ダンジョンで情報を探るのは間違っているだろうか 作:怠惰ご都合
お待たせして申し訳ありませんでした。
何故だ。
何故こんな事になった。
若い
「ミレアさんミレアさん、僕何か悪い事しましたっけ?全く身に覚えがないですが」
そう、僕ことルミト・ラネッサは只今、【ギルティ・バインド】にて絶賛氷漬けなのである。
「・・・・安心しなさい、今ならまだ許してあげるわ?もう一度聞くから、次は正直に説明するのよ?」
何度弁明しようと、ミレアは解放してくれない。
仕方ない。
今度こそ素直に伝えよう。
「ふっ、全くしょうがないなぁミレアは。そう、事の顛末は・・・・」
「早くしなさい、氷刃撃つわよ?」
「アッハイ」
なんか最近、ミレアが冷たい目をする気がする。
こんなんだったかなぁ、なんて考えながら、覚えている限りの事を説明する。
「・・・・・・つまり、勝手にベッドに入って来たのはあなた・・・・じゃなくて私だと?」
「うん」
「それで、抜けようにも攻防が激しくて、それすらも不可能だった、と」
「うんうん」
「成る程、あなたの言いたい事はよ~く解ったわ」
どうやらやっと伝わったみたいだ。
これで解放してもら・・・・
「・・・・・・・・どうせならもっと上手い嘘を用意しなさいよ」
・・・・えませんでした。
「まぁまぁ」
「・・・・・こんな状況で、何落ち着いてんのよ?」
「本当は嬉しくて自分から来たんでしょ。でも恥ずかしいから素直に言えない、とか。違う?」
「・・・・・・まぁいいわ。今回の事は無かった事にしてあげる」
「・・・・・・あ、なんか許された」
「その代わり、今日1日私に付き合いなさい」
・・・・そう言っても、いつも付き合わされてるんですけど。こっちの都合は無視だと言いたいのか。
「早く用意しないと鍛冶炉、凍らせるわよ?」
「すぐに行くから、貴重な商売道具を虐めないで!?」
結局、今日も付き合わされることになるようだ。
諦めながら、ルミトは工房を出た。
気付けば
「え、何。ひょっとして今日もダンジョンに潜るの?」
「ひょっとしなくても潜るわよ。昨日、あなた自身が言ってた事じゃない?」
おかしいな。質問の答えが疑問系で返って来た気がする。聞き直すのも面倒だから、ここは気のせいという事にしておこう。
「確かに言ったけど、それは一人で・・・・」
「あれ?あそこにいるのって、ベルじゃない?」
「・・・・本当だ」
反論を受け付けて貰えず、最近は諦める事にしていた。
そして、ベルを見つけた。
ただ、誰かと話しているようだった。
身長およそ100
「あのサポーター、パルゥムじゃないかしら?」
「え~、獣人じゃない?」
「じゃあ合ってた方が、相手を一日手伝わせる・・・・という賭けをしましょ?」
「・・・・・・まぁいいけど。でも、あのサポーターどこの《ファミリア》なのかな?」
そんな事を言いながら、僕はミレアの後に続いてダンジョンへと向かった。
「・・・・・・で?」
ダンジョンに潜ってしばらく経過した後に、ミレアが口を開いた。
「ん、どうかしたの?」
「今日の獲物は?」
「特にないけど?普通に探索だけど?」
「・・・・・・」
答えただけで、急に冷めた目をされてしまった。
おかしいな、解答は間違ってないんだけど。
「な、何さ?昨日言ったじゃん。欲しい素材はないって」
「・・・・・・つまんなーい」
「そんなもんでしょ」
「・・・・・・面白くなーい」
「ダンジョンは娯楽じゃないもんねぇ」
「・・・・・・可愛いくなーい」
「それは・・・・・・なんかゴメン」
うん、最後のは僕の所為じゃないね絶対。
完全なとばっちりだよ。
そんな風にじゃれ合ってる間にも、周囲には灰の山が量産されていく。
そう、僕たちは下らない掛け合いをしながらもモンスターを狩っていたのだ。
その数は10や20では足りないだろう。
「いやいや、ここまで狩れば満足でしょ」
現在は10階層の中程まで来ている。
魔石も『ドロップアイテム』も結構な数を回収している。
「・・・・・・ふーん」
「・・・・『もう少し粘ればレアモンスター出るのに』とかなんとか考えてるんでしょう」
「・・・・・・当たり、よ」
やっぱりだったか。
どうせそんな事だろうと思った。
「今日のところは勘弁してよね」
「・・・・仕方ないわねぇ」
納得してもらえたようで何より。
そんなこんなで探索を終え、換金も済ませた帰り道。
「ねぇミレア、本当にこの道で合ってるの?」
「勿論よ。だって、ルルネさんがよく使ってるのよ?」
・・・それは答えになってないのではないだろうか。
しかし、この場は任せるしかない。
僕は基本的に大通りしか使わないし、何より、自慢気な彼女に反論しても、ろくな目に合わないのは過去に何度も経験済みだから。
・・・・別に面倒くさいとかそんなんじゃないよ?
