チートオリ主による、蒼かな太平記 作:テカサナ
「バケモノ、お前はバケモノだ!」
試合をしていたら、いきなり相手チームの一人が、そんなことを言ってきた。他のみんなも声にはださないが、体がふるえている。
「へっ……?いったい、どうしたの?さぁーもっと試合をしようよ!」
俺がそう言うと、全員がただでさえ震えている体を、いっそう強くふるわせた。まるで、殺人気を目の前にしたかのように………
「さぁー……」
「うるさい!」
「お前みたいなバケモノと試合が出来るか!」
「そうだ、どっかいっちまえ!」
一人が言い出すと、次々と続いた。
( なんで……?なんで、そんなひどいこと言うの?さっきまで、みんな優しかったじゃん!俺をこの部に誘ってくれたじゃん!)
皆から罵声を浴びせられ、救いの芽を監督に求めた………しかし
「……頼む、退部してくれ。お前みたいなバケモノは、いちゃけいないんだ。」
と冷たく引き離した………。
(思えばこの時からだったろう。自分を繕って、テキトーに生きる様になったのわ……)
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…午後の屋上は、太陽の日射しを満遍なく浴びることができる絶好の昼寝スポットだ。さらに、満腹感も相まって寝ないという選択肢はない。
「ん……」
俺はそんな屋上の特等席で、授業をサボって堂々と昼寝をしていた。他に人が居ないので、ゆっくり出来る……もっとも俺が近付いたら、大抵の奴は気味悪がって、どっか行くが…。
「ん!」
不意に何かがせまって来る気配がしたので、俺は素早くジャンプをして回避をした………。もと居た位置を見てみると、案の定握り拳が置かれていた。
「まったく、お前は……そんな反射神経があるなら、スポーツでもやれ!」
白衣を着た紫色の髪をした女性は、そう説教してきた。それもそうだろう。この人は俺のクラス担任だ。名前は『各務葵』。度々抜け出す俺をこうやって、連れ戻し来ている暇な先生だ。
「……今、俺はそれどころじゃないですよ。俺はもっと太陽光を浴びなきゃいけないんです……知ってますか?太陽光を浴びると、いつか宇宙まで飛べるらしいですよ」
「……お前はソーラーパネルを付いたロケットか……?」
「人間可能性とは無限大ですよ~~」
「はぁ~~~……」
先生は本当に呆れた顔をしながら、溜息をついた。
「なぁー司馬、もうお前も二年生だ。そんなじゃいけないていうのは、わかるよな?」
「わかるような、わからないような……」
「……まぁーいい、そのまま聞け。はっきり言って、お前の振舞いには目に余るものがある。今までは、見逃してきたが、これ以上は庇いきれないぞ」
庇いきれないっか、そんなこと頼んだ覚えないんだけな。親がどうしてもって言うから、通ってるだけで、本当はこんな場所来たくないんだ。
「お前に複雑な事情があるのは、弁えている。しかし、それとこれとは別だ。学校での事を疎かにするな!」
「先生、それも人生です。なるようになりますよ」
「誤魔化すな!お前はただサボってるだけだろ!それに、人生を語るにしては、随分若いと思うが?」
「……関係ありません。生れた時から、人間なんて大差ありませんから」
「意味のわからんことを言うな!大体お前は……
キン、コーン、カーン、コーン!
