

確認しながら待っていると、ついに223番と呼ばれたので、試合をするコートに赴く。

 

コートに向かう途中、一緒に戦ってくれる清姫にも頑張ろうねと頭を撫でる。

 

「あぁご主人様がわたくしを見て、撫でてくださる。わたくしのことを思って

下さっている。もっともっと褒めて撫で撫でして欲しくなってしまいます。

 

さぁまずは邪魔者を片付けると致しましょう。」

 

 

僕の第1試合の対戦者は2mを超す筋骨隆々の大男、名前は蛮・玄人

原作では美神さんに秒で片付けられていたが、美神さんが強いから圧倒していただけ

だと思い、油断をせずかかることにする。

 

試合のコートにはいり、審判の開始の号令がかかる。

 

そして蛮選手から余裕だと言わんばかりのヤジが飛ぶ

 

「こんな霊力も無い、女に守られている小僧と小娘が相手とは、俺はなんてついているんだ!」

 

この時点で清姫に流れている霊力が増え、清姫ランサーへと礼装が変化する。

 

「10%だ!10%の力で相手をしてやろう」

そういって霊力を放出し始めたやいなや、清姫がぼそりと一言

 

「わたくし、嘘は嫌いです」

 

持っている薙刀に霊力を注ぎ込み、石突きで蛮選手の股間を強打した。

ゴツっと骨を砕くような音が会場に響き、泡を吹きながらその場に蹲る蛮選手

 

追い打ちをかける様に、清姫からもう一言

「ご主人様をけなし、わたくしに嘘をつくとは、その罪、万死に値します。」

 

薙刀を振りかぶり、蛮選手を斬首せしめんと振り下ろしかけたところで

審判から勝負あり!のコールがかかる

試合中なら事故で終わるが、試合が終わったあとは罪に問われるし

第1試合から斬首なんて僕は見たくもないし、望んでもいない。

 

後ろから清姫を抱き寄せ、耳元に「もう終わったよ」っと声をかけた。

 

「愛しいご主人様がそうおっしゃるなら、今回はこれで勘弁してさしあげますが、次にわたくしに嘘をついた場合は処します。

 

さぁさぁご主人様、言うことをちゃんと聞く、わたくしにご褒美をくださいまし。

撫で撫ででも、も~っとすごい事でも、わたくしはどーんとこいっですわ」

 

流石に衆人環視の中で、頭を撫でる以上のことをする気もなく

 

「みんな見てるから家に帰ってからね。」

 

そう清姫に囁くと、周りを見渡してから、顔を羞恥で真っ赤に染めあげ

影の中へと消えていった。

 

第1試合は清姫のおかげで、それこそ秒で終了したが、明日以降は式神使いとして

他の選手も対策をしてくることだろう。

清姫に負けないように頑張らねば

 

 

 

~実況&厄珍 SIDE~

 

「各コートで試合が開始されました。

第1試合ですが、厄珍さんどこか注目の選手はいますか?」

 

「あそこの和服をきた式神の少女のいるコートはどうあるか?」

 

「あのコートの六道除霊事務所の横島優さんですね。」

 

「おぉ、同志横島あるかー 厄珍堂のお得意様あるよー」

 

「少女の礼装が変わり槍を装備しましたね。これからどんな展開になるのでしょうか」

 

ゴツ!

 

「・・・躊躇いとかまったく無かったあるな、男にとっては致命的な一撃あるよ」

 

「蛮選手、鮮やかに決まった一撃で口から泡を吹いております。

おっとここで審判から試合止めのコールです」

 

「同志横島も、すごいのを連れているあるなぁー尊敬に値するあるよ」

 

「1次試験の審判からも六道の秘蔵っ子ではないかという、発言もあったようで

今後の試合展開が楽しみな選手であるといえるでしょう」

 

 

~SIDE END~

 




今回でGS資格取得は終わるはずだったのですが、初日分しか進みませんでした。
私の書いていることを要約すれば、清姫やばい、だけなんですが
どうも、話が進みません。

予定ではあと1~3話でこの話は終わる予定です。

では、また次回

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