劇場版とある魔術の禁書目録 プロジェクトエンデュミオン~その奇跡は誰がために~   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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前回よりは短いです

※前回に引き続き本編に先駆けて先行登場キャラあり
・鏡祢みのり(ゴウラム人間体)
・夜神一真(仮面ライダー剣)
・橘朔夜(仮面ライダーギャレン)

誤字脱字ありましたらご報告を

ではどうぞ


チャプター3

ステーキハウス〝ブラック・サン〟

 

カウンター席に座っているのは探偵、左翔太郎とその隣に座っているのは相棒であるフィリップだ

そしてそのカウンターの奥…厨房で料理を作り終え翔太郎のカウンター席にやってきたのがこの店の店主、南光太郎である

ことり、と翔太郎たちの所に料理を置くと、やけに気持ちよく音楽を聴いている翔太郎の姿が目に入った

 

「翔太郎くん? 何を聞いてるんだい?」

「うん? なんだマスター知らないのか? 今巷で大人気の歌い手…ARISAをよ」

 

キリ、なんて単語が似合うくらいその時の翔太郎は決め顔だった

その表情に思わず光太郎は若干引きながら聞いてみる

 

「もともとはネットで活躍する歌い手だったんだけどよ…何度か路上ライブで少しづつ人気が生まれて、今やこの学園都市では知らぬ者はいないとまで言われてんだぜ?」

「そ、そうなんだ? 生憎音楽とかは聞かないからなぁ…」

 

ポリポリと頭を光太郎は掻く

けれど翔太郎がここまで惚れ込んでいるのだ

 

「僕も翔太郎に勧められて聞いてみたんだけど、悪くないよ。これはデビューも近いかもしれないね」

「へぇ…」

 

あまり音楽に光太郎は詳しくない

気になった光太郎は翔太郎に頼んで今聞いている曲を聞かせてもらった

イヤホンから軽快な音楽と共に弾むような綺麗な歌声が聞こえてくる

しばらく聞いてから光太郎はおぉ…と感嘆するような声を呟いた

 

「すごいね! 翔太郎くんが入れ込むのも分かる気がするよ」

「だろ!? やっぱり…俺の耳に狂いはねぇ…」

「翔太郎が聞くようになった時は、もう結構有名だったと思うけど」

「ばっ! それを言うなよフィリップ!」

 

思わず顔を向けて突っ込む翔太郎に光太郎は思わず笑ってしまう

何となく、そんな事だとは思っていたが

と、和んでいるとお店の電話が鳴り始めた

思わず駆け足で電話にとって応対する

 

「はい、こちらステーキハウスブラック・サン…あぁ、アラタくん? …出前? あぁ、問題ないよ。それなりに時間がかかっちゃうかもだけどいいかな? うん…うん、分かった、届けるよ」

 

少し応対すると光太郎は電話を受話器に戻した

 

「アラタからか?」

「あぁ。出前を頼まれた。大きめのステーキ三枚ほど。皆で分けて食べるみたいだ」

「…え? マスター出前やってんの!?」

 

驚いた様子で翔太郎は口を開いた

対して光太郎は変わらぬ笑顔で

 

「うん。流石にステーキをここで焼いて届けるのは無理だけど、了承が得れば材料を持ってって出前先で作るってサービスをやってるんだ」

「サービス良すぎぃ! けど言われてみるとあまり疑問を感じない不思議!」

 

思えばあんまりこのサービスを利用する人はいないから知らないのも無理はない

利用するのはさっきも言った通りアラタや伊達、夜神一真くらいしか利用していないのだ

 

「けど、たまにはアイツんちに訪問するってのも悪くないかもな」

「そうだね。こっちから行くのもいいかも。…そんな訳で光太郎、手伝うよ」

「お、ありがとう二人とも。じゃあお願いしようかな」

 

そう言って二人は出されたフライドポテト(四百五十円)を平らげて席を立つ

そしてその先で、一人の少女と出会うとも知らずに

 

 

「アラタ、頼んだのか?」

 

今現在、いる場所は学生寮、上条当麻の自室

天道はひよりと共に、買い出しに行っている

もちろん、出前の事は了承済みだ、それで二人はステーキに合うような惣菜を買いに行ってもらっている

 

「あぁ。俺の行きつけのステーキハウス。うまいぜ?」

「…出前にステーキって。お前の知り合いはいろいろとすげぇな」

 

正直最初アラタも聞いた時は驚いた

しかしゴウラムが人間体となって話し相手が欲しいというような時は重宝している

 

「…それで、アリサは?」

 

