ユウスケが黒雪姫に赤の王のことを話し終えた。ユウスケは時計を確認すると、結構いい時間になっていた。
「姫、そろそろ昼にしないか?」
「ああ、こんな時間か。じゃあ学食を取りに行こうか。」
黒雪姫がスッと腰を持ち上げると、ユウスケはそれを止めた。
「姫、ちょっと待って。」
ユウスケはゴソゴソと椅子の横の鞄から2つ包みを取り出した。
「はい、2人分の弁当。今朝作ったんだ。いる?」
「つ、作ったって......ユウスケ君が?」
黒雪姫は困惑したかのように目を泳がせながら尋ねた。
「うん。姫が喜ぶかなーって思ってさ。」
すると、黒雪姫は今度は顔を赤くして唇を尖らせた。
「嬉しい、すごく嬉しいが......嬉しさ半分、悔しさ半分だよ。」
「?」
「今度は私がキミにご飯を作ってみせるからな..........」
ユウスケにはよくわからなかったらしい。
「とりあえず食べよう。2人っきりだしさ。」
ユウスケは微笑みながら片方を黒雪姫に差し出した。
「ふ......2人っきりって、ラウンジには他にも生徒はいるだろう。」
いくら黒雪姫でもラウンジで恋人の手作り弁当を食べるとは思ってもいなかったのだろう。
2人は包みを開いて、弁当箱を開けた。中身はどちらかと言えば定番なものだったが。
「「いただきます。」」
黒雪姫はまず卵焼きを食べてみた。
「どう?」
ユウスケはふと感想を聞いてみた。
「お、おいしいよ。」
黒雪姫は驚きと嬉しさが混じった表情で答える。
「やったぁ..........ありがとな。」
ユウスケは凄まじい笑顔で黒雪姫の髪を撫でる。
「ゆ、ユウスケ......君......みんなが見てる..........からぁ..........恥ずかしいよぉ..........」
黒雪姫は耳まで熱くしてユウスケから目をそらした。
「可愛いなあ、姫は。ほら、あーん。」
ユウスケは箸でタコさんウインナーを取り、黒雪姫の口元に寄せてみた。
「あ、あーん。」
恥ずかしがりながら黒雪姫は口を開けて頬張った。
「お、おいしい..........です」
「いつも俺に押してるのに、なんでそんなに恥ずかしがってるんだ?」
「だっ..........だって、ユウスケ君にこんなことされるの..........初めてだし..........それに、されるのは..........なんだか、すっごく恥ずかしい。」
完全にユウスケが主導権を握っている。握り締めている。
「くっ、ははははっ。」
「わ、笑うんじゃない。ふーんだ。あーん、とかしてもらわなくても私はちゃんと食べられる!」
そう言って弁当の中身を平らげていると、
「姫、口元。」
「ん?」
「ケチャップついてる。とってやるよ。」
「ふぇっ!?」
「じっとしてろよ。」
ユウスケは黒雪姫の口元に右手の指先を近づける。そして、器用に人差し指で、ケチャップをぬぐい取り、唇をなぞった。
そして、その指を自分でくわえて舐めとった。
「~~~~~っ!!!」
黒雪姫は恥ずかしさで慌てふためく。
「口についたケチャップ舐められたくらいで慌てるなよ。
お姫さまもやっぱり普通の女の子だな。意外な一面。」
「その..........ヘンか?」
「いや、むしろ前より2倍好きになったくらい。そういうところも含めて。」
「うううっ、でも私の方が好きだからな。」
黒雪姫が涙目で反論。
「..........いや、俺2倍だよ?」
「私は最初からもっと好きなんだもん..........」
「そういう意地っ張りなところも好きだな。」
「..........ゆ、ユウスケくんのバカっ」
..........誰だ?これは。すいません。黒雪姫キャラ崩壊ですね(笑)なんか1回くらいイチャイチャ回が欲しかったんです。すいません。
本当に黒雪姫キャラ崩ry