思いつきヒーローアカデミア   作:柿の種至上主義

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遅くなりました。

ちゃんと生存してます。

アニメ全部見直しつつ、漫画も読んで目下製作中ですはい。

映画、楽しみです。


想定外

 一般人なら立つことすらままならない暴風が吹き荒れ、直後に鯉口が鍔と重なることで生じる小さな音。そして遅れるように空中に鮮血が舞う。

 

 

 それらが繰り返されること数十度

 

 

「はあ?なんだよ。何なんだよアイツは。チートかよふざけんなよ。脳無だぞ?対平和の象徴のために態々用意した化け物だぞ。いい加減死ねよ。イレイザーヘッドみたいにブッ飛ばされろよ。なんで脳無とやり合ってて脳無が押されてんだよ!」

 

 先程までの余裕が消え、怒りや焦燥、苛立ちを隠そうともせず死柄木は己の首を掻き毟る。既にボロボロとなった肌からは血がにじみ彼の爪を赤く染める。しかしそんなことにも気が付かないほどに死柄木は冷静さを失い、辺りはむせるような血のにおいが立ち込めていた。

 数十度にわたる全身からの裂傷による出血は本来であれば血の池に沈む人間をたやすく作り上げる。しかし度重なる出血による消耗を脳無は欠片も見せず、剛腕から生み出される突風は、つけ入る隙がなく傍観するしかない死柄木や黒霧、水難ゾーンから脱出してきた緑谷たちに濃厚な血のにおいを届けていた。

 

 

「なあ!?オイラ言っただろ。アイツなら俺たちの助っ人なんか必要ねえって!はやく他のみんなと合流して離れようぜ、な?うっぷ」

 

そう言いながら峰田 実は少しでも早くその場から離れようと緑谷たちに呼びかけていた。時折むせ返るような血の臭いを嫌がったのか鼻と口を押さえ、顔を真っ青にしながら。

 

 

「確かに助太刀できる隙もないしその必要もなさそうだけど、僕らが離れたら本当に我愛羅くんは敵の集団の中で孤立してしまう。それだけはダメだと僕は思うよ」

「ケロ、たしかにそうね。いくら我愛羅ちゃんでもそれは流石に厳しいでしょうし、いつでも援護できるようにはしておかなくちゃ」

 

 

それに対する緑谷、蛙吹の回答は峰田の求めるものではなかったが、反論できることでもなかった。その意見への反対はそのまま我愛羅を見捨てることのように峰田は感じたためだ。イケメンで滅茶苦茶強くて、美人のクラスメイトにモテる我愛羅は羨ましくて嫉妬もするけど、そんなことで見捨てるようなカッコ悪いことはやりたくないと心から思ったのだから。

 

「でもこのまま見てるだけなのもいけな・・・・」

「どうしたの?緑谷ちゃん」

 

話がとまった緑谷を不審に思い、彼の視線の先を追った蛙吹が見たものは、

 

 

『先生をたのむ』

 

 

砂で形作られ、自分たちに宛てられた我愛羅からのメッセージだった。

はじかれる様に顔をあげ、今なお続く暴風の発生源へ視線を戻した彼らは、澄んだ青緑の眼とたしかに視線が重なったのを感じた。

視線を暴風の中心から離し周囲に目を向けてみれば、意識のないイレイザーヘッドをのせた砂がヴィランに気取られないようゆっくりと緑谷たちの方に向かってきている。

 

(相澤先生や僕らが人質にでもなれば形勢がいっぺんにひっくり返ってしまう。僕らは、今の僕らにできることをしないといけないんだ・・)

 

レベルの違いをまざまざと見せつけられ、不甲斐なさや悔しさはあれどそれらを噛み締めて緑谷たちは自分たちにできることを把握し、それらに尽力していく。

 

 

 

♦♦♦♦

 

形勢が何度も一瞬で逆転したように、状況が変化したのも一瞬だった。

 

 

もはや何度目かも分からない拳と斬撃の応酬の中で突如として我愛羅が表情を驚愕のソレに変化させ、脳無から距離をとった。その直後、高周波とそれに一瞬遅れて広場の地面が崩れ脳無の足場を奪う。畳みかけるように白い紐状のものがいくつも脳無にからまり全身を覆い、その巨体を即席のミイラのように変えた。

 

「我愛羅さん、助太刀致しますわ!」

「ウチらだってそこそこやれるんだよ!」

 

 

まだ卵である生徒から見れば戦場といっても過言ではないその場に介入した際に放たれた八百万と耳郎のコンビネーションはプロヒーローからも称賛が贈られるであろう一撃だった。

 

耳郎の個性で足場を崩し、八百万がイレイザーヘッドの武器である捕縛布を模倣して作成し拘束。仮に先の戦闘訓練で完璧にきまれば轟でさえ捕縛できたであろうソレは、

 

 

 

 

 

────────こと今回においては相手が悪すぎた。

 

 

 

 

炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ捕縛布は、一振りで気流を発生させるパワーと同等の力の前ではただの布と変わりなく、脳無は全身を覆ったそれを容易く引きちぎることで脱出を果たす。

 

「っ!?そんな!」

「なんて馬鹿力なんだよアイツ!」

 

脳無の異常性に動揺を露わにする彼女たちを置いていくように事態は悪化する。

 

「何をしている!はやく下がッ───────」

「────────────脳無、女を殺れ」

 

 

 

死柄木の出した命令はその時点の彼にとっての最善手であり、我愛羅にとって最も効果的な最悪の一手であった。

 

もっとも、死柄木は少ない彼らの会話から関係を推察した上での命令ではない。ある種の子どもじみた邪魔を排除したかったがための命令だったが、結果的に最大の障害であった我愛羅に大きな痛手を負わせることとなった。

 

 

一帯を揺らす轟音が響く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八百万と耳郎の回収・保護を最優先し、瞬きすら許されなかった刹那の時間の中で動かせた限りの武器()を自身に用いなかった彼は眼前に迫った怪人の圧倒的ともいえる暴力を、その両腕で防ぐほかなかった。

 

これまでの戦闘で回避に徹する他ないと判断した攻撃。

プロヒーローをただの一撃で沈めた暴力。

 

結論から言うならば、我愛羅の判断は全く間違っていなかったのだ。

 

ただ防ぐのではなく限界まで力を受け流そうと構えたその両腕の骨は粉々に砕かれ、怪人の拳に直で触れることとなった左手の前腕は抉られたような形となり半ば千切れかかっている。

吹き飛ばされた時に切ったのか、頭部から出血し腕の重傷の出血もあって血を被ったような見た目となっていた。

 

 

個性による治療も普及した超人社会においても、まず間違いなく集中治療室に直行する必要のある重傷を負ってなお我愛羅は冷静であった。

 

 

『たまげたぁ。大口径の銃くらったみたいになってんじゃん。だがこの傷はあれか?銃剣(バヨネット)出せってことか?なら旦那を出しな!HURRY!!HURRY!!』

 

 

むしろ余裕すらあった。

 

 

 

ただ一つ彼に誤算があったとすれば、

 

その姿が彼の雄姿に勇気づけられた者を、初の戦場での心の支えにしていた者の、そして何よりも、彼を慕う者たちへの衝撃を考慮していなかったことであった・・・・

 

 

 




しばらく執筆から離れるとどんな書き方してたか忘れる(ナニイッテンダコイツ

こうしてプロローグに到着。

なげえ・・

そしてやっとこさ書きたいところの一つに到達
次回でUSJ編終了予定・・・だといいな(殴
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