アラタの言葉に当麻は首を横に振る

そしてちらりと当麻のベッドで眠っているアリサを見る

ベッドで横たわる彼女は特に変な所はなく、すやすやと息を吐いて眠っている

 

「そっか」

 

短くアラタは答えた

とにかく今は彼女の回復を待つしかない

 

「にゃー…! やられてしまった…」

「むむ、大丈夫だよみのり! カタキは私がとるんだよ!」

 

そんな彼女の付近でテレビゲームにいそしむインデックスと角のようなカチューシャをしたアラタの義妹、みのりだった

鏡祢みのり…正式名称ゴウラム

今インデックスの隣で一緒にゲームをしているのは、ゴウラムに内包する霊石の力で人間へと姿を変えたゴウラムなのだ

 

「それにしても、今日はいろんなことがあったな」

「そうだな。…けど、今日はそれを思い出して纏めるのはやめようぜ。情報が複雑すぎてこんがらがっちまうからさ」

 

アラタの言葉に当麻はそうだな、と頷いてこれから来る出前に準備するべくアラタは当麻の部屋の台所を物色し始めた

一方、学生寮入り口付近

 

「…あれ? 南さん」

「あぁ、天道くん」

 

出前に来た光太郎一向と買い出しを終え戻ってきた天道兄妹が鉢合わせした

 

「よぉ天道、買い物に行ってたのか?」

「えぇ。左さんたちこそ、なんで南さんと?」

「たまには僕たちの方からアラタの所に行ってみようと思ってね。ついでに出前を手伝おうと」

 

そうフィリップが答えるとあぁ、と天道は頷いた

確かに普段頻繁にアラタの方から彼らの第二左探偵事務所に足を運んでいる

そんなパターンもあってもいいかもしれない

 

階段を上りながら談笑しつつ、部屋付近まで五人は歩いてきた

当麻の部屋の前に止まり、一度ノックをした後扉を開いた

 

「お、帰ってきたみたいだな」

 

アラタが扉の付近へと行き、彼らを招き入れる

その音が聞こえた時、同じタイミングでアリサも目を覚ました

それに気づいた当麻は彼女の近くによって声をかける

 

「気が付いたみたいだな」

 

彼女は少し自分の周りを見渡しながら呟いた

 

「…ここ、は?」

「おうちだよ。とうまのおうち」

「いや、違うから! 正確には学校の寮だよ」

「寮…」

 

呟くアリサ

そんなアリサの下に、天道たちを招き入れたアラタが声をかけた

 

「お、起きたのかアリサ。待ってな、今晩ごはん作るから」

「う、うん。…ごめんね、迷惑かけて…」

「気にするな。迷惑はかけるもんだろ?」

 

そう言ってアラタは笑む

その笑みにアリサも笑って返した

そんな時であった

 

「あぁぁぁぁっ!?」

 

なんとなしに居間に顔を出した翔太郎の声が耳に響く

その声量に思わずアリサはビクゥ、と肩を震わせた

 

「ARISAだぁ!? なんでここにっ!?」

「ちょっとダンナ声デカいって!」

 

じたじたする翔太郎をアラタが抑えつつ、その間を縫うように髪を右側にはねてる男性、フィリップがアリサの所へやってくる

 

「騒いじゃってごめんね。僕はフィリップ、あっちが翔太郎っいうんだ。よろしく」

「は、はい。よろしくお願いします」

 

若干苦笑いでアリサは答える

 

で、台所

 

「襲われた?」

 

持ってきた材料を調理している傍ら、光太郎がアラタに聞き返す

現在、二人は光太郎が持参してきた材料を用い料理を作っている最中である

その作っている途中、先ほど起きた出来事を光太郎に掻い摘んで説明したのだ

 

「…もしかしたら、彼女も自分が気づかない力を持っているのかもしれないな」

「だとしても、俺には彼女が夢を追っている普通の女の子にか見えないんです…」

 

調理しながら、アラタはふと居間へと視線を向けた

その眼に見えたのは、インデックスやみのり、ひより、当麻と楽しそうにゲームをする鳴護アリサの姿が見えた

そんな四人を翔太郎とフィリップの二人が見守っている

彼女が普通の女の子だという事には光太郎も同意だ

 

「…よし。俺も手伝える時は手伝うよ。彼女の夢を、壊させたくないからね」

「すいません、けどありがとうございます」

 

大きめのステーキを切り分け、光太郎は言いながら皿に盛りつけていく

その言葉に感謝しながら、アラタもその盛り付けを手伝った

 

 

