HANMER×HANMER   作:としを

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HANMAR×HANMAR♯12

(おいおい…この男ッッ!!マジか…ウボォーギンじゃねぇのか…?あのちっこいのはコルトピだろ??

なんでみんなツッコまねぇんだよ!ハンターハンター読んでるの俺だけなのか…??

あーヤバい!昂昇さん腕あり得ない方向に曲がってるし…イテェーだろなあれ、だいたいオーラを纏わずに念能力者の前に立つなんて、極寒の地で全裸で震えながらなぜ寒いのか解っていないようなものってウイングが言ってたじゃねぇかよ…これ無理だろ、ちゃんと読んどけよお前ら!克己さんでも死ぬぞ…)

 

勝利を確信している壁際に立つ黒帯の集団の中に一人、冷や汗を止める事が出来ない漢。末堂厚がそこにいた。

 

彼も空手に青春の全てを捧げ「リアルファイトトーナメント空手道選手権大会」で堂々の3連覇を達成した程の実績を持つ強者だ。

もっとも刃牙に破れてからはこの世界でも同期の加藤と共に驚き役に回ることが多かったが、その実力は地下闘技場の闘士と比べたら一段落ちるが恵まれた体格から加藤と共に今後を期待されている存在ではある…と思われる…。

 

そんな末堂厚。毎日のトレーニングの合間の趣味は漫画だった。

中でも冨樫義博先生の書く作品には目がない。

ハンターハンターは連載再開を何よりも心待ちにしていた漫画であった…。

今の状況はそんな彼の予想の斜め上をいっていると言ってよいであろう。

 

末堂(あー烈海王も…吹っ飛ばされた、壁にベコリって漫画じゃねぇか…うっわ…昂昇さん、、痛そー。さば折りでありゃ背骨折られてんじゃねぇか…)

 

圧倒的な力を見せるウボォーギンに対抗出来るとしたら、唯一可能性があるのは渋川剛気の合気道であった。

 

末堂(渋川先生で無理だったら…克己さんには悪いけど逃げよう…頼むぞジジイ!俺は童貞のまま死にたくない!)

 

さば折りで昂昇の身体をメキメキと言わせ、意識を失った所で床に落とす。その後に構えるは達人、渋川剛気。

ウボォーギンが振り下ろす拳をほんの数センチだけ後退してその身を躱す。さらに追撃するも結果は同じだった。

今度は横からの蹴りが眼前に迫ってきた。それを屈んで避ける渋川はすぐに状態を起こし、ウボーギンの顎に必殺のアッパーカットを見舞い、だめ押しの足刀も忘れない。

 

末堂(すげぇー!!合気道すげぇ!これもしかしてもしかする??いや、無理だろうな…だってこいつ本気なら人間を紙みたいに引きちぎるやつだし…)

 

ウボー「面白れー技だな、ちょっと俺の力も見せてやるよ」

 

アッパーカットのダメージは一切見られず、笑みを浮かべ首をポキポキとならしながら起き上がり、オーラを高めるウボォーギン、その膨大なオーラはこの場にいるコルトピ以外には目視さえ出来ていなかったが、ここに居る全ての者がウボォーギンの威圧感が格段に高まったのを感じていた。右手にオーラを込めて床板を殴る

 

 

超破壊拳(ビックバンインパクト)《/b》

 

強化系を100%近く極めたウボォーギンの必殺技、ただの念を込めた右ストレートであるが小型ミサイル級の威力がある。

 

 

 

ズドォォォーーー!!!

 

 

この時、神心会の本部道場の一つのフロアが消滅した。

凄まじい轟音と共に床が抜け窓ガラスは全て割れ、その衝撃で近くにいた渋川の視界は遠のき、克己も手痛いダメージを受けている。

壁際の黒帯の集団も飛んで来た床板やガラス片からダメージを受け、受け身が間に合わなかった者や、腰が抜けて立つことが出来ない者など様々だ…ただ一人を除いて…

 

ウボォーギンがビックバンインパクトを放つ一瞬前に末堂は危険を察知し道場から飛び出し逃走していた…

 

 

 

末堂(逃げろ…ッ!逃げろ…ッッ!こちとら裸足で100M、11秒台だぜッッッ!!)

