HANMER×HANMER   作:としを

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HANMAR×HANMAR♯13

ウボォーギンが神心会の道場の床をビックバンインパクトで踏み抜いた時にマチとシズクは近くのデパートで洋服を見ていた。

 

シズク「マチ、これも似合うんじゃない?」

 

マチ 「あんたとはセンス違うし、これのが動き易いわ」

 

シズク「もっと女の子らしい格好しようよー」

 

マチ 「動き易いのが一番いいの」

 

シズク「もー何しにきたのかわかんないよ」

 

 

 

ズドォォォーーー!!!

 

 

 

シズク「なに??地震?!」

 

マチ 「物凄く嫌な予感がする」

 

シズク「勘?」

 

コクリと頷くマチ。マチの感覚は育った環境なのか生まれつきなのか特別優れていてその勘は良く当たる。旅団員の中でも根拠はないがマチの勘というのはかなりの発言力を持っているようで、パクノダの能力の次に優先されているかもしれない。

逸れても良い様にと念の為、クロロを含む全ての団員に目印として念糸を付けておいたマチはシズクと共にまずはクロロの元へ向かった。距離的にはウボォーギンの居る場所に直接向かう方が早かったが、団長にお灸を据えて貰おうとでも思ったのであろう、先にクロロの元へ向かう事にしたマチは後にそれを大きく後悔する事となる…

 

クロロは相変わらず興味深そうに本を眺めていた。美しく羅列された本棚に並ぶ文書、乱雑に平積みにされている場所でさえ色彩のバランスやその造形に感動すら覚えた。

インクの香りに包まれてクロロは幸せそうに微笑んでいた。漫画コーナーに並ぶHUNTER×HUNTER。その11巻の表紙は儚げな表情をするクロロ自身であったが、それには目を眩れず通り過ぎ、地図のコーナーでひとしきり世界を眺め、歴史書、生物書、考古学、科学書、そして芸術書の画集などを順に手にとっていたら、見慣れた2人がやってきた。

 

シズク「いたいた!団長ー!マチが嫌な予感するんだって」

 

マチ 「ちょっとウボォーが暴れてるかもしれない…」

 

クロロ「お前の勘は当たるからな…居場所は解るのか?」

 

マチ 「ええ」

 

溜め息をつきながら、「盗賊の極意(スキルハンター)」を発動し、機体を包み込んだ「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」を使用、本棚をそのまま包み込み気になる本を懐にしまった。店にいた客や店員は視界から急に本棚が消滅したことに我が目を疑いしきりに目を擦っている。急ごう、そう言ったクロロに続きマチの糸を凝で見ながら素早く店を後にした。

やはり重力の問題のせいかクロロの元に居た世界のように壁を横走りしたりは難しそうであったため、道路を走る。

なるほどな…そう呟くクロロの眼前には到着した時にウボォーギンの攻撃を見事に受け流した漢の看板があった。既にこのビルの上の階であろうか窓ガラスが割れ、その破片が周辺の道路に散らばっている。

 

マチ「あいつ…」

 

頭を抱えるマチであったが、現時点でウボォーギンの生死が脅かされるような状況など毛程も思っていない。それもそのはずであった。念能力者の中で戦闘に関して一番安定した強さを持つ強化系。そしてそれをほぼ極めたと言っても良いウボォーギン。

 

尚かつ肉体の鍛錬も怠らないその強さには絶大な信頼を持っている。それはクロロもシズクも同じであった。割れた窓ガラスの位置から察するにおそらくは最上階であろう場所に向かう。

 

エレベーターに乗り込み、最上階のボタンを押す。胸騒ぎが強くなる…最上階に到着しなぜか早足になるマチを訝しげに見つめるも後に続くシズク。マチ達が道場にたどり着いた瞬間、陥落した床の下には右腕に禍々しすぎるオーラを纏った漢が今まさにウボォーギンを攻撃する瞬間であった。

 

その漢が纏うそれは百戦錬磨のウボォーギンであっても死を連想させるほど。

 

 

ウボー「やべぇ…まに合わ…」

 

 

末堂「ケイッッッッ!!!!!」

 

 

インパクトの瞬間…目にも止まらぬ早さでウボォーギンと末堂の間。足にその床を踏み抜く程のオーラを込めコルトピが全身を堅の状態で割り込んできた…そして…コルトピの上半身と下半身が半分に分かれ、彼方へと飛んでいく…力を使い果たした末堂はその場で意識を失い倒れ込んだ。

 

マチは自分を責めていた。念糸によって繋げられたコルトピの上半身だけをたぐり寄せ、抱えこんだ。

 

