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結果としてハンター試験に受かった者は、ゴン、ハンゾー、クラピカ、レオリオ、ポックル、ヒソカ、ギタラクル(仮名)、範馬刃牙、範馬勇次郎(例外)
以上の9名が第287期生のハンター試験合格者となり、最終試験に残りながらも合格を逃したものは。ボドロ(191番(死亡))そしてキルア(99番)であった…。
キルアはポックルとの戦闘開始と同時に、戦っても面白くなさそうという理由で戦線を離脱、そして次の相手となるギタラクルとの戦いに想定外の事が起きた。
対戦相手のギタラクルはゾルディック家の長男。つまりキルアの実の兄であった。正体を現した兄のイルミから母と同様に異常な寵愛を受けていたキルアは戦意を失っていた。勝ち目のない敵とは戦うな、兄のイルミが口をすっぱくしてキルアに言い続けた言葉だ。それに兄との実力の差は明白であった。
「ゴンとバキと、友達になりたい…」
力なく囁かれたその言葉を全否定する兄。2人を殺す。そう言われてもなお、キルアの身体は動かなかった。その時点で資格はないと、そう言われたキルアはその瞳に暗い光を宿し負けを宣言した。
その後のレオリオとボドロの試合時にキルアはボドロを背後から殺害。失格となりハンター試験が終了した。
キルアの育った環境に関して話だけは聞いていた。想像することさえ出来なかった刃牙は講習会の際にイルミの前に立ち、キルアをどこにやったか問いつめると自らの意思で自宅に帰ったと聞く。世界も状況も違うが自分も一人でトレーニングに明け暮れていた日々を思い出す。
ただ一人ではないと気がつかせてくれた仲間がいた、その事を思うと居てもたっても居られなくなる。
そこにゴンも合流し、キルアの自宅に4人で迎えに行く事にしたのだった。ハンゾーは最後まで悩んでいたが、どうしても里に帰らなくてはならない事情があるらしくホームコードを交換して別れた。
最終試験の会場から飛行船で3日といった所だろうか、4人の目の前には試しの門と呼ばれる大きな門が立ちふさがっていた。
バキ 「俺の世界でいう富士山ってところかな?」
ゴン 「フジサン?」
バキ 「いや、ごめん、なんでもないや」
レオリオ「信じられるか?この先の敷地全部がゾルディック家のものらしいぜ」
クラピカ「誰も姿をみたこともない伝説の暗殺一家、顔写真にさえ1億の値がつくとさえ言われているようだ」
レオリオ「マジか?くそっ!写真撮っておけばよかった」
門の前で騒いでいると守衛が出て来た。大きな身体に巨大な指、タバコが掴めないのかフィルター部分に爪楊枝に刺し、その爪楊枝をつまみ煙草を吹かしている
バキ 「安藤さん!!!??」
アンドゥー「??俺の名前はアンドゥーだが…どこかで会った事があるか?」
バキ 「いいえ、なんでもないです。知り合いに似ていたもので…」
刃牙の世界に居た山岳警備隊の安藤とは別人であったがどこかでリンクしていたのであろう。その事を察した刃牙は言葉を濁した。安藤の姿を見た刃牙は遠く違う世界にいる、初めての友。夜叉猿へ想いを馳せた。
だがそれは一瞬の事。ゴンが友達を迎えに来たという事を伝えると、それなら扉は空いている。というアンドゥー言葉で現実に戻された。
ドビラが空いている??
レオリオが力を込めて門に向かうも
レオリオ「んぎ……ぎがが……」
ビクともしなかった。
レオリオ 「ハッハッ……押しても引いても左右にもひらかねーじゃねーかよ!」
アンドゥー「単純に力が足りねぇんだ、まぁ見てろ。この門の正式名称は【試しの門】この門さえ空けられない輩はゾルディック家に入る資格なしってことだな。」
ハッッッッッ!!!
