KGVI & QESから数日。
私は再び、ひたすら毎日トレーニングの日々になりました。
……とはいえ、ただただトレーニングするだけでは今までと変化がありません。
なので、凱旋門賞に向けては少し変わったアプローチをすることにしました。
「アッフ、ほらペース上げろ! ペース!」
「ぐぬぬぬぬ!」
私の隣にはヒシアマ姉さん。
そう、追い込み、追い込みの練習を取り入れる事にしたのです。とはいえ、やはり慣れない追い込みという戦法に悪戦苦闘中なんですけどね。
シービーさんとヒシアマ姉さん、やっぱ頭おかしいんやなって(暴言)。
クソ雑魚ナメクジの私はやっぱりただのポンコツチビウマ娘だったんだなと思い知らされましたよ。
今のモチベーションと言えば、前を走るヒシアマ姉さんの胸を鷲掴みにするという執念だけです。
やっぱり私はど変態だった(知ってた)。
ということでお前ら配信すっぞ!(唐突)。
「いえーい、アッフだよ♪」
『これがイギリスダービー勝つんだもんなぁ』
『もうだめみたいですね』
『性の喜びを知ってそう(こなみ)』
この言われようである。最後は私がビッチとでもいいたいのか。
完全に風評被害なんだよなぁ……だってまだ私は処……げふんげふん。
大体、あれですよ、アグデジさんが出した本の一部が流出したせいでこんな事になってしまってるんですよ!
私はまだ清らかな身体なんです! 何という言われようか! 誠に遺憾である(ぷんすこ!
コホン……、処●を拗らすとこんなことになるんでね、良い子はこんな風になっちゃだめです、お姉さんとのお約束だぞ♪
「はい、私はまだ処……げふんげふんなんですけどね、じゃあ今日もゲームやってくぞい! がんばるぞい!」
『あざとい』
『あざとさの権化』
『媚びてる媚びてる〜』
『アッフの知能はおっぱいに全部吸われてるから仕方ないね』
え? 私炎上してませんよね? こんなボロクソ言われて泣きたい(嘘)。
はい、気を取り直していきましょうかね、今日はね、なんとゾンビシューティングゲームをやりたいなと思います。
ゾンビ好きでしょう? 皆さん。
「今日はね、リスナーの皆を撃ち殺すゲームをしていきたいと思います」
『俺達ゾンビ扱いで草』
『なるほど、アッフを合法的に押し倒せるゲームな訳ですね』
『俺、今日からゾンビに転職するわ』
『天才かよ』
そう、このゲーム、実はキャラメイクができるのでキャラクターは私の格好を丸々反映させてるんですね。
リスナーの皆さんはゾンビ呼ばわりでも嬉々としてるのに狂気を感じます。もうだめかもしれんね(目逸らし)。
そして、今回はリスナー参加型のゲーム、リスナーさんはゾンビ役として私の前に立ちはだかります。
リスナーVS私。
まあ、当然、私が勝つんですけどね(フラグ)。
リスナーがゾンビなら私は撃ち殺すしかないのでとりあえずハンドガンでパンパン殺っていきます。
「FPSで鍛えた私の洞察力には手も足もでまい、わはは」
『メディック! メディーック!』
『あとは任せろ! ぐはっ!』
『クソ! おっぱいが目の前にあるというのに!』
『……ふっ……アッフの生足はお前らに託したぜ……』
『ジョニー! 死ぬなー!』
ゾンビに自らを重ねる視聴者に草生え散らかしますよ。
オラオラ、鉛玉ぶち込んでやるよ、尻を出せ(無情)。
Mの人は喜びそうですよね、知らんけど。
とか言ってる間に目の前にいるゾンビは倒しちゃいました。
うん、ゲームの中だけどちょっとスカート丈短くしすぎたかもわからんね、私の好みに合わせてみたんだけども。
コケたらパンツ見えるぞこれ。
「クソ雑魚ナメクジな私にやられて悔しいでしょうねぇ……げへへ」
『おーい! 皆ー! サッカーしようぜ!』
『ボールはアッフな!』
「ぬあ!? 背後から奇襲だとぉ!」
ちなみに視聴者=ゾンビの数になっている。
私の視聴者はちなみにもうすぐ400万人行くか行かないかといった具合。
あとはわかるな? 400万対私一人という構図な訳である。あれ? これ、新手のいじめかな?
皆、どうやら私を裸にひん剥きたいらしい。
だが、私もただではやられませんよ! やらせはせん! やらせはせんぞ!
