思いつきヒーローアカデミア   作:柿の種至上主義

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一時感想で死んだなんてこともありましたが、
なんとか生きております。

亀更新かつ不定期更新で申し訳ありませんが、
よろしければ見て行ってください。


第三日  別に敵役チームを倒してしまっても構わんのだろう?

午前中の基本授業、昼の休み時間を終え午後からは各科の専門的な内容の授業が行われ、雄英高等学校の一学年計40名が在籍しているヒーロー科はここからが本番と言うべきであり、一年生が学ぶのは”ヒーロー基礎学”である。

 

 

「わーたーしーがー!普通にドアから来た!!」

 

 

一年A組の記念すべき第一回目の”ヒーロー基礎学”担当講師は、現在のヒーロー社会において知らぬ者はいないと断言できるビッグネーム、№1ヒーローとして名高い’オールマイト’であった。テレビの画面でしか見たことがなかった超有名人の登場に、クラスが色めき立つ。

 

「オールマイトだ!!すげえや 本当に先生やってるんだな!」

銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームだ!」

「画風が違い過ぎて鳥肌が!」

 

各自が思い思いの意見を述べ、誰しもが興奮を隠せないようだ。

 

 

 

『あれ?なんか前あった時よりラオウ感(オーラ)がなくなってるような・・?北斗神拳の腕が鈍ったか』

『もはやどこからツッコめばいいのか、儂にはわからん』

 

 

 

――――――――失礼、若干名の例外がいたようだ。

 

 

♦♦♦

 

”ヒーロー基礎学”

オールマイト曰く、ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う課目。

そんな授業の最初を飾るのは’戦闘訓練’

 

各自が入学前に送った個性届と要望沿って作成された戦闘服(コスチューム)に着替えて一同が集まった場所はグラウンド・βであった。

 

内容は、クジ引きで二人一組を作ったのち「(ヴィラン)組」「ヒーロー組」に分かれて行う屋内での対人戦闘訓練。

 

状況設定はみんなご存じなので、省略する(ハショる)

 

手抜きとか言ってはいけない。設定がアメリカンだとか設定も条件も適当過ぎてあまり意味がないとかも言ってはいけない!

どちらも新人ながら頑張っているのだから!!

 

そんなこんなで始まった授業における生徒たちの意欲は十分なものであったが、それが今ではさらに高まっている。

 

「『頑張れ!』って感じの“デク”だ!」

 

「“個性”使えよデク。全力のテメェをねじ伏せる……!」

 

「君が凄い奴だから勝ちたいんじゃないか! 勝って!超えたいんじゃないか! バカヤロー!」

 

「その(ツラ)やめろやクソナード!」

 

BGMは『サンライズ』でどうぞ

 

最初に行われた「ヒーロー」緑谷&麗日のAチームVS「(ヴィラン)」爆豪&飯田のDチームの対戦は白熱し、接戦であり、切島曰く’アツかった’。一戦目であったことも大きな要因の一つと言えるだろう。誰もが負けていられない、自分だってと奮起しそれぞれの対戦に臨んでいった。

 

 

当然ながら、体内の同居人から”歩く殺人現場の逆Ver.”と称される男もその例に漏れていないことと、九つの尾を持つ超常存在が主の影響を受け始めていることは、最早言うまでもないだろう。

 

 

(ヴィラン)」口田&砂藤のFチームVS「ヒーロー」芦戸&沙漠我愛羅のEチームの対戦

 

爆豪による演習用ビルAの大規模破壊、轟の急速な冷却と加熱による建物の耐久性の不安などの理由から場所は移動し、演習用ビルC。

 

制限時間は十五分、回収目標の核の位置は不明。これまでの演習用ビルの中で最も階層が多くかつ広いビルでありなおのこと「ヒーロー」側が不利な状況でのEチームの動きは他の生徒には不可解な行動に見えた。

 

「?なにやってるんだ、あいつら・・」

「ケロ、芦戸ちゃんが地面に穴を開けているみたいだけど沙漠ちゃんはほとんど動いていないし、どういう作戦なのかしら?」

 

訓練開始前にいくらか話し合った様子はあったが、そこからは余り会話をしていないように見える。地下モニタールームには映像のみで生徒は音声が聞こえないため余計に不思議であった。それに加え、いささか芦戸がソワソワしているように見て取れた。音声が聞ける教師のオールマイトなら何か知っているのではと生徒たちは視線を向けるが、そのオールマイトも何が起こるか分からないでいた。

 

