春に芽吹く梅の花   作:プロッター

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幸福木(マッサンゲアナ)

 織部が黒森峰に来てから1カ月ほどが経過した。

 自分以外男子がいないという状況にも慣れ、戦車道の活動も軌道に乗り、どうにか留学生活に身体が馴染んできた感じだ。

 しかし、まだ懸念すべきことはある。

 それは、授業の事だ。それも、ドイツ語の。

 ドイツ語以外の科目は、織部が元々通っていた高校とは何ら変わらないので別に問題はない。ただしドイツ語の授業に関しては黒森峰に来て初めて受ける授業なので、他とは勝手が違う。このドイツ語の授業は本来ならば1年生から受けるものであるため、2年生からは1年生の頃に習った文法を用いることが多々ある。だから、1年生の時の授業を受けていない織部は苦戦していたのだ。

 なぜ、今頃そのことについて悩み始めているのか、その理由は当然ある。

 

(・・・もう中間試験か・・・結構早いもんだなぁ)

 

 戦車道の訓練も無く、さらに2週間に1度の学園艦が寄港している今日、どこにも出かけずに学習机にノートと教科書を広げている織部は、机の前で忌々し気に考えていた。

 織部の言葉の通り、もうすぐ中間試験の時期だ。具体的には次の連休明けで、まだ2、3週間ほど猶予があるのだが、そんな猶予はあって無いようなもの。

 他の科目はどうにかなるだろうが、ドイツ語に限っては基本すらわかっていないので、全部理解するまでにはかなりの時間を必要とする。実際、毎日の訓練後も予習復習を繰り返しているのだが、あまり身についていない。

 中間試験が近くなったので訓練の時間も通常より少し短めだが、それでもまだ足りない。

 せめて1年生の教科書でも誰かに借りられればいいのだが。

 

「・・・ダメだ、まったくわからん」

 

 椅子に背を預けて天井を見上げる。

 これは、1人でどうこうできるような問題ではない。もしかしたら、次の試験では赤点を取ってしまうかもしれない。だが、織部の成績は黒森峰にはもちろん、織部の元居た学校にも全て知られる。もし赤点など取ったら、どうなるか分かったものではない。

 それに加えて織部は赤点を取った事などこれまで一度も無い。だから、一度も取った事がない、言わば劣等生の証とも言えるそれを取るのが、取ってしまうのが怖かった。

 とにかくこのままではだめだと思い、誰かに教わる―――最悪1年生の時の教科書があれば貸してもらうことに決めた。

 確か、直下がドイツ語が得意と言っていたので、まずは直下に聞いてみる事にする。早速、電話をしてみることにした。

 ちなみに、直下や斑田、根津と三河の連絡先は、最初に寄港してみんなで一緒に買い物に行った時に交換している。

 直下の携帯に連絡するのは連絡先を交換して以来初めての事だ。加えて、ドイツ語の教科書を貸してもらい、あわよくば教えてもらおうなんてちょっと馴れ馴れしい、図々しいと織部自身も思う。それ以前に直下もテスト勉強中かもしれないのでその邪魔をする形になってしまうが、相応のお礼はするつもりだ。それは流儀とかではなく、基本中の基本の行動だ。

 スマートフォンを取り出し、直下の連絡先を引っ張り出し、通話ボタンを押す。4,5回コール音が鳴ったところで直下が電話に出た。

 

『もしもし?』

「あ、直下さん?今大丈夫?」

『大丈夫だよ。どしたの?』

「えっと・・・・・・実は折り入って頼みがあって」

『何々?』

「直下さんさえよければなんだけど・・・・・・」

『?』

 

 用件を言おうとする前に、やはり相手の迷惑にならないかが不安になるが、迷惑だと思えば向こうが断るだろうし、まずは聞いてみることにした。

 

「・・・1年生の時のドイツ語の教科書って、ある?」

『え?あるけど・・・・・・あ、もしかして試験に向けて?』

「うん・・・・・・基礎も分かってない感じだから、せめて教科書さえ見れば分かるかなって・・・」

『なるほどねぇ』

 

 そこで直下が考え込むように唸る。そして『あ、そうだ』と小声でつぶやいたのは幻聴ではないような気がする。

 

『ごめんね、織部君。今見たんだけど、教科書がちょっと私のメモとか書き込みが多すぎて読みづらくて、人には貸せない感じなんだ』

「あ、そうなんだ・・・」

 

 では別の人からでも借りればいいか、と織部は思った。ここで『じゃあ直接教えてよ』と言えるような豪胆さも図太さも織部にはない。

 次は同じクラスの根津か斑田にでも聞いてみるか、と思っていたところで。

 

『赤星さんに借りてみたら?赤星さん、教科書は大事にするタイプだし』

「・・・・・・え」

 

