短編集「ジャパリ・フラグメンツ」から分離して、再投稿しました。
このおはなしには、以下の問題があります。
オリジナルキャラクターしか登場しません。
原作とほとんどつながりの無い物語です。
原作の設定をほとんど使っていません。
原作から、キャラクターの名前や容姿、セリフなどを借りています。
もはや二次創作と呼べるかも怪しいです。
内容は、よくある物語です。
エロ要素があります。
小説でもシナリオ(台本)でもない、変な書き方をしています。
ご了承の上、お読みください。
深夜、アパートの一室。
青年が、ベッドにあおむけに寝ていた。青年が目を覚ますと、その上に黒ずくめの女の子が馬乗りになっていた。
青年 「……誰?」
起き抜けの青年は眠そうだった。女の子は、明るい声で言った。
女の子 「わたしはセルヴァル!あなたの命をもらいに来たの!」
青年 「さーばる?」
セルヴァル 「セルヴァル!見ればわかるでしょ!サキュバスだよ!よろしくね」
青年 「どうもです。えーと……サキュバス?……悪魔ですか?…………背中に羽が無いし、しっぽがふさふさしてて……」
セルヴァルの頭にはコウモリの羽のようなものがついていたが、背羽は無かった。しっぽは黒くて太い猫のしっぽのようで、先端が曲がっていた。
セルヴァル 「わたしはサキュバスだよ!ほんとだよ!」
青年 「……あのー、ハロウィンは、半年後ですよね?……というかベランダから入って来たんですか?」
青年が横を見ると、ベランダに出るガラス戸が開いていて、カーテンが揺れていた。※1
セルヴァル 「ふっふーん、残念ながら、わたしは“本物”なんだよ。……動けないでしょ?」
青年 「……金縛り?」
セルヴァル 「動けなくしたのは手足だけだよ。大事な部分は全部動くよ……気持ちよく死なせてあげるから、楽しませてよね」
青年 「夢ですよね?……明晰夢?……なら思い通りにできますよね?」※2
セルヴァル 「これは夢だよ。でも、思い通りにはさせないよ。……ふふ、できないでしょ?」
間。
セルヴァル 「どうしたの?そこは、殺さないでーとか、助けてーとか、食べないでー、とか言うんじゃないの?」
青年 「……食べないでください」
セルヴァル 「食べないよ!……いや、ある意味食べるのか……あなた、なんか変な人だね。名前は?」
青年 「かばんです」
セルヴァル 「変な名前。本名じゃないよね?」
かばん 「かばんはあだ名で、本名はケビンです」※3
セルヴァル 「ぷっ……あなたおもしろいね。かばんくんかー」
かばん 「くん付けはやめてください」
セルヴァル 「くん付けでいいじゃない。わたしのことはセルヴァルちゃんって呼んでね。敬語も使わなくていいよ。どう見ても、かばんくんのほうが年上でしょ?」
かばん 「わかりました……セルヴァル……ちゃんは、何歳なの?」
セルヴァル 「400歳くらいかな?数えてないからよくわかんないや」※4
かばん 「…………歴史の重み、的なものはないね……」
セルヴァル 「……そんなことはどうでもいいから、食べちゃうぞー!……じゅるり……」
セルヴァルは、左手の人差し指から、細長くてとがった光る爪を出して、ジャージの上から、かばんの股間を下から上へすべらせた。
かばん 「……くっ!……は……」
かばんの体がビクンとはねた。
セルヴァル 「あはは!いい顔だね。サキュバスの技だよ。人間の女の子がするより、10倍くらい気持ちいいんだ。…………あれ? かばんくん、もしかして、その歳で経験ないの?」
かばん 「…………」
セルヴァル 「ふふ、始めてなんだー、やったね!」
セルヴァルはかばんに顔を近づけた。
セルヴァル 「気にすることないよ。わたしの前では飾らなくて大丈夫。というより、飾る意味がないから」
セルヴァルは、左手の人差し指の爪で、かばんの下唇をなぞった。
かばん 「あ……」
セルヴァル 「わたし、爪を使うのが得意なんだ」
かばん 「痛そうだね……」
セルヴァル 「痛くしないよ……えいっ!」
セルヴァルは少し上体をおこして、左手の4本の爪で、かばんの左の胸を軽く引っ掻いた。
かばん 「うあっ」
