チートオリ主による、蒼かな太平記   作:テカサナ

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訓練

昌也side……

 

今日、葵さんから言われた通り、司馬と倉科さんの講義をした。倉科さんはいいとして、問題は司馬だ。講義中、不遜な態度こそ取らなかったが、意識は完全に他の所に言ってた。流石にこれはっというこど、葵さんに相談しに行った……

 

 

「そうか、やはりそうなったか」

葵さんは、いつも通り少し暗い表情だった。

 

 

「はい……しかしなんで先生は、あいつに俺の講義をうけさせたんですか?まさか、本当に嫌がらせのつもりじゃないでしょ?」

 

「それは……なんでだろうな。正直なところよくわからん。しかし、どうも奴のことが気になってな……もしかしたら、あいつにFCでもさせたいのかもな」

 

(FC?あいつがっか……?言っちゃ悪いが、向いてないと思う。能力以前に、あののんびりとした性格では激しいFCには耐えられるとは思えない…あいつ、点を取られてもあくびとかしてそうだもんな……)

 

「ん、どうした?不満そうな顔をして?」

 

「……正直不満です。本人はまるでその気がないし、失礼ですけど向いてるとも思えません。無理強いするのは、あいつにとって不幸になるのでは?」

 

「……そうか、昌也から見てもそうか…ククク」

 

なぜか葵さんは笑いだした。そして笑った表情のまま、

 

「私も同じ意見だ。あのふざけた態度、スポーツどころか、日常生活にすら支障をもたらしている。正直、生徒と教師の関係じゃなかったら、関わりたくない人種だな………授業は出ない、舐めた口をきく、何を考えてるかわからない、終いには意味不明なことをぬかす…どう考えても、人生を舐めてるとしか思えない。」

と、言った。

 

 

 

「…それだけ聞くと、どうしょうない奴みたいですね」

 

「そうだな……そのはずなんだが、なぜかあいつが気になる……まぁ、もう少し様子を見てくれ。それ次第で次の処遇を決める」

 

結局、その流れで司馬の講義は続行することになった…

 

 

 

 

 

 

十六夜side……

 

翌日、転校生の倉科は正式に俺達のクラスに転入してきた。

 

 

「えー、というわけで、今日からこのクラスに入ることになった、倉科明日香だ。みんな、よろしくたのむ」

「倉科明日香です。内地の方から来て、わからないことがあると思いますが、色々と教えて下さいね!」

 

 

 

自己紹介が終ると、倉科は日向とその愉快は仲間達に囲まれ、とても楽しそうだった。俺はというと、一人寂しく天上にあるしみを数えて、ボケーッとしてた。

 

「あの、司馬さんもこれかもよろしくお願いします!」

 

気を使ったのだろうか、孤立している俺に話しかけてきた。

 

「……ねぇ、エレベーター乗る時、なんで皆閉じるのボタン押さないだろうね?押したほうがいいと思わない?」

ふっと思ったことを言った。

 

「はいっ………?あっ、そうですね、そのほうがいいですよね!」

 

「でも、押さなければ電気代うくのかな?」

 

「さぁ、さぁ~~~~」

 

明らかに困った顔と声をしていた。他の皆もどう対応していいのか、わからない様子だ。

 

「まっ、まぁーいいじゃない、そんなこと!」

 

そこに、クラス委員の青柳窓果が助け船をだした。そのお蔭で、雰囲気がまた活気づいて話しが盛り上がったのだった……

 

 

 

授業終了のチャイムが鳴った時、俺は猛スピードで教室を出た。講義をサボるためだ。理由は簡単。俺は退屈且つ拘束されるのが嫌なんだ。昨日みたいな無駄な時間を過ごしたくないんだ。

まぁ、昨日参加したし、先生も満足したろー………。

 

 

「…どこに行く気だ司馬、講義はどうした?」

 

……と思ったが、先生は俺の脱走を予想してたのか、校門の前で待ち伏せていた。

 

「…ちょっと、夕陽に向かって走りたくなりまして」

 

「まだ、夕陽は出てないぞ」

 

「……じゃー太陽に向かって、走りたくなりまして」

 

「それじゃー逆方向だ。今太陽は校庭の方にある」

 

「……すいません、全部嘘です。本当は先生に僕を受け止めて貰いたくて…」

 

「よし来い!脳髄に、げんこつをくれてやる!」

 

 

 

先生は嫌みたらしい顔で、勝ち誇ったように言ってきた。

 

「……本音はなんだ。飽きたのか?」

 

「……そうかもしれませんし、そうでないかもしれません…」

 

「……またそれか。やはりお前みたいな奴は、スポーツでもやって、心を清めろ!」

 

スポーツか、何年ぶりにその単語を聞いただろう。いや、聞かない様に、敢えて聞こえていない振りをしていたのかもしれない。

 

「何を言ってるですか?スポーツ向きじゃないでしょ、俺は!」

 

「向き不向きを言っているのでない……このままお前をほおっておいても、ろくなことはせん!よって、部活に入れ!もし断ったら、お前には一年間ずっと、私の雑用を手伝ってもらうことにしよう」

 

(……つまり、どっちにしろ、俺を自由にさせる気はない、という訳か)

 

 

「今すぐに決めろとは言わん!ただ数日中にはどちらかを選べ!……そうだな、私としてはFCを薦めるがな…」

 

「たが、私はそんなへたれた不良に未来を感じたんだ。私は用事あるから去るが、きちんと授業出ろよ」

 

そう言って先生は、俺の横切って、ゆっくりと学校の中に入って入っていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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