のんびり巡ろうシンオウ地方(仮)   作:ユキノス

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こんばんは、そして例の如くお久しぶりです。3ヶ月半……ひでぇもんだ。

最近前書きは挨拶以外書いてないのですが、今回は書かせていただきます。
なんと、進路が決まりました!ヤッター!

以上です!(え)


あなたの隣を歩きたい

「コウキ」

「すぅ……」

「コウキ」

「んん……むにゅ……」

「もう……朝だよ、起きて」

 

コウキは元々、そんなに朝早くから起きられる子ではない……というのは、3年前から変わらない。

というのも、眠りにつくのが遅い代わりに、眠ったら中々起きないのだ。布団をひっくり返したりしない限り、安らかな顔で眠りこける。だからこそ、ジュンに『ネッコウキ』なんてあだ名が付けられたわけだが。閑話休題。

 

アイリは、コウキがしっかりと握っている人差し指を離せず、起きているのに布団から出られない状態になってしまった。なので仕方なく──と本人は言い張っている──、コウキの頬をつついて遊ぶことにした。

 

「もちもちで柔らかいねぇ、コウキのほっぺ……」

「んー……んみゅ……」

「おはよー、朝だよー。起きてー」

「ぅ……はょ……」

「うん、おはよ。朝ごはん出来てるって」

「んー……分かった……」

 

……まだ寝ぼけているらしい。首がふらふらと不安定に動いている。

 

「……うりゃっ」

「ふみゃ!? やっ、ちょっとっ、くすぐった……」

「起きろー、起きろー、起きるのだー」

「わ、分かっ、起きた、起きたから、あっ、やめっ、てっ……」

「うむ、よろしい。ぱぱっと着替えて、朝ごはん食べよ?」

「う……うん……じゃあ、後ろ向いてるね」

「うん。……そろそろジュンが不機嫌になりそうだし、コウキも今着替えちゃいなよ。服はここにあるし」

「え? あ、ああ、うん……」

「言っとくけど、こっち見たら罰金100万円ね?」

「わ、分かってるよ」

 

耳まで真っ赤にして後ろを向くコウキが思いの外可愛らしく、もう少しこうしていたかったが、痺れを切らしたジュンが「起きろー、俺もう腹ぺこだぞー」と急かしに来たのでやめた。

 

***

 

「「「ご馳走様でした!」」」

「はい、お粗末さまでした。2人はこれからどうするの?」

「えーと……1度クロガネに戻って、そこからテンガン山を抜けて……」

「ヨスガシティかな。ジムもあるし」

「だね。でも、ここはサイクリングロードだから通れないし……」

「まあ、来た道を戻るしか無いか……。って言っても、かなり長いぞ? 歩いてきたからこそ分かるだろ?」

「うん。だから、まずは……」

「自転車ね。よーし、おばさんに任せなさいっ」

「「……え?」」

「ママ……?」

 

そう言うと、アイリママはいそいそと誰かに電話を掛け始めた。

 

「あ、もしもしじんりきさん?

「もしかして……」

「い、いやいや、自転車って結構良いお値段だった筈だろ? それを奢ってくれ、なんて流石に……」

「確かこの前、最新型自転車の宣伝してくれる方探していらっしゃいましたよね? はい、ピッタリな子が見つかって……あ、いえ3()()お願いできますか? ……本当ですか!? ありがとうございます! はい、では失礼します」

 

がちゃり。

 

「……マジかよ」

「『購入』じゃなくて『宣伝』かぁ……それだったら惜しまないや……」

「ママ凄い! って、3台って事は私のも?」

「勿論。だって2人はもう行っちゃうし、ハクタイでの宣伝役が要るでしょ? 今日の午後3時頃には用意するって言ってたから、それまでこの街を観光しててね」

 

……そう言えば、イッシュに行ったのも完全な独断だった──と、アイリのおばあちゃんが言っていた気がする。行動力の化身とは、この人のことだろう。多分。

 

***

 

「って訳で、今日は私がハクタイを案内するね。と言っても、あんまり無いんだけど……あ、でもテンガン山にちょっとだけ入れるよ。……ちょっとだけ」

「あー、何だっけ……確か崩落か何かで今通れないんだっけ」

「うん。だから今、岩を取り除いてるらしいけど……硬くて砕けないから、まだ時間はかかるみたい」

 

