鉄仮面少女の航海記   作:葉瀬ミナミ

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今回はサボ視点です。大分長くなりますがよろしくお願いします。


《元貴族の少年Sの旅立ち》

少年S視点

俺の名前はサボ。ゴア王国の貴族に生まれた。最初は両親の期待に応えようと頑張った。けど、両親は俺が好きだったわけじゃなかった。両親(あいつら)が好きなのは地位と財産を守っていく誰かだった。それに気付いてからは何処にいても息が詰まって、俺は大人の目を盗んでゴミ山に逃げ込んだ。ゴミ山に来て最初はその臭いに悩まされた。次はその日の食事の確保が大変だった。慣れてからは海賊とかに襲われたりして大変だったけど、何処までも自由で何より生きている実感が出来た。そして、大事な兄妹が出来た。

俺は4人でいる時間が好きで、こんな日が毎日続くとばかり思っていた。中心街で父親(あいつ)に見つかって今まで黙っていた事を3人に話し、アスターから

 

「そういう人ってかなりしつこいはずだから、気を付けなよ」

 

と注意を受けて、最初の頃は警戒もしていた。けど、何日も経ってその警戒心も薄れていた時、父親(あいつ)が海賊『ブルージャム』を連れて俺とエース、ルフィを襲った。相手は大人数でいくら俺たちでもその数に敵わず俺は捕まった。最初は戻るきなんてなかった。けど、ブルージャムが

 

「この2人が二度と坊ちゃんに近づけねェ様に始末しときます」

 

父親(あいつ)に言っているのを聞いて理解した。こいつらは本気で俺の兄弟を殺す気だと。ここで父親(あいつ)の所に行かなければ俺の兄弟は死んでしまうと。だから、俺は

 

「お父さんもういいよ、わかった。何でも言う通りにするよ…‼︎言う通りに生きるから!!!この2人を傷つけるのだけは…やめてくれ‼︎」

 

とお父さんに願った。そして、逃げられないように周りを囲まれてそのまま、歩く。

 

「…おい…!⁉︎行くなよ!!!振り切れ‼︎俺達なら大丈夫だ!!!一緒に自由になるだろう!⁉︎これで終わる気か!⁉︎」

 

と後ろでエースが叫んでるいる声が聞こえる。目から涙が溢れ、周りを振り切って2人の下に行きたくなる。でも、ここで振り返っちゃいけない。そうすれば2人はもっと傷付けられる。もしかしたら、ここに居ないアスターにも危険が及ぶかもしれない。だから、俺は涙をそのままに高町に向かった。

 

高町にある家に着くと知らない子供(やつ)がいた。『ステリー』と名乗った奴は俺がいない間に迎え入れた養子らしい。父親(あいつ)は途中ではぐらかしたが要するに俺が人生を失敗した(あいつらの思い通りにならなかった)時の保険だ。息が詰まる。みんなといた時は感じなかったのに此処に来ると実感してしまう。これ以上父親(あいつ)の声を聞きたくなくて早々に割り当てられた部屋に戻る。

部屋に戻るとステリーって奴が意気揚々と入ってくる。奴は散々俺をバカにした後こう言った。

 

「明日の夜は可燃ゴミの日だ。ゴミ山にいたら死んでただろうな」

 

と。嫌な予感がして問い詰めると

 

「この国の汚点は全部燃やすって言ったろ」

 

と奴は言った。それがゴミ山に住む人も含まれているのに気付いた。バカげた話だと思った。あそこにはたくさんの人間が住んでいて、暮らしているに。確証が欲しくて怪し場所を探る。窓から飛び出した時に後ろから煩い声が微かに聞こえていたがそんな事に構っている暇はなかった。

 

月灯りが照らす真夜中、ガスマスクを着けている兵隊達が集まって会議をしている場所があった。窓から話を聞くと明日の夜の話だった。聞こえてくる話からこんなバカげた話が本当だと確信した。時間も遅くあまり深追いせずに一度戻った。

