レクトとギルダーツの戦いの後、ギルドは大いに盛り上がっていた。
皆が話すのは2人の勝負についてがほとんどで、戦いの余韻に浸っていた。特にレクトの強さを語るものは多く、それを聞いたエルザとジェラールはどこか誇らしげであった。
「おぬしの力には本当に驚かされた。ワシの想像をはるかに超えておったよ」
「全くだぜ、これほどの力を持ったやつがいるとは。俺を含めて皆にとっても良い刺激になったな」
そう言うマカロフとギルダーツ。
「それなら良かった。これで旅についても問題はないだろう?」
「そうじゃな、レクトの実力であれば1人の旅でも大丈夫じゃろう。じゃが、また注文を付けてしまって申し訳ないが、出発前にギルドの皆を少し鍛えてやってくれんか?まだあまり親しくなっていないが、憧れておる者もおるじゃろうし、あの戦いで皆レクトの強さに憧れておる」
マカロフにそう言われ確かにそうだと思い、
「分かった。俺もギルドの皆とは仲良くやっていきたいし、旅の準備も多少は必要だしな」
そう言ってレクトは了承し、少しの間ギルドのメンバーを鍛えながら旅の準備をしていくことにした。
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戦いと宴の翌日から、レクトはギルドのメンバーを鍛え始めた。全力で向かってきてもらい、動きに関して指摘をしていく。レクトも様々な魔法を見ることができ、楽しみながら指導していた。エルザやジェラールも参加しており、2人とも才能があるのかどんどん力を伸ばしていた。
そんな中、エルザに負けないほど熱心に指導を求めてくる子がいた。名前はカナ・アルベローナ。強くなりたいと、切羽詰まったような雰囲気があったため、
「時間があればいくらでも鍛えてやる。強くなりたい気持ちがあれば大丈夫だ。だが、そんな顔をするな。女の子なんだからもっと笑顔でいるんだ。かわいい顔が台無しだぞ」
そう言って頭をなでる。するとカナは顔を赤く染めながらうなずき、これで問題ないなと判断した。
そうしてギルドのメンバーとはさらに仲を深めていった。
街ではギルダーツとの戦いの話が広まり、レクトも積極的に交流していたこともあり、強くて頼りになる存在として認知されるようになった。
そんな中、1人の女の子が誘拐される事件があり、それをレクトが持ち前の実力と千里眼の薬を使って解決した。その子が町長の娘で、お礼としてギルドの近くの一軒家をプレゼントされた。1人で住むには大きすぎるほどのものだったが、せっかくいただいたものなのでありがたく使うことにした。
そうして1ヶ月ほど経って旅に出ることになった。その際、少し前に10年クエストを受けていたギルダーツを思い出して、旅のついでにいくつか10年クエストを受けていくことにした。
ギルダーツとの戦いで全員から認められてS級魔導師となったため、その役目も果たそうという考えだった。
マカロフもレクトの力は信頼しているため、同時に複数受けることも許可された。
そして
「すぐに帰ってきてね」
そう言って、少し目に涙を浮かべたエルザやカナ。
「次に帰ってくるまでにもっと強くなっています!」
レクトに宣言するジェラール。
「では行ってくる」
ギルドの皆に見送られて、複数の10年クエスト、そして世界を見て回る旅へと出発した。
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旅に出てからしばらく経った頃
10年クエストの魔物の大量発生を大剣で切り倒していると、追い込まれている少女を助けた。すると、
「私を鍛えて下さい」
と頼み込んできた。
話を聞いてみると、その子は兄を探していると言う。兄の名前はシモンと聞き、レクトは以前に会った少年を思い出す。
「シモンという少年には心当たりがある。FAIRY TAILというギルドに行けばいつか再会できるはずだ」
その言葉を聞いて、驚愕し、
「それは、本当ですか!?」
レクトに詰め寄る。レクトは少女を落ち着かせながら、
「あぁ、きっと会える。マスターには俺から手紙を書いておく。近くまでは送っていこう」