数日前、テンガン山の数ヶ所で謎の崩落が起きたので、一部の道が通れなくなった。通れなくなった原因が、全て『大きく硬い岩が1つ、道を塞いでいる』……というものなので、『謎の』が付いているらしい。

 

「だよねぇ……まあ、何もしないよりは断然良いよ。涼しいだろうし」

「そだね。じゃあ目標、テンガン山!」

「「おー!」」

 

そうして和気あいあいと歩いている3人を、窓から眺める人物がいた。その人物は肩を落とすと、ポツリと呟いた。

 

「地下通路も、あるんだよー……探検キットあげるよー……」

「……オヤジ、そう肩を落とすなよ。いつか彼らも、探検キットに頼る時が来るさ」

 

***

 

「……思ってたより暗いね。カグラ、頼むよ」

「ヒコッ」

 

尻尾の炎を明かりに使わせてもらうと、洞窟の天井が照らされた。そこにいたズバット達が一斉に飛び立ち──

 

「ペンタロー、《バブルこうせん》!」

「カグラ、《ひのこ》!」

「ピクちゃん、《うたう》!」

「「えっ」」

 

ドドドドドドッ! という音を立てて、周辺にいたズバット達がみんな地面に落ちてきた。……今ので起きないって、結構深い眠りなんだなぁ……。

 

「えっ、て何よ! ピクちゃんだって技くらい覚えてるもん!」

「いや、そうじゃなくてですね。アイリさん、もしかしたら、なんですが……」

「あの時《うたう》を使っていたら、もしかしたら連れてかれることはなかったんじゃないかなぁ、と思って……」

「………あっ…………」

「……まあ、あの時僕らみんな混乱してたから仕方ないよ。あの状況で冷静になれるの、結構難しいでしょ」

「うぅー……フォローありがと……」

 

いや待てよ? あの時ってピクちゃんが自分から捕まりに行ったんだよな? ………ピクちゃん、もしやその時わざと使わなかった?

 

「ピ?」

「いや、まさかね……。じゃあ、行ける所まで行こうか」

「「おー!」」

「しーっ、ズバット達が起きちゃう」

「「………(コクッ)」」

 

なんて言ったが、割とすぐに『謎の岩』の辺りまで来てしまった。作業員さん達とポケモンが頑張って取り除く作業をしてるので、離れた所で見ていることに──と、作業員の1人がこちらに気付いた。「おーい!」と手を振りながら、作業を中断してこちらへ駆けてくる。作業員の知り合い……居たかなぁ……? あっ、居た!

 

「やっぱりキミたちだった! こんな所でどうしたんだい?」

「ヒョウタさん! お久しぶりです」

「自転車が用意出来るまで時間潰しに来たんだ。そしたらさ、ズバットがわーって……」

「ああ、ピッピの歌声が聞こえたのはそれが理由だったんだね。そちらのお嬢さんのかな?」

「あっ、はい! アイリっていいます、よろしくお願いします」

「うん、よろしく。そう言えば、もうナタネさんの所には行ったのかい?」

 

その質問をされた瞬間、僕とジュンは顔を見合わせ、にんまりと笑いながらバッジケースを見せた。

 

「おお、フォレストバッジ! おめでとう、次はどこに挑むつもりだい?」

「次は……ヨスガですかね」

「そうだな、ゴーストタイプのジムリーダーだ」

「となると……」

「いや、それだったら……」

「………(ペシッペシッ)」

「痛っ、ちょ、ごめんって。グレッグルみたいに拗ねないでよ、ほら」

 

両手でアイリの頬を挟むと、ぷひゅっ、という音とともに溜まった空気が吐き出された。その様子がおかしくて笑っていたが、何やら言いたいことがあるらしい。

 

「あの、ヒョウタさん。無理に、とは言わないんですけど……」

「うん、なんだい?」

「私に、ジムバトルを挑ませてくださいっ!」

 

えっ。

 

「「えぇぇぇぇ!?」」




進路が決まった以上、多少なりともペースを戻さないとですね。今度はあまりお待たせしたくない……
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