今回、タイトルを見た通りソノオタウンに到着しております。え?道中どうしたのかって?
そりゃ勿論カッ……コホン、ちゃんと進んでます。図鑑もしっかり埋めてってますのでご心配なく。
ではどうぞ。
「うわ~、綺麗だねぇ」
「クゥ~ン」
「ポケモンにも感謝しないとね」
「ワンッ」
歩きづくめで足が痛くなってきた所、なんとか日の入り前にソノオタウンに到着。図鑑は埋められたが、道中はトレーナーもちらほらと居たので戦闘した事もあり、全員が疲れている──が、それを補って余りあるレベルで綺麗だった。
特に、『夕焼けをバックに咲いたグラデシアの花』は。
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ポケモンセンターソノオ
「……まさか宿泊施設もあるとは……ポケモンセンター、凄いな」
「キャンッ」
エスカレーターで2階へ登ると、その先はホテルの様になっていた。……え?それであの見た目?どうなってんのポケモンセンター?異空間?なんかそんなポケモン居そうだけど。
何故かドーナツが思い浮かんだが、そう言えばまだ夕飯を食べていない。ジョーイさん(クロガネとは別人らしい)の話によると、スタッフさんも交えたバイキング形式だとか。なんだかほんとに異空間な気がしてきたぞ。こんな謎の場所があちこちにあるのか……。
「あ、そうだ……ポケモンフードも買わないとね」
「ワウ」
ポケモンフードはスナック菓子の様な食感(らしい)が、ムックルの様に歯が無いポケモンはどうするのだろうか。鳥ポケモン用とかあると助かる……いやあるか。
「ううぅーーー………っ、明日筋肉痛かなぁ……」
僕はヒポポタスを頭に乗せて歩ける様な超人ではないので、コトブキ→クロガネ→コトブキ→ソオンの道を1日で歩く事すら普通しない。例えランニングシューズがあろうと、キツいものはキツいのだ。
「あ、こんにちは」
「どもども。では」
「…………………」
「…………………」
「え、ヒカリ!」
「コウキ君!」
あまりに疲れていたので気付かなかった。普通にヒカリじゃん。……いや、帽子は取っているし、いつも見ているあの服装じゃなかったので、多少時間は掛かってもおかしくなかったかもしれない。……ヒカリも疲れた顔をしているのは、やっぱり昼間のアレだろうか。だとしたら申し訳ない。
「ヒカリもご飯食べに?」
「あ、うん。コウキ君も?」
「それもあるけど、ポケモンフードの調達もね。お腹減ってるだろうし」
こくこくと頷くホムラに、ヒカリがクスッと笑った。疲れ切った顔をしていたが、笑ってくれただけ収穫はあるだろう。うん。
「ふふふ……でも、食堂にポケモンフードもあるから、一緒に行こう」
「あ、そうなの?良かったねーホムラ」
ホムラの頭を撫で、そこそこの人が居る廊下を進んだその5分後。これまた結構な大きさ─宿泊客+スタッフ+ポケモンが入るので当たり前か─の食堂を見付けた。中に入ってみると、普段は見ない髪を下ろしたジョーイさんや、少し酔っているのかややハイテンションで談笑するジョーイさんや、意外と沢山食べるジョーイさんが居た。……ここは何かな、ジョーイさんだらけで狂気を感じるんだけど。
「……ジョーイさんって何者なんだろうね」
「う、うーん……私は分からないなぁあはは……」
「まあとりあえずいいか、食べよう。お腹ペコペコで倒れそう」
「そっか、コウキ君クロガネジムからここまで来たんだもんね」
正確にはコトブキから(以下略)。
「疲れるよほんとに……その上ギンガ団とかいう訳わかんないの来るし……」
「敵意剥き出しだったよね、何かあったの?」
「ああ、うん……よく思い出せないんだけど、昔エイチ湖に行った時……ギンガ団って名乗る連中に……ええと、何されたんだっけ……」