 突如小梅の名が出た事に困惑する織部。

 

『ごめんね。私が教えられたらいいんだけど、こっちも手一杯なんだ』

「あ、そうなんだ・・・・・・分かった。ごめんね、忙しいところ声掛けちゃって」

 

 そうして、直下との電話は切れた。

 そして、直下の言った通り、小梅に聞いてみる事にする。画面をスライドし、電話帳から小梅の連絡先を表示させる。

 だが、直下に電話をする際には感じなかった緊張感を、織部は抱いていた。

 直下同様、連絡先を交換して以来織部は初めて小梅に携帯で連絡をする。ただそれだけなのに、なぜこんなにも緊張してしまうのだろうか。

 頼む事も、1年生のドイツ語の教科書を貸してほしいとお願いするだけ、何も疚しい事などないはずなのに。

 ここまで電話をかけることを躊躇するとは、恐ろしいものだ。

 しかしこのままスマートフォンを手に持ったまま硬直し続けていると、完全にタイムロスとなってしまうので、意を決して通話ボタンを押す。

 

 

 中間試験までまだ2週間以上あるとはいえ、早めに対策をしておくに越したことは無い。

 そんなわけで小梅は、2週間に1度の寄港日で訓練も無い今日この日、机に向かって試験勉強をしていた。

 小梅の苦手科目と言うのはこれと言って無い。黒森峰独特のドイツ語も、問題なくこなすことができている。なので今、小梅は満遍なく全ての科目の試験範囲を復習している。だが、まだ試験まで2週間以上あるのでこれから試験範囲は増えるかもしれない。そのことも考慮して、試験勉強を続ける。

 一区切りついたので、背を伸ばして小休止をしたところで、スマートフォンが電話の着信を告げた。手にとって画面を見ると、織部の名が表示されているのに気づき、目を見開いた。

 なぜ、どうしてこんな時に電話をかけてくるのだろう。

 とにかく、織部を待たせるわけにもいかないので電話を取る。

 

「も、もしもし!」

 

 つい声が裏返ってしまった。

 

『あ、小梅さん・・・?今、大丈夫・・・?』

 

 だが織部はそんな小梅のテンパりをあまり気にしていない、逆に後ろめたさを感じさせるような口ぶりで話しかけてきた。

 どうやら織部は別に緊張しているわけではないようで、小梅も一つ咳ばらいをし、一度落ち着いてから改めて織部の話を聞く態勢を取る。

 

「・・・大丈夫ですよ。どうかしましたか?」

『えっと・・・・・・折り入って頼みがあるんだけど・・・・・・』

 

 織部からこうしてお願いをされる事は、これまで無かったと小梅は記憶している。

 これまで小梅は、幾度となく織部に助けられてきた。直接的な行動で助けられたこともあったが、多くは織部の言葉によって、小梅の心は救われてきた。

 だから少しでも、そのお礼がしたいと思っていた小梅は、この織部からお願いされる事は願ってもない事だった。

 

「・・・いいですよ。私にできる事であれば、何でもしますから」

『・・・・・・ありがとう。で、お願いしたいことはね・・・・・・』

 

 一体何を言われるのか。

 小梅は期待半分、不安半分で身構えるが、織部の口から告げられたのは。

 

『ドイツ語の教科書を、貸してほしいんだ。1年生の時の』

 

 その、実にシンプルなお願いごとの内容を聞いて、小梅も少し肩透かしを食らう。

 だが、そのお願いをしてきた理由も小梅にはなんとなくつかめていた。

 

「ああ・・・・・1年の授業を受けてないから、基本が分からない・・・って感じですか?」

『そうなんだ。で、教科書を見れれば、少しでも分かりやすくなるんじゃないかなって』

「それでしたら・・・・・・」

 

 小梅は『貸しますよ』と言おうとして、考える。

 このままそう答えて、貸すのは簡単だ。

 だけど、それだけで織部とのやり取りは終わってしまう。織部との距離は、今のままで終わってしまう。

 小梅の心には、織部の事が好きだという想いが根付いている。だから、少しでも織部との距離を縮めたいと、思っていた。そのためには、今のままではいられない。何か少しでも、織部との距離を縮めるきっかけが欲しかった。

 故に、小梅はこう言った。

 

「・・・私の部屋に来ますか?教科書を貸すついでに、基礎的なところも教えますよ」

『・・・・・・え?』

 

 織部からすれば意外過ぎる小梅の提案を聞き、呆けたような声を洩らす織部。

 だが、小梅も先ほどのような言葉では少々恩着せがましいようなニュアンスを含んでいるように聞こえてならないと自分で思ったので、補足した。

 

