FAIRY TAIL ~ハンターの物語~   作:ペラペラ

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ギルドへの帰還

レクトは退屈に感じていた。

 

この世界に来て様々なモンスターと戦ってきた。初めて戦うモンスターばかりで楽しい日々だったのだが、如何せん相手にならないやつばかりだった。

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勝つことは好きだが、ハンターとしてやはり血の滾るような熱い戦いを望んでいた。10年クエストも前の世界では上位に行くかどうかといったレベルだった。

 

「100年クエストに期待するしかないか」

 

そうつぶやくと、歩き出した。FAIRY TAILに向けて・・・

 

 

 

 

**************

 

 

 

 

「私の方がアンタらなんかよりも気に入られているに決まってるだろ!」

 

「そんな性格で偉そうに。男と思われてるんじゃないか?」

 

「2人ともいつもうるさいぞ。女らしさの欠片もないな」

 

FAIRY TAILにて、少女達の言い合いが行われていた。ミラ、エルザ、カグラの3人である。内容は誰がレクトに気に入られているかというものだ。

 

ミラは悪魔に呪われたと嫌われていた自分を救ってくれたこと、エルザは楽園の塔から助けてもらい名前をもらったこと、カグラは兄を救い1人だった自分をFAIRY TAILに連れてきてもらったことなど、恩人であるレクトに好意を抱いていた。

普段は女性魔導士が少ないこともあり仲が良く、また競い合う良きライバルだが、レクトの話となるとお互いに一歩も譲らなくなるのだ。

3人が言い争っていると、ギルドの扉が開き2人の魔導士が帰ってきた。

 

「またやっているのか」

 

そう言いながら入ってきたのはウルとウルティアである。2人はレクトによってFAIRY TAILで再会を果たし互いの誤解も解け、仲の良い親子に戻っていた。ウルはグレイとリオンの指導を行いながらも、度々ウルティアと依頼を受けていた。

 

「あんたらみたいなちびっ子に興味持つわけないだろう。あたしみたいな大人の女性が好みってレクトも言ってたよ」

 

3人の少女に対してからかうように言うウル。

歳が上なこともあり、少女たちの母のような存在であるウルだが、レクトの話のときは時折こういった挑発をすることがある。昔に夫を亡くしており、ウルの本当の気持ちが分からないため本気で言っているのか分からないでいた。

 

「ウルさんはおばさんなだけじゃん!」

 

「私だってレクトさんが・・・でもレクトさんがお父さんっていうのもありかも・・・」

 

そう言い返す3人に、なぜか顔を赤らめぶつぶつと言うウルティア。そんな光景が最近は度々見られるのであった。

 

 

また別の場所では、

 

「今日こそはぶっ飛ばしてやる!」

 

「上等だ、かかってきやがれ!」

 

そう言い合い喧嘩を始めるのは滅竜魔導士のナツとグレイである。2人はなぜか仲が悪く、顔を合わせては喧嘩をしていた。それを見て、

 

「ナツ、少しは落ち着いてくれ」

 

「グレイ、そんな子供のような喧嘩ばかりして恥ずかしくないのか」

 

2人を宥めようとするのはジェラールとリオンである。ギルド内で常識人である2人は喧嘩をいつも止めに入っていた。

 

「レクトってやつより俺の方が強いに決まってんだろ」

 

「お前なんかがレクトさんに勝てるか」

 

と言い合っていると、

 

ドカンッという音がし、ナツが床に倒されていた。

 

「レクトさんのことを悪く言うのは許さん」

 

そう言ってナツを見下ろすジェラール。

ギルド内はどんどんヒートアップしていた。あるところでは少女たちの戦いが勢いを増していき、別の場所では少年たちの喧嘩に火がついていた。どちらも魔法まで使おうとしており、周りのギャラリーも賭けたり応援したりと盛り上がっていった。そしていよいよぶつかるという時、

 

「静まれいガキ共!!」

 

ギルド内に響き渡る怒鳴り声。その声で喧騒は一瞬にして静まる。その声の主はマスターであるマカロフだ。

 