『ねーねー作戦で何か良い案あるー?』

『あるにはある。先程の轟のような個性が相手でも恐らくはこれで勝てるだろうが、どうするかは決めてくれ』

『それにしようよ!!それでどんな作戦?』

『勝利条件は目標の回収か敵の確保だが、本当の核、いやこの場合は核弾頭かそれに類するものを想定すれば捕縛ではなく気絶ないしは完全確保の戦闘不能にするのが望ましい。そのために敵チームの完全打倒だ。これから言うことをやってくれ。驚かせてみせよう』

 

 

作戦伝えてないじゃん、とオールマイトは思ったが芦戸少女も了承しているし注意しずらかった。先の轟少年のワンマンプレーに対する注意点を踏まえて相方に事前相談しているとも言えるため、注意などを躊躇い見ているしかなかったのだ。

ぶっちゃけ初授業もあってチキっただけなのだが。

 

『オッケー!言われた通りにやったよー!』

 

先程の二人のやり取りやそれに対することを考えていたが耳のインカムから聞こえる会話に意識を戻された。時間を見れば制限時間の三分の一を経過している。

 

『感謝する。さて、始めようか・・・』

 

残り時間でどのように攻略するのかと考えを巡らすオールマイト以下モニタールームの全員が急な地震にバランスを崩しかけた。

 

「ッ!!みんな大丈夫かい!?」

 

それぞれ驚きの声をあげ、尻餅をつく者も何人かいたがモニタールーム内の生徒の無事を確認し画面に視線を戻す。場合によっては授業を中止して避難しなければならないかもしれない、そう考えつつ画面の向こう側の生徒を確認し、連絡用のマイクを落としかけた。

 

 

「…………嘘」

 

はたしてそれが誰による呟きだったのかは分からない。モニタールーム内の生徒か、画面の向こうの生徒か、あるいは自分自身がこぼしたものかもしれない。それほどに見たことのない光景だった。

 

 

 

画面に映るのは、芦戸が開けた穴から間欠泉のように周りの建造物の高さをゆうに超えて地面から溢れる砂。

 

 

重力に逆らって上へ上へと昇った砂は、まるで生き物それこそ巨大な蛇か竜のようにうねり演習用ビルCを中心にとぐろを巻き、窓や出入り口、非常出入り口、換気扇から際限なく中へ中へと侵入していく。

 

 

 

ビルの至る所に仕掛けてあるカメラからの映像はまるで建物が水没する際の早送りのように流れ込む砂で埋め尽くされる様子が映し出されている。広く長い廊下も空いていた数十はあった部屋も残さず埋め尽くし、核を置き室内で待ち構えていた人間すら押し流している。

 

異様なのは、回収目標であった核を模した砲弾型の張りぼてのみが全く巻き込まれていないところだろう。敵役の二人はとっくに砂の濁流に呑まれ洗濯機のような回転に意識を手放しているのに対して、核のみが微動だにしていなかった。増強型に限りなく近しいオールマイトを含め、一年A組には特定の物質を操作するような’個性’の持ち主はおらず、だからこそ真の意味で彼の個性操作の異常性には気づけなかったが、それでもなお常軌を逸していると断言できる操作の精密さ。

 

 

砂が動きを止め、水がひいていくように室外へ動いていった後、興奮冷めやらない様子の芦戸と共に悠々と歩いてきた我愛羅は部屋に置いてあった核を芦戸の提案で二人で息を合わせて回収し、

勝負を決めたのだった。

 

「ッ!ヒーローチーム、WIIIIIIIN!!」

 

 

時間にして凡そ7分。最早闘争では無く、掃討ですらない。そんな何かが終了した。

 

一人だけ音声を拾い、周りより早く正気を取り戻したオールマイトの宣言は無音と化していたモニタールームによく木霊していた。

 

 

 




あるヒロアカの二次で、戦闘訓練の内容について個人的にグウの音も出ない完璧な考えがありまして、それを是非とも使いたかったのですがそれは色々と問題があるので断念しました。

よく考えると、入手困難な核(しかも砲弾型)が回収目標で、触れた時点で勝ちって
実戦で想像すると色々とツッコミどころ満載な気がします。しません?

あと戦闘訓練の組み合わせは、何か調べたらスピンオフに描かれているらしいんですがアニメのシーンとの矛盾っぽいところがあり、アニメの方を尊重しました。
何故って?スピンオフだと耳郎ちゃんチームと対戦するからだよ!

あ、我愛羅のコスチュームの描写がありませんが、一応風影初期の恰好です。一般のサイヤ人が着てる戦闘服の肩のヤツもどきが着いてない頃の。
一番最初の服はスキップです。その理由は後々。

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