「あ、えっと・・・・・・教科書を読んだだけでも分かりにくいところはあるかもしれませんし・・・だから、それを補う形で、私も教えます」

『・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 補足している中で、どんどん小梅は自分の発言が踏み込み過ぎたものだという意識が強くなってきて、そして何より何も言わない織部の反応を知るのが怖かった。

 その恐怖のあまり、自分の言ったことを撤回しようとする小梅。

 

「って、ご、ごめんなさい。私――――」

『ううん、是非』

 

 織部の答えを聞いて小梅は一瞬硬直する。だがその硬直状態から解放したのもまた、織部の言葉だ。

 

『小梅さんが教えてくれると、僕も助かる』

 

 よかった。

 織部が、小梅の提案に対して不快感を抱かずにいてくれたことが、よかった。

 

「・・・・・・わ、分かりました。では、私の部屋まで・・・来てください」

『うん。準備をしたら、すぐに行くよ』

「あ、私の寮の部屋は・・・・・・」

『覚えてる、大丈夫だよ』

「・・・はい、では後程・・・・・・」

 

 通話が切れて、小梅は机に突っ伏す。

 随分と、緊張する電話だった。

 1つのお願いを受け入れて、1つの提案をしただけだというのに、とてつもないほど心が疲れた気がする。

 でも、いつまでもぐずぐずしているわけにはいかない。

 間もなくこの部屋に、織部が来る。

 この前のジョギングの時とは違い、正式に織部がこの部屋に来るのだ。

 少しでも部屋を綺麗にしないと。

 そう思い小梅は椅子から立ち上がって、戸棚から掃除機を取り出した。

 誰がどう見ても、部屋は綺麗に見えるのだが、それは気分の問題というような感じだ。

 

 

 電話が切れた後、織部は手の中のスマートフォンをしばしの間見つめていた。

 そして、先ほどまでの小梅との会話を思い出す。

 ただ教科書を貸してもらうだけのはずが、小梅の部屋へ赴いてドイツ語の事を教えてもらう事になった。

 自分は今、夢の中にいるんじゃないのかと錯覚する。

 だけど、通話履歴には間違いなく教先ほどの時刻で小梅との通話記録が残っている。夢ではないようだ。

 

「・・・なんてこった」

 

 小梅の部屋に行くのは2回目だが、1回目はジョギングでケガした彼女を部屋に送り届けるために行ったのであって、正式にお呼ばれしたわけではない。

 ただし今回は、その正式にお呼ばれしたケースだ。

 となると、ただ勉強道具を除いて手ぶらで行くのは少々忍びない。

 行く途中で何かお菓子でも買わないと、と思い至り、鞄に勉強道具と財布、携帯を突っ込んで部屋を出ようとする。

 が、部屋を出るためにドアノブを回そうとするその寸前で、織部は肝心な事に気付いた。

 女の子の部屋に上がるなど、ましてや好きな子の部屋にお邪魔する事など、織部の人生の中ではこれまで一度も経験したことの無い事だ。人を好きになった事などないし、ジョギングの時は意識する暇もなかったので、ちゃんと招待を受けて行くのに関してはこれが初めてだ。

 これまで人に恋した事などない自分が女の子の部屋に行くなんて、ちょっと前からすればあり得ない事だった。

 一大イベントと言っても過言ではないこれからの出来事に対しての覚悟が、足りなかったと織部は悔いた。

 さしあたり、まずは服をもう少し外向きの良い服にしようと思い至って踵を返し、タンスの中をひっくり返す勢いで服を選びなおした。

 

 

 およそ5分ほどかけてどの服を着ていくかを考えてから再度出発し、途中コンビニに寄りお菓子を買って、記憶を頼りに小梅の暮らす寮へと向かう。エレベーターを昇り、そして『赤星』のプレートが掲げられた部屋の前に到着すると、すぐにインターホンを押さずに1つ深呼吸をする。

 そして、指をガタガタと震わせながらインターホンを押す。電子的な音が響き、少ししてからドアが開いた。

 

「・・・・・・こんにちは」

 

 扉を開けたのは他ならない、小梅だ。白のニットのトップスに青のデニムを履いている。これで小梅が制服で出てきたら、同じく私服の自分の立場が無くなると心配していた織部は、小梅の私服姿を見て安堵する。

 

「ごめんね、急にこんなこと頼んじゃって」

「いえいえ、気にしないでください」

 

 そこで織部は、手に提げていた勉強道具が入っていた鞄とは別のビニール袋を掲げる。

 

「これ、お菓子。良かったら食べて」

「あ、ありがとうございます・・・さ、どうぞ」

「お邪魔します・・・」

 