「おらー! やられてたまるかー!」
『あ! 今おっぱいにかすった!』
『いける! (いけるとは言っていない)』
くっ……流石に変態400万人のゾンビを私一人で捌くのにも限界がある。
誰かたちけて、このままじゃ私、襲われちゃう。
そんな時だった、なんと、私に襲い掛からんとしたゾンビ達が急に目の前でミンチになっていきます。
なんだ、何が起きたんだ?
「oh……これは酷い、人がゴミのようだ、あ、人じゃなくてゾンビでしたね」
『アッフおくち悪い』
『おくちが悪いのはデフォルトやで』
『アッフのは基本、アホの娘だからね』
酷い、私だって気を使って丁寧にメイドみたいな言葉遣いぐらいできますよ。
それはそれで気持ち悪すぎて鳥肌立ったって? フライパン投げつけんぞコラ!
とはいえ、窮地を救ってくれたお方にお礼を言わなくては、私はそう思い、助っ人の方へと視点を向けます。
「……随分と楽しそうですね」
「………………」
『姉 弟 子 降 臨』
『あーあ、見つかっちゃった』
『俺は知らないぞー』
後ろを向けば、デェェェェン! とばかりに重装備した姉弟子の姿をしたキャラクターが立っていました。
うん、ていうかね、姉弟子ですね。
元コマンドーだとばかりにね、もう外見がそのまんまですね、私はそれを見て固まりました。
ト、トレーニングはしたんですよ! もちろん! しっかりとこなしたんですよ! ええ!
「あっ……あっ……、ち、違うんですっ……姉弟子! 私は悪くないんですっ! 悪いのはこのゾンビ達なんですっ!」
『あ、責任転嫁しはじめたぞこのポンコツ』
『せんせー! アフちゃんが嘘ついてまーす!』
『姉弟子! この娘、さっきまでゲームでイキってましたよ!』
あっ! また余計なことを言って!
だ、だって、ウマ娘としてみんなと触れ合う機会があった方が良いじゃないですか! 私だってたまには遊びたいもん!
皆とこうしてゲームとかしたいんだもん! 息抜きないとパンクしちゃうんだもん!
ずっとトレーニングばっかりで、私の唯一の息抜きがこれだけだったんですよ……。
「……ほう……、……妹弟子、何か言うことは?」
「ぐすっ……うっ……うっ……、私が悪いですっ……ごめんなさいっ……」
『速報、アッフガチ泣き』
『そら(凱旋門前にこんな事してたら) そう(なる)よ』
『泣き顔のアッフめちゃくちゃ可愛い』
私、リアルでもコントローラー握りながらガチ泣きしてます。
うん、私が今回は全面的に悪いんです。
前回、ルドルフ先輩からあんな外套まで貰った上に意気揚々と次回の凱旋門賞は勝ちまーす! みたいなS●AP細胞的なノリで言ってしまったにも関わらずこんな風にゲームしていたわけですからね。
そりゃ、怒られるよ、当たり前ですよ。
でも、ピンチに律儀に助けてくれる姉弟子。
「はぁ……、仕方ないですね、少しだけ付き合ってあげます、終わったらレースのDVD観ながら打ち合わせですよ」
「!? 姉弟子大好き! いや、大しゅき!」
『草』
『姉 弟 子 参 戦 !』
『なーんでみんなアッフに甘いんですかねぇ……』
そう言って、姉弟子がまさかの参戦。
皆さん本当に私に甘いのはなんででしょうね? というか、多分、視聴者皆さんが厳しすぎるんではないでしょうか? ん? どうなんだね? チミィ。
……いや、よくよく考えたら、姉弟子や義理母に関しては全然甘くないわ……、むしろ何度か死にかけてるのを考えると全然甘くないんだよなぁ……。
視聴者の皆、もっと私に優しくしても良いのよ?
『アッフは甘えさせるとすぐ調子に乗るから』
『冗談はおっぱいだけにしとけ』
『裸にひん剥いてから考えてやろう』
まさかのこの返しである。私のチャンネルの視聴者が鬼畜しかいない件について。
私、泣くぞ、ほんとに泣くぞ! いや、さっき泣いたばっかりだけども!
そんな中、姉弟子は容赦無用とばかりに次々とゾンビとなった私のチャンネルの視聴者を重装備で屠殺している。
なんか、その、もうちょっと容赦はしてあげてほしいな、なんて……、ほら、私のチャンネルの視聴者ですし。
……これは、チャンネル登録者数減るな……そんな気がしてきた。
「これは勝てる気がしてきたンゴ」
『おっ、Jか?』
『アッフさぁ……』
『そういうとこやぞ』
えー! なんですか! その意味深なコメントは!
