HANMER×HANMER   作:としを

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HANMAR×HANMAR♯40

大きく息を吐きながら紅葉がタオルで顔の汗を拭いていた。

能力の発動にはそれなりの集中力が必要となるようだ、顔の汗を拭き終えると涼しい顔で言う

 

紅葉  「明日、何年後、何十年後だって?腕は悪くないがここの医者は人体の神秘を何も解っていない。」

 

ノブナガ「どういうことだ?返答次第では……」

 

ノブナガが持っていた刀の入った刀袋の紐を解いてゆく、ゆっくりと、そして確実に紅葉とノブナガとの空間の空気が重くなる。

 

紅葉  「私がここに来なければ彼女が目覚めることは一生なかったと言っているのだ」

 

ノブナガ「‥‥…………!?」

 

紅葉  「破壊されていた神経細胞と神経線維の一部を1ミクロンの誤差なく修復した。おそらく打ち付けた際に外傷はないが頭部にもダメージがあったようだ。腹部の方は女性なのでサービスで傷口も元通りに治しておいたよ、ほら、もう目覚める」

 

紅葉がそう言うと、パクノダの長い睫毛がピクピクと動いているのが見て取れとれた。

 

ノブナガ「パク!!おい!起きろ!!」

 

自分よりもパクノダに近い位置に居た紅葉を押しのけ、ノブナガが駆け寄り肩を揺すった。

眉間に皺を寄せながら一度強く目を閉じ、その数瞬後にパクノダの目がパッチリと開く。

 

ノブナガを制し、紅葉が酸素マスクや脳波計、点滴を手慣れた手つきで外してゆく

 

紅葉  「ごきげんよう。お目覚めはいかがかな?」

状況を理解するよりも早く、ノブナガの声が耳に入っていたので少し安心していた。そして薬品の匂いや目の前にある器具などから病院にいることを知り、既に安全地帯にいるということを理解したパクノダは答えた。

 

パクノダ「今回ばかりは死んだかと思ったけど、救われたようね。」

 

紅葉  「ええ、お身体を労わって下さい」

 

無表情で口を動かしたパクノダに作られたような笑顔で返す紅葉は汗を拭いたタオルをカバンにしまって歩き出した。

 

紅葉  「では入金は指定の口座に。ジャック、用は済んだ。行くぞ、」

 

入り口近くのソファーで、あらかじめ冷蔵庫に入れられていたアルコールと食料のほとんどが床に転がっていたのを少し呆れたように見ながら紅葉が扉に手を掛ける。

 

それに続くようにジャックは立ち上がり、大きく伸びをした。扉に頭をぶつけないように片手で扉の高さを確認しながら屈むようにくぐる。

 

あまりにも事務的かつ素っ気無い幕引きに少し呆気にとられ立ち竦んでいたノブナガは今しがた気が付いたかのように、2人を追いかける、幸い2人の背中を部屋を出て数歩行ったところで、その視界に捉えることが出来た。その背中に声を掛ける。

 

ノブナガ「おい!ノブナガ=ハザマだ。腕を疑って悪かった。アンタには救われたぜ。」

 

紅葉  「シノギ=クレハと申します。あれだけの殺気を受けながらの手術は初めてだったので肝を冷やしましたよ」

 

ノブナガ「カッカッカッ!!報酬は弾んどくぜ」

 

紅葉  「これが私への直通です、また何かあれば次回からはこちらに。」

 

カバンから一枚の名刺を取り出しノブナガの方へ歩み寄り、渡した。

 

パクノダの身体のどこかにある蜘蛛の刺青を紅葉が確認したのかは定かではないが、そのまま背を向けて歩き出した紅葉は小さな声で(何かと縁がありそうなのでね。)そう呟いた。

 




シャル 「パクノダの意識が戻ったって!?」

ノブナガ「カッカッカ!あぁ!気に入らねぇ奴だと思ったが腕は確かだったぜ!もうピンピンしてらぁ。早ければ4日程でそっちへ戻れそうだ。」

シャル 「それは良かった。みんなにも伝えておくね!ちょうど全員に召集が掛かったんだ」

電話口で嬉しそうにパクノダの復活を告げるノブナガが、シャルナークからの言葉を聞いてさらにニヤけた。

ノブナガ「解った。今日にでもここを立つ」

意外にも旅団員の全員が一同に会するのは3年と2ヶ月ぶりになる。 団員の1人1人がプロハンタークラスでも上位の能力者となる為に、請け負う仕事が数人で事足りることから、全員で取り掛かることは多くなかった。