 おっかなびっくり靴を脱ぎ、小梅の部屋に足を踏み入れる。部屋は、件のジョギングの時とは変わっていない、パステルカラーで纏められた小梅の部屋。

 部屋に通されたはいいものの、どこに座っていいのかも分からず織部が立ち尽くしていると、小梅がリビングテーブルの前に座るように促してきたので、そこに遠慮がちに座る。小梅が織部の真正面に座って、お見合い状態となってしまった。

 

「・・・・・・えっと、今日はごめんね。急に押し掛けてくるみたいな形になっちゃって・・・」

 

 座った直後、まずは突然上がり込んでしまった事を謝罪する織部。

 だが小梅は手を横に振って笑った。

 

「いえ、迷惑なんてことはありませんよ。春貴さんの力になれるのなら、私は・・・・・・」

「?」

 

 小梅が何かを言おうとしたが、そこで小梅がハッとしたように立ち上がり、戸棚からカップを二つ取り出した。

 

「お茶を出しますね。コーヒーでいいですか?」

「え、そんなお構いなく・・・・・・」

 

 変に他人行儀な言葉が出てしまい、小梅が小さく吹き出す。

 おそらく織部は、織部は小梅に教えを乞うためにここへ来たのだから、もてなしを受ける事に対して後ろめたさがあるのだろうと小梅は考えている。

 だが、ここに誘ったのは小梅だし、何も出さないというのも小梅にとっては罪悪感を覚える。

 そして織部が教科書の有無について聞いてきたように、織部もまた試験勉強中だというのが分かる。ならばせめて、今だけは少しでもリラックスしながら勉強してもらいたいと思い、コーヒーを出すのだ。

 

「大丈夫ですよ。春貴さんはゆっくりしててください」

「ゆっくりとしてられないんだけどね・・・今の時期は」

 

 コーヒーの粉末をカップに注ぎ、その1つを織部の前に置いて、既に沸いていたお湯をカップに注ぐ。そして冷蔵庫から砂糖とミルクのカップを取り出し、テーブルの中央に置く。

 

「・・・・・・いただきます」

 

 控えめに、テーブル中央のミルクと砂糖を手に取り、自分のカップに混ぜる織部。そして一口飲むと、ほろ苦い味が口の中に広がり、自分でも緊張していた心が落ち着いたような気がする。

 小梅も自分のコーヒーにミルクと砂糖を混ぜて、一口飲む。そして、お互い同時に『ふぅ』と息を吐く。

 

「・・・・・・ふふっ」

 

 示し合わせたわけでもなく、同時に息を吐いた事が可笑しくて、小梅は口に手を当てて小さく笑う。織部も同じようで、少し顔を下に向けて唇を歪めた。

 ほんの少し、2人の間に漂う雰囲気が和んだところで、織部が本題を切り出す。

 

「・・・・・・本当に、教えてもらってもいいの?小梅さんにも、勉強があるのに・・・」

「大丈夫ですよ。私だって、春貴さんの力になりたいですから」

「でも・・・・・・」

 

 なおも織部はごねるが、小梅はそんな織部をよそに1年生のドイツ語の教科書を取り出し、さらには小梅のものであろうノートも取り出した。

 

「では、始めましょうか」

「・・・はい。お願いします、小梅先生」

 

 冗談半分、感謝半分で小梅の事を“先生”と呼ぶと、小梅は照れ臭そうに笑い、教科書とノートを開いた。

 ノートを一緒に持ってきた理由は、その時の授業内容がほぼ全て記録されていて、要点をそれぞれが分かりやすくまとめているからだ。ただ教科書を読んだだけでも分かりにくいので、試験勉強をする際は自分のノートを見返した方がいいという者も多い。

 そう思うと、やはり小梅の部屋に来たのは良かったのかと思った。それに、小梅の字は丁寧なので読みやすく、またカラーボールペンを使い分けて書かれているので要点もまた分かりやすい。こうしてカラーペンを使っているのもまた女の子らしいなと織部は思った。

 学年の最初の方は簡単な挨拶と数字の数え方。これに関しても織部はある程度簡単なものだけしか覚えていなかったので、この段階でも十分学ぶところはあった。

 さらにはアルファベット、母音と子音の発音、各種文法など基礎的な内容を小梅から教わることとなった。

 織部はそれ等の事を学んでいる間に、1年生の間のドイツ語の授業を受けたかったと叶うはずもない願いを思い浮かべ、さらにドイツ語の予習を黒森峰に来る前にしておけばよかったと後悔した。

 しかし小梅の教え方はとても丁寧で、分からないところがあってそれを聞くと丁寧に答えてくれるし、『ここは今習っているところと繋がってるんですよ』と、今現在の学校で習っているところに繋げてくれる。

