ヒッドイ毎日更新やな
「あのクソ女神ぃ。次会ったらほっぺ千切れるまで引っ張ってやる」
俺は草地の上に寝転びながら心に固く決意し、足で反動をつけて立ち上がる。
まず体の確認をする。霊骸でボロボロだった体は完全に綺麗になっている。
次に周りを見渡すとどうやら森の中のようだ。木漏れ日が眩しい。
ノゲノラゼロのように世紀末な世界ではないことにひとまず胸を撫で下ろし、ここが何の世界かを確かめよう。
と思い歩き出そうとして、ふと気が付いた。
あれ?俺が知らない世界ってこともありえるのか?
前回の世界ではすぐに何の世界か知ることが出来た——というより思い知らされたので完全に失念していた。
あのクソ女神には行く世界についてはメリオダスが世界観に合わない世界はやめろと言っていただけで俺の知っている世界にしろとは言っていなかった。
勿論俺も見ていないアニメは沢山ある。その中のどれかだったら転生者としてのアドバンテージが減る。
「けど、ま、いっか」
考えてもしょうがないとにかく人に会えば多分わかるだろう。
というわけで俺は森を抜ける為歩き出す。時々動物を見かけたが至って普通の動物達だった。
しばらく歩いていると急に寒くなってきた。
魔法か何かだろうと当たりを付け、さらに歩を進める。
すると、2人の少女と思われる話し声が聞こえてきた。
「きゃははは!やっぱりあたいってばさいきょーね!」
「チルノちゃん、可愛そうだよ!」
その声に俺は立ち止まり引き返すことを検討し始めた。
理由はこの世界が何かわかったのとこの先にいる2名に——というより片方にあまり関わりたくないからだ。
しかし、俺は意を決して進んだ。
少し歩くと森の中にあるちょっとした池みたいなところへ出た。
そこには氷漬けのカエルとその前で騒ぐ水色髪のつららのような氷の羽根を持つ少女と緑髪の昆虫のような羽根を持つ少女がいた。
それを見て俺は確信した。
この世界は東方projectだな、と。
東方projectとは弾幕シューティングゲームが原作であり、多数の二次創作が生み出されており、東方projectのキャラを元にしたゆっくりが実況する『ゆっくり実況』はニコニコ動画やYouTubeで大人気である。
世界観としては主に幻想郷と呼ばれる一地方で『異変』と呼ばれる怪事件や怪現象が発生し、主人公である博麗霊夢や霧雨魔理沙などの登場人物が『異変』を解決するというものだ。
そしてなんとこの世界……登場人物の大多数が女性なのだ。キャラ総数は現時点で100を超えている。その殆どが女性なのだ。
その為多種多様な属性が揃っている。
巫女っ娘、魔女っ娘、ケモ耳っ娘、吸血っ娘、鬼っ娘などだけでなく髪の色、長さの種類も多く、巨乳貧乳と胸の大きさも選り取りみどり。
東方projectのキャラを全て見れば必ずお気に入りキャラが見つけられることだろう。
世界観的には、まあちょっと怖い人はいるけど平和だなといった感じだ。というよりノゲノラゼロが酷すぎた。
ちなみに俺は原作をやったことがない。
「ん?なんだお前!見ない顔だな!あたいと勝負しろ!」
今、俺に気づき、指をさしながら叫んでいる水色髪はチルノ。バカバカと言われる⑨だ。
「チルノちゃん、初対面の人に失礼だよ!」
その⑨の近くにいる緑髪は大妖精。チルノの友達だ。
俺が引き返すことを検討した理由はチルノがバカだからだ。多分まともに会話が成り立たない。
「あ〜、とりあえずここはどこか聞いていいかな?」
「ここはあたいと大ちゃんの遊び場だ!いいから勝負しろ!」
俺ははあ、とため息を吐き、
「いいぜ。その代わり俺が勝ったら話を聞いてくれよ?」
「よし、勝負だー!」
チルノが騒いでいると大妖精がこちらへ飛んで来て、
「ごめんなさい。チルノちゃん話を聞かなくて……」
「いいよいいよ。その代わりちゃんと話を聞いてくれよ」
「はい」
大妖精が頷くのを見て俺はチルノへ向かって歩き出す。
「くらえー、『氷符「アイシクルホール」』ッ」
チルノは飛び上がり、両手を広げ、そう叫ぶと両手のひらから無数の氷が出てくる。
東方projectのキャラには「程度の能力」というものがありそれぞれの固有の能力である。
チルノは氷の妖精であり、「程度の能力」は『冷気を操る程度の能力』である。
この辺りが寒いのも、カエルが凍っているのもチルノの仕業である。
俺は目の前まで迫る氷の弾幕を見ても慌てない。ジブリールやガブリエルの弾幕に比べれば、一発一発の威力が低すぎる。
そう思うと本当にこの世界は平和だなと思いながら背中の神器『魔剣 ロストヴェイン』を抜き、それを振り下ろす。
「『
するとチルノが放った弾幕が倍以上の威力になりチルノへ跳ね返った。
「うわああぁぁぁぁ!」
チルノは避けきれずそれをくらった。
「チルノちゃん⁉︎」
大妖精は倒れたチルノへ駆け寄る。
俺もロストヴェインを鞘に収めながらチルノへ歩み寄る。
「さてさてさーて。俺の勝ちでいいよな?」
「お前強いなー!よし!あたいのライバルにしてあげる!」
「お、おう。それはともかく話を聞いてくれるかな?」
「……?なんのことだ?」
「チルノちゃん……」
「はあ……」
俺と大妖精は揃って呆れる。
「やはりバカか……」
俺の呟きにチルノは反応する。
「む〜!あたいバカじゃないぞ!」
俺はその言葉に1つ思いつき、
「……なあ、こんな言葉を知っているか。バカと天才は紙一重ってな」
「……?どういう意味だ?」
「バカと天才は殆ど同じという意味だ。つまりなバカって言葉は実は褒め言葉なんだよ」
「そうなのか!」
「ああ、これで1つ賢くなったな」
「うん!あたいはバカだ!」
そう叫ぶチルノを見ながら俺はほくそ笑む。俺は勘違いをしていた。こいつ……ちょれぇ。
「ま、それは置いといて話を聞いてくれるか?」
チルノを見ながら顔を引きつらせている大妖精へ話をかける。
「え、あ、はい。その前に私は大妖精でこっちはチルノちゃんです」
「よろしくな!ライバル!」
「あ、ああ。よろしく。俺はメリオダスだ」
「姓は無いんですか?」
その言葉に俺は少し考え、答える。
「ドーラ……メリオダス・ドーラだ。にしし」
俺の言葉を聞いた後、チルノは立ち上がり、
「よ〜しメリオダス!もう一度勝負だ!」
「だから、話を聞けって……」
俺と大妖精は揃って肩を落とした……
また書きたいなとは思う。