というかけ声と共に1の扉が空いた。1の扉はこちらの世界で片方2トンあるらしい。
アンドゥー「そっちの坊やなら空けられるじゃんねぇか?」
アンドゥーが刃牙に視線を向ける。促されるままに刃牙は試しの門に向き合うと3の扉まで空ける事が出来た。だがゴンとレオリオ、クラピカが納得しない。
いくら友達を迎えに来たという事でも、家の門さえ空ける事が出来ないようでは認められていないような気がしたからだ。
それはアンドゥーのキルア坊ちゃんが帰って来た時も3の扉まで空けていたという言葉が刃牙以外の3人の勘に触ったようだ。1つ数が増えるたびに重さが倍になる試しの門。
3の扉とは16トンにもなる。力を入れれば其の力に応じて大きい扉が開く仕組みになっていた。
今のままでは刃牙以外はこの敷地に入ることさえ認められていない。その現実を突きつけられた。3人はアンドゥーの提案で扉を開けられるまでアンドゥーが駐屯する山小屋でお世話になることになった。この山小屋での生活は日常がトレーニングとなる、扉や家具はもちろん、湯のみまで全て重量が備わっており、筋力のトレーニングにはもってこいの場所であった。
そしてアンドゥーも驚く程の勢いで成長する。保存食であった熊の塩漬けがなくなるまで4人は日々試しの門に挑戦した。
皆が皆試しの門を開けるのに20日と掛からず、レオリオに至っては2の扉まで、刃牙は4の扉が動く程筋力を付けていた。そのまま執事室まで歩を進めたが、キルアがこちらに向かっているという事を聞き、皆が喜んだ。
久しぶりの再会を喜ぶ一同。
キルアがすぐにでもこの場から去ろうということ落ち着かなかったのでゾルディック家の敷地を後にする。
その後の事になるが、クラピカは当初の目的である同胞の眼を集める為にブラックマーケットに関係がある雇い主を探す。
レオリオは医者になる為に勉強。ということであった。クラピカは最終試験後にヒソカに「9月1日ヨークシンシティで待っている♦」と聞いたようだ。どうやらヒソカはクラピカの敵である幻影旅団の情報を何か握っているようであり、その情報は信憑性が高いとクラピカは読んでいる。
その理由は団員が身体に刻むタトゥー。
旅団に近しいものはその団員が身体に刻む蜘蛛のタトゥーをもじって彼らを蜘蛛と呼ぶ。ヒソカは彼らの事を蜘蛛と呼んでいた。其の事からヒソカの情報の信憑性をみたのであった。自分と旅団との因縁を誰かから聞いたのかそれとも話を聞かれていたのかは定かではないが今はその手がかりに掛けるしか方法がなかったと言えよう。
残されたのはゴン、キルア、バキの3人。9月1日にヨークシンシティーで再会という約束をし、2人と別れた。
そして、3人はネテロの描いた筋書き通り天空闘技場へ向かうのであった。
天空闘技場
勝者のみが上の階に行ける格闘技場、一日平均4000人の腕自慢がより高い階を目指してやってくる。
観客動員数は年間10億を超える。建物内部にはサービス用の各種施設が完備されており高い階級の闘士には1フロア全てを所有する事が出来る。
地上251階、高さ991m、世界第4位の高さを誇る建物だ。
上にいけばいく程ファイトマネーも高くなるということで、連日、腕に覚えのある野蛮人の聖地となっている。ゴン達はここにくるまでに有り金をほぼ使い切ってしまっていたので文字通りゼロからの出発となった。
空の上まで伸びている高い塔の根元につくと、ずらぁああ!!と行列が出来ていた。この列に並ぶものはやはり一般の人とは違い少しは腕に覚えのある者達のようである。
キルア「なぁ、バキって格闘技の経験ってどれくらいあるの?」
バキ 「経験って言っていいのか解らないけど産まれた時から…かな」
ゴン 「へー凄いや!!だからあんなに力もあるんだね」
バキ 「父親を越えることが産まれた瞬間から俺に課せられた使命だったんだ。結局…よくわからないままになってるけど」
キルア「マジ?バキん家ももしかして結構変わってる?」
バキ 「いや、そんなことない、ただ…もっと強くなりたい…こういう場所にくると胸が騒ぐんだ。これだけ大規模な戦いのメッカだ。強い人もいると思うし、念を使える人もいるかもしれない」
キルア「そうだなー上の階に行けば使える人もいるかもな」
列に並びながら順番を待つ、その間にキルアが6歳の頃に200階まで到達した事を聞いたり、かくかくしかじかで借りを作りっぱなしのヒソカへプレートを返さないと気が済まないというゴンの覚悟も聞いた。
