私の恋の行方   作:猫犬

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水族館デート side善子の千歌視点の話です。


水族館デート side千歌

チカと違ってよーちゃんはなんでもできてしまう。

飛び込みは注目されるくらいの実力。

Aqoursの衣装はみんなに似合ってて、それをそつなく作れてしまう。

海の家の時はよーちゃん特製“ヨキソバ”は大好評と料理上手。

誰に対しても分け隔てなく接せて優しい。

挙げればきりがない。そんなすごいよーちゃんがチカのそばにいつまでもいてくれるかわからない。もしかしたら本当はチカがよーちゃんの重荷になっているんじゃないかと心配になる。

でも、私はよーちゃんのことが好き。だから、よーちゃんのそばに居たい。そんな矛盾した気持ちに挟まれていた。

 

「千歌、私リリーに告白するわ」

「え?」

「リリーと今のままでいたい気持ちもあるけど、この気持ちを秘め続けるのは嫌!だから、私は告白する」

「いいの?フラれるかもしれないんだよ?」

 

そんな中、私と同じように梨子ちゃんに恋している善子ちゃんと相談し合った結果、善子ちゃんは梨子ちゃんに告白することにした。確かにこの曖昧な気持ちを持ち続けるのは辛い。でも、フラれれば今の関係から変わってしまうのに怖くないのかな?

そんな心配があったけど、その答えは善子ちゃんの手が震えている事から分かってしまった。

 

「怖いよね?……うん!私もよーちゃんに気持ちを伝える!いつまでもこんな曖昧な気持ちでいたくない!だから、私も」

 

善子ちゃんはフラれる可能性に怯えながら前に進もうとしている。だからかな?私も前に進まないといけない気がする。いつまでも立ち止まっていちゃいけない。

 

「いいの?千歌だってフラれる可能性があるのに」

「そう思うと怖いよ?でも、このままは嫌だから」

「そう」

 

善子ちゃんは私の事を心配するけど、善子ちゃんだって梨子ちゃんにフラれる可能性がある。

 

「善子ちゃん、準備はいい?」

「もちろんよ。千歌の方こそ、途中で逃げるんじゃないわよ」

 

その結果、私と善子ちゃんはよーちゃんと梨子ちゃんを誘ってみとしーに行くことになった。そして、何処かのタイミングで告白しようということになった。一人だと心配で告白できるか不安だけど、一人じゃないからたぶん大丈夫なはず。

 

「一通り回ってから告白でいいよね?」

「ええ。それでいいと思うわ」

「うぅ、今になってやっぱり不安になってきたー」

「ここまで来たんだからもう開き直りなさいよ」

 

二人が来る前に先に集まったはいいけど、やっぱりこの後告白するとなると不安が募る。善子ちゃんはそう言うけど、不安なものは不安だもん。

そうしているうちによーちゃんと梨子ちゃんが来て、私たちはみとしーのゲートをくぐり中に入った。不安は消えなかったけど、来てしまったからどうにか告白するまでに落ち着かないと。

セイウチやウミガメなどなどを見ながら喋って行く。不安があるからどこか心あらずの感じになっちゃったけど、誰も気にせずみんな進んで行く。

 

「千歌ちゃん、浮かない顔してるけど何かあった?」

 

すると、途中でよーちゃんにそう聞かれた。不安が顔に出ちゃったかも。

 

「ううん、なんでもないよ」

「そっか。悩みがあったら言ってね。てことでレッツゴー」

 

誤魔化すとよーちゃんは私の手を取りグイグイと進みだす。よーちゃんに手を握られたことでドキッとすると同時に、せっかくなら楽しまないとと思った。いつまでも不安な状態じゃダメだよね。

という事で、意識を切り替えると、私は楽しむことにする。

さしあたって、ウツボのゾーンに着いたからしゃがんで水槽の中心にある透明なドームのもとに行く。ここからだとウツボがすごく近くに見えて、まぁそれだけだけど。

 

「わー、結構近いよね」

「わっ!」

 

すると、よーちゃんもしゃがんでやって来て、目と鼻の先によーちゃんの顔が迫る。こんなにも近くで、さらにしゃがんでて狭いから離れることもできず、私の心臓がバクバクと鳴る。

うぅ、千歌はこんなにドキドキしてるのによーちゃんは涼しい顔をしていて、なんだか悔しい。というか、やっぱり私はそういう風には見られてないのかな?