セルヴァル 「あは! これは期待できるね。じゃあ、始めにごあいさつをさせて」
かばん 「ごあいさつ?」
セルヴァルはかばんの頭をおさえて、キスをした。
かばん 「むっ!むう、むうう」
セルヴァルが唇を離した。
セルヴァル 「いいでしょう? わたし、舌はあんまり長くないけど、ジャギュアに習ったから、けっこう上手いんだよ」※5
かばん 「ジャギュア?」
セルヴァル 「わたしの仲間。キスが得意なんだ。舌が長くて、キスだけでほとんど吸えちゃうの!」
かばん 「他にもサキュバスがいるの?」
セルヴァル 「いるよ。わたしよりも強くて怖い子もたっくさん。……ジャギュアはキス、わたしは爪。サキュバスによって、得意なこと違うんだよ。……じゃあ、本番やってみよう!」
セルヴァルは再びキスをした。舌をねじこみ、くねらせて、かばんの口の中を犯した。
かばん 「むっ!むう、ぷちゅ、うう、むうう」
セルヴァルが唇を離した。かばんの目は虚ろで、口は半開きだった。
セルヴァル 「とろけちゃった? あれ? なにこれ? かばんくん、キスも初めてなの!? それはさすがにびっくりだよ!」
かばん 「……ほっといてよ…………」
かばんは顔を赤くして、横を向いた。
セルヴァル 「大事なものもらっちゃった。そのせいかな、かばんくん、すっごくきれいだね。びっくりしたよ。でも、それにしてもきれいすぎるような……」
かばん 「……きれいって、なに?……何のこと?」
セルヴァル 「うーん……魂とか、命とか、精とか…………わかんないやー」
かばん 「喜んでいいのか悪いのか…………」
セルヴァル 「この感じだと、キスだけで全部吸えちゃうね。でも、それじゃおもしろくないから、もっと気持ちいいことしてあげるよ。わたしにまかせて」
セルヴァルが左手を上げ、指を鳴らし……
スカッ
指は鳴らなかった。かばんの服が全て消えた。
かばん 「うわあっ!」
セルヴァル 「……ま、魔法みたいでしょう?」
かばん 「今、指鳴らすの失敗したよね?」
セルヴァル 「……ちょっとずつ脱がす方が良かった? めんどくさいからこれでいいでしょ?」
かばん 「いいですいいです」
かばんの夢の中。世界はただの灰色だった。音はふたりの声だけだった。
セルヴァル 「頑丈さ、長さ、太さ、申し分ないね。でもまあ、騒ぐほどでもないか。爪でつんつんすると、もっと大きくなるかな?」
かばん 「あ、うあっ」
その世界の中の例外として、かばんとセルヴァルのいるアパートと、その周辺の「背景」があった。
セルヴァル 「目をそらさないでよ ………… これが、女の子の体だよー」
かばん 「…………怖いけど、きれいだね」
セルヴァル 「照れるなー…………怖いってなに?」※6
アパートの建物は、色や細部を失って、灰色の四角いものに単純化されていた。
セルヴァル 「片手だけ自由にしてあげるから、ここ、さわっていいよ」
かばん 「え?あ、その…………」
セルヴァル 「真っ赤になっちゃってかわいー。……ほら、気持ちよくしてよ……はいどーぞ」
かばん 「…………ふしぎな感触……」
セルヴァル 「んっ……やり方わかる?」
かばん 「知識だけなら……」
セルヴァル 「んう……あっ……かばんくん、器用だね……」
「背景」の、アパートの建物のまわりの道路、家屋、樹木、自動車などは、灰色のかたまりに単純化されていた。
セルヴァル 「あれ?早すぎるよ!…………まあ、初めてで相手がサキュバスだから、しょうがないよ ………… まだまだこれからだよ!、どんどんいくよー!」
かばん 「うあ!……ああ……ん、はっ……うああ……」
セルヴァル 「かわいいね……かばんくん、女の子みたい」
アパートの外は、かばんとセルヴァルのいる部屋の窓から見える部分だけに、細部があり、色があった。
セルヴァル 「あれ? かばんくん、ハアハアしないんだね。それにもう、元気になってる ………… すごいよ、結構もらったのに」
かばん 「そ、そうかな」
セルヴァル 「回復したみたいだから、次いくよ!」
かばんの夢は、映画のセットのように、ふたりに見える部分しか鮮明なものが存在しない、限られた世界だった。
疲れ果てたかばんの上に、セルヴァルがまたがっていた。
