のんびり巡ろうシンオウ地方(仮)   作:ユキノス

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こんにちは、ユキノスです。
今回は前回予告した通りジム戦。炭鉱なんて俺は知らない、知らないぞォォ!
……はい、馬鹿な事やってないで、ジム戦どうぞ!

それと、今後もそうですが「こいつこんな技使わなかったぞ!」って言うの無しで!←


ジム戦、VSヒョウタ

「へえ、ポケモンリーグ優勝を。なるほど、それで君の友達も急いでいたのか」

「あはは……そうなんです。でもまだバッジは無くて……」

ヒョウタさんと話しながら、クロガネシティを歩いていく。ここは炭鉱の他に、博物館でも有名な街だ。健全な10歳としては是非とも見学に訪れたいものだが、今はジムに集中しないと勝てなさそう……いや、勝てない。何せ有利なポケモンが居ないのだ、勝てる方が稀だろう。

「あの……戦う前に……」

「ああ、ポケモンセンターだろう?大丈夫、行っておいで。僕はここで待ってる」

「あ、ありがとうございます!それじゃ!」

たったか走ってポケモンセンターへ向かい、自動ドアをくぐる。ヒカリから仕様は聞いていたけど、実際利用するのは始めて。キョロキョロしながら進んでいると、ナース服を着た女性が声を掛けてくれた。

「どうされました?」

「えっと……ジム戦前なので、ポケモンの回復をお願いしたいんですが」

「はい、構いませんよ。では、モンスターボールをこちらに」

「分かりました。……どうぞ」

「少し待っててくださいね」

と言って、くるっと向きを変えた看護婦さん―名札を見るに、ジョーイさんというらしい―が、後ろの機械を操作し始めた。見ると、丁度6つ分の凹みがあり、そこにボールを3つセットした。……え、あれでお終い?

どうやらあれで終わりらしく、テンテンテテテン♪という妙に陽気な効果音と共にボールが光った。

「……はい、これでもう大丈夫ですよ」

「早っ!……あ」

大声を出してしまい、途端に気恥しさが込み上げてくる。顔が赤くなっているのが、何となく予想出来た。

「あ、あのっ……ありがとうございましたっ」

「いえいえ、頑張ってください」

もう応援すらも恥ずかしい。……うう、これで動揺しちゃわないかなぁ……

「あ、そうだ。ホムラ、ちょっといいかい?」

ボールから出した時に首を傾げていたホムラだが、僕が唯一持っている技マシン――《おんがえし》を見せると、なんと納得してくれた。頭良いなぁこいつ。

 

 

「……えー、ポケモン良し、道具良し、心の準備良し、と……」

ホムラがめでたく《おんがえし》を覚えてくれたので、いくらかは楽になるだろう。相性は悪いが、悲しいかなゴリ押ししか無いのだ。

「おっ、来たね。待ってたよ、挑戦者(チャレンジャー)

見る限り、突起のある岩が各所にある岩肌フィールド。……なるほど、ジムリーダーに有利なフィールドなんだろう。これは後も変わらないと考えて良さそうだ。

「お待たせしました、ジムリーダー」

妙に堅苦しいやりとりに、揃って笑ってしまう。……そして、絶対にヒョウタさんの方が年上だろうなぁ。

と関係無い想像を巡らせる僕の思考を、恐らく審判であろうおじさんが引き戻した。

「ウホン。それじゃあ……使用ポケモンは3体。どちらかが降参するか、相手のポケモンを全て倒した方の勝ち。ポケモンの交代はあり。……何か質問はあるかな?」

「いえ、ありません。……、ふぅ……」

「それでは……ジムリーダーヒョウタ対挑戦者コウキ、始めっ!」

「行けっ、ホルス!」

「出番だ、イシツブテ!」

互いに小さいもの合戦―と言っても30センチ対40センチだ―となるが、これはもう機動戦しか無さそうだ。

「ホルス!《でんこうせっか》!」

「ピッ!」

「……ビリィッ!」

凄い速度で突っ込んでいったホルスだが、イシツブテはピンピンしている。

「……流石に、固いか……!」

「イシツブテ、《いわおとし》!」

「ホルス、《でんこうせっか》で逃げろ!」

あちこちに落とされる岩は、それこそ当たったら一発でやられるぐらいの威力となるだろう。それだけは避けなければならない。

「その勢いのまま……《つばさをうつ》で突っ込めーッ!」

「ピ、イィッ!」

ズ、ズズッと動いたイシツブテ。いやいや、ガチガチだなぁ……そうだ、ポケモン図鑑で見てみれば……

 