「エイチ湖……?それってまさか……!コウキ君、ユクシー見たの!?」
「え、どうだろう……行ったのは覚えてるんだけど、何があったかは覚えてないんだ」
「記憶が無い……エイチ湖に行ってその記憶が無いって事は、やっぱり会ってるんだよ!いいなー羨ましい……」
これで『
「もぐ……でも、いつかは会えるんじゃないかなぁ……あーでも、アグノムも会ってみたいなぁ」
「私も会ってみたいよー……あーあ、なんでコウキ君ばっかり……」
「さあ……いや、ジュンもだけどシンジ湖が主な遊び場だったからその関係かな?」
「えっ……って事は、フタバタウン出身?」
「うん。お父さんはジョウトの産まれだけど……今何してんだろ」
「そうなんだ……良いなぁ……」
「そんなに愚痴られても……ヒカリもいずれ会えるよ、きっと」
……まあ、一応はエムリットに捕まえてやる宣言してしまった事だし。と言っても、エムリットは遊ぶのが好きみたいだから素直に来てくれるかが謎である。
「……そうね、コウキ君のお墨付き貰ったから会えるかもね?」
「あはは……まあ、苦労掛けてるし……」
「あっ、そこで目を逸らすぅ!それはこっち見て言って!」
「わ、悪かったよ」
カグツチとナエトルがケラケラ笑っているが、ホムラは特に気にしていなさそう。ホルス?……もう食べ終わって寝てる。
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結局ヒカリが解放してくれたのは、あれから1時間後。その間ずっと愚痴を聞いていたが、半分くらいは僕がユクシーに会った事とエムリットに近い場所で遊んでいた事だった。よくもまあ、そんなに浮かぶものである。僕にはそこまでの愚痴は浮かばない。
「……寝るか。明日は何しようか……」
全国的に有名な花畑を見に行こうか。それとも、谷間の発電所にでも行こうか。
というわくわく満載の予定は、見事にぶち壊されるハメになった。
「──んん……何だぁ?」
「クアー……」
何やら外が騒がしいので、目覚ましが鳴る30分前──6時半に目が覚めた。二度寝したら、お母さんに起こされない限り3時間は起きないのが僕なので、そのまま起きる事にする。因みにジュンは、普段は起きるのが僕より遅い代わりに、二度寝する事は無い。
「よいしょっ……あれ、今日何かあったっけ……?」
パンフレット(昨日貰ってきた)を見る限り、何もイベントは無い。……となると、何か異常事態か。
「ホムラ、行ってみよう。力になれるかもしれない」
「ガウ」
朝ご飯はまだ食べていないが、一働きした後のご飯は美味しいという事で。顔を洗い、帽子を被って準備完了。
「よし、行こう!」
とは言ったものの、何も情報が無いまま行くのは少々キツいものがある。ジュンが正にそれで、突っ走っていくのを止める役割が僕だった。閑話休題。
「あら、おはようございます」
「あ、おはようございます……何かあったんですか?」
「ええ、実はソノオ名物の《ミツハニー印の甘い蜜》を奪いに来たって不審者が居て……」
「な……」
《ミツハニー印の甘い蜜》と言ったら、ヒメグマが木の蜜を無視して飛んでくるぐらいの高級品。料理に使っても美味しい為、お土産としても人気だが、1瓶ウン千円だったりするので貰った側はソノオにもくれた人にも足を向けて眠れないとか何とか。……話題を戻そう。早朝からそれを奪いに来るとは、何ともご苦労な不審者も居たものだ。1周回って尊敬出来る。
しかし所詮は1周回らないと尊敬出来ないので、普通に考えたら余程の馬鹿か余程の貧乏人だろうか。
「……まあ、とりあえず行ってみます。何かお役に立てるかもしれないですし」
「ありがとうございます。お気をつけて」
「はい、それじゃ」
……まさか昨日の今日でギンガ団は無いと信じたい。いやありそう。何てったって、人の研究成果を奪おうと考えてた連中だ。普通に考えそう。
