さて、次の試合に向けてトレーニングを積み重ねている私なんですけどもいつも通り配信の方も頑張っています。
というのも、最近、忙しくてアフちゃんねるをしてなかったんでね、たまには息抜きしないと私もパンクしちゃいますよ。
まあ、基本好き勝手やってるんですけども。
「アッフだぞ! 皆お待たせ!」
『来たか! アッフ!』
『毎週の楽しみ』
『今日は水色の縞々だな』
皆さん私のことを待ち侘びていたとばかりにコメントしてくれます。
最後の人に関してはなんで私のパンツを知ってるんでしょうね、最近はスパッツを穿いているので絶対わからないと思ってたんですけど。
「はい、という事でね、この間ライブやったんですけど案の定会長から怒られた訳ですが、もう一回ちゃんとやれとのことで後日またライブすることになったんですよね」
『草』
『当たり前だよなぁ』
『盛り上がりはしたからいいんじゃないの?』
「だよねぇ! ほんとにねー! だって私ですよ? 私!」
そう言いながら同意を求めるように配信でドヤ顔をする私。
胸張ることではないのに、こんな風に言い切る辺りが多分、私がアホとか癖しかないと言われる所以なんでしょうけども。
さて、そういうわけで気を取り直して配信に戻ります。
「はい、という事で今日は皆さんとアニメでも見ようかなって思います」
『お、アニメ鑑賞か』
『いいな』
『何見るんだ?』
「まあ、待て皆の衆、実は今日はゲストを呼んでるんですよ」
フフフ、アニメをボッチで鑑賞しながら配信ってなんか寂しいでしょう?
今日はその為にある人に声をかけておいたのです。
ふふ、抜かりがない私のことをもっと褒め称えるがいい!
べ、別に寂しかった訳じゃないんですからね! 勘違いしないでくださいね!
「という事で来てくれましたゴールドシチーさんです」
「……どうも」
そう言ってぶっきらぼうに返事を返すゴールドシチーさん。
スタイル抜群の金色がかった尾花栗毛の髪をした美人ウマ娘で、ジーンズの短パンから覗く美脚が本当に素晴らしいですね。
はい、という事でアニメ鑑賞とは程遠そうな陽キャなお姉さんを連れてきてみました。
「で? 何見るの? アフ助」
「えーとですね、今日はちょっといろんな男性が喜びそうなものを見ようと思いまして」
「へー、よくわかんないけど」
私の返答に首を傾げるシチーさん。
それはそうですよね、男性がよく見るアニメなんて女の子は普通は見ませんし、マックスハートな可愛い女の子が出るアニメとかなら見るかもしれないですけど。
という事で、2人で鑑賞を開始。
『……げる……。捧げる』
『……グリフ◯ース!』
「うわ……!」
「めちゃくちゃグロくないこれ?」
私達が最初に見たのはでかい鉄塊の剣を振り回しながら、魔物たちを狩る狂戦士のお話。
なんか、今の今まで凄い中世的な話だったのにいきなりグロテスクなシーンが入って私とゴールドシチーさんはドン引きしてました。
流石に映像は流せないので、鑑賞してる私達の反応を動画で映してる感じです。
というか普通に18禁だろって思うシーンまであってワロタ。
ゴールドシチーさんと気まずい空気が流れてしまっただろう! どうしてくれる!
『ワージッ! パーパパパパパッパパッパパー!』
『よりによってチョイスそれかいw』
『これはあかん(アカン)』
私だってこんなグロテスクなんて思ってませんでしたよ! あとそういうシーンがあるなんてな!
よし気を取り直して別のやつ見ましょう。
これとか良さげじゃないですか? 国民的ロボットアニメ。
私の芸の幅を広がせた機動性の高い国民的ロボットアニメですよ。
これならそんなシーンなんてないはずです。
そして、ゴールドシチーさんと再び鑑賞。
「マ◯ーダさん……っ、うっ……」
「めちゃくちゃ良かったわね、続きないの?」
「私の嫁がぁ!」
「いつからあんたの嫁になったのよ」
『草』
『いやぁ、あのシーンは泣けるよね』
『アッフのめり込みすぎw』
よくあるよね、正ヒロインよりなんか美人なサブヒロインの方に目がいっちゃうのって。
でも、ヒロインはこの人で良かったじゃないですか! どうして退場させたんですか! 許さんぞ! と思っていたんですけど、中の人がはっちゃけたこれまでのあらすじを説明してきて思わず噴き出してしまいました。
そんなこんなで私とゴールドシチーさんはこのロボットアニメにのめり込む事に。
団長が死ぬとか、あと、第一話でヒロインに殺害予告するとかネタしかない話ばかりでしたけど奥深いものがありました。
ゴールドシチーさんも意外といけるという事には驚きましたけどね。
人は見かけによらないものです。私、ゴールドシチーさんはめちゃくちゃギャルだと思ってましたもの。人気雑誌モデルですしね。
そして、私達は最新作にまで手を出してしまいました。
いやはや、やはり面白いですね。日本のアニメって、優れた文化ですよ。
「皆さん地球は大切にしましょうね」
「今度、私コスプレしてみようかな?」
「えー! 私もやりたいです!」
『シチーさんのコスプレ絶対やばい』
『見たい!』
『楽しみだなぁそれは』
『アッフもやるのか?』
ゴールドシチーさんの言葉に騒ぎ出すコメント欄。
私だってコスプレの一つや二つしてみたいですよ、この間服買いにいったら服着て歩くだけで風紀乱すみたいなこと言われましたし。
ん? 待てよそう考えるとコスプレするとさらに風紀を乱すのでは?
