GS美神の世界でサバイバル   作:京太郎

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29.元始風水盤1

GS資格試験から幾日か経ち、僕は六道除霊事務所で冥子さんとお茶をしながら

過ごしていた。

それは、何故かと言えば六道除霊事務所に見習いGSとして在籍しているからだ。

忠夫君がGS免許を取得した後も、美神除霊事務所に所属したように、管理監督者、所謂師匠のお墨付きを得てようやく一人前のGSとして認められる。

 

 

それでも、仕事が無ければわざわざ事務所に行く必要が無いと、僕はそう思っていた。

仕事先に、仕事もないのに行っても相手も困るだと普通は思うだろ?

 

そもそも忠夫君の場合は、時給が低すぎて仕事が有ろうが無かろうが、事務所に入り浸っていたのは、待機時間も時給を貰っていたからだ。

今はGS業界の平均時給を貰っているから、入り浸る必要はないのだが、それでも今までの様に入り浸っている。最近はオカルト関係の本を読んでいると、この間おキヌさんが嬉しそうに話していた。

こんな事は絶対に本人には言えないが、なんだかんだ経費が上がった!と文句を言いつつも、今まで通り待機時間分の時給を払っている上げたり、晩御飯をご馳走してあげている辺り、美神さんも人が良いのだと思いたい。

 

それはさておき、話を戻すと、冥子さんはどうやら忠夫君が美神さんの所に入り浸っているのを見て羨ましかったようだ。

当然のように、僕も事務所に入り浸ると思っていた様で、かなり楽しみにしていたみたいだ。

仕事のある日は来てくれるが、それ以外の日はまったく事務所に顔を出さない僕に対して

冥子さんはそれはもう本気で泣きながら拗ねたのだ。

 

下校時間を狙って、学校に六道所有の高級車で乗り付け、冥子の事が嫌いになったの~

とか冥子(の家のケーキ)は飽きたの~とか泣きながら僕に縋りついてきたのだ。

もう少し言い方を考えて欲しい。完全に復縁を迫る男女のそれだ。

 

その後の事は思い出したくもないが、男子諸君が完全に敵に周り、女子生徒からもかなり冷たい目で見られ、まさに針の筵状態だったが、今はなんとか誤解は解けている。

おかげでGS免許の取得まで、バレてしまったのだが……。

 

そんなこともあり、何も用事がない日はなるべく六道除霊事務所に寄るようにしている。

今も、ニコニコで冥子さんはケーキを食べながら、僕の学校の宿題を見てくれている。

普段抜けているのに勉強は出来るのだから、こういう所は良家の子女と感じる。

 

話がずれたついでと言っては難があるが、お茶をして勉強を見てもらう位、暇が何故あるのかと思うだろう。

六道除霊事務所に所属してから分かったことだが、実際のところかなり暇なのだ。

それというのも、六道除霊事務所は一般からの依頼を受けていない、依頼は六道財閥グループの不動産分など六道系列からの依頼しか受けていない。

まれに一般からの依頼も受けてはいるようだが、それもどこかのグループ会社が仲介をしている。

たまにグループ会社からくる仕事も、最近では一度更地にしてから建設し直すので、いっそ壊してくれた方が楽でいいという依頼が多い。

勿論、こんなことは冥子さんには言えるわけもないが・・・・・・

 

ぶっちゃけて言えば、仕事なんてしなくても生きていける、いい所のお嬢様だ。

 

さて、そんな彼女とお茶をしているときに、唐巣神父の教会に泥棒が入り、かなり荒らされたという話題が出た。

冥子怖い~などと言っているが、万全のセキュリティと十二神将の守りを突破する泥棒なんぞ、そうはいないだろう。

しかし、唐巣神父の教会が荒らされたと聞いた時、元始風水盤の話を思い出した。

原作通りに話が進むならば、近々忠夫君が美神さんと香港に連れていかれるだろう。

恐らくは着替えとかの荷造りをするのだろう。

まぁ、美神さんと忠夫君に任せておけば大丈夫だろうと思っていた。

 

 


 

 

 

~アーカム財団専用ジャンボジェット機 副操縦席~

 

 

 

今僕は、アーカム財団専用ジャンボジェット機の副操縦席に座っている。

元始風水盤は原作通り、美神さんと忠夫君に任せておけばいいと思っていた。

しかし現状はどうなっているかと言えば、アーカム財団の専用機それも副操縦席に座っている羽目に陥っている。

隣には年配の機長さんが座っており、気の毒そうな顔でこちらを見ている。

そして後ろには腕を組み、その美貌でこちらを見ているティア・フラットさん。

 

どうしてこうなったかと言えば、スプリガンの中で魔女の異名を持つティア・フラットさんが香港に派遣されることになったのだが、現地の状況を鑑みると荒れることが予想されるので、ASEに荒事になっても対応できる、パイロットの依頼がはいった。

ジャンボジェットなんて操縦したことが無いと、話してもシミュレーションはあるだろうと

そしてASEはアーカム財団の子会社なので、断ることは無い。

ついでに言えば僕もASEのスタッフなので、勿論断れない

 

