HANMER×HANMER   作:としを

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HANMAR×HANMAR♯19

台風のように過ぎ去ったヒソカへの恐怖をそれぞれが胸に残しつつもゴンの元へ駆け寄る、キルア、ハンゾー、刃牙。意識のないゴンを連れてスタート地点、つまりゴール地点近くの安全な場所まで移動することにした。

途中襲って来た受験生が4名程居たが、全て刃牙が体の動きを確かめるようにして返り討ちにしてしまった。

その間もなぜか律儀にキルアがプレートを回収するのも忘れない。

 

危なげなく時間が経過し、ゴンが目覚めると同じくらいの時間にアナウンスが鳴り響く。

 

「ただ今をもちまして第4次試験は終了となります。受験生のみなさん、すみやかにスタート地点へお戻り下さい。これより一時間を期間猶予時間とさせていただきます。それまでに戻られない方は全て不合格とみなしますのでご注意下さい。なおスタート地点へ到着した後のプレートの移動は無効です。確認され次第失格となりますのでご注意ください。」

 

続々とゴール地点に集まった受験生は僅か9名。そして刃牙。

 

ネテロ「9人中6人がルーキーか、ほっほっほ豊作、豊作」

 

ネテロが上機嫌で迎え入れる。そこに見慣れぬ少年が一人いた。キルアがネテロに声を掛ける

 

キルア「あのさ、こいつバキっていうんだけど、この試験は6点分のプレートを集めたら合格なんだよな?はいこれ、全部バキが集めたもんだ」

 

バキ 「キルア…??」

 

バキが集めた6枚のプレートをネテロに渡すキルア。

 

ネテロ「つまりはこの少年を4次試験合格にしろということか?しかしのう…1次から受けてない者を…」

 

半蔵 「ハンター試験っていう危険な場所に一般人を紛れさせるっていうのも問題があるんじゃねぇか?こいつは何も知らなかったぜ?」

 

ネテロ「確かに、ここの島には受験生以外の人間は居ないと認識していた、それはこちらの落ち度になるのぅ。」

 

半蔵 「だろ?大体こいつの実力は俺が保証するぜ?なんならこの試験中ずっと俺についてた試験官に聞いて貰ってもいい」

 

ネテロ「うーむ…納得しない者もおるじゃろうて…多数決で決めさせて貰おうかのう」

 

皆に多数決を促すネテロ。

 

ネテロ「それではこの4次試験に紛れてしまったが6点分のプレートを集めた少年を有資格者と認める者は手を挙げとくれ」

 

ポツ、ポツと手が挙る。挙がった手は全部で6本。キルア、半蔵、ゴン、ヒソカ、クラピカ、レオリオであった。

手を挙げなかった受験生の一人ポックルが異論を唱える。

 

ポックル「ここに来るまでに命を落とした者もいるんだ。それなりの覚悟を持ってみんなここへ来ている。なのに途中参加でこの試験だけ受かったから次に進むっていうのは浮かばれない者だっているのではないだろうか?」

 

ボドロ「ワタシも彼に同意する。それなりの実力を示して頂かないとな。」

 

ゴン 「バキの実力は一緒に行動したオレたちが良く知ってるよ!実力を見せろっていうなら見せることも出来と思うけどちょっと待って!バキはどうなの?ハンターになりたい?」

 

刃牙 「俺はこの世界のどこかに居る親父を見つけたいんだ。」

 

ゴン 「そっか!ねぇクラピカ、ハンターじゃないと入れない場所、聞けない情報、たくさんあるんだよね?」

 

クラピカ「あぁ、人探しということであるならばこの世界で一番効力を発揮するのがハンター資格と言っても良いだろうな」

 

刃牙  「それなら俺も…ハンターになりたいです。」

 

ネテロ 「異論がある2名はこの者が実力を示せば良いということかのう?」

 

ポックル 「そういうことなら構わない」

ボドロ  「そうですな」

ギタラクル「カクカクカク………」

 

ネテロが係の者を促し用意させたもの。それは建材であった。

 

半蔵   「瓦割りか!」

 

ネテロ「そうじゃ。これは瓦といわれる建材、屋根に並べるジャポンという島国のな。極めて頑丈な材質にて古来よりジャポンの拳術家はこの瓦を何枚粉砕出来るのかを実力のバロメーターとしていたようじゃ。

実力のある者は10枚以上をやすやすと粉砕すると言われておる。ここに用意された瓦、実に40枚。ここにそびえ立つ瓦の塔、バキ、おぬしには何枚粉砕できるか実力を見せて貰おう。」

 

実力を見せろ、そう言われて引き下がる訳にはいかない。せっかく仲間が用意してくれた絶好のチャンス。その期待を裏切る訳にはいかなかった。目の前にそびえる瓦の塔の前に立ち、その右の手の平を刃牙はゆっくりと一番上の瓦に乗せた。

 

刃牙(瓦割り……考えてみたら初めての体験…こんなせんべい程の土の塊を…何枚割ったところで何の目安になるっていうんだ?ただ‥キルア、ゴン、半蔵、ありがとう…)

 

刃牙「シュッッッ!!」

 

大きく息を吐くと同時にガッ!と手に力を込めた。そう思うと次の瞬間、けたたましい音をたて40枚全ての瓦が粉砕された。

 

ネテロ「うむ。有資格者ということで問題ないかのう?」

 

ネテロに視線を送られたポックルとボドロは頷くしかなかった。

 

 

範馬刃牙、最終試験に突入ッッッッ!!!




一同「えぇぇーー!??