まあ、いっか、私の前に風紀なんてあってないようなものですからね。
私がいるのに風紀なんて正せると思うなよ!
こう言うと不良ウマ娘みたいになるんでやめときましょう後で何言われるかわかりませんからね。
「じゃあ、衣装作らなきゃね、あとウィッグ」
「なかなか本格的ですね」
『次回はコスプレ回か』
『アッフは大丈夫か心配だ』
『多分ロクなコスプレしないぞ』
失礼な、私だって純粋にコスプレくらいしてやりますよ!
そんなこんなで、ロボットアニメを見終わった私とシチーさんは配信を終えました。
続きは後日、改めてシチーさんと一緒に見ることに。
シチーさんも新しい趣味が増えて楽しかったと言ってくださいましたのでやった甲斐がありましたね。
「また皆さんにはおすすめの作品とか聞くかもしれませんがその時は頼みました」
『任せろ』
『めっちゃいい作品教えるわ』
『アニメ鑑賞配信ってのもなかなかいいな』
そして、皆さんからもかなりの好評を得られたみたいで何よりです。
ほら、意図せず宣伝にもなりますからね、日夜頑張っていらっしゃるクリエイターの方々の助けに少しでもなったらいいんですけども。
さて、それから後日。
私は前回やらかしたライブの埋め合わせをするようにルドルフ会長から詰められてまたもやライブをすることに。
そんな振替ライブなんてしなくてもいい気はするんですけどね。
ヘタな事を言えばまた締められかねませんから言いませんけど。
今日はゴールドシチーさんとまた続きを見ようと思っていたのにとんだ災難というやつです。まあ、自分が蒔いた種なんですけどね。
しかし皆さん、考えてください。
私がはいそうですかと、ルドルフ会長から詰められて普通にライブなんてすると思いますか?
言うならば、私はライブのテロリストですよ。
前科なんて数知れず、その度に怒られては逃げ、たんこぶを頭にたくさんつくってきました。
皆さんには概ね好評なんですけどね、解せぬ。
まあ、私はやはりその皆さんの期待に応えなければいけない訳ですよ。
普通にライブをするならこんなとこにいる訳がないんです。
ルドルフ会長、読みが甘いですよ。
そう思いますよね? 皆さん。
私はライブ前に配信をしながら皆さんにそう問いかけていました。
ライブのテロリストとして言わねばいけない事があります!
そう、間違っているのは私をライブに立たせる人達なのです!
嘘です、ごめんなさい。全ては私が面白がっているだけなんですけどね。
さて、仕込みは終わりました。後は合図を待つだけです。
すると、ライブ会場に大きな音声が流れはじめました。
『やってみせろよアフティー!』
「なんとでもなるはずだ!」
『ポンコツマスコットだとぉ!』
そこから私はライブに殴り込みをかけるように不思議な踊りをしながら登場。
会場は爆笑の渦に包まれました。
これは名付けてトレセン学園に反省を促す踊りです。
私は歌いながらその奇妙な踊りをライブで披露してやりました。
「鳴らない言葉をもう一度描いて〜♪ 赤色に染まる時間を過ぎ去れば〜♪」
この不思議な踊りと歌で皆さんの目を釘付けにしてやりますよ。
これが、ライブテロリスト、アフティーの生き様です!
この光景を見ていたルドルフ会長は満面の笑みを浮かべながら拳を鳴らしていますがそんなことはお構いなしです。
私のバックダンサーをしに来ていたウマ娘2人はポカンとしながら私の踊りを見つめるだけでした。
『やっちゃいなよ! そんなライブなんか!』
おい、火に油を注ぐとはなかなか鬼畜ではありませんか。
ルドルフ会長は私のアフティーダンスによってすでに怒りの臨界点を突破していると言うのに、さらに追い込みをかけるなんて鬼かな?
やってみろ、と凄みを増して迫ってくるルドルフ会長を想像すると背筋が凍りつきそうでした。
もしや、むしろこれは自分に反省を促すダンスなのでは?
このライブ終了後、私の不思議な踊りはネット拡散やMAD素材なんかに使われるようになりました。
良かったですね、会長、トレセン学園の顔として広く皆さんに私達について知れ渡らせる事ができましたよ。
ちなみに私がこのライブやってる間は怒髪天でしたからね、あー怖い怖い。
なお、ライブが終了して間もなくルドルフ会長に拉致られた私はきっついお灸を据えられました。
私の頭にいつも通りたんこぶが乗っていたのは言うまでもない。