夕食を食べ終え団欒の空気が室内を包み込む

台所で天道兄妹と光太郎が食器を洗っている音を聞きながらふと当麻がアリサに聞いた

 

「所で、思い当たる節はないのか? さっきの奴らが何者なのか」

 

アリサは彼の言葉にゆっくり首を横に振って答えた

どうやら彼女もあいつらが何者なのか分からないらしい

そんなアリサにインデックスはふふん、と胸を張りながら

 

「知らなくてとうぜんなんだよ。だってあれはまじゅ―――」

 

全部言い切る前にみのりが彼女の口を塞いだ

流石に魔術の事をよく知らないアリサに魔術の事を言うのはまずいと思ったのだ

 

「ま、科学だけじゃ割り切れない力とかあるよね。は、はは」

「そ、そうだよなぁ! はははっ」

 

変わりつつある空気をアラタがフォローするべく口を挟み、当麻もそれに乗っかった

しかし返ってきたのは意外な一言だった

 

「アラタくんと、当麻くんも信じてるの?」

「え?」

「不思議な―――それこそ科学じゃ証明できない力とか」

「んー…けど超能力ってのも、似たようなもんだとは思うけどな」

 

そんなアリサの言葉に翔太郎が答える

学園都市外部出身な彼にとっては超能力も十分すぎる力だとは思うのだ

 

「アリサちゃんは、そういった力があった方がいいのかな?」

 

フィリップの言葉にアリサは俯きながら

 

「実は…私がそうなんだ」

 

え? とその場にいる人たちの頭に疑問符が浮かんだ

私自身がそう、とは一体どういう事なんだろうか

 

「歌ってるときだけなんだけど、なんだか計測できない力みたいなのがあるみたいで。定期的に検査を受けてるんだけど…結局それが何かは、分からなくて…」

 

そう言って彼女はどこか憂いを帯びたような瞳で言葉を続ける

 

「もしかして、皆が私の歌を聞いてくれるのも、その力のおかげなのかな…って」

 

「それは違う」

 

彼女の言葉を、上条当麻の言葉が遮った

 

「そんなんなら俺の右手が―――」

 

言いかけてハッとする

思えば当麻の右手の事を説明するといろいろと時間がかかるのだ

 

「そうだよ!」

 

そんな当麻をフォローするように、インデックスが口を開いた

 

「アリサの歌は本物だよ!」

「うん。私は貴女の歌をネットでしか聞いたことないんだけど…それでも、アリサちゃんの歌は心に来たもん」

 

そんなインデックスに続くようにみのりも付け足した

 

「それに、そんな力があるのなら翔太郎があそこまで惚れ込むわけないもんねぇ?」

「ちょ、フィリップ!」

 

そんなフィリップにツッコミを入れそうになるがすぐに冷静になり、翔太郎はアリサに向けて

 

「ま、まぁ確かに。ARISAの歌は好きだぜ。現に君には、大勢のファンがいんだからな」

 

翔太郎の言葉にアリサは小さく笑みながら「ありがとう…」と答えた

そして、彼女は徐に天井を仰ぎ見た

 

「…歌でみんなを幸せにしたかった。歌ってれば、私も幸せな気がしてたから。…だけど、それで他の誰かが傷ついたら…もう」

 

「おい、もしかして、オーディションに合格したのに、辞退しようっていうんじゃあ…」

 

当麻の言葉を僅かにうなずきつつ、彼女は言葉を続ける

 

「歌いたいって言うのは結局は私のわがままだし、…またさっきみたいなことがあったら…そのせいで周りの人たちが怪我したら…」

「だから夢を諦めるのか? 力で向かってくる連中に屈して、自分の夢を捨てるのかよ!?」

 

当麻の言葉にアリサは少し黙る

ここまで来て夢を諦めるなんて酷すぎる

だって彼女は何も悪くなんてないのだ

ただ必死に頑張って、ようやく掴みとったチャンスなのに、それを自ら手放そうとしているのだ

 

「…アリサ、君はどうしたいんだ」

 

アラタが聞いた

アリサは自分を抱くように両手を動かす

 

「…歌いたいよ。…私には、それしかないんだもん」

 

呟く彼女の頬を、瞳から流れ落ちた水が濡らした

一瞬、沈黙がその部屋を包み込んだ

 

「…夢ってのはさ」

「…え?」

「時々すっごく切なくなるけど、時々すっごく熱くなる…らしいよ」

 

これはたまに行っているクリーニング屋が言ってた言葉の受け売りだ

そんなアラタの言葉に同意するように当麻が口を開いた

 

