誰か助けて・・・(涙)   作:

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更なる投稿!
因みにテストが2日後に迫ってる。
死ぬかな(ハイライトオフ)


誰かここ変わって。今だけでいいから・・・

 

 

「総長。全ての準備が整いました。いつでも行けます」

 

「分かった。この紙に準備してくれた人達の名前を纏めてあるから、ボーナスを出しておいてくれ」

 

「分かりました」

 

ポッケ村に行く準備が完了したとの事で、最後のチェックとして自分の装備を軽く見直す。

 

白をメインとして、紅、黒の素材が其々の役割を果たしながらも調和し、不恰好には見えず、逆に装備した者の存在感を際立たせている。

その姿は、GXミラルーツ装備に、紅色と黒色を混ぜ込み、翼のようになっていた部分をマントに変えたような見た目をしている。ま、カッコいいから良いんだけど。

 

実はこの防具、ルーツ様に授けられたというか貰ったものでしてね。

装備の形がGXミラ装備だから、もう完全に御三方の素材が使用されてるのが分かってしまっている。

もしこの装備に何の素材を使われているのかバレたら、色々な意味で俺がヤバイ。古龍の装備を持っているとか伝わったら何言われるかわからんし。

主に赤鬼と黒鬼(ヘルブラザーズ )から。

 

 

更になのだが、武器の方もルーツ様から貰ったもので、柄の部分や、盾の周りの部分は固まった溶岩のような色をしていて、剣の柄と刃の間辺りと盾の真ん中が黄色。刃の部分に関しては赤色をしている。まるで溶岩が流れているかのようにも見える片手剣。

要するに、グランミラオスの片手剣だ。

 

当時の(昔の)俺が使っていた片手剣を参考にしたらしく、刃は少し長くて盾は少し大きく、普通の片手剣より攻撃範囲、防御範囲が広くなっている。

一般ハンターからすれば扱い辛いが、俺はこちらの方が慣れているので、普通の片手剣の方が扱い辛く感じてしまう。アイテムも難なく使えるし、受け流しとかし易いんだけどね。

 

 

そんな事を考えながらギルドの2階、自分の家兼事務室から降りると、多くのハンターがこちらを見てきた。凄く驚いたような顔をしている。

何ですか? 知らない人が降りてきたからって驚き過ぎじゃないですか? というかねぇ、みんなボッチを見るような目で見てない?

その目もその表情もやめてお願いだから! 心に撃龍槍・・・は大きすぎるけどバリスタや砲弾撃ち込まれてる状態だから!

 

そんな状況の中、ギルドの中央まで来ると3人の女ハンターが前に出てきた。

 

1人目の装備は、古龍級生物とも名高く、ゲームでは毎度乱入してきてはその力で苦汁を飲まされた、あのイビルジョー。しかも、飢餓イビルである。その装備からは赫黒く恐ろしい気配を醸し出し、自身が喰い殺される瞬間を想像してしまうほどであった。

また、その背中に背負っている盾斧もまた飢餓イビルの物であり、武器へと姿を変えてもなお獲物を喰らい尽くそうとしているかのようだった。

 

この世界では飢餓状態のイビルジョーは一応目撃されることもあるが、目撃した=喰われる確率が高すぎるため、中々討伐できず、しかも討伐しようにも強過ぎて帰らぬハンターが多数いる。

更に、飢餓状態のイビルジョーは食べ物を求めて動き続けるために、飢餓イビルを常に観測し続け、それに合わせてハンターの行く場所を変えなければならない。

 

そして、移動し続けた飢餓イビルの大半は、古龍種の縄張り内で命を落とす。そうなると、飢餓イビルの素材を持ち帰るのはほぼ不可能となるため、飢餓イビルの装備は(殆ど外に出てないけど)初めて見た。

 

 

2人目の装備もまた古龍級生物であり、俺の一番嫌いだったモンスター。ラージャン。その強化種とも呼べる激昂ラージャンの装備である。金色に輝く闘気を放ち、挑んできたものは必ず仕留めると言われているような気がし、逃げても直ぐに追いつかれて殺される様を思い浮かべるほどであった。

その背に背負う激昂ラージャンの操虫棍は、武器となっても闘争を続け、新たな敵を探しているかのように見えた。

 

こちらも出現確率は低いが、それでも目撃回数は飢餓イビルよりは高く、大抵はモンスター達と闘っている。

俺も一度だけ見たことがあるが、その時は激昂ラージャンVS飢餓イビルジョーという夢のような闘いであった。そして、夢だと思いたい惨状であった。

地図から森が消えかけたほどの死闘であり、周りの被害は相当なもので、各村々に被害が出て、物価の高騰すら起こったほどだからだ。

 

