HANMER×HANMER   作:としを

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HANMAR×HANMAR♯18

末堂「うぉぉぉぉ!!!!なんだこりゃぁ!!!!!」

 

鏡を見る末堂。その顔には全面にベッタリと張り付いた蜘蛛の入れ墨。左斜めに向きに顔を覆うように彫られていた。足は喉仏や耳の裏まで届いているようだ。なぜこうなったのか。幻影旅団の団員は皆蜘蛛の入れ墨を身体のどこかに入れている。

 

それにより結束を深める?いや、真相は恐らく結成当時に遡るのであろう。何か深い意味があるのであろうが作中でも未だに明かされていない事実は知る由もない。

ちなみに蜘蛛の入れ墨が象徴する意味は「運命」「幸福」「創造」「忍耐」「恐怖」など。

ある国では「朝蜘蛛は縁起が良く、夜蜘蛛は縁起が悪い」と言われているようだ。朝蜘蛛は来客や待ち人が現れ、福を持ってくる吉兆の象徴されており、反対に夜蜘蛛は泥棒が入る悪い兆しとされている地域も多く、蜘蛛は天気の良い日に蜘蛛の巣をはるので、朝に蜘蛛を見るとその日1日天気も良くて気分良く過ごせると言った意味や、蜘蛛が糸を伝って下に降りてくる姿が泥棒の姿と掛け合わされ、夜に見る蜘蛛は悪い事が起こる兆しとされたようだ。

 

何はともあれ、刃牙の世界から悪名高き幻影旅団に入団した末堂厚がなぜ顔面に入れ墨を入れることになったのかというと少し遡ろう。クロロから入団を歓迎するという旨を伝えられてからすぐに当然入れ墨の話となった。

懇意としている高い技術を持つ彫り師が流星街にはいた。すぐにでもということだったので言われるがままに連れてこられた。付き添いにはフェイタンとフィンクスとシャルナーク、この人選は入団したと言っても未だに信用はされていない事の表れだろう。

 

事実、3人はクロロからも逃げるようなら殺せと言われていた。先の戦いで念能力に目覚めていた末堂は3人と向き合い、そのレベルの差は既に承知している。逃げ出すもなにもこの強者3人に囲まれるように歩くその道中では微塵も隙がなかった。

 

フェイ「お前どこにいれるね」

フィン「別に身体のどこかなら問題ねぇぞ」

シャル「これって毎回ワクワクするね」

 

末堂 (入れたいか入れたくないかだったら間違いなく入れたくねぇよ…大体なんで蜘蛛なんだよ…もはや振り切ってて何も言えねぇよ…)

 

その場で入れ墨を入れる場所を選ぶことにした。だが、誤算がある。大きな身体にはとても似付かわしくないが末堂厚は昆虫、虫、節足動物全般が大の苦手であった。特に蜘蛛などは視界に入っただけで鳥肌が酷い。

何か注文があるか?と促され、自分の視界に入らない所で頼む。そう告げながら一応の確認はしてみる。

 

末堂 「足の裏とかはいいのか?」

 

シャル「う~ん。蜘蛛は旅団のシンボルだからそれを踏むっていうのは良い顔しない団員もいるかもね」

 

フェイ「却下、ワタシたちに任せるいいね。」

 

フィン「寝てる間にあっという間に終わるからよ、ちょっとこの薬でも飲んで寝とけ」

 

飲む飲まないの選択はなく、半ば強制的に口に含まされたその薬を飲み、末堂が意識を失う前に見たのは半笑いの2人だった。

 

シャル「ちょっと…2人とも、、ヤバいって、アハハッッ!!」

 

フェイ「クックックッ…少しは見れる顔になたようね」

 

フィン「あぁ、大分男前になったな」

 

 

顔面にベッタリを蜘蛛の入れ墨を張り付けたこの漢が、後に旅団員としてどのような活躍をするのは今後に期待しよう。




半蔵 「これ、自在に動かせるな」
ゴン 「ホントだ!面白いね!」
キルア「消すことも出来るみたいだぜ」
刃牙 「目を凝らすとよく見える…」

4人が4人とも念能力に目覚めた後の数日はその研究と活用に関して話し合っていた。ただ未知の力への単純な興味という所の方が大きく、この力を使ってヒソカからプレートを奪うという本題も今のゴンは忘れているかもしれない。
天才的な才能を持ったこの4人が能力に目覚めたことは当然と言えば当然であったのだが、4人が行った行為は念能力の目覚めという部分では外法と呼ばれる手口だ。

能力を持つ者からの発でむりやり身体の精孔を抉じ開けるような手法は本来の目覚め方ではない。正攻法であれば瞑想や禅などで自分のオーラを感じ取り、体中をオーラが包んでいることを実感した上で少しずつ開くものである。