「そうだ。今の俺たちには、明確な夢なんてないけど…お前の夢を守る事は出来る。だから、歌えよ。やりたいことがあって、やれる力があるのならやんないとだめだ」

 

「その通りだぜ、アリサ」

 

それまで黙って聞いていた左翔太郎も言葉を紡ぐ

 

「俺たちも協力するぜ。安全に歌える方法を探すために」

「君は何も悪くなんかないんだ。どんと胸を張って歌えばいい」

「だから…自分の夢を諦めちゃだめだ」

 

翔太郎の言葉にフィリップと光太郎が付け足した

彼らの言葉を聞き、アリサは胸が熱くなるのを心から感じた

初めて会った人たちが、ここまで優しくしてくれることに、思わず涙を流してしまいそうになるがその涙を両手で拭う

 

「協力するのは構わないが―――その間彼女はどうするんだ?」

「…またあの連中が襲ってきたら、いろいろとまずいんじゃないか?」

 

天道とひよりの言葉にアッと当麻が声を洩らす

確かにこのままアリサを一人にしてしまったらまたさっきの連中が襲撃しかねない

 

「だったらアリサはしばらくここにいればいいよ!」

 

インデックスの言葉に当麻がぎょっとしつつみのりがあぁ、と手を叩いた

 

「そうだね、ああいいう奴らって人目があれば手を出してこないだろうし」

「なるほど…それなら安心だな」

 

何やらどんどんと話が進んでいる

しかしみのりの言っていることも一理ある

ここでなら当麻やインデックス、もっと言えばアラタや天道は愚か、ツルギもいるのだ

安全面では抜群と言えるだろう

しかし問題は当麻本人がYESと言ってくれなけばならないという事で

 

「…その、いいの?」

 

アリサが問う

正直に言ってしまえば苦しい(経済的に)

しかしそれ以外の最善策が全く浮かんでこない

 

「…よぉっしっ!」

 

やがて全部吹っ切るようにそう当麻が声をあげると

 

「この上条さんに任せなさいっ!」

 

そう言って当麻は右手でドンと自分の胸を叩く

そんな当麻を見て、アリサはまた笑顔を作るのだった

 

 

「…えぇ。敵は分類不能の能力を使用していました」

 

シャットアウラの自室にて

彼女は下着姿のまま、ある人物と連絡を取り合っている

電話の相手はレディリーだ

 

<…能力、ねぇ。けど、能力ならいくらでも生み出せるのでしょ? 特に、この学園都市なら>

 

電話の向こうで聞こえる声を聞きながらシャットアウラは窓を閉じていたシャッターを操作する

シャッターの向こうに見えるのは夜の学園都市の夜景が見えた

 

「…。今回の敵は相当に珍しい力だと思います」

 

そう言いながらシャットアウラは戦った相手を思い出す

 

大雑把に分けると風使い、土使い、水使い、そして炎使いと…なんだか変な信号機みたいな奴の事を覚えている

中でも変な奴は一層不快にさせる

姿を変える際に、かなり耳にうるさい〝ノイズ〟を発生させるのだ

 

<レアアースを生み出す貴女も十分、珍しいと思うのだけれど? シャットアウラ>

「少なければ珍しい、という意味ではありません。貴女が仰ったように、鳴護アリサは襲われた。…一体彼女は、何者なのですか」

 

<あら? 知らないと戦えないかしら>

 

返答を待つシャットアウラの耳に、また耳障りな音が聞こえる

思わず回線がジャックされたのかと思い、彼女は問いかけた

 

「ところで、この回線は本当に安全なのでしょうか」

 

 

<先ほどからノイズを感じるのですが>

 

「…ノイズ?」

 

そんな事は有り得ない、と思ったがそうだったとすぐに理解した

今レディリーがいる部屋には、気分転換に蓄音機で音楽をかけていたのだ

彼女はマリアに指示し、その蓄音機を操作し音楽を停止させる

 

「…どう? ノイズは消えたかしら」

 

 

彼女が言った通り、ノイズは消えた

思わず携帯から耳を話し、確認したほどだ

 

そして再びシャットアウラは携帯を耳に当て、先ほどの言葉に返答する

 

「…はい」

<そう。よかったわ>

 

そう言って彼女は少し間をおいてもう一つ指令を飛ばす

 

<じゃあ、明日もあの子の警護よろしくね>

「はい」

 

短く返答すると携帯を切った

そしてシャットアウラはテーブルの上に置いてあるブラックイクサナックルを見る

 

