本編についての話としては、手持ちとその周辺ストーリーが固まってきたので、後はメインストーリーの構想を頑張ります。時間は掛かりますが、どうか最後までお付き合いいただければ幸いです。
ではどうぞ。
ハクタイの森は、森らしく虫ポケモンが結構多い。ケムッソも居るし、マユルドやカラサリスも。他にはスボミーやビッパ、ミミロルなんかも居る。涼しいという事もあり、それらのポケモンを図鑑に登録していたらすっかり夕方になってしまった。《同行者》であるモミさんも居るのに、あちこち寄り道してしまって申し訳ない。
「ごめんなさいモミさん、お時間取らせてしまって……」
「いえいえ、ナナカマド博士のお手伝いなんでしょう? 私は連れて行って貰ってるだけだから、気にしないでください」
モミさん普通に優しい。30分もあれば抜けられる森を、かれこれ2時間も居座ってたのにニコニコしている。
そう言えば途中サイキッカーズや虫取りに来た男の子達とバトルをしたけど、モミさんはバトルは不得意らしい。ダブルバトルだからというのもあるかもしれないけど、そもそもラッキーは耐えつつ回復するのが真骨頂なので、ある意味仕方無いと言える。
「あっ、出口! 良かった、ここまで来れた……あの、ありがとうございます。それで、……もし良かったら、これ使ってください。鈴の音で癒されて、懐いてくれますよ」
「わぁ、ありがとうございます! 大切にします!」
《癒しの鈴》はその名の通り(そしてモミさんが説明した通り)、ポケモンに聞かせると癒されるのだ。傷が治る訳ではないけど、精神的にはかなり楽になる。だから懐いてくれる。って、どっかの学者さんが言ってた。
お礼にお礼で返して、先にハクタイの森を出たモミさんを見送り、ふと左を見た。すると、ながーい、ながーい……ベロが。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ケケケッ♪」
ゴース、ゴーストの舌に舐められると魂を吸い取られるという言い伝えがある。本当かどうかは定かではないが、少なくとも試してほしくはない。
そんな事を思い出したのも後の話。今はただ、全力で走った。ちょっとここ最近無いレベルで。だからだろう、そのまま道を踏み外して池に落ちた。
「がぼごぼごぼごぼ……ぶはっ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「おーい坊主、大丈夫かぁー?」
「は……はーい!」
釣り人のおじさんが竿を寄越してくれたので、それに掴まって岸へ戻る。水を吸ってしまった服は重く、出るのにも一苦労だ。
「どうしたんでぇ、こんなとこで。森に幽霊でも出たか?」
「はい、大体そんな感じです……ゴースに舐められそうになって、慌てて走って……」
「ボチャン、か。いやー災難だったなぁ、はっはっは」
服と鞄とその中身は乾かしている為、おじさんが持っていた寝袋を使わせてもらっている。少し暑いが、何も着てないよりマシだ。何より、シンオウ地方は夏でも夜は冷える。ありがたや。
「今俺のポケモンが乾かしてる所だからよ、乾いたらちゃんとした所で寝ろよ?なぁに、俺はこの辺の《ヌシ》ってやつを釣りてぇだけさ」
「あ、ありがとうございます……《ヌシ》って何です?」
「おぉそうか、そんじゃ話してやる。──まず、シンオウ地方にゃ色んな池やら川やら海があんだろ?《ヌシ》ってのはな、その1つ1つに居る……そうさなぁ、一番デカくて一番つえーポケモンの事を言うのさ。ここいらだと、ナマズンやギャラドスが出るって噂だが……外国じゃ、ハクリューやカイリューなんか出るって噂だぜ」
「へぇ……おじさんは、そんな《ヌシ》を釣って回ってるんですか?」
「ん、さしずめそんなとこだな。……お、ちょうど服が乾いたみてぇだ。ちゃんとパンツも乾いてんぜ、心配すんな」
「あはは……そこの木陰で着替えます」
豪快に笑って釣り糸を垂らしているおじさんが世界的に有名な人だと知ったのは、また後の話。
因みに、おじさんが連れていたポケモンはオニゴーリだった。水分を凍らせて、あとはそれを落とすだけだったから凄く簡単だったよ。冷たいけど。
―*―*―*―*―*―*―*
ハクタイシティ ハクタイの森方面出入り口
「おっ、来た来た。少年、ちょっといいかな」
「……へ? シ……シロナさん!?」
「ああ待った待った、怪しい者じゃない──って、あれ? おーい? 少年?」
シロナさんは、シンオウ地方でポケモンバトルをしている者なら誰もが1度は憧れた(と思う)存在──ポケモンリーグのチャンピオン。圧倒的な強さ、そしてその美貌から、ファンクラブが出来る程の知名度と人気を誇っている人物だ。
そんな人が、僕に用事? 明日シンオウ地方は滅びるのだろうか。いや滅びてほしくないけど。
「……実は、このタマゴを預かってほしくて。このタマゴから産まれるポケモンに、広い世界を見せてほしいんだ」
「そ、それは分かりましたけど……でも、なんで僕に?」
「ふふ……それ、ポケモン図鑑でしょ?」
「え?あ、はい」
「実は、私もね……」
シロナさんは色々な事を話してくれた。
自分も昔、図鑑を埋める旅に出ていた事。その先で、タマゴの中に居るポケモン(正確にはその親)に出会った事。そして──僕の父さんに、会っていた事。他にも沢山、出会いと別れの話をしてくれた。
個人的には父さんの話が一番気になるが、「今はまだ話す時じゃない」と断られてしまった。