 

「よーちゃん、なんだか近くない?」

「そう?いつも通りだよ?」

 

言っても、よーちゃんにとってはいつもの幼馴染の距離でしかなく、やっぱりそう言うことらしかった。そうなると、やっぱり告白するのが不安になって来る。こんな状態じゃフラれちゃう。

 

「あれ?善子ちゃんと梨子ちゃんは?」

「さぁ?先行ったのかな?」

 

通路に出ると、そう言えばいつの間にか二人の姿が無くなっていて、たぶん二人は先を進んだだけだと思う。

そう言う訳で、私はよーちゃんの腕を取るとそのまま手を引く。

さっきの感じだと、よーちゃんには意識してもらわないとね!もう、不安がってても埒があかないからここからはチカのターンだよ!

 

「あっ、こんなところに居たー」

「千歌ちゃーん」

 

だから、ここからはグイグイ行くことにして、早速クラゲ水槽のあるクラゲ万華鏡水槽の中に入る。すると、そこにはいなくなっていた二人の姿があった。なんでか二人とも頬を赤らめていた。

何してたんだろ?

まさか告白してた!?

 

 

~☆~

 

 

「善子ちゃん。そろそろだね」

「ええ。もうじき見終わるし、決行ね」

 

その後、カワウソを見たり、ショースタジアムでアシカ、トド、イルカのショーを見たり、ペンギン、フラミンゴを見ながら歩き、二人から少し離れて善子ちゃんに声をかけた。

 

「できそう?」

「ええ。今日一緒に居てやっぱり好きだなぁって思った。だから」

「そっか。私も」

 

今日一緒に回って、やっぱり私はよーちゃんのことが好きなのだと改めて思った。よーちゃんと一緒に居たい。よーちゃんと二人きりで出かけたい。

善子ちゃんも同じみたいで、だからこそ予定通り決行することになった。

時間が時間だから、そろそろお昼を食べようと提案されるけど、私たちとしてはもう気持ちを伝えたかった。

 

「そうね……ねぇ、その前に一つお願いがあるんだけど」

「よーちゃん、ちょっとついて来て」

「リリー、話があるの」

「ん?うん」

「話?」

 

だから、私はよーちゃんに、善子ちゃんは梨子ちゃんにそう言って、私たちは分かれる。

私はイルカのモニュメントの前まで行くとそこで足を止める。

今日の天気は雲一つない晴れで、駿河湾の向こうには淡島と富士山がくっきりと見える。海と富士山が綺麗に見えるここからの景色が好き。好きなこの景色を見たからか気持ちが落ち着き、私はよーちゃんに告白する決心をする。

 

「よーちゃん。チカね。よーちゃんのことが好き。だから、チカと付き合ってください!」

「え?」

「いきなりで驚くよね。飛び込みをするよーちゃんが、好きな制服を見てはしゃぐよーちゃんがチカには輝いて見えて、そんなよーちゃんに心奪われてた。最初はチカもよーちゃんみたいに輝きたいって憧れてた。でもね、いつからかキラキラしてるよーちゃんを見てると憧れと一緒にドキドキする気持ちがあった。飛び込みが成功するよーちゃん、制服を見るよーちゃんの笑顔に惹かれてたの」

「そうだったんだ」

「うん。それにね。よーちゃんは何も誇れるようなものがないチカにも優しくしてくれて、一緒に居るだけで気持ちがポカポカしてたの。だから、もう一度言うけど、こんなチカだけど付き合ってください!」

 