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「……いやほんとにギンガ団だったんかい」
普段はジュンに突っ込まれる側の僕だが、今回ばかりは突っ込ませてほしい。
「我々ギンガ団は沢山のポケモンを必要としている!」
「その為お前の蜜が必要なのだ!」
「そう言われてもねお客さん、こっちだって作るのは大変なんだ。まずメスのミツハニーが少ないのに……」
「さあ早く寄越せ!」
話くらいは聞いてあげないのだろうか。
代わりに説明すると、メスのミツハニーはそもそも個体が少ないので、相対的にビークインになる個体も少ない。つまり蜜が採れる量もそこまで安定させる事は難しく、それが高級品と言われる所以だ。
「ホルス、あのおかっぱ頭の人の周辺を飛んでくれないかい?」
「ピッ」
飛んでいってくれたので、こっちはこっちで恐らく製造者であるおじいさんを助けるべく算段を立てる。ホルスが撹乱している間に、おじいさんを出来るだけ引き離すのが最適だろうか。……いや、この人混みじゃ無理だ。どこかで詰まる。
「なっ、なんだコイツは!ええい、ズバット!《どくばり》!」
「ホルス、躱して《つばさをうつ》!」
「ピィッ!」
《どくばり》を避けて人混みが割れた所で、ギンガ団に突っ込む。単純だが、多分これが意外と効くと思う。
「おぉぉぉぉぉあああ!」
「ぐはっ……子供!?大人の仕事を邪魔するな!」
その言葉が『おじいさんを助けるにはどうするか』という考えを全て押し退け、代わりに1つの強い感情を呼び寄せた。具体的には、物凄くカチンときた。
「……うるさいよ。大人の仕事が泥棒だってんなら、僕は何度だって邪魔してやるさ!その蜜が作られるまでの苦労は知ってるよ。だからこそ、アンタの行動は許せない!それ相応の対価ぐらい払おうと思わないの?『奪え』って言われても、『手に入れろ』って言われても、お金は払うべきなんじゃないの?その辺大人として──人間としてどうなの!?」
「くっ……」
尚も躊躇う様子だったけど、周りには人が居るから逃げられない。ズバットは臨戦態勢だが、ホルスが応戦可能だ。昨日とは違う2人組だが、片方に逃げられたら正直キツい。
「答えてよ。新たなギンガを作るんだか何だか知らないけど、そんなのは勝手にすれば良い。でも、今このギンガにあるこの世界は、泥棒はダメだって分かってるよね?」
「くっ……マユルド!《たいあたり》!」
「ホルス、《でんこうせっか》」
せめて《かたくなる》で耐久戦をするべきではないだろうか。その方が逃げる時間くらいは稼げたんじゃないかな?
「く、くそっ……おい、お前も応戦しろ!2対1ならまだ勝機はある!」
「あ、ああ!スカンプー!」
「ホムラ、《おんがえし》」
マユルドは出してきた方にぶつけたが、スカンプー持ちの方は瓶を持っている為ぶつける訳にはいかない。という訳で、思いきり吹っ飛ばす事にした。
「う、うわぁっ!スカンプー!」
……あの様子だと、タタラ製鉄所まで飛んだだろうか。それは言い過ぎか。
「く、くそっ……覚えてろ!いつかギタギタにしてやる!」
そう言って逃げ出したが、さりげなく瓶を持って行こうとするな。第一、ここまで時間を掛けていたら。また、
「ミィィィィィィ……!」
「お、おい何だこのちっこいの……」
「ミィ────ッ!」
「うぎゃああああああっ!」
あれは……《シードフレア》?となると──その技が使えるポケモンは──
「……シェイミ?」
呟いた時には、既に何も居なかった。ギンガ団?……逃げられたみたい。あれで無事ってのは凄いけどね。
さて、久々に4000字オーバーで書けました。もう普通にこの小説だと4000字を最低目標にしても良い気が。長いならちょいと縮めますね。
ではまた次回。