「お前らはいつもいつも。少しは落ち着かんか。仕事でも問題ばかり起こしおって、レクトが一切被害を出さず10年クエストをこなしてくれておるからなんとか面目を保っているものの、少しは常識というものを覚えんか」

 

そう言われて落ち込むギルドのメンバーに対して、続けてマカロフが言う。

 

「先程レクトから手紙が届いた。もうすぐ帰ってくるそうじゃ。会うのは数年ぶりになるだろうから少しは成長した姿を見せい」

 

その言葉を聞いてギルドの雰囲気は一転する。

 

「やっと帰ってくるのか!」

 

「本当に久しぶりね」

 

そう言ってギルドのメンバーは盛り上がっている。レクトといた期間は短かったが、皆それぞれお世話になっており、またレクトの強さは皆の憧れでもあるので久しぶりに会えることを楽しみにしていた。

そんな中狼狽える者たちが数名・・・

 

「レ、レクトさんが帰ってくるの!?」

 

「出迎える準備しないと!」

 

先程まで喧嘩をしていた少女たちである。それぞれがマグノリアまで送ってもらって以来会っておらず、嬉しさに加えていざ会うとなると緊張しているのだった。

そうして皆がレクトの帰りを盛大に迎えようと準備を始めるのであった。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

マグノリアの入り口に1人の男が立っていた。

 

「ギルドに帰るのは久しぶりだな、皆と会うのも楽しみだ」

 

そう言うのはレクトである。何度かギルドに誘った者達をマグノリア近くまで連れてくることはあったが、すぐに旅に出ていたためギルドに戻ることはなかった。そのため、ギルドまで帰るのは数年ぶりとなり、皆の成長した姿を見るのも楽しみにしていた。

 

活気の良い町の様子に、マグノリアに帰ってきたことを実感しながらギルドへの道を歩いていた。先に家に寄ろうかと考えたが、やはり最初はFAIRY TAILに行こうと思い進んでいく。

そしてギルドに着き、懐かしさを感じながら中へ入る。

 

「お帰り~!!」

 

レクトがギルドに入ると、メンバーが歓声を上げながら迎える。周りを見渡し皆の元気な様子を見ながら

 

「ただいま」

 

そう言ってギルドへ帰ってきたのだった。

 

 

 

 

::::::::::::::::::::

 

 

 

 

皆から声を掛けられそれに応えながら、まずはマカロフのもとへ行く。

 

「良く帰ってきたのう。10年クエストもすべて問題なくクリアしたと聞いたぞ。しばらくはここでゆっくりしてはどうじゃ?」

 

「あぁ、10年クエストや旅を通して様々な経験が出来た。今後の事についても考えがあるが、ひとまずはゆっくり休むとしよう」

 

その言葉を聞いて、マカロフは満足そうにうなずき、

 

「この数年の間に新しく入った者もおる。これからの事はまた後で聞こう。まずは皆と話してこい」

 

そう言われてレクトは懐かしい仲間と新しい仲間に挨拶しようとみんなのいる方へ歩き出したとき、

 

「俺の名前はナツ・ドラグニルだ!俺と勝負しろ!」

 

とレクトに向かって指をさしながら赤い髪のマフラーをした少年ナツが勝負を申し込んでくる。その様子を見て緊張しながらも声をかけようとしていた少女たちがイラッとして黙らそうとするが

 

「良いだろう、初対面の者に覚えてもらう良い機会だ」

 

そう言ってレクトは見覚えのない少年に(元気な子だな)などと考えながらも勝負を受けるのだった。

 

 

 

ギルド近くの広場にて2人は向かい合っていた。1人は先ほどと同じで格好で、体から熱を出しながらやる気十分といった様子のナツ。対するは動きやすそうな軽装に、〈フラッドウェイブ〉と呼ばれる片手剣を装備したレクトである。

 

「おいっ、お前はめちゃくちゃ固い防具にデカい剣で戦うって聞いたぞ。見るからに楽そうな格好に剣も小せえじゃねえか。なめてんのか!」

 

そう言ってレクトに怒った様子のナツ。レクトがきちんとした防具を身に着けると大抵のモンスターは傷すらつけられないため、もっと緊張感が欲しいと思い最近は防具はつけないことが多かった。しかし、