べ、別に良いじゃないですか! たまに暇な時覗いてだだけですし! 狙ってたわけじゃないですよ?
だから、やきうのお姉ちゃんとか言わないで! 私はウマのお姉ちゃんなんです!
とか言っている間にゾンビを次々と倒す私。
しかしながら、そんな私よりも姉弟子がやばい、何がやばいかって? いや、もうゴリゴリゾンビを屠殺してるからですね。
いい感じで例えましょうか? ターミネーターがゾンビ狩ってる感じです。なんだこの絵面。
『アッフの姉弟子やばすぎワロタ』
『キル数えげつないんだが……』
『もうあいつ一人で良いんじゃないかな……』
みんなもそう思いますか? 私もそう思います。
全く無駄がないんですよね、ガチでネイビーSE●LDsみたいな感じ、いや、元コマンドーでしたね、大佐だよ。
さっきまでゲーム内の私を裸にひん剥くやら、パンツを脱がすやらと息巻いていたプレイヤーが意気消沈としてきました。
あれれー? おかしいなぁ? まだたくさんいるんですけどね(390万人)。
あれー? どうしたのかなー? (イキリ)
みんなー早くこっちにおいでよー(煽り)。
とはいえ、時間制限なので、残りは10分程度なんですけども。
流石にコマンドーには勝てる気はしませんか、うん、私も勝てる気しませんもの、その気持ちはわかる。
『アッフだけなら勝てたなー』
『ポンコツだしな』
『唐突にイキリはじめたアッフ』
『なお、本人はクソ雑魚の模様』
うん、否定はできないんだよなぁ、正直あの数はやべーってなってましたから。
私だって勝ちたい、誰だってそうでしょう? 勝てば良いんです! 過程や手段などどうでも良いのだー!
勝者は一人、このアフトクラトラスよっ!
『脱がないのでアッフのファンやめます』
『うーん、この……』
「あっ……あっ……あっ……、ご、ごめん、そんなつもりじゃなかったんだ。 本当に最初は私と皆とだけでガチでやるつもりだったんだよ?」
『許 す』
『は? 誰だよアッフのファンやめるとか言ったやつ、血祭りだわ』
『この掌返しである』
私の声を聞いてすぐに掌返しをするファン。
ん? いや、待てよ? なんか、どっかで見た事があるIDだぞ? んー、これ、前に確かメジロドーベルさんのPCで見かけたような気が……。
それに、もう一つのIDも以前、私の実況で乱入してきた人のIDに完全に一致しているような……。
いやーまさかね、そんな事はないでしょう? ……無いですよね?
そんなこんなしているうちに時間制限まで到達。
筋肉要塞と化した私の周辺には大量のリスナー、もといゾンビ達の死体が転がってました。
時間制限が来たのちに私はマシンガンを肩に担ぐ姉弟子に恐る恐るこう問いかける。
「あの……姉弟子……生き残りはいますか?」
「いいえ、死体だけです」
まあ、周りゾンビだらけですしね、死体しかないもんね、むしろ。
でもよかったです。私のアバターちゃんがあられもない姿にされないで、下手したら修正入れなきゃいけなくなりますからね。
下手すりゃバンですよバン。それだけは勘弁してほしいものです。
「はい、というわけでね、今回はこれにて終了です。……ふっ、敗北を知りたい」
『そうやってすぐフラグ建てる』
『まるで成長していない』
『アッフはすぐ堕ちるから心配だ』
そう言って、リスナーさんからは称賛というよりかは呆れの方が強いコメントが飛んできます。
……ひ、否定できない……、う、うん、確かにそうなんだけども、もっとこう、オブラートにね?
この後、まあ、また現実という名の過酷なトレーニングやら研究やらが待ち受けているのは重々承知なんですよ。
あぁ、楽しかったなぁ、久々のゲーム。
私は、実況を終えて、ヘッドホンを地面に置きながらしみじみとそう呟く。
ふと、私の頬からは儚く涙がホロリ、うん、わかってるんだこのあとどうなるかくらい。
後ろで開く扉とDVDを片手にやってくる総キル数10万以上とかいう化け物じみた記録をゲームで叩き出した姉弟子の気配を感じながら、心の中でしみじみとそう思うのでした。
私よりも姉弟子の方がゲーム実況向いてるんじゃないかな?
そして、凱旋門の前に命の灯火が消えちゃいそうな気がするんですが、きっと気のせいですよね?