朝になり周り人を観察したがあまりにも普通過ぎて昨日の事が嘘みたいだった。此処に居ても情報が少な過ぎて屋敷から抜け出して外に出た。

外に出て周りの人に火事の事を聞く。周りがあまりにも普通過ぎるから皆知らないのかと思っていた。

けど、現実は違かった。皆知っていた。これから人が死ぬと知っていてもメシを食い、勉強しろと言ってくる。この町はイカレてる。この国の人間達は今夜、ゴミ山を焼き捨てる気だ。

兄妹にエースとルフィ、アスターにこの事を伝える為に端町に急ぐ。後ろから追いかけてくる足音を振り切って走る。

追っ手を振り切り端町に着いた時には、グレイ・ターミナルの方では轟々と音を立てて炎が立ち昇っていた。そこに居るであろう兄妹に届くよう逃げろと大声を張り上げる。その度に近くにいる軍隊に放り出される。何度も何度も大声を張り上げては放り出される。それを繰り返すうちに1人のおっさんが通り足を止めて話しかけてきた。そいつが誰かは知らなかった。誰でも良かった。俺は自分が思っていた事を全部話した。

 

「…この町はゴミ山よりもイヤな臭いがする…!!!人間の腐ったイヤな臭いがする!!!…ここにいても…‼︎おれは自由になれない…!!! 」

「サボ‼︎」

 

そう話している途中で俺の知っている声がした。いるはずがないと思った。俺よりも年下のくせに強くていつでも冷静でいざって時には頼りになる。でも、その声を信じたくて急いで辺りを見回す。

すると、今までそこには何もいなかったはずなのに急に周りが揺らめき始め、俺の知っているアスターの形になった 。

急に現れたアスターに驚いたが、アスターに

 

「良かった、アスター無事だったんだな。エースとルフィはどうなったんだ‼︎」

 

と急いで聞く。アスターからは

 

「2人とは別行動だけど2人共ちゃんと生きてる」

 

と言われた。2人も生きてる。その事実で今までの不安が少し軽くなる。おもむろにアスターを見ると、さっきのおっさんに土下座していた。驚いて辞めさせようとするとアスターはおっさんに言った。

 

「サボを海に連れて行ってください」

 

と。急な話に俺もおっさんも困惑していたが、アスターは畳み掛ける。

 

「このまま、サボが此処に残れば絶対に近いうち1人で海にでる。そうなったら、この国を目指して来ている天竜人の目に止まる。多分、話に聞くような天竜人だったらサボが殺される。近くの島で良い。私の兄をルフィの兄をエースの兄弟を助けてください」

 

と。近いうちに海に出るなんて皆には言ってなかった。ただ、このまま此処に居れば俺は俺でなくなるような気がした。だから、これが終わったら近くにある船で出港しようとしてた。歳下のくせに何処までも読んでんだよと思う。それじゃあ、どっちが上か分かんないだろう。自分の事を思ってくれる嬉しさと気恥ずかしさで頭ん中がぐちゃぐちゃになる。アスターをジッと見るおっさんはおもむろに答えた。

 

「…。君の気持ちはわかった。サボ、君が良ければ船に乗せよう。その間は、船の雑用もやってもらう事になるがいいかな」

 

ボソリとおっさんは呟く。

 

「「お願いします」」

 

とアスターと俺の声が重なる。どちらも涙声で、酷い顔をしていたけど、確かな笑顔がそこにあった。

 

アスターから

 

父親(あいつ)の事はこっちに任せていいから」

 

と言われロケットペンダントを俺に渡して早々にその場を立ち去った。急な別れで少しだけ不安になる。気を紛らわせたくて見るロケットペンダント。中には俺達兄妹の写真が入っていた。完璧な不意打ちで目に涙が溜まる。流すまいと我慢するも写真の隣に書いてあった言葉で涙が溢れる。

 

「次はグランドラインで」

 

何度も何度も拭いても涙が溢れる。そして、安心もした。アスターがいればエースもルフィも大丈夫だと。

周りの炎が船を避けるように道を開ける。

 

「出港だ‼︎」

 

誰かの声が響く。

 

そして、俺の航海が始まった。

 




書きたい事を書いたら大分長くなりました。
次はも別視点で書きたいと思っています。
今回の勘違いはサボに主人公が完璧超人だと思われております。
主人公は完璧超人ではありません。とりあえず、そこだけ否定しておきます。
誤字・脱字、感想等お待ちしております。
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