今回もですね、やっていこうと思ってる訳ですけども。ええ。今進んでるのはですね、「旅するって事、家の人に言わないでいいの?行ってきたら?(強制)」の辺りです。3話目でこれってかなり遅いのでは……?分からん……分からんぞぉぉぉ!
ってな訳で、どうぞ。
「たっだいまー!」
「あら、お帰りコウキ」
「お母さん!実はさっき!」
「…とりあえず落ち着きなさい。はい、深呼吸ー……」
「すぅー……はぁー……」
博士にああ言われてからというもの、ずっと興奮しっぱなしだった頭が、深呼吸により鎮まっていくのを何となく感じながら、言いたい事を整理してみる事にした。
「で、ポケモンの件についてはどうだったの?」
「うん、それが許してもらえたんだ!しかも、ポケモン図鑑と一緒にくれたんだよ!」
「あら凄いじゃない、お母さん鼻が高いわー」
「で、あのーその……図鑑を完成させる事を頼まれたんだ。だから……」
「いいのよ、行ってらっしゃい。ただし、念の為マフラーと防寒着を持って、風邪引かない様にね」
「ほんと!?やっ……たー!」
いつの間にかボールから出てきていたガーディと抱き合い、跳ね回りながら喜んでいると、ジュンのお母さんが来た。なんだろう?
「すいませーん、こちらにジュン来てます?」
「あら奥さん!いえ、来てませんけど」
「そう……あの子ったら『ポケモントレーナーになる!』って凄い勢いで飛び出しちゃって……これ渡そうと思ってたのに……」
「あ、なら僕が届けて来ますよ。目的地は一緒なので」
「そう?ごめんねコウキ君、それじゃお願いしていい?多分、コトブキシティに居ると思うの」
「はい、お願いされました」
小包の様な、やや小さめの荷物を渡され、それを背中のリュックにしまう。ガーディをボールに戻し、ベルトに装着。爪先で床を叩いて、「行ってきます!」と言ってドアを開け、駆け出す。
「子供って元気ねえ……」
「そうねえ、人に迷惑掛けなければ良いけど……」
「そこはコウキが、キチンと止めてくれるわよ。あの2人、良いコンビだもの」
「そうね。さて、洗濯物でもしますか……」
―*―*―*―*―*―*―*
「ジュンの奴、もう行っちゃったのか……よーし、僕も負けてられない!」
草むらを最大限避け、段差を飛び越え、最短ルートでマサゴタウンに戻ってくる。すると、ナナカマド博士が待っていた。ジュンと共に。
「あれ、ジュン!こんな所に居たんだ!」
「おーコウキ、おせーぞ!罰金1億円な!」
「んな無茶な……で、そうそう。はいこれ、おばさんからジュンにって」
「なんだこれ……やった、タウンマップ!って2つも要らねーよ!コウキにやる!」
「うーん、多分おばさんはこうなる事を想定してたんじゃないかな?」
「多分な。んでじーさん、話って何だ?」
それまで微動だにせず立っていた博士は、「うむ」とだけ呟き、咳払いを1つした。
「お前達、ポケモンにニックネームを付けたらどうだ?その方が愛着が湧くだろう」
言われてみれば確かに、どのバトル中継に出ていたトレーナーも、必ずニックネームを付けていた気がする。ジュンは分からないが、僕はいくつか候補がある為頷く。
「うむ。では、どちらに付けるのだ?」
「両方です。ガーディは『ホムラ』、このサルは……」
「ヒコザル、だ。そのポケモンはヒコザルという」
「あ、そうだったんですか……ヒコザルは『カグツチ』にしようかと」
「うむ、良い名ではないか。ジュン、お前はどうする?」
「うーんとえーと、俺は……よし、決めた!お前の名前は『ペンタロー』だ、ポッチャマ!」
「ポチャマ!」
それを聞いた博士は大きく頷き、道を開けた。
「引き止めてしまい悪かったな。さあ、ヒカリにトレーナーとしての基礎を教わってこい。千里の道も一歩から、だ」
「はい、ありがとうございました!」
「あんがとなじーさん!この恩は返すぜ!」
僕らを見送った博士は、また研究所へと入っていった。
―*―*―*―*―*―*―*
「うーん、2人の声こっちまで聞こえてたよー」
「えー、まさかそんな訳」
「そーそー、俺たちの声がそんな遠くまで響く訳ねーだろ!」
「えと、響く、と言うよりよく通るんだよ……」
……ヒカリ、なんかごめん。いやほんとは周辺に住んでる人に謝るべきなんだろうけど。そして口に出すべきなんだろうけど。でもまあ、とりあえずはお咎めが無かったのでセーフ……かな?
