またまた短編なり……平日はキツイよォ(゚´ω`゚)
今回のは昨日と同じくかつて2話だけ投稿してたヒロアカの小説の1話目です。
これも書き直したいなぁ……。
コンクリートで出来た地下室。
血の匂い。
原型を留めていない死体。
試験管に入った血。
そして、両手両足を鎖に繋がれた血塗れの少女とその傍に立つ狂気に満ちた凶相を浮かべる青年。
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「うわああぁぁぁぁぁぁッ!」
少年——
「はあッ、はあッ、はあ〜」
黒牙は息を整えつつ、汗を拭う。
(あの夢見たの久しぶりだな)
とりあえず汗を流そうと黒牙は着替えを持って脱衣所へ向かった。
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中国の軽慶市での「発光する赤児」の報道以来世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力〝個性〟を持つに至った超人社会である。〝個性〟を悪用する敵(ヴィラン)を〝個性〟を発揮して取り締まるヒーローは人々に讃えられていた。
黒牙はそのヒーローへなるために偉大なヒーローを多数輩出してきた偏差値79の国立雄英高校の難関ヒーロー科へ推薦入学で入学した。そして、今日がその初日である。
風呂から上がった黒牙は朝食の準備を始める。彼はとある事情で一人暮らしをしているので自分で作るか、外で買わなければならない。
一人暮らしのおかげでそこそこ料理が出来る彼は調理を始める。
パパッと作った朝食を食べつつ、荷物の確認をする。
(初日から忘れ物したら幸先悪いからな)
忘れ物がないことを確認し、朝食を食べ終わったら、後片付けをし、玄関へ行き靴を履いた。
「……行ってきます」
その言葉は誰もいない家で虚しく宙に消えた。
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「少し早かったか」
誰もいない廊下で黒牙は呟く。異形系の個性の人のためか校舎が全体的に広い。
「あった。1ーA。……扉もデカイな」
そう言いながら黒牙は1ーAと書かれた扉を開けた。
「流石にまだ誰も……あ?」
誰もいないと思っていた黒牙の言葉は教室にいた1人に切れた。
黒牙は思わず固まった。なぜならその生徒はつばの大きい黒いハット帽を被り、黒いマントで口元から下を全て覆っている。
「……あー、おはよう」
気まずげに黒牙が挨拶をすると、
「……おはよう」
と、高く澄んだ声が返ってきた。声から察するに女の子らしいと判断した黒牙はただでさえ知らない人と2人きりなのに「女子と2人きりっ」とさらに緊張した。
「えっと、闇影黒牙だよろしく」
とりあえず自己紹介だと思い、少女に近寄ると手を差し出しながら言った。言ってから「あ、馴れ馴れしかったかな? いきなり握手はあれか⁉︎」と心の中で若干テンパる。
しかし幸い少女は、
「……
と言って、握手も返してくれた。その手は白く、きめ細やかで手触りも良かった。それにより僅かに照れた黒牙だが、それを誤魔化すべく話題を変えた。
「しかし、随分と早いんだな。俺が言うのもなんだが」
「私の個性のおかげで私はあまり寝なくていいの。だから早く来たんだけど早すぎたみたいで暇してたの。だから話相手が出来て嬉しいわ」
「寝なくていい個性か。そりゃすごいな。その服装も個性の関係か?」
「ええ、直射日光に当たると弱体化しちゃうの」
「そりゃ難儀だな。窓からの光なら大丈夫なのか?」
「弱体化はしないけど気分は悪くなるわね。あまり当たりたくはないわ」
「へぇ〜」
それから2人は他のクラスメートが来るまで雑談をしていた。
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それからちょこちょことクラスメートもやってきたので雑談を辞めにして席に着き、クラスメートが揃うのを待つ。
暇すぎて黒牙が寝てしまいそうになっていると、
「机に足をかけるな! 雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか⁉︎」
「思わねぇよ! テメェ、どこ中だよ端役が!」
ザ・学級委員長といった感じのメガネ君がザ・不良といった感じのトゲトゲ頭が言い合いを始めた。
「ボ……俺は私立聡明中学出身。飯田天哉だ」
「聡明〜〜〜⁉︎くそエリートじゃねぇか。ぶっ殺し甲斐がありそうだな」
(口悪りぃな)
そう思いながらもしかし、止める気などかけらも無い黒牙はボーッとそれを眺めていると、1人の男子生徒が入ってきた。メガネ君がそれに気づくと顔見知りのようで話し始めた。
「友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」
突然、扉の外から声がした。そちらを見ると、寝袋に入ったボサボサ頭の男性がいた。
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠けるね」
そう言いながら出てきた男性はイレイザーヘッドだ。あまりメディアには出ないので知名度は低いが、黒牙はお世話になったことが何度かあるのでよく知っている。
「担任の相澤消太だ。よろしくね。早速だが、体操着コレ着てグラウンドに出ろ」
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「「「個性把握テスト⁉︎」」」
相澤先生の言う通り、グラウンドへ出た黒牙達1ーAの生徒は相澤先生から個性把握テストなるものをやると聞かされた。
「入学式は⁉︎ガイダンスは⁉︎」
1人の女子生徒——麗日お茶子が相澤先生に詰め寄る。
「ヒーローになるならそんな悠長な行事では時間ないよ。雄英は〝自由〟な校風が売り文句。そしてそれは〝先生側〟もまた然り」
麗日の言葉を一脚した相澤先生の言葉に全員唖然とする。
「お前らも中学の頃からやってるだろ? 〝個性〟禁止の体力テスト。それを〝個性〟を使ってやってもらう。爆豪試しに〝個性〟ありで投げてみろ……思いっきりな」
相澤先生はメガネ君と言い合いをしていたトゲトゲ頭——爆豪にソフトボールを投げ渡し言った。
「んじゃまぁ……死ねぇ!!!」
個性的な掛け声で爆豪が投げたボールは凄まじい勢いで飛んでいく。
「まず自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
そう言いながら相澤先生が見せた端末には「705.2m」とあった。
「なんだこれすげー面白そう!」
「705mってマジかよ」
「〝個性〟思いっきり使えるんだ‼︎流石ヒーロー科」
生徒たちのテンションは上がっていく。黒牙も、
(面白そうだな。個性を数値化なんてしたことないから楽しみだ)
とワクワクしていたのだが、
「面・白・そ・う・……か。ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
相澤先生のその一言のこれまでにない迫力に生徒たちが一斉に黙る。
「よし……トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう」
「「「はあああ⁉︎」」」
続いた相澤先生の言葉に生徒たちが叫ぶ。
「生徒の如何は先生おれたちの〝自由〟……ようこそこれが雄英高校ヒーロー科だ」
主人公の個性は七つの大罪の魔神の闇の魔力です。