「ありがとうございます。私の名前はカグラです。これからよろしくお願いします」
そう言ってカグラは頭を下げる。
「俺はレクトだ。こちらこそよろしくな」
そうして、カグラをFAIRY TAILまで送るのであった。
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ある時、立ち寄った村でおかしな噂を聞いた。
村に悪魔がいると。レクトがギルドに所属していることを聞いて村人は退治を依頼した。レクトとしても、見たことのない敵と戦うことを楽しみにしていたためその依頼を受けた。
そして噂の家にやってきて、レクトは怒りを覚えた。そこにいたのは3人の子供達だった。おかしいと思い話を聞くと、村人を守るために悪魔に立ち向かい取りつかれたという。村を守ってくれた子供に対してこのような仕打ちをした村人達に任せてはおけないと、FAIRY TAILに来るかと誘った。
「私でもそのギルドに入れるのか!?」
長女で、悪魔に取りつかれた本人である女の子、ミラジェーンはレクトに聞く。腕が悪魔に取りつかれている自分なんかでも大丈夫なのかと心配なようだった。
「問題ない。俺もあまり詳しくはないが、その腕は取りつかれたのではなく取り込んでいるのだろう。テイクオーバーという魔法の1つだ。ギルドに行けばその力の制御の仕方も教えてもらえることだろう」
そうして、安心しろとミラの頭を撫でながらレクトは言う。すると、今まで我慢していたものが溢れてきたのか、レクトに抱き着いて泣き出した。エルフマンとリサーナは、ミラが突如泣き出したことに驚くも、ずっと気持ちを隠して我慢していたものを出せたことに安心し、レクトに心から感謝した。
そして3人を村から連れ出し、自由に、楽しく過ごせるように、FAIRY TAILに連れて行くのであった。
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またある時、遠くから悲鳴や轟音が聞こえてきた。すぐにそちらへ向かうと、大型のモンスターが暴れていた。そして、そのモンスターの前に1人の女性と2人の子供がいた。
女性が2人の前に立ち、子供達を守るようにモンスターに向かい合い戦っている。
大型のモンスターが口から息を吸い込みブレスを吐く準備をする。それに対して女性〈ウル〉は、自分の体を犠牲にしてでも2人を庇おうと覚悟を決めた。
ドゴオオオォォォ
という音とともにとてつもない魔力の込められたブレスが放たれる。それがウルの目前にまで迫った時、突如1人の男が間に入る。<アグナコトル亜種>というモンスターから作られる青色の防具を身に纏い、<レッドプロミネンス>と呼ばれる巨大な槍と盾のランスという武器を持ったレクトである。
モンスターのブレスに対して3人の前に立ち、盾を構えた。高威力のブレスが直撃するが、レクトは一切攻撃を通さない。ブレスが止まるとレクトは3人に向かって言う。
「ここは俺に任せてくれ。1人でこいつと戦いたい」
3人とも突如現れた男、レクトに驚くもブレスを軽く止めたのを見て、この人なら・・・
と思いその場から離れる。
レクトは3人が離れたことを確認すると、槍をモンスター<デリオラ>へと向け、襲い掛かってくる敵を迎え撃った。
3人は驚愕のあまり声が出なかった。デリオラはウルの魔法ですらほとんど効かず、圧倒的な強さを持っていた。それが今、一方的にやられているのだから・・・
デリオラの激しい攻撃を軽いステップで躱し、強固なガードで防ぎながらカウンターを繰り出していく。
そして槍での攻撃の度に、火が吹き出しデリオラの体を焼いていく。レクトの攻撃に耐えられなくなるのにそれほど時間はかからず、やがてデリオラの巨体は地面に倒れた。
「終わったぞ。3人とも大きな怪我はないようだが多少傷があるな」
そう言うレクト。するとレクトは回復薬を取り出し3人に渡す。
3人が手も足もでなかった相手を無傷で倒す強者であるが、不思議と恐怖は感じず、レクトに対して安心感を抱いていた。回復薬を渡された3人はそれを口に含む。すると、すぐに効果が表れ、体の傷が癒されていく。