 

全力で逃走を計る末堂厚、もの凄く輝いている。エレベーターのボタンを連打で押す、押す、押忍。扉が空いて、即刻乗り込もうとすると中には見慣れた顔があった…。

 

末堂「加藤…お前、血だらけじゃねぇかッッ…!」

 

加藤「すげぇ音がしたな…あのでけぇのが暴れてるんだろ…?」

 

末堂「今克己さんが相手してる…俺たちがいても邪魔になるだけだ…それにそのケガ…病院に行くぞ、連れてってやるから」

 

加藤「あ?館長がいない今の状況で克己さんを支えられるのは俺たちだけだろがよぉ!!」

 

末堂(あ?この馬鹿なにいってんだよ、無理に決まってんだろ!オーラも纏えねぇひよっこが!)

 

末堂「だけどよ…殺されちまうぜ…?」

 

加藤「俺たちは武闘派集団だぜ?戦って死ねるなら本望だろがッ…!」

 

末堂(お前…だって俺たちのポジションは噛ませ犬…完全な噛ませだ…メインキャラと違ってボロボロにされるんだよ!)

 

末堂「…………」

 

加藤「俺は一人でもいくぜッ!お前はそこで一生震えてろ!!」

 

末堂(その台詞が既に噛ませ犬感やべーんだってッッ!お前またサンドバックに入れられるぞ……)

 

末堂「…………」

 

末堂は迷っていた。確かに相手があの幻影旅団のウボォーギンということでいつも以上に恐怖を感じてしまっていたのかもしれない…ただそれは奴らの強さを知らないから言えるんだろ…俺だって…

 

チンッ!

 

隣のエレベーターから飛び出して来たのは範馬刃牙。徳川邸に居た刃牙は徳川光成の持つ情報網により都内の監視カメラから降り立った機体に乗っていた5名の姿を捉え、その内の2名が神心会の本部道場に入って行った事を伝えられていた。加藤が無惨に投げ飛ばされる所をビデオで確認し直ぐさまこの場までやって来たのであった。

 

バキ「加藤さんに末堂さん!あのデカイやついるんだろ?どこだ!!?」

 

末堂が指をさすとその方向へ何も言わずに走っていったバキであった。

末堂(うぁ…バキきちゃった…あれ?でも待てよ、主人公登場ってことはこれなんかフラグ立ってる??もしかしてパワーアップとかして都合よく勝っちゃったりするんじゃねぇか?よしッッッッ!!!)

 

壁に手を付きながらゆっくりと進んでいく加藤に肩を貸す末堂。

 

加藤「末堂…お前…」

 

末堂「死ぬ時は一緒だぜ…」

 

調子の良い事をいいながら刃牙の後に続く末堂厚であった。

 

 

範馬刃牙は言葉を失っていた…扉の前に床は無く一つ下のフロアに倒れる多数の黒帯の集団と渋川剛気、鎬昂昇、壁にめり込んだ烈海王。その場で立っている人間は監視カメラで見た毛皮をまとった大男と長髪の小柄な人物、そして辛うじて意識を保っている愚地克己、その三名のみ。直ぐさま飛び降り下の階に着地する範馬刃牙。

 

バキ「てめぇーー何やってやがるッッッ!!」

 

言葉では虚勢を張っているが身体からは冷や汗が止まらない。父、範馬勇次郎と幼き頃に相対した時以上の良い知れぬ恐怖が刃牙を襲っている…

 

ウボー「ちょっとやり過ぎちまったか」

 

刃牙の言葉を無視し、コルトピの方を向き頭をボリボリと掻きながら着ていたいた服が破れ、背中の蜘蛛の刺青が露出している。少し反省しているような顔をするウボォーギンに対し、間合いを詰めその巨大な背中に向かって愚地克己が渾身の音速拳を放つ。

 

パンッ!!

パンッッパンッッ!!