天性の才能を持つものでも3ヶ月は有する、しかしこの4人ならあるいは1週間で目覚めることが出来たかもしれない。ただ既に目覚めてしまった4名は知る由もない。
外法で目覚める場合は時間内にオーラを体にとどめるコツを取得できるかに掛かっていたのだが、いとも簡単にコツを掴んでしまった才能は驚嘆に値する。未知のこの力を楽しむかのように出来ること出来ない事を探していた4人の前に現れたのは最悪の客人。

茂みから顔を出した道化師の顔を見るなり4人の顔から笑顔は消えた。

ヒソカは衝動を抑えきれないような不敵な笑みを浮かべながら近づいてきた。

ヒソカ「あぁ…キミ達はいい…♥しばらく会わない内に見違えるように成長したね♥」

半蔵 「おい!お前それ以上近づくな!!」

バキ 「おい…アイツはいったい何なんだッッ!」

キルア「あいつが、ゴンのターゲットのヒソカだよ」

バキ 「アイツがッッッ…!!」

ヒソカ「キミが教えたのかい?♥」

刃牙の方へ質問を投げ掛ける、目の前にいる男に父親並みの威圧感を感じていた刃牙は言葉を発することが出来なかった。

ヒソカ「いや、キミもまだ…青い果実ってところだね…♥誰かに教えられたとかじゃないのか♣」

半蔵 「だからそれ以上近づくなってッッ!!」

ヒソカ「今殺してもいいんだけど…それじゃあ勿体ないからね…♠」

その時ゴンが動いた。

ゴン「うぉぉぉぉーーー!!」

オーラを纏った体で無謀にも全力の体当たりを敢行する。
ゴンの渾身の玉砕を片手で弾くヒソカ、ゴンは突っ込んだ際のスピードの倍以上の早さで元の場所よりずっと遠くに吹き飛ばされた。

キルア「ゴーーーンッ!」

キルアがすぐにゴンの元へ駆け寄ろうとした瞬間に、キルアのその首筋にはトランプが当てられていた。いつの間にか背後に居たヒソカにこの3人の目は追いつかなかった。

ヒソカ「動くと、切る…♠」

キルア「……ッッ!!」

戦慄する空気の中、一歩も動けなくなった3人に対して圧倒的な戦力差を見せつけたヒソカ。

ヒソカ「大丈夫♥言う通りにしていたら今キミ達を殺すなんて勿体ないことはしないからさ♦」

ヒソカ「キミ達が今使ってる力は念っていうんだけど、それは誰かに教わったのかい?♥」

半蔵 「…誰にも教わってねぇよ!」

ヒソカ「やっぱりそっか♣」

半蔵 「これを使って何が出来るのか、どんな力があるのか、こっちが聞きてぇくらいだ」

ヒソカ「一つ条件を出そうか♥そうだねぇ…この試験、いや、ハンター試験が終わるまでその力を使うのはダメ♥大サービスとしてそのオーラを体に纏うだけ。その状態を纏って言うんだけど、それだけならしてもいいよ♥それ以外では調べたり、動かしたりするのも禁止♣」

半蔵 「なんでお前にそんなこと…ッッ!!」

3人を頷かせるには十分なオーラを発して威圧するヒソカに、心底震え上がった。その場は危険だと判断したのか森からは鳥達が一斉に飛び立ち、嵐の前の静けさのような不気味な風が吹いているような錯覚さえ起こさせた。

ヒソカ「…いいかい?念は奥が深い♣我流で生半可な使い手に育たれるくらいなら今殺すよ…♦」

キルア「……ッッ!試験が終わるまででいいんだな…?」

ヒソカ「キミは賢い子だね♥そう。その後は何をしようが自由だ、良い師に巡り会えるといいね♥」

刃牙 「俺は受験生でもないんだけど…俺も同じかい?」

ヒソカ「もちろんさ…♣あと、ゴンがボクのターゲットみたいだけど、このプレート置いておくから渡しておいてくれよ♥」

キルア「アイツは受け取らないと思うぜ…」

半蔵 「あぁ、短い付き合いだがよく解る。今だって俺たちに迷惑を掛けたくないから勝てるなんて思ってもないのにお前に突っ込んでいったんだぜ。」

ヒソカ「仲間想いのいい子だね…♥今みたくボクの顔に一発ぶち込むことが出来たら受けとろう♦それまでそれはキミに預ける♦そう伝えておいてくれ♥」



3人は鼻歌を歌うかのように悠々と去って行ったヒソカの背中をただ呆然と見続ける事しか出来なかった。
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