4次試験を終えた受験生と試験官は最終試験の会場のある地まで、大きな空をゆっくりと泳ぐ鯨のような飛行艇に乗り、空の旅を楽しんでいた。

その飛行艇の中でそれぞれの驚きの声が響き渡る。声の主は範馬刃牙を囲むように並ぶ5名。

刃牙は、最終試験を受ける切っ掛けを作ってくれたゴン、キルア、ハンゾーにお礼を言い、ヒソカを除く多数決に同意してくれた2人。つまりクラピカとレオリオにもお礼を言いたいということで2人を紹介して貰い、律儀に礼を言った。2人とも3人と同じく気持ちのいい人物でどちらも癖は強かったがすぐに意気投合し、互いの経緯など深い部分の話をした。

レオリオ「っていうとつまりだ。バキはこの世界の人間じゃないってことなのか?」

そしてこうなったという訳であった。


一同「えぇぇーー!??


レオリオとクラピカはともかく4次試験でずっと一緒に居た筈の3人も驚いている。まぁゴンの説明では解るものも解らないのは仕方のない事だった。

クラピカ「父親を探していると言っていたようだが?」

ゴン  「そうだよ!バキのお父さんは、ほら、途中まで一緒に居たおじさんだよ!」


一同「えーーーー!!!!


これは先ほどの声ではなくその後もう一つの驚愕の事実である。
どうやってここまで来たのか、なぜそのような事になったのか。記憶がなく解らないということも刃牙は素直に伝えた。違う世界から来たというこの少年が嘘が付けるような人間でないということは5人には短い付き合いながらも既に解っていた。そして父という人間。範馬勇次郎の異質な存在感がリンクする。

勇次郎がこの世界に来た経緯。その原理こそ理解出来なかったが刃牙の居た世界では実現可能な技術である事は理解出来た。クラピカにとって理解出来ない事が理解出来るという事はとても気持ちの悪い事であったが今はそれで十分であった。なぜなら刃牙がこの後に発した言葉がクラピカの胸を大きく打つことになるからである。

ゴンがこの世界に来るまでに何か覚えている事は無いの?とそう聞いた後であった。ぼそぼそと記憶の糸をたぐり寄せるように言葉を口にする刃牙。

刃牙「ジッちゃんと一緒に…花山さんと愚地館長を病院に…それで、カメラだ!カメラに写ってた大男を追いかけて…道場に…加藤さん、末堂さんが居て…みんな倒れちゃって…蜘蛛の入れ墨をしたあの大男に…俺も倒されちゃって…気が付いたら綺麗な月が見えて…あぁ〜ダメだ!!これくらいしか思い出せない…すまない。でも気にしないでくれ。親父がこの世界にいるって解っただけでも大収穫さ。」

クラピカ「バキ…今蜘蛛の入れ墨と言ったか…?」

瞳が深い深い緋色になっているクラピカは刃牙に問いただす。

クラピカ「もしかしてその襲撃犯というのはこちらの世界から来たという事はないか?蜘蛛の入れ墨以外にナンバーなどは?」

バキ  「なんでわかるんだ?蜘蛛の中に数字も入ってたかな。俺はこの世界から来た奴ら、そう思っているよ」

レオリオ「クラピカ、何か解ったのか?」

クラピカ「これはあくまでも仮説であるが、恐らくバキの父親である勇次郎氏が乗り込んだ機械をこちらの世界で旅団が手に入れた。もしくは何者かが手にし、それが現在は旅団の手にあると考えて良いだろう。刃牙の仲間達もあの父親の実力から考えるに相当な者なのだろう?それを相手にそこまで出来る手練など考えると奴らしかいない…それに」

レオリオ「蜘蛛の入れ墨か?」

クラピカ「あぁ…そうだ。まさか奴らが…クッ!!」
キルア 「旅団って、もしかしてあの幻影旅団か!?」
ゴン  「???」
クラピカ「キルアも何か知っているのか!?」

キルア 「いや、親父が仕事で旅団の1人を殺ってるんだけど。その後で言ってたんだ、割に合わない仕事だったって。これって相手に対する最大級の賛辞なんだけど、その後、俺と兄貴に旅団には手を出すなって言ってたんだ…」

レオリオ「話には聞いていたが、すげぇー家だな…」
半蔵  「クラピカ、話してくれ」
バキ  「何か因縁でもあるのかい?」

クラピカは話した、口の堅いこの男が自分の過去を話すということはここに居る者達を仲間と認めていると言って良いであろう。行動を共にしていたレオリオは早い段階で話を聞いていたが、もう一度聞く事で理解を深めた。刃牙はクラピカの生い立ち、その背景を聞き、自分の世界とのギャップにかなり驚いたがその心情は良く理解でき、そしてなんとか協力したいとも思っていた。

バキ  「ただクラピカ、今のままじゃ死ぬだけだよ」

キルア 「俺もそう思うな」

クラピカ「なんだと!?」

半蔵  「いや、落ち着けって、オレらもまだよく解ってないんだが、お前、これ見えないだろ?」

ハンゾーが身体にオーラを纏ってクラピカとレオリオの方を見る。

クラピカ「なんだ?私をからかっているのか?」

バキも同じようにオーラを纏い、クラピカに言う。

バキ 「俺も、みんなも…歯が立たなかった…奴らと戦うには腕力、技術、体力、覚悟、それ以上の何かが必要なんだ。それがこれさ」

クラピカとレオリオには何を言っているのかさっぱりであったが、そこで飛行艇のアナウンスが鳴った。

「えーーーこれより会長が面談を行います。番号を呼ばれた方は2階の第一応接室までおこし下さい。受験番号44番の方、44番の方おこしください」

このアナウンスの後に5人の下半身をべっとりと絡み付くような視線で舐めながらヒソカが通り過ぎた。その熱にあてられたのか5人は気を抜かれ、暫し話が脇道に逸れた。
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