今回もタイトル通りの話になります。ハイ。(眠い)
ではどうぞ。
「やっぱり……なんかこう、『都会!』って感じがするなぁ」
「あ、コウキ君もそう思う?実は私も思ってたんだー」
トレーナーズスクールまでの道のりは近いが、まあ何か話しておこうと思い、ヒカリと話をする事にした。ポケモンの話、研究の話、互いの親の話………意外と話題は尽きない。
「でさ……あれ、もう着いちゃった。またねヒカリー」
「うん、またねー」
ヒラヒラと手を振って、トレーナーズスクールに入ると――途端、ヒヤッとした空気が押し寄せた。どうやら、思ったよりエアコンが効いていたらしい。
「寒っ……ジュンー、ここに居るのは分かっている、無駄な抵抗は辞めて―――」
「だーっ、お前はなんで昔っからそんな呼び方するんだ!」
「「しーーーっ」」
「うぐ……」
「ぷくく……」
流石にうるさ過ぎたらしく、ジュンが睨まれた。……と思ったら、メガネの男の子とワンピースの女の子が顔を輝かせながら近付いてきて、2人揃って首を傾げる。
「あっ、あの!それって、ポケモン図鑑ですよね!」
「へっ?ああ、これかい?そう、ポケモン図鑑だよ。ナナカマド博士がくれたんだ」
その台詞を聞いた途端――――わっ!と生徒が集まってきた。どうやら――あるいは当たり前の様に、ナナカマド博士に憧れる生徒は多いのだろう。
「見せて見せて!」「うわっ、押すなよ!」「あー見えないー!」「どれどれー!?」
「うわっ、とっ、とっ……凄い人気だね、博士って」
「だ、なっ……あのじーさん、怖いけどすげー人だぜ」
群がってくる生徒に、そろそろ対応し切れなくなってきた所で、パンッパンッ!という乾いた音が響いた。
「はいはい、静かに!席に戻りなさい!」
「「はーい……」」
生徒の間を割って、メガネを掛けた女性が歩み寄ってきた。その顔は申し訳なさそうだったが、少しだけ興味もありそうだった。……この人も博士のファンなのかな?
「生徒達が迷惑を掛けて、申し訳ありません。これからバトルの実習なので、良ければですが参加してみます?」
「……どうする?」
「俺はするぜ、色んなトレーナーとバトルするのはいい経験になるし」
「じゃあ僕もします。……どの辺に居れば良いですかね?」
「校庭に出ますので、そちらで。皆ー、着いてきてー」
「「はーい!」」
見た所新任の先生みたいだけど、中々に生徒からの人気は高いらしい。僕とジュンがトレーナーズスクールに居た時はお婆ちゃん先生だった。人気は同じくらい高かったけど、名前が思い出せない。ええと、確か名前は……キ――
「おーいコウキ!置いてくぞー!」
「あっ、待ってよジュン!」
思考の尻尾がするりと抜けたけど、先生のゴローニャは凄い迫力だったのは覚えている。アレに勝てるのかは分からない、とも。
「はい、皆ポケモンは持ちましたかー?」
「「はーい!」」
皆、元気いっぱいにモンスターボールを掲げている。中には……わお、ムックルにビッパ、コリンクもコロボーシも居る。この辺で捕まえてきたポケモンらしい。
「……僕らはどうする?」
「俺はムクタローで行く。さっき捕まえたばっかだし、実力を見てみたいからな」
「なら僕はホムラで行くよ。流石にここで負けたら笑い者だからね」
3年ぶりに来る校庭は、あの時と変わらない匂いだった。懐かしい…………ジュンもそわそわしてる。
「それじゃあ、2人でペアを組んでくださーい」
「「はーい!」」
生徒達は速攻でペアを組んでしまったので、僕とジュンは必然的にペアに。いつの間にか持ってきていたホワイトボードの上部に、先生がペンで《ダブルバトル》と書いた。なるほど、ダブルバトルの実習だからペア組んだのか。下にはトーナメント表。どんどん下に行って、ペアの名前をくじ引きで決めた後、先生がハッと何かに気付いた様だった。
「ごめんなさい、まだ名前を聞いてなかったですよね。お二人のお名前は?」
「僕はコウキ。こっちはジュンです」
「まあ、コウキ君とジュン君!?うわー懐かしい、覚えてる?」
「え、えっと……どちら様?」
「あっ、そっか……ほら、アイリのお姉ちゃんのアイラだよー」
「「…………ああー!」」
アイリとは、フタバタウンに3件しか無い家の内の3件目に住んでいた女の子である。確か今は、ハクタイに引っ越していた筈……
「ああ、私は皆と離れて暮らしてるの。だから、私が今住んでるのはコトブキマンションよ」
「あ、そうなんだ……ところで、僕らのペアだけ相手が居ないんだけど……」
「あっ……えーとえーと……私だけ、じゃ流石に駄目?」
「えっ、うーん……大丈夫?なんですか?」
「あ、敬語外しちゃって良いよー。ちょっと厳しいかもだけど、私のミスだしね」
「なら、私が一緒に相手になろうかね?」
このゆったりとした、余裕のある声には聞き覚えがある。僕らが生徒だった頃、先生として
「キクノさん!」
「はい、久しぶり。3人とも、大きくなったねぇ」
「先生も元気そうで何よりです」
「ほほほ、褒めるのが上手いこと。さて2人とも、準備はいい?今ここに居るのは、ただのお婆さん。程々にお願いねぇ」
口ではそんな事を言っているが、繋がった記憶が正しければ、キクノさんは
ジュンも息を呑む程のものだが、アイラさんが手を叩いて注意を向けた。