「そんながっかりしない、いつかきっと会えるから。……でも、そっか……タケヒコさんの息子さんかぁ……私、負けちゃうかも」
「い、いやいやそんな。勿論チャンピオンは目指してますけど……でも、正直今は勝てそうにないです」
「大丈夫、次のリーグは4月だよ。今7月だから、あと9ヶ月もある。勿論、それだけの期間で簡単に負けたくはないけど……コウキ君。キミなら、リーグに出られる気がする。応援してるよ」
ポン、と肩を叩かれ、そのまま手を振って去っていくシロナさんを呆然と眺めていて──不意に、ある事を忘れていた事を思い出した。
「あっ、あの!」
「ん? どうかした?」
「……握手、してもらっていいですか」
「──ぷっ、あははは……」
そこ、笑わない。僕だって、一応はファンなのだ。バトル的な方だけど。
「うん、勿論。いつか、キミと戦える事を願って」
「必ず、ポケモンリーグに出場します」
それじゃあね、と笑顔で残し、チャンピオンは白いポケモン──トゲキッス、というらしい──に乗って去っていった。
……おや?後ろから誰かが走ってくる音が聞こえr
「おいこらコウキぃ!」
「どわったたたた、っと……ジュン!」
「どーしたもこーしたもあるか! お前だけシロナさんと話しやがって! くぅー、俺も色んな話聞きたかったのによぉ!」
「わ、悪かったって……って、もうバッジは貰ったの? ナタネさんだから苦戦したでしょ」
「ふっふっふっ、俺を甘く見るなよ? 見事、バッジは貰ったぜ!」
「おぉっ、さっすがぁ! ……と言っても、タイプ相性的には簡単に勝てるんだろうけど……それでも、
ハクタイシティのジムリーダーであるナタネさんは、草タイプの使い手。ペンタローは水タイプなので、ムクタローが居るとはいえ厳しい戦いだっただろう。それで勝利を収めたのだから、やっぱりジュンは強い。……リーグでは、ジュンとも戦う事になるんだろうか。
「おっ、そうだ。この先にさ……えーと、あれ見えるか?あの石像」
「……どれ? 見えないや」
「こっち来いこっち。ほら、あれだ」
「……………あー!あれか、あれがどうしたの?」
「それがさ、なんかスッゲーのが書いてあったらしいんだよ。それを解読したってじーさんが居てさ、お前も一緒なら見せてくれると思ってさ!」
「うーん……そんなに上手く、わ、ちょっ、押さないでよ!」
なんだかんだで久々に会ったからだろうか、ジュンのテンションが上がり気味だ。……ま、楽しそうだしいいかな。他人に迷惑掛けた事は無いし。僕は色々巻き込まれてるけど。
「着いた着いた、おーい、じいさ……ん? ……誰だ、あれ」
「え? あの人じゃないの?」
「……ああ。少なくとも、あんなにツンツンした髪じゃなかった」
ここからだと影になって見えないけど、灰色のスーツらしき服を着ていて、背中にGの文字があるのは見えた。
────ギンガ団!
「待て、コウキ。俺は、お前が昔、ポケモンがギンガ団に酷い事をされてたのを見たって事も知ってる。だけど、今は……抑えるんだ」
「……分かった」
こういう時は冷静なんだからなぁこいつ。……今の会話は、間違いなく聞こえているだろうなぁ。
なんて思っていたら、目の前にギンガ団の……確か、名前は──
「失礼、どいてもらおう」
思い出す前に声を掛けられたせいで、結局分からなかった。でも、必ずどこかで見ている……筈。
「あっ! なぁなぁ、俺今ぶつかった時スッゲーの思いついたんだよ! 最強トレーナーになる方法!」
「えっ!? どんなのどんなの!?」
「
「……あのねぇジュン、それが出来てたら苦労しないでしょ……」
「そんな事言うなよなぁ、夢の無い奴め」
「むっ……夢ならあるもんね、リーグ優勝っていう!」
「いーや、優勝は俺だ! いいぜ、ならポケモンバトルで勝負だ!」
「望む所だ、行くよカグツチ!」
「ムクタロー、行けっ!」
「ヒッコァ!」 「ピュルルピィ!」
「──《ひのこ》!」「《つばさでうつ》!」
街中で始めた為見物人が集まってきたが、怪我をしないように注意してもらいたい。割と近くで見てる人多いからなぁ……。
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何気なく見ていた、もう見慣れた風景。フタバともコトブキとも違うそれは、都会感があって、田舎のような落ち着きもあった。
そんな中、チャンピオンがハクタイの森方面に向かっていった。私はバトルをそんなにしないから、見た目と名前だけ知っているようなものだったけど、多分
「……ふふっ。ジュンもコウキも、元気かなぁ……」
2人が、ポケモン図鑑完成の為の旅に出たのは知っている。ここにはジムもあるので、必ず立ち寄る筈。
「いっつも、無茶するんだから……ね、ピクちゃん」
「ピ?」
ベランダの手すりに寄りかかり、かなり熱かった為にすぐ離れる。少し涙目になりつつ、長い付き合いになるピッピのピクちゃんと一緒に部屋に戻──った矢先、街が騒がしくなった。急いで冷蔵庫から麦茶を取り出して飲み、窓を開けて街を見下ろした。すると、ポケモン像──確か、シンオウ地方を創ったとされている──の辺りに人だかりが出来ている。
「誰なんだろ……気になるね、ピクちゃん」
「ピッピィ」
幸い、今日はお母さんが居ない。家の鍵を持って、ピクちゃんとその人だかりへ行くことにした。
アイリ初登場です、拍手!
はい、そんな訳でですね。ちゃんと4000文字書こうとするとかなり(時間が)長くなる事が分かりました。
ではまた次回。出来るだけ早めに投稿しますね()