遥かな、夢の11Rを見るために   作:パトラッシュS

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ダイエット大作戦

 

 

 

 スペピッピのダイエット大作戦始まるよー! みんな〜集まれー! 

 

 はい、というわけでスペ先輩のダイエットに付き合う事になった私なんですけども、やっぱり一人で教えるのもアレなんでもう一人助っ人を呼んできました。

 

 さて、誰を呼んできたかと言うと、我らがトレセン学園の誇る癒し枠、食べたご飯が行方不明、アイドルウマ娘。

 

 

「おい、アフ、なんで私が呼ばれたんだ?」

「だってオグオグさんたくさんご飯を食べてもスタイル良いじゃないですか、その秘訣を教えてもらおうと思いまして」

「オグオグ……」

 

 

 私の付けたあだ名に意味深に呟くオグオグことオグリキャップさん。

 

 オグオグ可愛いじゃないですか、いいでしょう? オグオグで。

 

 というわけ呼んだのはみんな大好きオグリキャップさんです。人参で一本釣りしてあげましたよ。

 

 

「よろしくお願いします!」

「はい、ではですね、スペ先輩ダイエット大作戦を決行するにあたり三箇条を決めたいと思います」

「へ? 三箇条?」

「はい、三箇条です。ダイエットとは本来厳しく険しい道、身体を改造するなら強い意志がなければなりません」

 

 

 そう言って、私はビシッとスペ先輩に忠告するように告げる。

 

 無理のないダイエットが1番理想的ですし、何より継続することが大事です。

 

 身体を作り変える為に命懸けでダイエットする人も世の中にはいるわけですからね、だからこそ、決まり事はあって損はないです。

 

 さて、その事を伝えたのち、私は早速スペ先輩に条件を発表します。

 

 

「第1条、辛くても逃げ出さない事」

「……は、はい!」

「まあ、当たり前だな」

 

 

 逃げ出してはダイエットをする事自体が本末転倒ですからね、納得するように頷くオグリキャップ先輩。

 

 私は二人が頷いた事で話を続ける。

 

 

「第2条、食事は規則正しく摂り、炭水化物を食べ過ぎない、おやつ厳禁」

「お、おやつダメなんですか!?」

「おい、それはキツイだろう」

「おやつはダメです。ですが、間食は朝昼夜含め五食まで許可しますよ、炭水化物は不可ですけどね」

「あ、それならまぁ……」

 

 

 そう言って、納得したように頷くスペ先輩とオグリキャップ先輩の二人。

 

 うん、でもまあ、炭水化物を摂りすぎは本当に良くないんでね。

 

 身体を作るには別に炭水化物を食べるのは良いんですが食べ過ぎは良くないのでバランスよく食べるのがコツです。

 

 よし、気を取り直しで三条目行ってみましょう。

 

 

「そして、第3条! ……死なないように

「ん? ちょっと待ってください、最後だけなんだか不穏なワードが聞こえたような……」

「いや、スペ、幻聴じゃないぞ、間違いなく言っていたぞ

 

 

 とりあえず、ダイエットがあまりに地獄でも生きる事を諦めないで。

 

 慣れれば、ほら、なんともなくなりますから、バンブーメモリー先輩がそうでしたし、アンタレスで指導を受けるウマ娘が通る道みたいなもんです。

 

 タキオンさんとかナカヤマフェスタ先輩のような例外はいますけれども。

 

 

「さあ、ではやりましょうか、オグリキャップ先輩もサポートしてくれますし」

「が、頑張ります!」

 

 

 気合いの入ったいい返事をくれるスペ先輩。

 

 うむ、やる気は良し! ならば、私もそれに応えてあげないとですね! 