「・・・・・・ん?」
「・・・・あら」
突如、目の前を小柄な女の子が駆けていく。
その後を、紙袋を抱えたエルフの女性が追いかける。
「ちょっと、リュー?」
また一人、今度はヒューマンの女性が、これまた紙袋を抱えて走っていく。
何か嫌な予感がする。
隣にいるエルフの幼馴染に話しかける。
「・・・・・・ねぇ」
「少し黙ってなさい」
即答でした。
解ってる解ってる、見に行くんだね。
・・・・嫌な予感って良く当たるよね。
見に行った先にいたのは、さっきの三人とベル。
どうやら、ベルのナイフがなくなって、盗んだ犯人に良く似た女の子を追いかけたら、人違いだったとか。
なくしたナイフは、女の子が管理してくれてたみたい。
「・・・・それで、そこの二人は何の用です?」
「リュー?」
覗いてたのがエルフの女性にバレた。
割り本気でと気配を消してたのに。
「・・・・えーと」
「どうも、いつもヘルメス様がお世話になってます《ヘルメス・ファミリア》団員のミレアです」
「いえいえ、こちらこそヘルメス様には売り上げに貢献してもら・・・・よくしていただいてます。シルです」
今の会話に黒いものを感じた気がするが、聞かなかった事にしよう。
その方が身のためだからね、うん。
「私は、リュー。シルと一緒に『豊穣の女主人』で働いている者です。あなたは?」
「えっと、ルミトです。【ヘファイストス・ファミリア】所属
お二人は酒場の従業員でした。
会話の内容から察するに、普通の人じゃないと思うけど。
「ルミトさん、ミレアさん!」
「やぁベル」
「お知り合い・・・・ですか」
「は、はい」
「そうですか。それでは私たちはこれで」
「あ、はい。またお店に行きますね」
軽く挨拶を交わしただけで、リューさんとシルさんは歩いていった。
そんな中で、女の子を後ろに庇っているベルを見てミレアが口を開いた。
「ベル、ヘスティア様を悩ませないでね。ふふ」
うわぁ、悪い顔。
他の人には見せられないね。
「あ、あはは」
「じゃ、またねベル」
「あ、待ってよルミト」
「はい、また」
ミレアの
これ以上、ベルを怖がらせる訳にはいかない。
ベルの為にも、ミレアの為にも。
工房への帰り道にて、ミレアがこんな事を言ってきた。
「ねぇ、ルミト」
「・・・・・・な、何さ」
「ベルってさ、結構天然の
「あー、無意識で人に優しくしちゃうからね」
「そうそう・・・・・・・・あんたみたいな」
最後に不本意な事を聞いた気がする。
「ごめん、それについては小一時間ほど時間かけて弁明したいんだけど」
「帰るわよ。ほら、さっさとしなさい」
「・・・・」
ミレアは構わず歩いていく。
仕方ないから黙って後に続く事にする。
そんな風に歩いていると、自分の工房に着いた。
予想よりも早かった。
「ねぇミレア、早くない?」
「別に、いつもと同じよ?むしろ、いつもよりも少し遅いくらい」
ミレアは
だから毎回、来るのが早いのか。
結論、彼女は常習犯だった。
お待たせした割に文字数が少ないですが、ご容赦頂けたら幸いです。
それでは、また次回。