 

失った右腕がなくとも左腕での連続の音速の拳…音の壁を拳が突き破る音を響かせた…だが…

 

ウボー「痛てぇ…じゃねぇかこの野郎」

 

愚地克己、「空手を終わらせてしまった男」とまで言われる漢の最終の武器である、音速拳、通称マッハ突。背骨を含む全身27箇所の関節の回転を連結加速させ、音速を超える打突。

 

この技を持ってしても…ウボォーギンには痛いという感覚しか与えられなかったのだ…。いや、この場合、痛覚を与えられただけ克己の打撃は優秀だったと言えよう…刃牙に追いついてその光景を上から見ていた、加藤、末堂も言葉を失う…。

なかなか良い線行ってたぜ、ウボォーギンが克己に贈った賛辞と共にその身体は吹き飛ばされた…加藤が飛び降り、捨て身の特攻をするも玉砕…。末堂も後に続いたが…相棒である加藤が目の前で吹き飛ばされる様子を見て戦意を喪失してしまった…。刃牙がコンビネーションを叩き込んでいるがそれを意に介さず、ウボォーギンはコルトピと会話をしだした。

 

 

 

ウボー「意外と時間が掛かっちまったな、なんか旨いもんでも食いにいくか?」

 

コル 「………(コクリ)」

 

ウボー「肉が食いてぇな」

 

 

 

加藤(おい…末堂聞こえるか…?)

 

末堂(ん?加藤!お前生きてたのかッ?!)

 

加藤(俺らはよ…いつだって損な役回りだよな…たまにはよ…ビビらせてやってもいいんじゃねぇか…?)

 

末堂(おい!もう喋るなッッ!)

 

加藤(神心会を…館長が血と汗で築いたこの道場を俺らで守ってやろうぜ…なぁ末堂、俺らなら出来るぜ…お前なら…頼んだぜ…)

 

小声で加藤と末堂はやり取りをしていた。もう息絶え絶えになりながらも最後まで、その意地を見せ強敵に立ち向かった加藤を誇りに思うと同時に、末堂は逃げ出した自分を恥じていた。末堂の涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を見て加藤は笑い…末堂の右の拳を握り締め…そして息を引き取った…

 

範馬刃牙が己の持てる全てを集結させウボーギンと戦っている。ウボォーギンの拳を軽快なフットワークで避け、そして連打を浴びせる。その繰り返しが数回続いた。

 

ウボー「なかなか、すばしっこい野郎じゃねぇか!!」

バキ 「ダメージはないのか…?」

ウボー「あ?お前そんなパンチで俺を倒せるとでも思ってんのか?お前ってかお前ら全員だ!」

バキ 「クソッッッ!!」

 

かつて数多の強敵を倒した剛体術の構えをとる刃牙、何かを察して距離を詰めてきたウボォーギンが動くより先にその拳を水月に叩き込む。ダメージの有無は解らないが、それに怒りをあらわにしたウボォーギンはバキの心臓に拳を叩き込む。そして…加藤の後を追うかのように…その瞬間…

 

最強の遺伝子を持つ筈の範馬刃牙の心臓は鼓動を刻むことを辞めた…

 

 

その後ろで静かに佇む男、末堂厚が叫ぶ

 

 

末堂 「今日は死んだっていいッッ!!!」

 

ウボー「ほう…」

 

末堂 「なんでお前がここにいるかは解らないッ!だがそんなのどうだっていいッッ!加藤清澄とは同期の桜、共に砂を噛んだ間柄だッッーー!」

 

その声の大きさと気迫に一応の仁義をつくすかのように余裕しゃくしゃくで振り向いたウボォーギンはみるみると表情を変えた…決死の覚悟で飛び込んでくるこの男の気迫もさることながら…その右腕に込められたオーラの大きさと不気味さに…

 

過去に戦ったどの敵よりも強大で禍々しいオーラ…

戦闘狂のウボォーギンでさえ言葉を失うほどのそれ…選り抜きの旅団員の中でも屈指の肉体の強さを持つウボォーギンでさえ、回避する意外の選択肢は無いほどであった…

 

 

ウボー「やべぇ…まに合わ…」

 

 

不死の王(デンジャラス・ライオン)

 

自身の死と引き換えに親友の右拳に全てを託した加藤の念。発動は一度きり。

 

加藤清澄は己の知らぬところで本部道場の入り口前でウボォーギンと相対した際にウボォーギンのアイアンクローにより念能力に目覚めていた。他の戦士達が意識を失っているのにも関わらず、加藤が意識を保てていたのもこの為であろう。そして念能力の中で最も強力で凶悪な死者の念。

誰よりも負けず嫌いで、誰よりも空手を愛した、加藤清澄は死を誓約に全ての力を最も信頼出来る友へと託したのであった。

 

 

末堂「ケイッッッッ!!!!!」

 

 

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