 

 私は満面の笑みを浮かべてスペ先輩にサムズアップしながら無慈悲な一言を告げる。

 

 

「よし、では最初に軽く動的運動をして、坂路を500本程度走るところからスタートですね」

「……は?」

 

 

 そう言って、気合いを入れていたスペ先輩が私が放った一言に完全に固まってしまいました。

 

 うん、大丈夫大丈夫、最初はそんなもんですから。

 

 ようこそ地獄へ、これから始まるのはアンタレス軍隊式トレーニング入門編です。

 

 そこからはスペ先輩の熾烈なダイエット生活が幕を開けることになりました。

 

 では皆さんにアンタレス式になったスペ先輩のスケジュールをここで紹介しましょう。

 

 

 午前 5:00 起床。

 

 まずは実際にアンタレス式を体感してもらう為、昨晩は私の部屋で寝てもらう事にしました。

 

 あ、メジロドーベルさんには事情を話して別室に移動してもらって私がドーベルさんのベッドをお借りしてます。

 

 最初は嫌がっていたドーベルさんでしたが私が寝ると言うと掌を返したように許可してくれました。なんでだろ? 

 

 まあ、それはさておき、気持ちよく寝ているスペ先輩を私は叩き起こします

 

 

「さあ、朝ですよー、起きてください」

「ふにゃあ!?」

 

 

 午前 5:30 朝食。

 

 朝食は練習もあるので程よく、そして、毎日筋肉を作るためのタンパク質を忘れないように摂ります。

 

 

「はい、プロテイン飲んでくださいねー」

「うん、飲みやすい!」

 

 

 身体作りにも便利なんですよねプロテイン。

 

 ゴリゴリマッチョな人が飲むイメージがあるとは思いますが、そうではなく、一流アスリートの人も好んでよく飲まれているんですよ。

 

 ですので、この場合はスペ先輩の身体を作るためですね、ちなみに味はニンジン味です。

 

 

 午前 6:00 坂路。

 

 午前の坂路トレーニング、ここから約半日を全て坂路トレーニングに費やします。アンタレスといえば坂路、もう鉄板ですね、むしろ、中山の坂がクソ雑魚程度にしか感じなくなりますよ、このサイボーグ専用坂路を登っていれば。

 

 慣れてくれば負荷を入れたトレーニングにし更に過酷さを増したものにしましょう。

 

 

「は、はひ……」

「はいはい! ペースアップペースアップ! 千本行きませんよ! そんなペースじゃ!」

 

 

 私の場合はピーク時は午前3時とか、4時に起きてハイペースで走って坂路トレーニングを早めて行う事が多いのでまだこれは良心的な方ですね。

 

 まあ、またはスケジュールを変更して坂路の数を増やしたりとか筋力トレーニングとかの調整をしてますけれど、スペ先輩の場合はダイエットなのでこのくらいのトレーニングが良い案配だと思います。

 

 

 午後 12:00 昼食。

 

 

「はい、食べてください」

「……うぷっ……」

「……これは確かに地獄だな正に……」

 

 

 顔色が悪いスペ先輩に顔をひきつらせるオグリキャップ先輩。

 

 クタクタの身体にエネルギー補給、身体はちゃんと労わらないといけませんからね、食事は大事です。

 

 さあ、食べるんだ、食べたらまだ後半日あるんですからね。

 

 

 午後 12:30 日替わり地獄のトレーニング。

 

 

 なんと、午前中の坂路は前座でした! ここからは日替わり地獄のトレーニングです。

 

 まあ、トレーニング内容は色々あるんですけど、皆さんはもうある程度ご存知だと思うんで説明は割愛しますね。

 

 アンタレスの場合は全日地獄のトレーニングなんて日もたまにあります。うん、頭がおかしいなぁ(白目)。

 

 

 午後 3:00 アンタレス式筋力トレーニング。

 

 

「さあ、気合い入れて! もう一回! そう! 体幹大事ですからね! 体幹!」

「……死ぬ……、死んじゃう……」

 

 

 げっそりとしているスペ先輩を励ましながら指導する私、周りのウマ娘達は相変わらずドン引きしてました。

 

 入門編という事で全体的にはだいぶ軽くしているんですけどね、なんでだろ? 

 

 

 午後 6:00 アンタレス式併走トレーニング。

 

 

 はい、3時間くらい身体を鍛え抜いたら次はいよいよ大詰め、ナイターで併走トレーニングを行います。

 

 まあ、これも場合によっては地獄の坂路トレーニングになったりしますけどね、普通に。

 

 

「……アフちゃん……足が……足が……」

「無理しないようにしてください、きつかったら休みながらでも構いませんので」

 

 

 午後 8:00 夜食。

 

 併走トレーニングを終えたらすぐに夜食を食べます。エネルギー補給! 