自分は、まだこのアイテムを完全に使いこなせていない

あの時の戦いでシャットアウラはそう実感した

そう感じたシャットアウラはある一つの番号に電話をかける

 

 

とあるコンビニにて

立ち読みしてる一人の男がいた

 

高校には通っておらず、学園都市の闇からたまに依頼も来るが受けたい依頼以外は基本的に断っている

男は何でも屋を営んでいた

正確には彼自身が営んでいるわけではなく、そう言った組織に属しているだけだ

先ほど言った依頼云々の話もリーダーである男の方針である

 

そんな彼の携帯がふと奮えた

開いてディスプレイを見るとリーダーの名前が表示されていた

 

彼は適当に読んでいた雑誌を戻し携帯の通話ボタンを押して耳に当てる

 

「橘さん、なんか用ですか」

<夜神か。お前宛に一通電話が来たぞ、黒鴉のリーダーだ。今からメールで詳細を送る>

 

そう言って橘朔夜は電話を切った

そしてそのすぐ後にメールが送られてきた

ひとしきり読んで青年、夜神一真ははぁ、と息を吐きながら携帯を閉じた

 

「…行くか」

 

これも仕事である

大きく背伸びをしながら夜神は夜の学園都市を歩いて行った

 

 

「来たか」

 

件の場所にいるとすぐそこにシャットアウラが立っていた

 

「…模擬戦とかよく頼むな。アンタ十分強いでしょうに」

 

頭を掻きながら夜神は言う

シャットアウラとはたまに仕事で顔を合わす程度だ

それこそ黒鴉の仕事に協力するときとか

その時に彼女の実力は目に焼き付いているのだ

 

「あいにく、そうも言っていられない。…これを使いこなすには、実際に使って戦わねばならない」

 

そう言って彼女は腰にあるベルトを巻きつけた

そして左手に持ったナックルを自身の右手に押し付ける

 

<レ・ディ・イ>

 

「変身」

 

そう呟いた後、シャットアウラはそのベルトにナックルを装填する

 

<フィ・スト・オン>

 

そうナックルが喋り、シャットアウラに重なるように鎧が纏われる

闇の中に、十字架が、ブラックイクサが夜神を見据えた

 

「…やれやれ」

 

これは付き合わなきゃ帰れることはなさそうだ

そう判断した夜神は徐に一個のバックルを取り出して、それに一枚のカードを差し込んだ

 

そしてそのバックルを腰に当てると、カードのようなベルトが展開し装着される

夜神はバックルのレバー部分に手をやって

 

「変身」

 

レバーを引いた

 

<turn up>

 

そんな電子音声が響きバックルが裏返り、そこからオリハルコンゲートが現れ、夜神はそのゲートをゆっくり歩いて通り抜けた

そのゲートを通り抜けた時、そこにもう夜神はいなかった

代わりにいたのは銀色の仮面ライダーだった

紅い複眼がブラックイクサを捉える

そして左腰にあるホルスターからブレイラウザーを引き抜き剣先をブラックイクサに突きつけた

 

「言っとくけど、手加減できないぜ」

「一向に構わない。…むしろ、本気で来てくれなければ困る」

 

ブラックイクサは言いながらイクサカリバーを展開し、同じように突きつけた

そんな彼女に銀色の仮面ライダー―――(ブレイド)が仮面の中で小さく笑んだ

 

「おっけー…ご期待に応えますかね」

 

そんな(ブレイド)にブラックイクサも同様に仮面の下で笑う

 

そして、同時に二人は駆け出し、闇夜の中でイクサカリバーとブレイラウザーが交差した―――

 

「はぁっ!」

「ウェアッ!!」

 

ガキンと剣と剣が火花を散らし―――時間は明日になっていく

歯車をくるくると、まわしながら




鏡祢みのり
ゴウラムに内包する霊石の力により人間体となったゴウラム
来ている衣服は黒いワンピに黒スパッツ、そして頭にゴウラムの角っぽいカチューシャをして黒髪の長髪、瞳の色は赤色
胸は控えめ、少なくとも美琴とどっこい
これがアラタの趣味を反映してかは不明である

夜神一真(やがみかずま)
仮面ライダー剣
高校には通っておらず、実質スキルアウトみたいなものだが弱者を痛めつけて悦に浸るなんて趣味はない
朔夜率いる何でも屋<BOARD>に所属している
因みにあんまりオンドゥルってない

橘朔夜(たちばなさくや)
仮面ライダーギャレン
夜神が属する何でも屋<BOARD>のリーダー
受ける依頼は大抵彼が気分で決めてる
原典との違いは名前が一文字違う事(読みは同じ)

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