団長であるクロロが気まぐれ且つ、その消息が掴みにくいということも原因の一つではあるが、前者の方が的確であろう。

能力の利便性を除き、その時、その場で捕まった者を連れて行けば遂行が困難な仕事はそう多くない。

3年2ヶ月前とは3人メンバーが異なっている。4番ヒソカ、8番シズク、そして我らがスエドウ=アツシ。

ノブナガも浮き足立っていたのかシャルナークとの電話から3日後にはアジトに着いていた。
あの森の中で起こった出来事をウボォーギンやフィンクスに話すと、冷やかすかのように大笑いされ、そこでまたバチバチの喧嘩が始まる為、本拠地からこのアジトへきてからは末堂の負担はいくらか軽減されたかのように思われる。だがそれ以上にパクノダにビクビク怯えながらの生活が始まった。

原作を読んでいる彼は、オークション時にヒソカの企みが団員にバレなかったことから、 団員同士ではそうそう能力の使用はないだろうと高をくくってはいるものの、もし仮に自分の能力や、その制約が周知されてしまっては死活問題となろうことを恐れている。

それ以前に恥かしくて死んでしまいたい。

誰もそんな事には興味がないことをこの漢は未だに理解できていない事が凄いが、兎にも角にもそこから数日後にクロロが戻り、旅団員12名(ボノレノフ:消息不明)が一同に会した。

クロロ「久しぶりの者も初めての顔を合わす者もいるだろうが、よく集まってくれた。」

旅団は本拠地の他に、世界中に仮宿のようなアジトを持っているのが伺える。
ここは古い廃墟となったホテルのような建物だ、その催し会場であったであろう場所の壇上にクロロが。団員は各々好きな場所に立つ。末堂厚は既に長い時間を共にし、修行をしたり茶化されたりしている中で、過ごした時間の短いクロロ、ノブナガ、ヒソカを除く男の団員には一種の仲間意識のような物を持っていたが、こういう畏まった場に会すると、その意識を改め無ければならないと思った。

クロロが醸しだしている緊張感なのか、別の何かであるか不明であるが、そう広くないこの場のピリピリした空気に押し潰されそうになっていたからだ。

クロロ 「ボノレノフの姿が見えないようだが?」

ノブナガ「奴は殺られた、おそらくな」

クロロ 「何があった?そう簡単に殺られるとは思えないが?」

ノブナガ「相手は人じゃねぇ……ありゃ獣…いや…鬼だ…俺とパクだって危なかったぜ?たった一人にだ」

ウボー 「テメェーが情けねぇーだけじゃねぇか。震えてんぞ足?」

ノブナガ「んだとテメェー!!」

ウボォーギンが笑いながら茶化すが、その場の空気を変えようとした彼なりの優しさなのかもしれない。
ましてやウボォーギンとノブナガの二人はよく組まされることが多く、その実力は他の誰よりも理解し合っている。

クロロ 「ウボォー少し黙れ、あまり話が掴めないな、つまりたった一人に手も足も出なかったと言うことか?その分だと油断をした訳でもなさそうだが?」

沈黙のまま言葉を選ぶノブナガにパクノダが助け舟を出す。

無理もない、状況を説明しようにもあまりにも身に起こったことが信じられず、未だにノブナガは起こった事態を夢であったかのように、そう思いたいとさえ考えているのだ。

パクノダ「私の能力……あまり見せたくなかったけど、いいわ」

パクノダが具現化した銃を構えた。既に知られている初期の団員には見せても構わなかったが新しく入った団員や能力を知られていない団員には触れることで対象から記憶を読み取ることが出来るだけの能力だと思われていたかったからだ。

パクノダ「まずは結成時のメンバーから行くわね。記憶弾(メモリーボム)」

打ち込まれた弾丸がパクノダの記憶をそれぞれの額に。そこに現れた映像はまさに鬼。

その後、残りの団員にも等しく弾丸を撃ち込む。

話を右の耳から左の耳で聞き、ノブナガをからかっていたウボォーギンやフィンクス、フェイタン、フランクリンも、その記憶を上質なワインを口に含み、舌で転がすように、それぞれの脳内で何度も愛でた。

ウボー   「戦ってみてぇ!!」
フィンクス 「つえーな、コイツ」
フェイタン 「買いかぶりすぎね、ノブナガが弱過ぎただけよ」
マチ    「ちょっとアンタ達本気で言ってんの!?」
ヒソカ   「クックック………」
フランクリン「オーラの量は大したもんだ」
シズク   「あまり出会いたくはない人種ですね」
シャル   「これだけデタラメなのに…まだ念を覚えてない……?」
クロロ   「……………。」




スエドウ  (刃牙の親父じゃねぇかッッッ!!!)
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