その闘いの中では、全身が金と赤い色に包まれ、ゲーム中でもよく見た効果状態になっていた。しかも全身が。更には、飢餓イビルの攻撃を後ろに跳びながらいなしていた。

まあ、飢餓イビルも飢餓イビルで、龍属性エネルギーを垂れ流してたし、踏んだ瞬間に爆発を起こしてたけどね。タックルで吹き飛ばしたりもしてたし。

・・・それを見ててよく生き残れたな俺。

 

 

 

最後の1人は、一方は龍歴院が調査する対象であり、もう一方はギルドでも対処している、2種類のナルガクルガ。白疾風ナルガクルガとナルガクルガ希少種。その2種類の素材を使った装備を着ていた。よく注意して見ておかないと消えてしまいそうなほど気配が無く、戦うならば背後からいきなり刺されてやっと気がつく位の気配の薄さであった。

また、背負った武器もまた2種類のナルガクルガの素材からできた弓であり、音もなく飛翔した矢がいつの間にか頭を貫くのを幻視してしまうほどのものであった。

 

 

白疾風ナルガクルガは、前2人の比べれば目撃情報は多いのだが、正面からでは勝てないような敵を相手にしても、その速度と飛ぶ斬撃、尻尾の棘による爆撃など様々な方法で仕留めようとしてくるので、ベテランハンターの中でも一握りの者しか勝つ事が出来ないほどの強さを誇っている。

また、希少種に至っては、そもそもが塔の最上階で、しかも月の出ている夜にしか出てこない特殊個体であり、目撃されたことは決して多くはないし、リオレウス希少種とリオレイア希少種を相手取って闘う程の強さと、透明になる特殊能力により、討伐された数は指で数えられる程度のものである。

 

そんな二種類の素材を使った装備であるが、そもそもそんな装備は存在しない。

この娘は、どのようにして手に入れたのだろうか? 各村に聞いて回ったが、造った人の情報は無かったし、そもそもそんな素材は持ち込まれてないと言われた。・・・他の2人もなんだけどね。

 

 

報告書の内容などを思い出していると、3人はこちらを見た後、「お久しぶりです。総長」と言ってきた。彼女達は、3ヶ月程前に称号モンスターハンターを与えた子達だ。しかも、あの時はまだイビル装備、ラージャン装備、ナルガ亜種の装備だった。なんか強くなりすぎじゃないか?

 

「久しぶりとは言っても、3ヶ月()()ですがね」

 

そう、3ヶ月()()。殆ど時間は経っていない。

・・・それだけの期間でそんな装備になること自体驚きだけどね俺は。

 

「3ヶ月って、人間からしたら案外長いんだぜ? それに、前々から会いたいって思ってたしよ」

 

飢餓イビル装備の娘にそう言われた。

・・・あ、そっか。人間からしたらそりゃ長いか。そりゃ、そこまで成長する・・・よね?

目の前からの威圧感に出来るだけ笑顔を崩さず、先程の言葉を撤回する。

 

「そうだな、それでは、お久しぶり」

 

「おう! 久しぶり!」

 

「ええ、お久しぶりです。総長」

 

「久しぶり。会いたかった」

 

飢餓イビル装備の娘は元気よく。激昂ラージャン装備の娘は落ち着いて。2種ナルガ装備の娘は無表情で淡々としているがひしひしと思いが伝わってくる言葉を。3ヶ月前と変わらず3人とも元気だ。

 

少しだけ話をした後、会話は一旦止まり、それと同時に受付嬢がこちらに来た。

 

「付いていかれるハンターには、彼女達3人を選びました。HRも解放済みで、この3人であれば、古龍種との戦闘に入っても生き残れる可能性があると思われます」

 

そーですよねー。しってた。

思考が少し鈍り、それでも直ぐに持ち直した。

 

3ヶ月前は最初の頃の俺(ティガレックスからダッシュで逃走していた頃)よりも強く。今の彼女達は800年前の俺(バルファルクとのリアル鬼ごっこ《バルファルクが一方的に追いかけてくる》が出来るくらい)よりも強いと思う。

最近は運動を碌にしてないからどうか分からないけど、彼女達が強いのが簡単に分かる。

 

この娘達なら安心して任せそうである。いや、こんなに強かったら当たり前かな?

 

「それじゃあ、旅の間の守護は任るよ。たのんだぞ」

 

その言葉に3人は少しの間停止し、そしてブルッと身震いした。え、どうしたの? トイレ・・・って聞いたら殺されそうだしやめよう、うん。

 

 

 





皆様感想ありがとうございます。
感想ってやっぱり大事。そして送ってもらえたら本当に嬉しい。
それでは、テスト勉強逝ってきます。

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