もう少しでも早くに自分がこの場へ立っていれば、ウボォーギンにもコルトピにも繋げられた念糸を引っぱり回避させる事は可能だったからだ。それを察したのかクロロがマチの肩に手を置く。直撃は免れたと言っても大ダメージを受けたウボォーギンはそれでも悔しさを露にし、全力でオーラを開放して叫んだ。

 

 

ウボー「うぉぉぉぉぉぉーーー!!」

 

 

そのまま全力のビックバンインパクトを目の前に倒れている漢に撃ち込もうとした所をクロロが制止した。

 

クロロ「頭を冷やせ、その漢を殺すことはオレが許さない」

 

ウボー「は!?なんでだよ!こいつさえいなければ!」

 

クロロ「こいつさえいなければ、あの時にこうしていたら、自分がもっと早くについていたら、か?過ぎた事を気にしていて何になる」

 

ウボー「このオレのイラつき抑えられるぜ!!」

 

クロロ「ダメだ。そいつは連れて帰る。ルールに従え、後の事はこいつに任せるが結果は同じ事だろう」

 

ウボー「は!?本気で言ってるのか!?そんなのオレは認めねぇ!認めねぇぞ!」

 

マチ 「お前、どの口が言ってるんだ…?」

 

頭に血が上っているのかオーラを放ちクロロにさえ全力の敵意を向けるウボォーギンへ無惨に分かれたコルトピの上半身だけを抱きかかえたマチは冷たく言い放った。それを見て、聞いて、ウボォーギンはオーラを消した。

 

クロロ「ウボォー、お前やノブナガは特攻だ。死ぬのも仕事の1つに含まれる。お前ら自ら進んで捨て石になる事を選んだんじゃなかったか?」

 

ウボー「そうだ…」

 

クロロ「コルトピは戦闘能力ではなくその能力を買って俺が引き入れた、本来なら盾になって守るべき者に俺の忠告を無視し、身勝手な行動をし、特攻のお前が守られた。」

 

ウボー「……」

 

クロロ「旅団の立場を忘れてダダをこねてんのはオレかお前、どっちだ?」

 

ウボー「……」

 

クロロ「何かいうことはあるか?」

 

ウボー「ねェよ…」

 

クロロ「状況が変わった。このまま帰還する。シズク、掃除を頼む」

 

感情を覗かせもせず、一番冷静に事の次第を見守っていたシズクは頷くと自身の能力である、デメちゃんを発動。今まで視てきた念能力と違いふざけた名前であるが。シズクは具現化した掃除機「デメちゃん」を具現化し、武器として使う能力を持つ。デメちゃんはシズクが念じた物を何でも吸い込む。

ただし他人の念や、シズクが生き物と認識しているものは吸い込めない。最後に吸い込んだ物なら吐き出す事ができる。

 

シズク「いくよ、デメちゃん。この部屋中のコルトピ以外の錯乱した死体とその血・肉片および死人の所持品を全てを吸い取れ!!ついでにガラス片と割れてる床板も!」

 

そう言って、スイッチを入れた途端にデメちゃんの口へもの凄い勢いで吸い込まれて行く。先ほどまで乱雑としていた道場は一掃され、倒れている黒帯の数名と、愚地克己、烈海王、渋川剛気、鎬昂昇、そして末堂厚を残しただけであった。クロロは機体を包み込んだ「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」を発動し包み込んでいた機体をその場に出した。

 

クロロ「さすがはコルトピだ…次に来る時は盛大に弔いをさせてくれ…」

 

コルトピの死によりコルトピの念能力で具現化したこの機体は消滅してしまっているかもしれないと懸念していたクロロであったが、コピーをしてから24時間後に消滅するという制約は死をしても尚有効だったようだ。

時空を飛び越える際の時間のロスがあるのか?

 

もし途中で消滅した場合などの事も考えコルトピを連れて来ていたが、亡き後、いつ消滅しても可笑しくないこの機体に素早く乗り込み帰還するべきであろう。

ウボォーギンに合図をしコルトピを葬ったこの漢を機体に入れるように促した。マチの念糸でスイッチを外から押す。機体はその場で光を放ち消えていった。続いて旅団員も同じように機体に乗り込む。コルトピの上半身はマチが抱えて同乗した。彼方へと飛んでいった下半身は残念だが仕方がない。

 

今のクロロ達には何よりも時間がなかった。皆がそれぞれに想いを抱えながらハッチを閉め、ボタンを押すとまばゆい光と共に機体は消えた。

 

 

薄れ行く意識の中で薄目を開けていた愚地克己、消えてゆくウボォーギンの背中の刺青をしっかりとその眼に焼き付け、そしてまた意識を失った。

 

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