「これでもう大丈夫だろう」
そう言うレクトに対して驚きっぱなしの3人ではあるが、助けてもらったことも含めてお礼を言う。その後ウルがレクトに対して質問した。
「あなたほど力のある人を見たのは初めてだ。どこのギルドに所属しているのでしょう?」
「俺はFAIRY TAILというギルドに所属している。仲間思いの良いギルドだ。まぁ俺は長い間旅をしていてギルドに帰ることは少ないが」
その話を聞いてウルは考える。2人の弟子は寒さに対する耐性もしっかりとついてきて、これからは魔力の使い方を覚えていかなければならない。そのためにも、もっと多くの魔導士と戦っていく必要がある。そこまで考えたところでウルは、
「この子達をFAIRY TAILにいれてくれないか?才能もあるし、まだまだこれから強くなる可能性を秘めている」
突如レクトに頼み込むウル。それを聞いて子供2人は驚くが、レクトは特に驚いた様子もなく
「それはもちろん構わない。うちのマスターの考えは基本来るもの拒まずだからな。ところであなたは来ないのか?」
ウルはそれに対して、
「私はこの子達を守ることが出来なかった。そんな私では「一緒に行こうよ!」
守り切れなかったことを悔やみ、2人のことは任せようと考えたウルだが、そんなウルの言葉を2人が遮る。そして、
「一緒に来てはどうだ?他人である俺から見ても2人はウルを慕っていることはよくわかる。2人にとってもウルは必要だし、ウルも離れたいわけではないだろう?」
そう言われてウルは二人の方を見ると、少し涙目になりながらこちらをじっと見つめていた。その目からはウルと一緒に行きたいという気持ちが見て取れる。そこでウルも決心した。
「やはり私もFAIRY TAILに入れてくれ」
それを聞いてレクトは、
「あぁ、歓迎しよう。これからは3人ともFAIRY TAILの魔導士だ」
そうして新たに3人、FAIRY TAILの魔導士が増えた。
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1人の少女がいた。その少女は幼いころ親に見捨てられた。そんな世界が嫌で大魔法世界を望み、闇に手を伸ばしていた。そんな少女とレクトは出会った。初めは、「お前のせいで計画がっ」とレクトに対して攻撃的であったが、敵うはずもなく抑えられ、色々あって今はレクトが話を聞いていた。
話していく中で分かったことが、少女の名前はウルティア、幼い頃に親に施設へ捨てられ、今はハデスという男のもとにいるということ。
レクトは話を聞いている中で気になる点があった。それは少女の名前であり、少女の話を深く聞いていくうちに、最近ギルドへ招待したウルの実の娘ではないかと考えた。
レクトはウルから娘の話を聞いていた。助けたい一心で連れて行った娘が亡くなったこと、娘のことは心から愛していたこと、それらを思い出し、少女の話を聞くうちに予想が確信に変わった。
そして、それをすべてウルティアへ話した。初めはそんなはずがないとレクトの話を信じていなかったが、次第にレクトの雰囲気や眼差し、真剣な声から嘘でないと感じ、話の内容に驚愕し、そして母が自分を愛してくれていた事実に涙を流していた。
「今はFAIRY TAILという魔導士ギルドにいる。母に会いに来てはどうだ。ウルも娘に会えれば必ず喜ぶだろう」
「でも、怖くて・・・私のことはもう忘れているんじゃ・・・」
そう言って弱気なウルティアに対して
「この世に娘のことを忘れる親などいない。安心しろ。絶対に来てよかったと思える。俺が保証する」
そうしてウルティアはFAIRY TAILに向かうことになった。
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その後も旅とクエストを行いながら、暴れている馬車を鎮めて金髪の幼い少女を救ったり、親から虐待に近い特訓を受けていた少女〈ミネルバ〉に守りの護符を与え励ましたり、星霊使いになるという銀髪の姉妹が盗賊に襲われているところを助けるなど、様々な問題に巻き込まれながらも多くの者を救い、レクトの旅は続いていくのだった。