セルヴァル 「えへへ、夢中になっちゃった。こんなの初めてだよ。きれいなの、ってすごくおいしいね。……今日はここまでにしておくよ」
かばん 「…………ここ……まで?…………」
セルヴァル 「初めてなのに気絶しなかったね。かばんくんはすっごいがんばり屋だね」
セルヴァルはかばんに軽くキスをした。かばんは少し顔を赤くしてそっぽを向いた。
セルヴァル 「理性も残ってるね」
かばん 「……理性?」
セルヴァル 「たまに、気持ちよすぎて狂っちゃう人もいるから!」※7
セルヴァルは笑顔だった。
かばん 「…………」
セルヴァル 「ふふ、うそうそ、冗談だよ。……どうだった? いいかんじでしょ? 刺激が強すぎたかな?」
かばん 「……今日は、よかった…………これで、終わりなの?……僕、死ぬの?」
セルヴァル 「死ぬのはまだだよ。もらったのは三分の一くらいだから」
かばん 「…………今日はこれで終わり?」
セルヴァル 「そうだよ」
かばん 「あの……えっと……その……うーん……」
セルヴァル 「なに? どうしたの?」
かばん 「……もうちょっとだけ、してくれない?」
セルヴァル 「ええ! なんでなんでー!?今、ものすごく疲れてて、だるいよね? わたし、こういう時よく、死にたくないー、とか、早く死なせてー、とか言われるんだけど、アンコールするの?……かばんくん、そういうのマゾっていうんだよ?」
かばん 「……Mなのは否定できないけど…………セルヴァルちゃん、かわいいから、気持ちいいことされるの、うれしいんだよ」
セルヴァル 「なにそれ!? かばんくん、自分の命、削られてるんだよ!?分かってるの!?」
かばん 「……削ってる側がそんなこと言うの?」
セルヴァル 「う……とにかく、これ以上はだめだよ!」
かばん 「残念」
セルヴァル 「わたしは三日かけて命をもらうんだよ。そう決めてるの。…………まともに動けるの、明日が最後だから、やり残したこと、やっておくといいよ」
かばん 「一回じゃだめなの?」
セルヴァル 「だめじゃないよ。ほとんどの子は一日で全部吸っちゃうね。そのほうが気持ちいいし、簡単だから。でも一か月くらいかけてじわじわ吸う子もいるよ。長く楽しみたいんだって。悪趣味だよねー」 ※8
かばん 「それも、サキュバスによって違う、ってこと?」
セルヴァル 「そうだよ」
セルヴァルは笑顔を作った。
かばん 「セルヴァルちゃんは、なんで三日なの?」
セルヴァル 「一日で死んじゃったら、かわいそうだし、時間をかけるのは……なんか、いやだから」
かばん 「怖いのかやさしいのかわからないよ。変……個性的な悪魔だね」
セルヴァル 「よく言われるよ。それに、悪魔とサキュバスは、ちょっと違うんだよ」※9
かばん 「三日かー……最初の日に金曜日を選んでくれるなんて、親切な悪魔だね」
セルヴァル 「…………アンコールしたよね。特別サービスだよ」
セルヴァルが笑顔になった。
セルヴァルがかばんの右の乳首を舐めた。
かばん 「あっ」
セルヴァルが、左手の人差し指の爪で、かばんの乳首の周りをくるくるとなぞった。
かばん 「……んっ……んん……」
セルヴァル 「生意気なこと言ったから……」
セルヴァルがかばんの乳首から爪を離した。
セルヴァル 「お仕置きっ!」
セルヴァルが、爪をかばんの乳首の中央に突き刺した。
かばん 「あああ!!ごめん!ごめん!ごめん!」
セルヴァルが爪を抜いた。爪は深く入ってはいなかったが、血がにじんだ。
セルヴァル 「怒ってないよ。これ、慣れると気持ちよくなるよ。本気で怒ったら、目玉くり抜いちゃうから!」
セルヴァルは、満面の笑みで、左手の人差し指の爪を立てた。
かばん 「ひっ!!」
セルヴァルは、右手でかばんの頭を押さえて、左手の人差し指の爪を、かばんの右目の前に持って来た。かばんはすぐにまぶたを強く閉じた。
セルヴァル 「目玉を潰さずにくり抜くには、ちょっとコツがいるんだよ。爪をまぶたの裏に突っ込んで、ぐるっと回して目玉の周りの筋肉とかを切ってから、目玉を爪の先でつかんで、くるんって、回しながら引き抜くんだよ。たこ焼きみたいな感じだね。神経を切らなければ、最後まで見えているみたい。※10 “下の玉”を潰したこともあるけど、気絶しちゃうとおもしろくないし、吸精しにくくなるんだよねー」
