ダンジョンで情報を探るのは間違っているだろうか 作:怠惰ご都合
「しばらく戻って来ないって言った数時間後に顔を合わせる事になるとは流石の俺も予想外だよ。やぁミレア、そんなに顔を赤くしてどうしたんだい?」
「それは私が言いたいくらいですよ。なんでさっきの後で来てるんですか・・・・・・ヘルメス様」
ヘファイストス様に愚痴ろうと思ったら早速ヘルメス様と顔を合わせてしまった。ほんの数時間前に暫く顔を合わせないと決めた筈なのに、一体何故?
「それは勿論、ヘファイストスに状況報告をしてもらいにな」
ヘファイスト「私としても面白そうだからいいかなって」
「娯楽を止めて欲しかったですよソコは!」
ヘファイストス「それで、どうしてここに?ルミトは?」
ミレア「それが・・・・・・」
いいぞもっと攻めるがいい。呆れるがいい。愛想を尽くすがいい。どうせベットにくくりつけられた今の状態だと逃げることも出来やしないのだからな。調子に乗った罰くらい大人しく受けてないやるともさ!別にミレアに放置された腹いせで自棄になった訳じゃないからな。
「・・・・・あー痛い。おかしいなぁレベル差はないし、特に隠れて訓練してる訳ではないだろうに。なんであの一瞬で破壊力抜群な一撃が出せるんだろ」
痛い頬を擦りたいところではあるが、両手を後ろに回す形を取らされその上、極東の方で言うところの『正座』で身体を固定されてるのだから何もできないのだ。せいぜい廊下に向けて耳を傾けるくらいで精一杯。耳を傾けるても無駄だと思われるだろうが、そんなことはない。以前歩いていた際に気づいたのだ。部屋の中であろうと声が大きくなれば廊下でも聞こえるということに。それにどうせ自分の処遇を決めるのだから、せめて言い渡されるより自分の意志で聞き届けたい。・・・・・・いやでもそれは逆に廊下であればこの部屋の会話が聞こえるということでもあって、常日頃のあんな会話やこんな会話、果てはさっきの衝撃音と悲鳴が丸聞こえだということではないだろうか。冒険者はレベルが上がれば身体能力も強化される。それこそ寿命が延びるという一説があるくらいだ、何かできることが増えたとしても不思議じゃない。・・・・・あれ、何かヘファイストス様に呼ばれたような気がしたけど、流石に気の所為だよね?ちょっと心配になってきたんだけど、行ったら行ったで傷が追加する予感もするから行きたくないけど、仕方ない見に行こう。
「あの子ったらなに生ぬるい事やってるのよ、どうせやるならもっと大胆に仕掛けなさいよ情けない」
「いいぞもっとやるがいいルミト君。何、戸惑うことは無い。
ミレアの愚痴を聞いて抱いた感想とは別に
「いや、私は別にそういうことが言いたいんじゃなくてですね!?」
途端に、ミレアの顔が赤くなっていく。まるで煙が上がっているかのような動揺っぷりである。
「・・・・・アンタも進歩してんのねぇ、微々たるものだけど」
今はまだ現れていない
「くううぅぅっ〜〜〜!この見ているだけではもどかしくなる甘酸っぱさ、コレこそ俺が求めていた青春っ!」
「相変わらず悪趣味ねぇ。まぁ気持ちはわかるけど、余計な手出しは不要だからね?」
「解っているとも!ヘルメスの名に誓うとも、ちょっかいはかけないとなっ!!」
「こ、こんな事で神の名に誓わないで下さいよ!勿体ないですって!」
「こんな事とはなんだいミレア!?こんな素晴らしい娯楽・・・・・ゴホン、出来事なんだ見ないなんてそれこそ勿体ないじゃないか!」
・・・・・確かに面白い出来事ではあるけど、なんか私と楽しみ方がズレてるのよね。いつも臆病な対応してるあの子が、ここまでミレアを困らせてるなんて確かに娯楽としては申し分ないけど、流石にそろそろ解放してあげないと可哀想になってきたわね。早く来なさいよね。
「ヘファイストス様、ルミトですけど入っても・・・・」
「遅いじゃない、さっさと入りなさい」
・・・・・扉の前に着いてすぐに話しかけたのに、なんかいつもと違う言葉が返ってきたんですけど、どういうことコレ?
「えっと、それじゃあ失礼します、ね?ミレア見てませんか・・・・・ってやっぱりいた」
部屋の中には上機嫌なヘルメス様と、顔を真っ赤にしたミレア、そして呆れながらこっちを見るヘファイストス様がいた。
「お願いルミト助けてっ、ヘルメス様がっ!」
「どうしたの?」
「私とルミトの様子を根掘り葉掘り聞いてくるの。神相手に嘘はつけないから、全部答えるしか出来ないし、ヘファイストス様も助けてはくれないし!」
なんかこっちを見るなりミレアが抱きついてきたんですけど一体何がどうなっているのかさっぱりな僕にはどうしょうもない。兎に角分かったことは慌てるミレアが可愛いってことだけだった。
「えっと・・・・よく耐えたね、えらいえらい」
「ぅ・・・・うぅ〜〜〜っ!」
ひとまずミレアを落ち着かせる為に頭を撫でたけど、顔を伏せて頭を擦り付けてきた。丁度肋骨とか胸骨辺りに当たって痛いんだけど、言ってもダメだよねこれ。
「イイ!とてもイイ!ずっと見ていたいっ!!」
「アンタ早くその子引き取ってちょうだい。これ以上ここにいさせるとヘルメスにあることないこと吹き込まれる可能性があるし、私の許容量がオーバーしかねないのよ。
・・・・・・・応援されてるのか憐れまれてるのかどっちだコレ?ミレアが照れてて、二柱の神が喜んでいると点から察するに・・・・・応援されてるという事にしようかウン。きっと掘り下げたら藪蛇間違いないからね。これ以上自分の行動が筒抜けになって、勝手に温かい目で見られるのは居心地が悪い。
「ベットに縛られた状態から脱出してきた矢先で悪いとは思うけど、正直言って今はヘルメスと話がしたいから出ててくれると助かるわ」
なんで縛られた事すら把握されてるのか聞こうとも思ったが・・・・・・上機嫌なヘルメス様と照れてるミレアを見れば想像に難くない。
「それじゃ、失礼しますね。ほら行くよミレア」
「ぁ・・・・・うん」
急ぐあまり思わずミレアの手を引いてしまったが、マズかったかな?怒られたりするのかな、後で謝っとこ。
色々とやってくれるルミトですが、当の本人に悪気は一切ありません。本人は至って真面目です・・・・・多分。
だからこそ沢山のツケやら何やらが増していくんですが、やはり本人はその事を知りません・・・・というか考えてません。なので今後もそれはブレないでしょうね。