 織部はそれを余すところなくメモに記し、さらにはノートに独自の補足を付け加えていく。

 やはり、小梅の部屋に来て、小梅に全てを教えてもらうことができて、本当によかったと改めてしみじみと思った。

 そうして勉強会―――というより織部が小梅からレクチャーをしばらくの間受け続け、コーヒーが無くなったところで時計を見ると時刻は既に正午を回っていた。

 

「あ、もうこんな時間か・・・・・・」

 

 壁にかけられた時計を見上げて織部が声を洩らす。そこで小梅も教科書を一度閉じて立ち上がった。

 

「ではお昼ごはんにしましょうか」

「何か買ってこようか?」

 

 先んじて織部が鞄の中の財布を取り出し、十分な額のお金が入っているのを確認したところで、小梅が織部の動きを手で制した。そしてキッチンに向かい冷蔵庫の中を見ながら小梅が呟く。

 

「作り置きのものでよければ、食べますか?」

「へ?」

 

 どうやら小梅は、作り置きとは言えお手製の料理を織部に振る舞うつもりらしい。それは織部からすればとても魅力的な事だったのだが、少しハードルが高すぎる。

 だから無理にでも織部が何か買ってくるべきなのだが、そこで織部は考えてしまう。

 ここで断ると、織部が小梅の料理を不味いと思っていると、小梅に思わせてしまうかもしれない。それで小梅を傷つけてしまったり凹ませてしまうのは最大のタブーだ。

 そんな事を悶々と考えているうちに、小梅がてきぱきと2人分の食器を取り出して、冷蔵庫から取り出した器を電子レンジに入れて温めている。いよいよ断ることが難しくなってきたので、大人しく待たざるを得ない。

 やがて、織部が先ほどまでの勉強を振り返っていると、テーブルに昼ごはんが用意された。

 炊飯器の音はしなかったから、椀によそられた白米は恐らく冷凍していたものだろうが、みそ汁と肉じゃがは多分、小梅の手作りだろう。そして先ほど電子レンジで温めていたのは、この肉じゃがだ。

 

「さあ、食べましょう」

 

 小梅が手を合わせて、いただきますの姿勢を取る。織部もそれに倣い手を合わせる。そして、2人で『いただきます』と告げて昼ご飯を食べ始める。

 織部はまず、みそ汁を一口飲む。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 織部は自炊をする方ではあるが、みそ汁に限ってはインスタントで済ます傾向がある。それは織部自身みそ汁を作るのが苦手というのがあるし、手間がかかるからというのもある。

 学校の食堂で提供されるものも大体インスタントだし、寮生活を強いられて実家に帰る機会が少なくなった今、一から作ったみそ汁を飲む機会もめっきり無くなって、手作りのみそ汁を飲んだ事など、随分と久しく感じられる。

 つまり、何が言いたいのかと言うと。

 

「・・・・・・すごく、美味しい」

「え・・・・・・みそ汁だけで・・・?」

 

 小梅が驚いたように言うが、織部は確かにこのみそ汁がとても美味しいと感じていた。

 織部は自分がグルメだとは思っていないし、相当舌が肥えているとも思っていない。だけれども、このみそ汁は今まで飲んだみそ汁の中で、一番美味しいと思う。もしかしたら、自分の母の作ったもの以上かもしれない。

 

「いや、本当に美味しいよ」

「・・・ありがとうございます」

 

 小梅も、まさかみそ汁だけでここまで褒められるとは思わなかったのだろう。恥ずかしそうに、そして嬉しそうに笑う。

 次に織部は、肉じゃがに箸をつけて、じゃがいもを口に放り込む。

 温かいじゃがいもの硬すぎず柔らかすぎもしない食感に加えて、肉じゃが特有の調味料の合わさった風味が口に広がり―――

 

「・・・・・・」

 

 胃袋を掴まれた、ってこんな感じなのかな。

 織部はふと思った。

 

「・・・・・・すごい美味しいよ、これ」

「本当ですか?よかった・・・・・・」

 

 ごはん、肉じゃが、みそ汁を食べる箸が止まらない。

 

「小梅さんって、料理が得意なんだ?」

「得意と言うほどじゃないんですけど・・・あんまり自信ないですし」

「自信持った方がいいよ。これ、すごい美味しいもん」

 

 織部が肉じゃがとみそ汁を褒めると、小梅も少し嬉しそうに頬を緩める。

 

「・・・・・・私の料理を褒めてくれたのは、春貴さんが初めてです・・・。とっても・・・嬉しいです」

 

 おそらくだが、小梅の料理スキルは寮生活で培われたものなのだろう。料理だけに限らないが、寮生活をしていると自然と家事スキルが上達するというのは、織部に限った話ではないらしい。

 ふと頭に浮かんだ率直な感想を、口に出す。

 

「いいお嫁さんになりそうだね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 沈黙。

 そして、織部の心がバキッと音を立てて折れたような気がした。

 今、自分は何て言った?