「さて、これから2人にポケモンの捕まえ方を教えるよー」
「おお、遂に……」
ちょっとそこで見てて、と言って草むらに入り、出てきたビッパとヒカリのポケモン―ナエトル、という名前らしい―が交戦を始めた。『たいあたり』で吹っ飛ばされたビッパに、ヒカリがモンスターボールを投げる。ビッパが入ったそれは、3回ほど揺れ――ポンッ!という音と共に止まった。
「こんな感じ。ほんとはもっと弱らせたり、あとは状態異常にした方が捕まえやすいんだけどね。……という訳で、2人にはモンスターボールを5個ずつプレゼントしちゃうよ」
「ありがt」
「っしゃ、ガンガン捕まえるぜ!という事で、俺の最強トレーナーへの道が始まるのであった!じゃな!」
そう言い残し、超スピードで走り去っていくジュンをぽかんとした顔で見送ったヒカリが、何となくおかしくて笑ってしまった。
「……ぷっ」
「な、何?」
「いや、なんか間の抜けた顔だったなぁ、って思っただけ。それじゃ、僕も行くよ。またねヒカリ!」
「気を付けてねー!」
草むらを走り抜け、すぐそこに短パンの男の子が居たけど素通り――
「待て待て待て待て!おーい!そこのアンタ!」
「とぁっ、たっ、たっ!」
「目と目が合ったらポケモン勝負!世の中の常識だろ!?」
何言ってんのこの子。真横で目合わせるとか凄いな。どんだけバトルしたかったん……いや、ジュンが話す前に走り抜けてっただけか。それでイライラしてるのか。なるほど。でも目は合ってない。
「いや目合ってないし……」
「今合って……おい、そっと目を逸らすな。さりげなく立ち去ろうとするな」
「ちぇ……分かった、バトルしよう」
「そう来なくちゃ!行けムックル!」
「ピピルピー!」
「さっきサボった分戦ってもらうぞ!行けっ、ホムラ!」
「ワンッ!」
さっきムックルは見ているが、図鑑には登録していなかった為、図鑑を開いて登録する。……えーと、このボタンを押せば良いのかな?
ムックル むくどりポケモン
たくさんの むれで こうどうする。
からだは ちいさいが はばたく ちからは
ひじょうに つよい。
「へえ、そうなんだ……さて、先攻はどうする?」
「お先にどうぞ!」
「おっ、言ったなー?ホムラ、『かみつく』!」
「ガウ!」
「避けろムックル!」
大きく羽ばたいたムックルに、ホムラの牙は届かなかったどころか、反対に吹き飛ばされてしまった。(無いとは思うが)どこかに行っては大変と、慌てて受け止める。
「うわっ……と、大丈夫かいホムラ」
その問いに大きく頷き、再び駆け出したホムラは、今度こそ『かみつく』を当て、そのまま咥えてぶん投げた。……きっと、吹き飛ばされたのが悔しかったんだろうな。
「ガウゥゥゥゥアアアア!」
「うわーっ、ムックル!?」
「い、急ごう!」
ボールの数を見るに、あのムックルが彼の唯一の手持ちだろう。そうでなくても、大事なポケモンでもあるだろう。となると、責任の1つや2つ取らないとまずい。
「確かこっちに……、居た!」
「クゥ〜……」
「ああ、ムックル……」
「ほら、ホムラもごめんなさいして」
「キュウ〜ン……」
「いや、アンタのガーディも強かったよ。
「……そうかい?うーん、でも……そうだ!また今度、お互い強くなってから戦おう!」
そう言ったら俯かれてしまったので、「あれ、なんか傷付けちゃった?」と思い始めた直後、男の子が大きな声で、お腹を抱えて笑いだした。
「あはははははっ、なーに言ってんのさ!そんな事言われたら断れないじゃないか!その勝負、受けて立つ!……俺の名前はユウタ、アンタは?」
「僕はコウキ。よろしく、ユウタ君」
「おう、またなコウキ!」
互いに固く握手して、再戦の誓いを立てる。
彼と後に出会う時、僕はそれこそ目を剥いた。場所が場所だったから、ある意味では仕方ないのだけど。
―*―*―*―*―*―*―*
ユウタ君と再戦の約束をした後、草むらを掻き分けて歩いていると、1匹のムックルが飛び出してきた。
「うわっ。……僕はムックルと縁が深いのかな?行くよカグツチ!『ひっかく』!」
「コァーッ!」
カグツチの爪が深過ぎない程度に入り、それに怯んだムックルが空高く飛び上がった。
「うわ、眩しっ……しまった!カグツチ、後ろに跳んで!」
「ヒコ!」
素早い動作でバックステップしたカグツチが居た場所に、一瞬遅れてムックルのくちばしが突き立った。
「〜〜〜!〜〜〜〜〜!」
「……えと、抜けないなら手伝おうか?」
ムックルは、「お願いします……」と言いたげな目でこちらを見た。
「ん〜〜〜〜〜っ、しょ、ん〜〜〜〜〜っしょ!」
案外深く刺さっているらしく、僕1人の力では抜けない。無理に動かすとくちばしが折れてしまいそうなので、ぐりんぐりん回す事は出来ない。……となると。
「ホムラ、カグツチ、周りの土を掘る事って出来る?」
「ワウッ!(ヒコッ!)」
バババババババ、と効果音が付きそうな程に素早く土を掘っていく2人……じゃない、2匹をぽかんと見詰めていて、いや待てぼーっとしてる場合じゃないと思い直す。ある程度掘られた所でストップを掛け、もう一度引っ張ってみる。すると何事も無かったかの様にすぽんと抜けて、勢い余って尻餅をつく。
「でっ……抜けた!」
あとはくちばしに付いていた土を払い落とし、救出完了。さあ放してやろうと思ったが、なんか懐かれている様で離れない。
「……あれ、どうしたんだ?」
「ムクッ」
「もしかして、僕と一緒に来たいの?」
「ムクゥ♪」
「……分かった、一緒に行こう」
こつん、とモンスターボールを当て、赤い光となって中に入っていくムックルは、なんと揺れずにボールに納まった。
「よしっ、ムックルゲット!……そうだな、名前は……『ホルス』!お前は『ホルス』だ!」
新しい仲間も増え、コトブキシティに向かおうと奮起した。……まあ、何度かトレーナーとの勝負を挟んだけど。無事に着きました。
書き始めからかなり掛かってるんですよね、この話。でも、割と忙しかったりもします。期末もあるし、何やかんやパズドラもメモデフも楽s(殴)……はい、出来るだけ早く更新出来る様に精進(?)します。という訳で、また次回。