先生の長い説教が始まる前に、授業終了のチャイムがなった。よかった、これで解放される。
「ちっ!」
「お話しの途中すみませんが、今日の授業は終わったので、帰らせて頂きます」
俺は先生を横切って、ドアに手をかけた。
「待て、司馬!これだけは言わせろ……そんな生き方をしていたら、いつか痛い目に遭うぞ!」
「…」
ぺこりっと頭を下げて、俺はその場から退散した。
(……痛い目っか、それに遭わないために、こんなふざけた人格を繕ってるんだけどな……)
教室に入ると、全員俺を変なものでも見るかのような目で、チラ見してきた。恐らく、素行が目立つのであろう。すっかり変人扱いのレッテルを張られ、殆ど誰も近寄って来ない……。
「ねぇーあんた、授業サボったの?いい加減やばいんじゃない?」
しかし、ここにも俺に構う暇人がいた。こいつの名前は鳶沢みさき。外見だけでいえば、間違いなく美少女だ。端正な顔立で、黒い長い髪は、大和撫子を想像させ、スタイルのいい体は女性らしさを際立たせている……。
なぜかこいつは、俺に構ってくるのだ。
「……まぁ、なる様になるだろう…」
「相変わらずねーあんた、まぁ、私は好きだけど、あんたのスタイル」
身支度を整えた後、教室を出た………すると、
「あっ!あっ、あの十六夜センパイ!」
教室を出てすぐの所に、少女が立っていた。たて続けの紹介になるが、この少女は有坂真白。体型こそ幼児だが、十分に美少女である。ある事件をきっかけになついてしまった……
「なんだ?」
「一緒に帰ってもいいですか?」
「断っても、付いてくるんだろ?なら、勝手にしろ」
「はい………!」
「あの、センパイ、また家のうどん食べに来てもらえませんか?」
「そのうちな……今日は、だるいから帰るわ」
「そうですか。では、待ってます!」
帰り道、テキトーな話しをしながら、暇を潰した。因みに、こいつの実家はうどん屋をやっている。これが中々うまい。雰囲気もいいので、利用させてもらってる……
「それではセンパイ、また明日!」
「きーつけてな!」
「はい!」
分かれ道になったので、当然ここで別れた……!
真白と別れた後、帰宅することに成功した。軽く食事などの必要家事をした後、自分の部屋に向かった。因みに、両親は海外出張のため、俺は一人暮らしだ。
バックを投げ飛ばした後、真白から借りたゲームを夜遅くまで楽しんで寝た。すると、眠気はすぐに襲ってきた……。
…… 俺の名前は司馬十六夜。日本の南にある四島列島の一つ、久奈島にある久奈浜学院に通う2年生だ。冒頭でもわかるように、少し他より自分を優先する傾向がある。でも、それを改める気は全くない。まぁ それ以外は多分普通の学生だ……おそらく。好きなことはスポーツだが、ある事件以降個人的にはやるが、部活には入っていない。
……そんな感じて、俺は今に至る。
(周囲から変人扱いされてるが、別にそれでいい。俺はこんな日常が結構気に入ってる。だから、それでいいんだ……)
翌日、起きた時はもう遅刻確定の時間だった。
「……最近遅刻がおおいな……まぁーいいか!」
遅刻が確定しているので、俺はゆっくりと身支度を整え、これまたゆっくりと学校へ向かった。
その道中、不意に空を見たら……人が空を飛んでいるのが見えた。驚くかもしれないが、これはこの島ではいたって普通のことである。
…約15年前、重力に反発する粒子「アンチグラビトン」が発見され、それを利用した反重力発生装置を搭載した「アンチグラビトンシューズ」(グラシュ)発明された。グラッシュは、メンブレンと呼ばれる反重力の膜を装着者の周囲に発生させることで飛行を可能とする。電源を入れるとシューズの脇に羽形のオブジェが表示され、飛行可能になる。もちろん飛行する時、本来ならめんどくさい法律とかがあるのだが法律との兼ね合いで、民間での使用には制限が多いが、四島市はとても規則が緩く、自由に飛ぶことが許されている。
体感としては、とても気持ちいい。まるで鳥になったように、空を自由に行来することが出きる。俺も時々、空を飛んで空を謳歌している……。
「……社長出勤とは、随分偉くなったものだな、司馬」
「はい、先生も嬉しいでしょ?こんな意識の高い生徒を持って」
今、俺はなぜか校門で待ち構えていた、各務先生と話している。もちろん嫌みということは知ってるが、ここは敢えて開き直ってみた。
「はぁー私はお前のことがわからん。なぁー司馬、お前は何がしたいんだ?まさか、私の気を引きたいが為に、こんなアホなことをしているわけではあるまい?」
「何がしたいっかですか?特に何も考えてません。俺はおれらしくいるだけです」
「……まぁーいい。貴様には、遅れて来た罰を受けてもらう。今日の放課後、職員室に来い。そこで、お前に罰を言い渡す」
「……すいません、実は親が危篤で……」
「お前の親は出張中だろ!
まぁ、そういう訳だ、必ず来いよ!」
先生そう言って、ゆっくりと校舎の中に入っていった……。