私の告白によーちゃんは戸惑っていた。まぁ、いきなり告白されたらそうなるか。だから、よーちゃんが落ち着くのを、千歌の告白に対する返事を待つ。

 

「千歌ちゃん、告白してくれてありがとう……私も千歌ちゃんのことが好き。だから、こちらこそ私と付き合ってください!」

「ふぇ!?でも、さっきあんなに近づいたのに涼しい顔してなかった?」

「あー、あれでも心臓はバクバクだったよ。千歌ちゃんのそばに行きたくて頑張っただけで」

「よーちゃん!」

 

まさか、よーちゃんがチカの事を好きだったと正直自信がなかったけどそう言ってくれて驚いてしまった。好きと言われて、あまりの嬉しさによーちゃんに抱きつく。それに、ドキドキしてたんだ。

 

「千歌ちゃんは何も誇れるものがないって思ってるけど、そんなこと無いよ。千歌ちゃんには人を引き付ける力がある。人を元気にさせる力がある。飛び込みで成功した時自分の事のように喜んでくれたから、だから私は千歌ちゃんを笑顔にさせたくて頑張った。千歌ちゃんの笑顔があったから、飛び込みであそこまで頑張れた」

「そうだったんだ」

「うん。それにね。衣装作りだって、千歌ちゃんが私の作った衣装を着てキラキラ輝くのが見たいから頑張っちゃったんだよ」

「え、そうだったの?てっきり、制服が好きだからその流れだとばかり」

「あはは。まぁ、そう思われちゃうよね……でもね、私の原動力は全部千歌ちゃんだったの。それくらい大好きなの!愛してる!」

 

よーちゃんに愛してると言われて胸がドクンと鳴る。抱きついてるから、たぶん私の胸の音はよーちゃんに聴こえてると思う。でも、よーちゃんのドキドキしてる音も聞こえてくるからおあいこかな?

 

「千歌ちゃんは私の事愛してくれてる?」

「うん!大好き!愛してる!」

「そっか。私たち両想いだったんだね」

「うん、そうみたい。よーちゃん、わたしたちこれからは付き合えるんだよね?」

「もちろん!絶対に離さないであります!」

 

よーちゃんと付き合える。そのことがうれしくて、腕に力がこもる。

 

「千歌ちゃん」

「ん?」

チュ

 

よーちゃんに名前を呼ばれて反応すると、私の唇を塞ぐようにキスされた。触れるだけの短いキスだけど、初めてのキスであり、大好きなよーちゃんからだから、驚きの余り目を見開いた。

 

「よーちゃん!?」

「千歌ちゃんが可愛くて、キスしちゃった。付き合ったんだからいいよね?」

 

よーちゃんは悪戯っぽい笑みを浮かべる。付き合ったからキスするんだったら!

 

チュ

「……ッ!」

 

笑みを浮かべるよーちゃんの唇にキスをする。反撃だよ!恥ずかしくてすぐ離しちゃったけど……。

いきなりの反撃によーちゃんは驚いた表情をしていた。そんな表情が可愛くて、もう一度キスをする。

 

「付き合いだしたんだからいいんだよね?」

 

よーちゃんに向けて悪戯っぽい笑みをする。よーちゃんが先にして、そう言ったんだから問題ないよね?

 

「千歌ちゃん……うん」

 

よーちゃんは困った顔をするけど、すぐに笑顔になる。それにつられて私も笑顔を作る。

 

「よーちゃん、これからもよろしくね!」

「千歌ちゃん、よろしくね!」

 

私たちはそう言って手を握ると、善子ちゃんたちを探しに行くことにした。このまま二人きりもいいけど、流石に放置はダメだよね?

 

告白するまではずっと不安だった。よーちゃんと付き合えるようになって、夢なんじゃないかと思えてしまう。でも、唇に残る感覚が現実だと実感させてくれる。よーちゃんと握った手の感覚、温かさが夢じゃないと認識させてくれる。

 

「よーちゃん、大好きだよ!」

 

私は今、すごく幸せだよ!

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