 なんか、とてつもなく恥ずかしいセリフを吐いた気がする。

 ついさっき自分が言ったセリフを思い返し、とんでもないことを言ってしまったと気付いて青ざめる。

 

「・・・・・・ご、ごめん。変な事言って・・・わ、忘れてくれると―――」

「・・・・・・春貴さん」

 

 織部の苦し紛れの発言にかぶせる形で、小梅が言葉を発する。織部も、その小梅の謎の威圧感を放つような言葉に怯み、黙り込む。

 

「・・・・・・そう言う事は、あんまり言わない方がいいですよ」

「う・・・・・・そうだよね。ごめん」

 

 諭されて地味に凹む織部。確かにさっきの発言は軽はずみなものだったと後悔しているし、女の子にそう言ったことを軽々しく口にするものではないと反省し、致命的な女性経験の無さが浮き彫りとなってしまった。

 

「・・・・・・それに・・・」

 

 ボソッと、小梅が織部から視線を逸らし、頬を赤らめながら何かを呟く。

 

「・・・・・・本気にしちゃいますから」

「・・・・・・えっ?」

 

 そこで小梅は逃げるようにご飯をかきこんでいく。織部も、小梅の言葉の真意は見えなかったし、これ以上深く追求すると余計地雷を踏みかねないので何も言わないことにし、織部も食事を再開する。

 少しの間、お互い無言で食事を進めていると、沈黙に耐えかねたのか小梅が口を開いた。

 

「・・・・・・そう言えば、どうして私に聞こうとしたんですか?」

 

 それは、ドイツ語の事だろう。織部は、別に隠すような事でもないので正直に話す事にする。

 

「最初は、得意だって話してた直下さんに教科書を借りようと思ったんだ。でも、教科書がメモだらけで人に読ませられないって言われて。それで小梅さんは教科書を大事にするタイプだし聞いてみたら、って言われて、それで小梅さんに聞いたんだ」

「そう・・・だったんですか・・・・・・」

 

 最初から自分を頼ってきてくれたわけではないことを知り、小梅も少し落ち込む。もしそうだったのなら、織部は小梅の事を思ってくれていた、と考えられるのだがそれは違った。だけど、そう考えるのは少し自分勝手だ。

 

「でも、小梅さんに教わってよかったよ」

「え?」

「小梅さん、丁寧に分かりやすく教えてくれて・・・ただ教科書を借りただけじゃここまで学ぶこともできなかっただろうし。それに・・・・・・」

 

 そして織部は、テーブルの上に広げられている食事を見て、微笑む。

 

「小梅さんの手料理も食べられたし」

 

 小梅の心が、温かくなったような気がした。

それは、温かいご飯を食べ方からとかそう言う陳腐な理由などではなく、織部の真っ直ぐな言葉が、織部の表情が嬉しかったからだ。

 自分の手料理を誰かに振る舞った事も、それを褒められたことも、小梅はこれまで一度も無かった。

 けれど、その最初の相手が織部で、本当によかったと今は思える。

 織部が、小梅の料理の腕を素直に褒めてくれたから。

 織部が、小梅の料理を食べて笑顔を見せてくれたから。

 そして何より、織部の事が大好きだから。

 

「・・・ごちそうさまでした」

「・・・お粗末さまでした」

 

 昼食を食べ終わり、織部が挨拶をすると小梅もそれに返す。

 食器は、織部が率先して洗う事になった。当初は小梅が洗おうとしたのだが、料理を出してくれたことへのお礼と言う事で、織部がスポンジと洗剤を借りて始めた。織部が真面目な性格をしているのは重々承知の上だったので、ここで小梅は織部の厚意に甘えるする。

 食器を洗い終えて、少し食休みを挟んでから勉強を再開する事にする織部と小梅。

 

「・・・小梅さんも、ドイツ語が得意なの?」

「私は・・・・・・それほど得意ってわけではないですけどね」

 

 食後のコーヒーを飲みながら織部が問うと、控えめに答える小梅。やはりちょっと前まで外国語は英語しか分からなかった織部からすれば、十分褒められたものだと織部は思う。

 

「でも、一番ドイツ語が得意なのは、エリカさんかもしれませんね」

「エリカさんって・・・・・・副隊長の逸見さん?」

「はい」

 

 未だ織部とエリカの間に交流はほとんどない。だからエリカの人となりを織部は全く知らないし、エリカはどこか人を寄せ付けないような、さながら孤高の狼のような雰囲気を醸し出しているので気楽に話しかけることもできない。

 それほど肝が据わっているわけでもない織部は、自ら進んでエリカに近づこうとはしていなかった。

 