イシツブテ がんせきポケモン

やまみちに おおく せいそくする。

からだの はんぶんを じめんに うめ

とざんしゃの ようすを みている。

 

「……特に有益な情報じゃない、か……ホルス、《たいあたり》!」

「ビリィッ!」

「なっ……」

反撃として、なんとぶん殴ってきた。たまらずホルスは飛び上がり、ぐるぐると回っている。

「ホルス、こっち来て!」

「ピッ」

何故か頭の上に留まるホルスに、オレンのみを食べさせると、途端に元気いっぱいになった。凄いなぁ……

「ホルス、お返しに持ち上げて――投げ落としてやれ!」

「ピイッ!――ピィアァーッ!」

断言しよう、これは技の撃ち合いではない。だけど、普通に技を出すだけでは、ただの機械と変わらない。

「ビリ――」

ズガァン!と音を立てて、イシツブテが床に激突した。そして――立ち上がらない。

「イシツブテ、戦闘不能!ホルスの勝ち!」

「――よしっ!」

「やるなぁ、キミ。だけど、コイツはどうかな?イワーク!」

「ボルボルァ!」

「うわ、デカッ……!」

「イワーク、《まきつく》!」

「しまっ……!戻れ、ホルス!」

くそっ、イワークのせいで光が届かない……!ホルスの力じゃ抵抗出来ないし、どうする……どうする!

「……!ホルス、()()!」

「何っ!?」

「ボルッ!?」

「そのまま真っ直ぐ上に!――顎を狙って、《たいあたり》!」

実質《スカイアッパー》だろうと勝手に判断してこんな事をしたが、ホルスもかなりのダメージを負っているだろう。

地響きを立て、仰向けに倒れるイワークの立てる砂埃が想像を越えた規模だった。フィールドどころか天井まで舞うなんて聞いてない。

「げほっげほっ……これじゃ《とっしん》……いや、《すてみタックル》だなぁ」

「……まあ、ね。流石にこの戦い方は初めてだなぁ」

「僕もですよ……げほっ、昼ご飯前にシャワー浴びないと……」

「随分と余裕だね、コウキ君――《あなをほる》!」

「背面で!?ホルス、飛べるかい!?」

「ピュウ……」

……駄目だ、さっきの攻撃の反動が大き過ぎて――

ドゴォッ!

「あ――」

「ホルス、戦闘不能!イワークの勝ち!」

……僕は、何をやってる?あれだけ言われておいて、まだ学べないのか?

――それは違う。人間は、失敗から学ぶんだろう?

「っ……」

今の声、誰だ?ヒョウタさんじゃない。声に出てないから。独り言でもない。確証は無いが、言い切れる。じゃあ、あと誰が……

「……カグツチか、ホムラが?……いや、分からないな」

「どうかしたかい?」

「いえ、何も。……お疲れ様、ホルス。ごめんね、無茶させて……」

ボールに戻す前に、ぶつかった頭を撫でる。責めてもの、罪滅ぼしとして。

「……自分のポケモンを大事にする。なるほど、トレーナーの基礎が出来ているな」

「……ありがとうございます。――行くぞ、ホムラ!」

「ワウっ!」

「……何?」

ヒョウタさんの想像通り、ホムラはホルス程の機動戦は出来ない。だが……押し切れる火力は、持ち合わせている。

「ホムラ、《たいあたり》!」

「イワーク、《ステルスロック》!」

「丁度いい、それを足場にして跳べっ!」

「ガルル!」

「馬鹿な、それじゃ勢いが――」

「《おんがえし》!」

ホムラから溢れた光が、口の前に収束し――そのまま噛み付いた。文字通りの爆発を起こしたホムラはくるくると回転しながら着地、イワークはジムの壁に激突して穴を空けた。……修理代、払わないと駄目だよね?

「……イワーク、戦闘不能!ホムラの勝ち!」

「驚いた、まさかそんな威力の《おんがえし》とは思わなかったよ。でもコイツはどうかな?――ズガイドス!」

「ギュー!」

「うぇっ!?ズ、ズガイドス!?」

 

ズガイドス ずつきポケモン

およそ 1おくねん まえに

こだいの みつりんで くらしていた。

てつのように かたい ずがいこつ。

 

もうテンションがアゲアゲどころかハイになり過ぎて叫びそうなレベルで高い。何せ、図鑑の説明通り1億年前のポケモンなのだ。復活させる事が出来た、というニュースを聞いて大喜びしたのは記憶に新しい。なのでハイになるのは許して。