いや、一度は断ったのだけど、普段から超古代文明の遺跡にある、えげつないトラップを相手にしているスプリガンにとって、マンションのセキュリティなんて有って無きが如し

ティア・フラットさんに拉致られて、気が付けばジャンボジェットの操縦席にご案内

そして今は、離陸前の最終チェックを行っている。

 

こういう事にも慣れているのか機長から、では機体のチェックをしましょうと声がかかる。

 

「機体電圧」そう問われたので、計器を見て返答する「正常」

 

「燃料」、「正常」

 

「警告灯チェック」、「異常なし」

 

「酸素系」、「正常」

 

「油圧系」、「正常」

 

「エンジンコントロール」、「正常」

 

「操舵」、「正常」

 

エンジンに火が入り操縦桿を通して機体の状態を把握する。よし、この機体は飛べる

 

管制塔より連絡がはいる

 

「こちら管制、アーカム専用機はA滑走路より予定時間に離陸してくれ」

 

「こちらアーカム専用機、了解。これよりA滑走路に向かう、どうぞ」

 

機体が動き出し、まもなくA滑走路に到着する。

時刻は予定時刻のオンタイム

 

「こちらアーカム専用機、A滑走路オンコース」

 

「こちら管制、現在、微風のみで穏やかな状況だ。では良いフライトを」

 

僕は、ここで一つ決意をする。

騒動に巻き込まれないためにも、待機と言う名目で絶対空港からは出ない

そう、絶対だ!

 

 

 

~香港空港 美神ご一行~

 

 

大きなリュックサックを背負った忠夫が香港ーーー香港ーーーーと叫びながら、空港内で写真を撮りまくっている。

それを横目に見ながら、香港という所は、空港にそっくしですね~と天然ボケ気味のおキヌちゃんがフワフワと浮きながらいる。

おキヌがふと外を見れば、ACと大きいロゴを付けた飛行機が駐機している。

 

「横島さん、横島さん、ポポポーンの飛行機も止まっていますよ」

 

ポポポーンという単語に興味を持ったのか、美神もおキヌちゃんが指さす方向を見やる。

そして、ちょっと引きつった顔をしておキヌちゃんの疑問に応える。

 

「おキヌちゃんあれは公共広告機構のロゴではないわ、アーカム財団の専用機よ」

 

「美神さん、ポポポーンではなく、あーかむ財団ですか?ところであーかむ財団ってなんですか?」

 

「あぁそうね~アーカム財団というのはね、流石に横島君も知っていると思うけど、揺りかごから墓場までを地で行くような巨大複合企業よ。その表の顔はね」

 

ちょっと横島君もこっち来なさいと呼びつけ、横島とキヌちゃんにさらに説明を続ける。

 

「さっきも言ったけど、学校など教育機関も運営したり社会福祉にも貢献している巨大複合企業が所謂表の顔ね。

やばいのは、たまに博物館に古代文明の展示を主催しているアーカム考古学研究所よ。

 

まぁここだけ聞けば、遺跡の発掘成果を展示している金持ち道楽のような団体だと思うけど、彼らにしてみれば展示している発掘品は一般人に見せても構わない程度の物しかないのよ。

たしかに歴史的に非常に価値の有る物なんでしょうけどね」

 

これだけは頭に叩き込んでおきなさい。横島に念を押す。

 

「アーカム考古学研究所は一つの理念に基づいて活動しているわ

深海から発掘された一枚のプレートにはこう書かれていたそうよ。

そのプレート自体はどんなものか、私も見たことが無いし分からないけどね。

 

世界中にある、我らの文明の断片を遺産として残そう

だが、もしも君たちにそれを受け取る資格がなければ、全て封印して欲しい

悪しき目的に使う者達から守って欲しい

我らと同じ道を歩んではならぬ とね。

 

アーカム財団はこの古代文明からのプレートを真に受けて、世界中で遺跡の発掘とその保護を行っているわ。

アーカム財団の複合企業事態は全部おまけのようなものよ。

 

そしてやばいのは、アーカム財団が擁する特殊エージェント、遺跡の財宝を守護する

妖精、通称スプリガン。裏社会では有名な存在よ。

こいつらに会ったら、絶対に敵対しては駄目、すぐに逃げなさい」

 

「美神さんなんで、そんなやばげな連中に詳しいすか?」

 

「私たちが扱っているオカルトアイテムも年代が古くなれば、その物には神秘が宿るわ

そしてその手の物を収集するコレクター集まるマーケットがある、その中でも危険だと思われるものは、アーカム財団が適正価格で買い漁っていくのよ!

私が、この美神令子がコレクター好みのアイテムを高値で売ろうと思っても

アーカムの連中が出てきたら、みんな買い控えるの!!

そして、適正価格か悪い時はそれより安くなるよ!!