「確か、1学年末の試験ではエリカさんが1位だった記憶が」

「そんなにすごい人なんだ・・・」

 

 織部も勉強は―――特に戦車道連盟に就くと決め、黒森峰に来るまでは人並み以上に頑張ってきたのだが、1度だけクラストップ10に入ったのが関の山だった。

 おそらく黒森峰の1学年の生徒数は、織部の元居た学校よりも多いだろう。そんな中で1位になれるというのだから、エリカは相当秀でた成績を修めているということだ。

 

「エリカさんには教わろうとはしなかったんですか?」

 

 小梅から純粋な瞳を向けられて、織部は少し目を逸らす。

 

「・・・・・・逸見さんがドイツ語が得意だとは知らなかったし、あの人は少し近寄りにくいというか・・・」

 

 近寄りにくい、と言うと小梅がくすっと笑う。

 

「確かに・・・エリカさんはちょっと厳しいイメージがありますね。それもまた、真面目な黒森峰らしいとは思いますけど」

「そうだけどねぇ」

 

 そこまで話したところで、食休みを終えて再び勉強会を始める。

 1学年後半に進むにつれ文法が複雑になっていき、織部も理解に苦しむことになってしまったのだが、小梅はそこを丁寧に教えてくれたのでどうにか理解することができた。

 途中で織部が買ってきたお菓子を開けて2人で食べ、小梅からレクチャーを受ける事数時間、ようやく今現在織部たちが学んでいる内容へと繋がった。そこで織部と小梅はコーヒーを一口飲み、一息入れる。

 

「・・・・・・ありがとう、小梅さん。これでなんとかなりそうだ」

 

 織部が心からの感謝の念を込めて小梅に頭を下げて、お礼を告げる。

外を見れば陽も傾いていて、間もなく日没ぐらいの時間帯だ。

 いつまでもこうして小梅の部屋に居座っていては、小梅の迷惑になるだろうし、何より小梅が自分の勉強を進められないだろう。今日だってつきっきりで織部にドイツ語を教えてくれたというのに。

 

「じゃあ、僕はそろそろお暇するかな」

 

 織部が勉強道具をまとめて鞄に詰めて、立ち上がる。

 その時一瞬、小梅がほんの少し残念そうな顔をしているように見えたのは、目の錯覚だと織部自身は思った。

 

「・・・どうかした?」

 

 だが、思わず聞いてしまう織部。まほとの話の際も痛感したのだが、頭に浮かんだ疑問を即座にぶつけるのは少し改善した方がいいかなと、自分で思う。

 けれど、質問を受けた小梅は何でもないと首を横に振った。

 玄関で靴に履き替えたところで、織部はもう一度小梅にあいさつをする。

 

「今日は本当にありがとう。僕なんかのために、色々教えてくれて、その上ご飯まで頂いちゃって」

「いえ、気にしないでください」

 

 そこで小梅が、少し悲しそうな笑みを浮かべて俯いてしまう。

 

「私も、春貴さんの力になれてよかったです。春貴さんには、いつも助けられていたから・・・」

 

 織部は、別に小梅に恩を売ろうとか後々揺すろうと思って小梅に優しくしてきたつもりは微塵もない。ただ純粋に、小梅を助けたかったから、悲しい表情を浮かべていた小梅の力になりたかったからだ。

 だから、小梅に恩義を感じさせていると知った今、少し織部はもの悲しくなってしまう。

 同時に小梅も、今まで織部から励まされたこと、支えられたことを思い出し、感傷を覚えているだろうと思う。

 だから織部は、少し恥ずかしかったがある行動に出た。

 

「・・・・・・・・・・・・あっ」

 

 小梅の頭に優しく手を置き、そして静かに撫でる。

 前にもやった、背中を撫でるのと同じように、気持ちを落ち着かせるための行動だ。

 撫でられている小梅も恥ずかしいのか、頬がわずかに赤くなっている。もちろん撫でている織部本人も恥ずかしい。

 だから撫でるのもほどほどにして、手を離して小梅と視線を合わせる。

 

「・・・僕の事を考えてくれて、ありがとう。本当に、嬉しいよ」

 

 その言葉を受けて、小梅ははにかみ、そしてニコッと笑った。

 

「・・・良ければまたいつか、ウチに来てくださいね」

「・・・・・・ありがとう。じゃあ、またいつか来るよ」

 

 そう言って織部はドアを開けて小梅の部屋を出て、自分の部屋へと帰って行った。

 

「・・・・・・」

 

 ドアが閉められた後、小梅は自室に戻り、小梅と織部のカップを洗面台の流しへと置く。

 そして、先ほどまで織部が座っていたスペースを見る。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 自然と小梅の脚がそこへ向かい、ぺたんと織部が座っていた場所に座る。わずかだが、織部の温もりが残っていた。