「ズガイドス、《ずつき》!」

イワークの《ステルスロック》を破壊しながら突っ込んできた事に少々驚き、急いで指示を出す。

「ホ、ホムラ!ギリギリまで惹きつけて……今だ、避けて!」

「ズガイドス、曲がって追え!」

「あ待って意外にコーナリング上手い!?えーと……前に10歩、左に30歩、また前に40歩走って!」

「ガウッ!」

頑張って計算して指示してみたが、その通りに動いてくれる辺り流石だと思う。これは《おんがえし》の威力があれ程でも納得出来るね……

「っと、右に53歩、左斜め前に81歩!そしたら、あとは前に走れぇーっ!」

「ギ……ギュー……!」

「ガウガウ!」

流石にズガイドスも疲れてきたらしい。反対に、いつもダッシュで散歩(矛盾してるのは気にしない)していたホムラはまだまだ元気いっぱいだ。

「ズガイドス、頑張れ!」

「ギュァァァ!」

――掛かった!

「ホムラ……右に避けて!」

「ワンッ!」

当たる直前で避けた為曲がり切れず、また熱くなっていたズガイドスは、ヒョウタさんの指示も耳に入らず壁に突っ込んだ。あれこれ細かく指示していたのは、この為だったりする。

「グギャー!?」

「よし、それじゃあ……《おんがえし》!」

熱くなった頭を打ち、まだまだ平気そうではあるが、ホムラを見失ったのなら十分だ。この《おんがえし》は当たる――!

「ズガイドス、《しっぽをふる》!」

バチン!と音を立てて、ホムラが吹っ飛ばされた。

「え、ちょ……わっ、と!」

どうにか受け止める事が出来たが、ホムラは今ので目を回している。これは流石に戦わせる訳にはいかないと、ホムラをボールに戻した。

「――最後だ。あまり緊張しないでくれよ……カグツチ!」

「ヒッコ!」

と、着地したと同時に何やらポーズを取り出したので、はて何をしているんだ?と思い首を傾げたら、カグツチも全く同じタイミングで首を傾げた。……なるほど、ね。

「ズガイドス、《いわおとし》!」

「カグツチ、避けて!」

ヒュンヒュンと身軽に避けながら、着実にズガイドスに肉薄するカグツチ。変わらず動きをリンクさせたままだが、これかなり強いのでは。

普通、見てから行動に移すまでは少しタイムラグがある。それをノータイムで出来ているということは――反応速度が尋常ではない。

「《ずつき》!」

「避けて足払い!転んだら……頭に乗って、ひたすら《ひのこ》!」

「くそっ……ズガイドス、振り落とせ!」

「カグツチ頑張れ!」

《ひのこ》を連発していたズガイドスの頭が、赤みを帯びてきたその時、ズガイドスの頭を殴った拳が、一瞬だけ()()()()()()

「……!?」

「今のは……」

という呟きも、審判の声に遮られた。

「――ズガイドス、戦闘不能!カグツチの勝ち!よって勝者、挑戦者コウキ!」

「~~~~っ……やったぁー!」

「ヒコァーっ♪」

「……参ったなぁ、ジムバッジを1つも持ってないトレーナーに負けちゃったか……いや、キミが強くて僕が弱かっただけか。勝利おめでとう、リーグ公認のジムバッジだ」

「わぁ……!」

「次は……そうだな、ナタネの居るハクタイジムを目指すと良いよ。コトブキに戻って、北に進んだら森があるから、それを抜けたらすぐさ」

「分かりました、ありがとうございます!」

確かハクタイには、アイリも居た筈。会うのが楽しみだなぁ……あ。

「あの、壊れた壁の修理って……」

「ああ大丈夫、それはシンオウ地方から出るから問題無いよ」

「あ、そうなんですか」

初耳である。あれ?そうなるとバカスカ壊したらその地方かなり金銭的に危なくない?

「……よし!あと7つ、頑張ろう!」

「ガウッ!」「コァッ!」「ピィー!」

しっかりとポケモンセンターで休み、ジョーイさんには勝った事の報告をして、またコトブキに戻る事にした。……流石にまたズバットに追われるのは遠慮したいけどね?




結論:(安定の)大勝利。
ホムラの恩返しがやけに強い理由は、付き合いが長い&互いに信頼しているからです。絆の力は無敵なのだ!(どっかで聞いたような言葉)
さて、途中で聞こえた誰かの声は誰の声でしょう?まだまだ謎はありますが、1つ1つ紐解いていきたいなと。
ではまた次回。
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