かばん 「………………」
セルヴァル 「泣いてる?」
かばんの閉じたまぶたから、涙が流れ出していた。
かばん 「なんでそんな恐ろしいことを………………」
セルヴァル 「そんなに怖がらないの! やるのは片方だけだよ。それに、そんなこと、たまーに機嫌が悪い時しかしないから」
かばん 「……そ、そうなんだ…………」
セルヴァル 「かばんくん、二舐めもらうね」
セルヴァルが、少し出血していたかばんの右の乳首を舐めた。
かばん 「うっ、あ……」
セルヴァル 「わたし血の味はあんまり好きじゃないんだけど、これはおいしいかも!………… 今回、とてもサキュバスっぽいよ!」
かばん 「どうだろう?……どちらかといえば吸血鬼じゃない?」
セルヴァル 「ヴアアァ?」
セルヴァルが顔を上げ、かばんをにらみつけた。
かばん 「ご、ごめん!……サキュバスっぽい、というかサキュバスだね!」
セルヴァル 「ね、あしたどんなことしようか? 舌を使うやり方って、いろいろあるらしいよ?楽しみだなー」
かばん 「セルヴァルちゃん、元気だね。僕、疲れてくらくらするよ」
セルヴァル 「あたりまえだよ。わたしは、かばんくんの命を奪っている、というか食べているんだから」
かばん 「………………」
セルヴァル 「もう一度言うけど、明日のうちに、やり残したこと、やっておいてね。全部はできないかもだけど、最後のチャンスだから」※11
セルヴァル 「楽しかったよ。また明日ね。いい子にしてるんだよ?
いい子にしないと、おしりにセルリアン突っ込むよ!」
かばん 「何それ!?怖いよ!」
翌朝。
ベッドに寝ていたかばんが、ちらりと壁掛け時計を見た。かばんはゆっくりと体を起こし、ベッドの端に座ろうとした。次の瞬間、糸が切れた操り人形のように、かばんは床に倒れた。
かばん 「……く…………」
かばんは自分のシャツに手を突っ込み、右の胸をさわった。
かばん 「いたっ」
かばんがシャツから手を抜き、人差し指を見ると、指先にかすかに血が付着していた。
かばんはゆっくりと起き上がり、ふらつきながらベッドに上がり、再び横になった。
後編へつづく
※1 この部屋は2階なので、登って侵入することも不可能ではありません。セルヴァルちゃんは窓を開けなくても侵入できるのですが、窓が開いていたのはセルヴァルちゃんなりの演出です。
ケビンくんは、ここに住もうだなんて、怖いもの知らずです。ここは怪奇現象で有名なアパートなんです。
※2 個人差はあると思うのですが、実際の明晰夢はぼんやりとした感じで、一応コントロールはできるものの、リアルなものを求めたり、複雑なことをしようとすると目が覚めてしまうようです。
※3 ケビンは冗談ではなく本名です。
※4 ちょっとさばを読んで、多く言っています。
※5 どうやって習ったのでしょう?
※6 きれいなものは、怖いんです。自分がこれから殺される、という本能的な恐怖も含んでいます。
※7 本当に「獲物」の心が壊れてしまった場合でも、セルヴァルちゃんはすぐに命を奪わず、三日かけて命を奪います。ただ彼女は「それはかえって残酷なのではないか?」と悩んでいるようです。
※8 時間が経過すると、削られた分の命は少しだけ回復しますが、じわじわ吸うやり方の場合、毎晩少しずつ命を削られていくので回復が追いつかず、最終的には死亡してしまいます。長く一緒にいると情が移ってしまうことも考えられますし、悪趣味ですね。
※9 サキュバスは悪魔の一種である、とも言えるようです。サキュバスがどのようなものなのか、というのは、時代や地方、伝承によって違いがあるそうです。
※10 いろいろと間違っていると思います。実際には、なんて知りたくないです。
※11 ほとんどの人は、一日でやり残したことを全部やる、というのは不可能だと思います。
あとがき
読んでいただきありがとうございます。
ちょっと長めなので前後編に分割しました。
後編のあとがきにキャラクター設定が書いてあります。