 

 え? これで終わりでないの、ですって? はい、終わりではありません。

 

 あまりの練習の過酷さに食欲無いからとスペ先輩は言ってましたが関係ありません、無理やり胃にぶち込ませます。

 

 

 午後 8:30 ナイター坂路。

 

 夜食で食べた食事をここで消費します。

 

 一日で走る坂路の数が異様ですね、何回走ってるんでしょうね?

 

 でもアンタレスでは普通なんですよ(白目)。

 

 

「スペ先輩、大丈夫ですか……?」

「……う……私は誰……ここは……」

 

 

 そこからなんとか、走り終えてようやく1日の全体トレーニングが終了といった具合です。

 

 本来なら追い込みのナイターのトレーニングなんで、全力でゴリゴリやるのが当たり前なんですが、スペ先輩にそれやるともうなんていうか……。私の良心が無理でした。

 

 

 21:30 お風呂 (私の場合23時に入る事も)。

 

 

 はい、流石に切り上げてスペ先輩を休ませる事にしました。

 

 アンタレス入門編でこれだと、流石にこれを続けろとは言えないですね。

 

 ちょっと考えてスケジュール組み直さないといけなさそうです。

 

 

「あー……筋肉痛が……足が腕が動かない……」

「……お前、あんなトレーニングいつもしてるのか……」

「まあ、今日のは入門編なんですけども……」

「あれで入門編!? ウソだろオイ!?」

 

 

 一緒に湯船に浸かるオグリキャップ先輩は私の返答に信じられないといった表情を浮かべている。

 

 だって私、このトレセン学園に来た時、姉弟子とライスシャワー先輩になんて言われたか知ってますか? 

 

 坂路を千本休憩なしで走るぞですよ? 

 

 スペ先輩に課したノルマは基本的に500本って言いましたが、半分の250本にしましたし……。

 

 でもまあ、アンタレスと他所とじゃやっぱり環境が違いますし、私も無理ないトレーニングを考えてあげなきゃですね。

 

 

「うーん……明日は姉弟子にも見てもらった方が良いかもです」

「……明日、動けないような気がするんだけどアフちゃん……」

「私なんてその状態で引き摺り出されて走らされましたから、それに、今日みたいなトレーニングはしませんので安心してくだい」

 

 

 まあ、手っ取り早いのはアンタレスのトレーニングを身につければ一発で痩せるんですけど、流石に可愛そうなので……。

 

 というわけで、スペ先輩のダイエット大作戦は少しばかり路線を変更することにしました。

 

 姉弟子となら……いや、むしろ姉弟子を呼ぶともっと悪化するような……。

 

 うん、ちょっと保留しておきましょう、とりあえずダイエットにアンタレス式はやめといた方が良いですね。

 

 

「スペ先輩が無理なく、身体をもっと絞る方法を考えましょう」

「……今日みたいなので無いのなら……だいぶ助かるなぁ……ぶくぶくぶく……」

「しっかりしろ! スペ! よし! 今日は早く寝よう! な!」

 

 

 湯船に沈んでいくスペ先輩をそう言いながら支えるようにサポートするオグリキャップ先輩。

 

 ちなみにその後、風呂場にある体重計に乗ったスペちゃんは今日一日で削ぎ落とされた体重に仰天したそうな。

 

 はい、まあ、そりゃそうですよね、ちなみにアンタレス式のガチだとその倍以上体重が減りますから。

 

 それからは自由時間、のちに就寝だけです。

 

 まあ、身体がボロボロなんでね、多分、スペ先輩は寝るだけになると思います

 

 ちなみに部屋に帰ったスペ先輩の有様を見たスズカ先輩が驚愕して、翌日からスペ先輩のダイエットに同行する事となりました。

 

 

 まずはスペ先輩ダイエット大作戦、初日。

 

 

 私とオグリ先輩はスペ先輩の大幅な体重減量に私達は成功するのでした。

 

 ちなみにその後、スズカ先輩にこっぴどく怒られたのは言うまでもない、はい、今回は反省しています。

 

 ついでにG1レースに向けたトレーニングにもなったと思うんでスペ先輩には一石二鳥ですね。

 

 

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