もう二、三話で終了しそうな襲撃編
何気に悩んでいる今後の雄英体育祭
特に騎馬戦とその後のタイマン勝負
組み合わせで悩むこの頃
何か要望有れば是非ともお願いします。
全て叶えられるかは分かりませんが(オイ
「凄いなぁ、最近の子どもは。あれでまだ学生なんだもんなぁ」
「有象無象を簡単に蹴散らしてその上、先生まで庇うなんてなぁ」
ねっとりと粘つくような、不快感を感じる嗄れた声
今回の雄英襲撃の主犯格の一人、
命令を出した脳無がイレイザーヘッドの頭を、咄嗟に防ごうとした両腕ごと砕こうとした瞬間、隣にいた赤銅色の髪の生徒が脳無を止めようと砂の拳で攻撃し、止められないと判断するやいなや盾を作り出し同時に攻撃対象であったイレイザーヘッドの
「あの一瞬でそれだけやってのけたのはホントにスゲーよ、マジで感心しちゃったよ。でも、
――――それだけじゃ脳無には勝てないんだよなぁ」
与えられた新しいおもちゃを誇らしげに自慢するかのように、死柄木は脳無の力をベラベラとしゃべっていく。
対平和の象徴 怪人”脳無”
衝撃吸収、超再生などの複数の個性をつけられ思考も痛覚も消され、ただ他人の命令を実行するだけの人間と呼べるかも怪しい死柄木曰く「超高性能サンドバック人間」
対オールマイト用に調整され現時点での100%のオールマイトの力に匹敵する脳無の拳は、砂の盾を貫き、後押しを受け加速した後退にすら容易に追いつき防御の腕を小枝を折るかのように砕き、イレイザーヘッドの頭を捉えていた。
「――――――――まずは一人」
確実に頭部を捉え地面のシミに変えていたであろう一撃は、我愛羅の咄嗟のサポートによりイレイザーヘッドの命を奪うには至らなかったが、両腕を砕かれ多少減衰されたとはいえオールマイト級の一撃を人体の急所の一つにもらった彼は、殴り飛ばされた先、我愛羅が展開した砂の中で指の一本すら動いてない。
「■■■■■■■!!」
凡そ人が発するとは思えない、
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《 国立雄英高校 特別施設 "USJ(ウソの災害や事故ルーム)" 山岳ゾーン》
敵連合襲撃の主犯格の一人、黒霧によって分散させられた一年A組の生徒の内、ここには三名が転移させられていた。
「アッブネ!今見えたマジで三途の川見えたわ!!マジで何なんだよ!?どうなってんだよ!?」
自身らを取り囲んでいる敵の攻撃から何とか逃げ続けている男子の名は、
「そういうのは後!!」
手に持つ刃を潰した片手剣擬きを用いて危なげなく敵を撃破する女子は、
「そうですわ!今はこれだけの数を如何に早く無力化するか!」
自らの個性で創造した身の丈ほどある鉄棒による棒術で難なく敵を撃退するのは、
―――――しかし、彼女たちの目的は他にある。
「早くこの場を制圧し、広場へ応援に向かいましょう!!」
「そうこなくっちゃ!!」
「いやおかしいだろ!?何で連戦が確定してんの!?」
上鳴の叫びは、彼女らにとっては愚問に等しい。
『我愛羅の隣に立ちたい』そのために何年も彼女たちは辛い訓練を続けてきたのだから。
「男のくせに弱気なんだから・・もうちょっと我愛羅を見習えっての」
「我愛羅さんを比較対象とするのはあまりに上鳴さんがかわいそうですわ」
「確かに考えてみるとそうだな、すまん上鳴。ウチが言い過ぎた」
「チクショー!フォローされてんのに全く嬉しくねえ!!」
まだそう多くない学校生活の中や、今置かれている戦闘の場など至る所で彼女らが口にする一年A組屈指のイケメン。非リアであり、リア充をクラスメイトの峰田と同様に憎む上鳴は悔しさでやけを起こしそうになっていた。
思い返せば、この前の戦闘訓練においても、件の相手と組めなかったせいか耳郎に露骨にがっかりされ、当の本人は訓練後の反省で八百万に大絶賛されていたのだ。確かに凄かったのは認めないわけにはいかないが、途中から称賛の中に私情が混じっていたのは誰から見ても明らかであった。そのため上鳴が峰田と共に我愛羅を一方的に敵視するのはもはや必然である。
「クソ羨ましいなチクショー!!」
「早く広場に向かいましょう」
「その前に新しい服作れって。・・・・にしても相変わらず発育の暴力・・」
絶縁シートの影も相まって、ライバルとの(何がとは言わない)圧倒的実力差で暗黒面に落ちていきそうな耳郎の姿はショートした上鳴が謎の恐怖を感じる程のものであったが、
完全に余談である。
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「―――――――は?」
死柄木の余裕と嗜虐心に溢れた顔は、一転して困惑のソレへと変化する。
イレイザーヘッドを殴り飛ばした脳無が、全身から血飛沫をあげたのだ。
目を離したわけでもない。しかし、死柄木には何も見えなかった。
目を凝らせば、脳無の全身にはいくつもの裂傷が見えたのだった。
混乱から未だに抜け出せない死柄木の耳に届く、鯉口が鍔と重なるのぶつかる小さな音。
「’超再生’の上に痛覚も無い、確かにそう言ったな」
音の発生源に視線を向けると、刀を携え居合いの構えをとる我愛羅がいた。
「―――ならば、多少斬っても死にはしないだろう?」
そう言い終えるや、我愛羅の腕が僅かにブレ、
脳無の再生が終わるよりもはやく新たな切り傷が脳無の全身に刻まれる。
「───!? っ!? 脳無に一体何しやがった!!?」
先程までの余裕の欠片も感じられない程狼狽えながら死柄木は叫ぶ。
「―――斬った」
そんな敵のことなど知らんとばかりに我愛羅は淡々と事実を伝える。
『バージル鬼兄ちゃんの’次元斬’なめんじゃねえぞ!』
振り抜かれるは常軌を逸した神速の抜刀。軌道を辛うじて捉えることができるかどうか、音を置き去りに無拍子で放たれる斬撃が新しい傷を生み、鮮血が宙を舞った。
Q.山岳エリアで上鳴を人質に取りつつ通信妨害してた敵はどうした?
A.飛ばせれてきてすぐに耳郎ちゃんが発見、撃破しました。
耳郎ちゃん「地面が比較的柔らかかったし、心音が地中にあったらそりゃ気づくって」