 そして、自然と笑ってしまう小梅。

 1日試験勉強でつぶれると思っていた休日に、まさか織部が自分の部屋にやってきて、その上自分の料理を褒めてくれるなんて、夢にも思わなかった事だ。

 試験前だというのに、今まで覚えた事がすっぽりと頭から抜け落ちてしまいそうなくらい、今日という日はとても充実していた。

 自分の手料理を振る舞う機会など結婚でもしない限りは一生ないだろうと思っていたのに、こうも簡単にその機会が訪れてしまうなんて。

 しかもその相手が好きな人となると、それはまるで恋人同士のようで。

 もっと言えば、家族のようで――――

 

「っ!」

 

 その家族、というフレーズに思い至った直後、自分の顔が真っ赤に染まったのが分かる。

 まだ付き合ってもいないのに、告白すらしていないのに、そこまで考えるなんてあまりにも早すぎる。時期尚早にもほどがある。

 けれど、その考えはしばらくの間小梅の頭から離れることは無かった。

 

 

 家路を歩く織部は、周囲に注意しながら今日の勉強で使ったノートを見返していた。

 小梅のノートをほぼ全て書き写し、さらにそれを何度も見返して自分の知識として蓄積していく。疑似的に織部は、1年生のドイツ語の授業を受けた事になり、今やっている2年生の内容もどうにか噛み砕いて学習できている。

 これは、教えてくれた小梅のためにも下手な点数は取れないなと織部自身思っていた。次の試験では、恥ずかしくない点数を取れるようにしようと、胸の中で決意を改める。

 それにしても、と織部は夕暮れの空を見上げる。

 ただ教科書を貸してもらうだけのはずが、まさか小梅の手料理まで食べるに至るなんて、夢にも思わなかった。

 おそらく一生、女の子の手料理を食べる機会に巡り会う事などないと思っていたのに、この歳でそれが実現するとは思いもよらぬことだ。

 しかも、その手料理を作ってくれた相手が好きな人など、それはまるで恋人同士でする事ではないか。

 もっと言えば、それは家族ですることのようで―――

 

「・・・・・・!」

 

 家族、という単語が頭に浮かんだ瞬間、ノートで顔を叩く。恥ずかしさを、赤くなった顔を落ち着かせるためだ。

 まだ付き合ってもいないのに、告白すらしていないのに、そんな事を考えるなんて色々段階をすっ飛ばし過ぎだ。時期尚早にもほどがある。

 

「織部君、何してんの?」

 

 と、そこで横合いから声を掛けられた。ノートを顔から離し、声のした方向を見ると、ジャージ姿の直下がいた。

 

「直下さん、こんにちは」

「こんにちは。で、何してたの?」

「いや、ちょっと・・・・・・変なこと考えてた」

「?」

 

 正直に話す事なんてできやしないので誤魔化しに徹する織部。直下も『ふーん』と言っただけで深入りはしてこなかったのでとりあえず安心する。

 

「直下さんは?ジョギングでもしてたの?」

「ううん、トレーニングジムに行ってた。試験勉強に煮詰まっちゃって、ちょっと気分転換にね」

「へぇ~」

 

 そう言えばこの学園艦には、戦車道隊員が自由に使えるトレーニングジムがあると聞いた事がある。おそらく直下は、そこに行ったのだろう。

 

「織部君は?どこかで勉強してたの?」

「ああ、小梅さんの部屋で勉強を―――」

 

 そこまで言って織部は、しくじったと後悔する。

 だって、織部の言葉を聞いた直下の顔がいやらしいほどににんまりと笑っているのだから。

 そこで織部は確信した。

 直下は、織部の気持ちに気付いている。

 そして今朝、直下が織部の『教科書を貸してほしい』というお願いを断って小梅に聞くように仕向けたのも、明らかに気づいてしたのだろう。

 図られた。

 

「・・・・・・そかそか。小梅さんと2人っきりで勉強会ね」

「あの、語弊を生むような言い方はやめてくれないかな」

「いやいや、2人の仲が進展したようで何よりだよ」

「何を言って・・・」

「まあ、私は応援するから、頑張ってね~」

 

 織部の抗議の声など届かず、直下は織部に背を向けたまま手を挙げて、自分の寮へと帰って行ってしまった。

 一方で織部は、先ほど頭の中に浮かんだ妙な考えを払拭しようと、駆け出した。

 




マッサンゲアナ
科・属名:キジカクシ科ドラセナ属
学名:Dracaena spp
和名:ドラセナ
別名:―
原産地:熱帯アフリカ
花言葉:隠しきれない幸せ、幸福(ドラセナ・フラグランス)
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