「はーい皆、ペアの人と仲良くしてねー。それじゃ、始め!」
わっ!とポケモンが出てきて、たちまち混沌と化した校庭の隅っこで、僕らは対峙していた。……アイラさんが物凄い浮いてる。
「行くよ、ホムラ!」
「お前の力、見せてやれ!ムクタロー!」
「出てきて、コリンク!」
「頼んだよ、イシツブテ」
「ワウッ!」「ピピルピ!」「ファウ!」「ビリィービ!」
それぞれのパートナーを出し、……ってちょっと待った、キクノさんイシツブテ?いや、ゴローニャよりマシか……
「ねえジュン、今思ったけどこれペンタローに変えた方が良かったんじゃ……」
「それは思った。でもな、こいつ物凄いやる気だったんだ。なら……出してやるのが、トレーナーってもんだろ!ムクタロー、《つばさをうつ》!」
「ピィッ!」
「コリンク、《スパーク》で反撃!」
「ファウ!…フゥゥゥゥアア!」
電気を纏い、ムクタロー目掛けて突進してきたコリンク。タイプ相性はこちらが不利だが、ジュンのムクタローはどうするのか――
「上に飛べ!そっから――《スパーク》が切れた所に、叩きつけてやれぇ!」
「ピィィィッ!」
ズバァン!という翼を当てたにしては重過ぎる音が鳴り、他の生徒もポケモンもこちらを見た。
「けほっ、けほっ……うわ、すっごい……」
「……おやおや、流石はクロツグの息子ね。昔のクロツグにそっくりだわ」
「けほっけほっけほっ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫……けほっけほっ」
もうもうと舞った砂埃を払い、こちらもこちらで進めなければならない。そうでなくとも、こちらはタイプ的にイシツブテに勝てそうではないのだ。……あれ?もしかしてピンチ?
「ところで、コリンクは……」
「もう戦闘不能。ジュン君強過ぎるよ……」
「あ、あはは……」
「つー訳で、俺もお前に加勢してやる。足引っ張るなよ!」
「勿論!」
「あらあら、若いっていいわね。イシツブテ、頑張って」
「ビリッ!」
「っ!ホムラ、避け――」
「ムクタロー、ホムラ掴んで飛べ!」
「ピィッ!」
「ふぅ……助かったよ」
「んで……ぶん投げろ!」
「はいぃ!?」
「ワウゥゥアア!?」
マジでぶん投げた。ある意味凄いなこんにゃろう。……いや、今は冷静に……!
「ホムラ、《たいあたり》!」
ぶん投げられた勢いで《たいあたり》の体勢を取れば、相性は悪くともダメージは与えられる筈。そう考えたであろうジュンの作戦を出来るだけ汲み取った――と思う一撃だったが、結果はなんと――
「えっ……」
「ピンピンしてる……!?」
「うんうん、確かに良い作戦だった。それが咄嗟に浮かぶ事も、実行出来る事も、またそれを伝えずに汲み取る事も。――でも、ポケモンの勇気が足りなかった。『ちょっと危険な作戦だけど、大丈夫か?』そう思ったんじゃないかしら。だから、思ったよりもダメージを与えられなかった」
「っ……」
そうだ。いくらこちらが行けると判断しても、ポケモンが行けるとは限らない。加えて、こちらは安全圏で指示を出すだけ。……そんなのでは、信頼してくれなくても当たり前だと言わざるを得ない。他者の攻撃から庇うぐらいの事をしなければ、僕達ならば心の底から信頼はされないだろう。
――どうやら、夢を見ていたらしい。自分
「……すっごく馬鹿げた夢だったんだなぁ、アレ」
「ああ、目が覚めた。俺達は……
「ホムラ、大丈夫かい?さっきは無茶させてごめんね」
「ムクタロー、少し休んでくれ。ポケモンセンターで傷は治ったとはいえ、まだ捕まえたばっかだ」
うんうん、と頷いているキクノさん。その笑顔の意味は、恐らく本人だけが知っている。
「「……行くぞ!ホムラ(ペンタロー)!」」
―*―*―*―*―*―*―*
「だーっ、キクノさんつえーな!」
「全っ然勝てない……お疲れ様、ホムラ」
「お前もありがとな、ペンタロー」
ペンタローとジュンが、互いの拳(?)を突き合わせているのを見て、なんだか良いコンビになりそうだなと思った。いや、実質良いコンビなんだろうけど。
「ほほほ、まだまだね。――待ってるわ、ポケモンリーグで」
それだけ言うと、キクノさんは去っていった。数多の助言を残して。
「アイラさん、今日はありがとう。良い勉強になったよ」
「俺もだ、まだまだ学ぶ事は沢山あるなぁ」
「それは良かった。また機会があったら来てね」
「そりゃ勿論。母校だし」
しっかりと握手をして、次の街――クロガネシティに向かう。あそこにはリーグ公認のジムがあり、ジムリーダーに勝利するとジムバッジが貰える。まずはそれを、8つ集める事が目標だ。
「よしっ、行こう!」
「あっ、待てよこの野郎!」
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2人を見送ったアイラは、電話を掛けていた。ハクタイに住んでいる妹に向けてである。
「……あ、もしもしアイリ?さっきね、コウキ君とジュン君が来てたの。……ごめんごめん、急に来たからびっくりしちゃって。多分、いずれハクタイに来ると思うから。……うん。……うん。……ふふっ、またね」
最後の切り方あれで良かったんだろうか(疑問)。
でもこの小説、オリジナル並にオリキャラ出そうな気がしないでもない。わぁ大変。
ではまた次回。