 

「確かに防具は着ていないが、この武器は舐めてかからないほうがいいぞ」

 

そう言って剣と盾を出し、ナツに向かって構える。それを準備が出来ていると判断したナツは、地面を力強く蹴りレクトに向かって殴りかかる。その手には炎を纏っており、スピードもなかなかのものだった。

レクトから見てナツは10台前半といった歳だが、思った以上に力のある様子に少し嬉しそうにしながらも軽くかわす。「クソッ」と言いながらも攻撃の手を止めず、炎を纏った拳や足を振るうが掠りもしない。

 

「ちょこまかと避けやがって、ビビってんのか!」

 

そう言って今度はブレスの体制に移るナツ。先程からナツが暴言を吐く度に、少女たちから殺気が出ているが知る由もない。

 

「なかなか面白い技を使うじゃないか。だがこの程度ではたとえ当たってもダメージにならんぞ」

 

そう言って挑発するレクトに対して、ナツはイラつきながらも

 

「火竜の咆哮‼」

 

口から火を噴き出す。それに対してレクトは手に持つ盾を前に出すと、魔力のこもった炎をたやすく受け止める。

自慢の攻撃が小さな盾に止められたことに驚くナツに対して、

 

「周りにも被害が出そうだし、そろそろ俺からも行かせてもらうぞ」

 

そう言って動き出すレクト。それに対してナツはすぐに二度目のブレスを放つ。しかしレクトが片手剣を振るうと炎は二つに割れる。剣は水を纏っているようで、ナツの炎を容易く切り裂く。そしてナツのもとまで来ると、一瞬でナツの首元に剣を添えた。

 

「ッ!!」

 

ナツは目の前に立つレクトを見て、自分では絶対に敵わないと悟った。

その様子を見て、周囲に居たメンバーたちが歓声を上げる。

 

「やっぱり強え!」

 

「早くレクトの帰還祝いしようぜ!」

 

レクトはナツの様子を見て、剣をおさめる。そしてナツに向かって、

 

「お前はまだまだ強くなる。また相手してやるからこれからも努力してくと良い」

 

そう言うと皆の方へ歩き出した。その後ろ姿にナツは強い憧れをもちレクトの後ろについていった。

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

ギルド内にて、レクトが数年ぶりに帰ってきたことを祝って宴が開かれていた。

レクトも出されたお酒を飲んでいると、話しかけてくる者たちがいた。

 

「レクトさんお帰り!」

 

そう言ってくる者の方を見てレクトは自然と笑顔になる。

そこにいたのは、以前喧嘩をしていたエルザ、カグラ、ミラ、そしてウルとウルティアにカナだ。

 

「みんな成長したな、前よりも女性らしくなっていて見違えたよ。ウルも元気そうでなによりだ」

 

そう言われて照れている少女たちに対して、酒を片手に持ったウルはレクトに近づくと、

 

「レクトこそ相変わらず元気そうだな。久しぶりだし一緒に飲もう」

 

そう言うと、酒とは逆の腕をレクトの腕に回して隣に座る。そして、周りの少女たちに向かって

 

「子供たちは向こうでジュースでも飲んでな」

 

そう言ってニヤリと笑う。それを見て少女たちはイラっとしながら

 

「ウルさんはおばさんなんだから向こう行っててよ!」

 

「お姉さんだ!」

 

等と言い合っている。レクトはウルが腕に抱き着いてきたことで感じる柔らかな感触に照れながらも

 

「よくわからないがウル、あんまりからかうんじゃない」

 

「そんなこと言って腕に抱き着かれて喜んでるんでしょ!」

 

「レクトさん!久しぶりに会えるのを楽しみにしてたのにウルさんばかりにデレデレしないでよ!」

 

「いや、、デレデレなどしていない、、」

 

照れながらも責められて戸惑うレクト、少し顔を赤らめて腕に手を回しているウル、レクトとウルに対して怒っている少女たち、カオスな状況ではあるが周りの者たちも珍しく狼狽えるレクトを見れて楽しそうにしている。その後も騒がしい宴会は続くのだった。

 

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