本当に商売あがったりだわ!!!」

 

はぁはぁと荒い呼吸を暫くして落ち着いてきたのか最後にこうボソッと呟いた。

 

「嫌がらせ程度に、スプリガンの弱点を探ってやろう思ったのよ。

でも、逆に私が恐れを感じたわ。絶対に手を出しては駄目」

 

そしてまた原価割れは嫌~と頭を抱え叫び取り乱す美神とおろおろしているおキヌ達と

本当に大丈夫なのかとジト目で伊達雪之丞が美神たちを見つめる。

 

 


 

 

~香港空港 横島 優~

 

 

小火器で武装したハイジャック犯には有効な操縦席の扉も、素手のスプリガンには全く役に立たないことを実感した横島優です。

 

それと今更感があるけど、この特別専用機は普通のジャンボジェットに見えてえげつない装備がわんさか積んである。

具体的には対地、対空レーザー兵器とか、この装備も波長と出力を落とせば、測地用の観測装置に見えるので税関とかは普通の飛行機として通るみたいだ。

 

それとジャンボジェットの見た目をしておきながら、その機動力がやばい。

海洋調査船ロシナンテは海上で200km以上で疾走するが、この飛行機は僕が確認しただけで、反重力装置を搭載してあり、空中で直角に曲がれる、まるでSFみたいだろ。

真後ろからミサイルを撃たれても、機体後部のチャフとその機動力だけで余裕でミサイルを振り切れる。

現代の普通の戦闘機相手なら、まず負けることは無いだろう。

 

機内にある会議室で今回のスプリガン出動に対するブリーフィングが開始された。

 

さて、ブリーフィングを始めようと言って、ティアさんが口火を切った。

 

「これはアーカム所有の偵察衛星が捉えた、香港島周辺の地磁気を映像化したものよ」

 

香港島の一部地域に最初は赤い点だったものが、徐々に大きな赤い渦になっていく

映像だった。

 

「見てもらっての通り、地磁気に乱れを感知してから、重点的に監視をしていのだけれど、ここ最近、一気に地磁気、磁場が乱れが進行したわ。

大規模な霊的現象が発生するば、地磁気が乱れるのは貴方も知っての通りだけど、ここまで著しく乱れると、異界への門が開きかねないわ。

そして情報部は、次の満月に異界への門が開くと推測しているわ。

そうなってしまえば、東アジア一帯は地獄へと沈んでしまうでしょうね」

 

なにか、質問はあるかしら?そのような感じの視線を受ける

 

「ここまでもろバレの大規模な反応があるなら、各国の特殊部隊、エージェントはうごいてないのですか?特に米国辺りは熱心だと思いますけど?」

 

「良い質問ね。お膝元の中華人民解放軍を始め、植民地時代の宗主国である英国、英国諜報部、特殊空挺部隊、米国の海軍特殊戦群それに機械化小隊の一部も現地に入って、すでに暗闘が繰り広げられているわ。

まるでいつぞやのリバースバベルを思い出すような状況ね」

 

はぁと大きなため息をつくティアさん

そして、自分の思っていた原作以上に現地はホットになっていることを実感する。

 

「そして、この状況を作り出しているのは魔族と呼ばれる者達の仕業よ。

魔族の一部が地脈の流れを操り、この世の秩序とバランスを書き換える元始風水盤を作成しているわ。

このまま手をこまねいて、満月の夜を迎えてしまえば東アジア一帯は地獄に落ちる、それ以上に危ないのが中華人民解放軍ね。彼らはこのまま解決しなければ、ここに核を打ち込むつもりよ。核が撃たれてしまえばなし崩し的に第三次世界大戦に発達しかねないわ。

 

我々アーカムとしては、この現状を座視することは出来ません。

元始風水盤の針の奪取、そして元始風水盤の破壊を目的とします。

 

そして、貴方がこの場に呼ばれたのは、どんな乗り物でも瞬時に乗りこなすことが出来るASEのマルチドライバーであること、まただいぶ系統が変わってしまったとはいえ、風水術の流れをも取り入れ、様々なアジアの技術を取り入れ、日本独自の体系化した陰陽術の使い手であること」

 

そしてティアは頭の中で貴方のスプリガンとしての適性をみる試金石として有効かもと、初代アーカム会長の腹黒さがにじみ出ていた。

 

「貴方のAMスーツと装備一式はそのコンテナにはいっているわ」

 

ティアさんに促され、AMスーツを着装する。そしてコンテナの奥に武器類が入っているの見つけたのでついでに点検を開始した。

小銃と拳銃、そしてナックルガード付きのオリハルコンナイフを装備する。

 

うわ、流石アーカム、リッチだな。弾倉を確認すると通常弾に合わせて精霊石の弾頭がついている弾丸も弾倉に収まっている。手早くすべての弾倉をマガジンポーチに格納する。

ついでに、こんなこともあろうかと持ってきた自作の破魔札も空いているポーチに格納する。

 

「良し、これで僕の敵は宇宙人だけだ」

 

こう呟いたところをティアさんに聞かれクスクス笑われる。

 

「貴方、御神苗と同じ名前だけあって、同じようなことを言うのね」

 

ひとしきり笑った後、さぁ行くわよ。とティアさんに促され部屋を出た。

 




ご無沙汰しています。
読んでいただきありがとうございます。

活動報告にもちょっと書いておきますが
またちょこちょこ書いていきますので
よろしくお願いします。
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