プロローグ
《 国立雄英高校 特別施設 "USJ(ウソの災害や事故ルーム)" 広場 》
""────────考えがあますぎた………""
""自分に力があるんだと誤解していた… ""
"数少ない推薦組として入学して驕ってしまっていた…"
"初めてのヴィランとの戦闘だったけど、そこまで苦戦しなくて調子に乗っていた…"
"幼き頃に助けてくれた彼の力になりたくて、並べる様になりたい一心で努力してきて、もう並べたと勘違いしていた………"
"小さい時に助けてくれたアイツの隣にいれる様になりたくて、それだけの力を持ったと勘違いしてた……"
""ヴィラン襲撃で力を貸せると思って駆け付けたのに……………何なのですか(なんだよ)この体たらくは(状況は)ッッ!""
雄英高校1年A組 副委員長 八百万 百と、耳郎 響香は今、これまでの人生の中で、最も己の無力さを呪い、そして後悔していた。
授業の一環として、雄英高校本校から離れた施設に到着した直後、『打倒平和の象徴 オールマイト』を掲げる謎のヴィラン達による襲撃を受け、ヴィランの中にいたワープゲートらしき個性持ちによってクラスメイトの大半が施設各地に分散させられる中、
飛ばされた先に待ち構えていたヴィランを打倒し、いち早く広場に戻って来ることが出来ていたのも、彼女達の"自分の力はヴィランに通用するのだ"という勘違いを増長させたのだろう。
しかし、身体中に手をつけた不気味な容貌のリーダーらしき男が'脳無'と呼ぶ大型の、脳がむき出しになった異様な姿のヴィランによってもたらされたその慢心の代償は、彼女達にとっては大きすぎる物となった。
身体能力等を強化する類の個性持ちでない彼女らには、何が起きたのか理解しろという方が無茶である。
広場に到着し加勢した直後、気がつけば目の前にヴィランが現れ、視界が急変した様にしか感じられなかったのだから………………
それでも、自分達を庇って意中の人物が負傷したのは、最早原形をとどめているかすら怪しい腕と、血だらけの体を見れば、一目瞭然だった。
「〜〜〜ッッッすぐに手当てをっっ!固定する物をっ いえまずは元にもどさないとっっ! 包帯もッッッ!」
片や、半ばパニック状態で、目に涙を浮かべながら精神的ショックもあるためか上手く個性を操作出来ない中で、必死に怪我を治療しようとし、
「〜〜〜ッッウチが………ウチが来たばっかりにッッッ!頼むっ!死なないでくれっっ!」
片や、大粒の涙を流しながら縋り付いている。
そんな彼女らに対して、その男は激痛に苛まれている筈の中、苦痛に顔を歪めるどころか
「────────2人とも、無事で良かった。」
安堵の表情を浮かべていた。
「「ッッッ〜〜〜〜!!!!」」
思いを寄せる相手が、己を庇ったために直視を憚られるほどの重傷を負ってなお己のことを気遣う姿に彼女たちはとても冷静ではいられなかった。
「ッッッ〜〜〜頼むっっ!死なないでくれっっ!」「ッッッ〜そうですわ!しっかりしてくださいっっ!」
彼の行動に対して様々な感情が渦巻く中、彼女らは必死に彼の名を呼ぶ。
「「我愛羅(さん)ッッッ!!」」
────────彼女達は知らない。 自分達が必死になっている最中に……
『アカン、全然この子ら泣き止まへん。助けてクラえも〜ん!』
『フン、そんな事知ったことではないわ。自分で何とかしろ。』
こんな会話があったことなど………………