その横をガヤガヤとした喧噪に塗れたその場に不釣り合いな刃牙の世界でいうロリーターファッションに身を包んだ少女が横切っていった。無事に受付を済ませた3人は早速試合を組まれた。
「おい、見ろよガキだぜ」「ヘイ、ボウヤ逃げるなら今だぜ!」「遊びじゃねーんだぜギャハハハ!」
ヤジを飛ばす観客の声が聞こえるが反面刃牙の心は踊っていた。試合形式の戦いには慣れていたがやっぱりこの緊張感はいい。戦うまで相手の技や技量は解らない。試合の前は普段よりも自分の回りの空気が重たく濃く感じる。
頭の中は不安で支配され、相手の事を想像する。
自分の攻撃が通じなかったら、どのくらいダメージを受け、どんな風に倒されるのか、考えれば考える程重い空気がからだに張り付く、空気が枷となり自分の身体ではないように重くなる。
だから動き、余計な考えを排除する。舞台に上がる前には不思議と全ての不安から解消され、観客の歓声さえも聞こえなくなる。目の前に立つ相手の息づかいははっきりと聞こえるのに不思議なものだ。
審判「ここ1階のリングでは、入場者のレベルを判断します。制限時間3分以内に自らの力を発揮してください。それでは、始め!!」
お決まりのスタイル
爪先に重心を置き…足は前後の自然体…身体は必然、半身…相手から見る面積は狭まる、前の肩は顎をカバー、相手にとっての障害物になる。利き手も顎の横。発射に備え握りは緩く…前手は攻防兼備、型(かたち)は状況に応じる。編み出したというより、気付いたら身に付けていた…。
そのまま対戦相手の顎に向けて放たれた左のジャブ。それはいとも簡単に相手の意識を奪った。
審判「2056番、50階へどうぞ」
なんなく3人とも50階への入室を許可された。
同じタイミングで50階への入階を許可されたのは、3人の他に、ゴンとキルアよりも年下であろうか、野球部ようなの頭をしてクリクリした瞳、その上にある立派な太い眉毛からは意志の強さを感じさせる白い道着を着た少年も居た。少し驚いたが、キルアも6歳の時にここに居たらしく、この世界では例外ではあれどありえない事ではないのであろう。
「押忍!自分ズシと言います!お三方は?」
年が幾分近そうな3人に丁寧に声を掛けてきた。一通りの自己紹介を済ました3人にズシが言う
ズシ 「さっきの試合拝見しました。いやーすごいっすね!」
キルア「何言ってんだよ、お前だって一気にこの階まで来たんだろ?」
ゴン 「そうそういっしょじゃん」
ズシ 「いやいや自分なんかまだまだっす。ちなみにお三方の流派は何すか?自分は心源流拳法っす!!」
3人 「別に…ないよな」
その言葉にいくばくかのショックを受けるズシであったが、後ろから声を掛けてきた人物がいた。
その男性はズシの師匠のようで、心源流拳法の師範らしい。眼鏡を掛け、寝癖をたててシャツがズボンから出ている。ズシの紹介なくしてはとても武術の達人には見えなかったがネテロが起こした心源流拳法の師範ともなると相当な実力者であるのだろう。3人も丁寧に挨拶をした。
「はじめまして、ウイングです。まさかズシ以外に子供が来てるなんて思わなかったよ、君たちは?」
3人が名を名乗る。
ウイング「ほう、君たちが…」
ちょっと意味深な言葉を聞いて不信に思ったキルアであったが、その場でウイングとは別れファイトマネーを受け取った。1階は勝っても負けてもジュース1本分のギャラだった。ただ階を重ねるごとにファイトマネーは増え、100階で100万ジェニー。
150階を超えると1000万ジェニーも楽に越し、キルアが190階で勝った時は2億ジェニーものファイトマネーを手にしたそうだ。手持ちのない3人にとってここは武術の鍛錬も出来、お金も稼げる恰好の場だというのは間違いないであろう。100階クラスに入れば個室も貰え宿に困ることもなくなる。当面は出来るだけ早く100階クラスに行く事が重要になる。
1階の試合を無傷で終えた4人はこの日にもう1試合組まされることとなった。
アナウンスが鳴る
「バキ様、ズシ様57階A闘技場へお越し下さい」
「ゴン様、マイタ様55階B闘技場へお越し下さい」
「キルア様、ビスケ様59階D闘技場へお越し下さい」
キルア「60階ロビーで待ってるからな」
そういったキルアが60階ロビーにその日に来ることはなかった。