機動聖闘士ユニコーン・ガンダム   作:ノザ鬼

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始まり

 人類が迎えた新たな時代。

 

 宇宙時代の到来である。

 

 しかし、新たな時代は人類に格差をもたらした…。

 人々の不満を力によって押さえ込む政府。

 それは新たな火種となり、宇宙でも繰り返される戦争の歴史。

 

 そんな戦いの宇宙世紀。絶望の人々に、希望の女神となるべく立ち上がる一人の少女。

 その名を、

[ミネバ・ザビ]

と、言う。

 

 彼女を護るために、八十八の星座を守護とするガンダム・フレームが造られる。

 奇しくも、それはこれから始まる闘いの序章であった。

 

 

 工業コロニー『インダストリアル7』で偶然、出会ったバナージとミネバの二人。

 

 ミネバ・ザビが咄嗟に名乗ったのは、『オードリー・バーン』。

 それは、自らの正体を隠すものか? はたまた、バナージを守るものか?

 

 惹かれ合う二人を引き裂いたのは、モビルスーツの強襲! 

 それは、大人達の都合、策略、欲望…。被害者はいつも子供達。

 

 戦闘を避け運良く、地下施設に逃げ込んだ二人を待っていたのは、眠る様に横たわる白いモビルスーツと謎の男。

 

 謎の男はバナージの顔を見ると、モビルスーツのコックピットへと押し込んだ。そして語り始める、

「このモビルスーツは、かつて乗る者が現れず封印されたもの…。」

 バナージは気が付いた、鮮血の玉が幾つも浮かんでいる事に、

「戦え、守りたいものの為に…。」

 男の血で染まった指先が、白いモビルスーツの眠りを醒ます。

「いけ…。」

 男がゆっくりと離れるとハッチが閉まる。

 

 『GM』タイプと呼ばれる白いモビルスーツが起動を始める。

「これなら、いける!」

 踏み締める脚は、モビルスーツを立ち上がらせた。

 そして、専用に用意されていたのだろうビームライフルとシールドを取る。

 

 天井部の爆発から現れた敵モビルスーツ。

 こんな所で反撃を貰う等とは夢にも思わぬパイロットは自分の死にさえ気が付かず。

「なんて火力だ。この武器ではコロニーが…。」

 バナージは自らの行いに恐怖した。

 

「敵対モビルスーツの反応有り! 各自警戒!」

 咄嗟の指示で、拡散するモビルスーツ隊。

(ターゲットか?)

 隊長が通信スイッチに手を伸ばす。

 

 少しのノイズの後、

「ターゲットらしきものからの攻撃を受けた。どうやら起動してしまったようだ。」

「代わります。」

 ノイズの向こうでオペレーターが、上官に代わった。

「ターゲットを確認後。できるだけ追跡。無理はするな。」

「了解。」

 通信をオフにしつつ、

「さて、本当にターゲットならこちらがヤバいか?」

 小声で自分に問う。

 

 

「外(宇宙)へ出るルートは無いのか?」

 バナージの問にモビルスーツが答える。

 正面のモニターに映し出されるルート。

「もし、敵の狙いがこのモビルスーツなら…。オードリーから離せる。」

 指示されたルートから、外へ向かう。

 

 バナージは感じていた。確証があるわけでは無い。

 操縦桿を通して…。コックピットに満たされる何かに…。体が…。心が…。

 ただ、違和感を感じる。

 

 

 最後の隔壁を抜け外(宇宙)へと躍り出る。

「ここまで来れば。オードリーには被害は及ばないだろう…。」

 安堵、それは一瞬の気の緩み。歴戦の猛者には十分過ぎる時。

 

「素人が!」

 放たれた一撃は、モビルスーツを通してバナージを揺さぶる。

 

「敵!?」

 身構え反撃を試みるが、先程の攻撃が当たったのがまぐれ当たりだと思い知らされるだけだった。

「当たらない…。」

 焦りを感じるのは、心ばかりでなく、手のひらの汗も。

 

「隊長! やれますよ! 仲間の仇とれますよ!」

 嫌な奴だった。でも、仲間だった。そう思えたのは、目の前で散ったからだろう。無性に、あの白いモビルスーツが憎かった。

「待て! 我々の任務は破壊では無い! 捕獲だ!」

 隊長の言葉は届いて無かった。復讐それが、彼の一心。

 

 鬼気迫る猛攻に防戦一方のバナージ。

「何だ! この感覚は…。」

 受ける攻撃に混じる思が、バナージの心を撃つ。

 

 モビルスーツの性能のお陰なのかダメージは軽微であった。

 しかし、次第に追い詰められる。

 

「このぉ!」

 必死で回避するも、歴戦の猛者には通じない。

 

 浮かんだ言葉は『死』。

 それはバナージを覚悟させる。

 

 心に、灯る小さな火。それが燃え上がる思いに、

「このままでは、何も護れない!」

 心が叫ぶ! 魂が上げる雄叫び!

 

 その時! メインパネルが光り、文字が並ぶ。

 

・Control(コントロール)

・Reactive・armor(リアクティブアーマー)

・Operating(オペレーティング)

・System(システム)

 

 頭文字が異なる色で光り、

『CROS(クロス)』

と、浮かび上がる。

 

 それは文字は、GMタイプの頭部メインカメラにも映し出される。

 そして、モビルスーツの関節等、内部構造が見える部分が黄緑色の光を放ち始める。

 メインカメラの光はより強く。納まりきらない黄緑色の光を宇宙の一角へ放った。

 それは光を道。

 

 その道を彼方より駆け来る白いもの。

 それはモビルアーマーと呼ばれるもの。

 それを見たものは、その姿が伝説の、

『一角獣ユニコーン』

だと判っただろう。

 宇宙(そら)駆ける一角獣、それがモビルアーマーの正体。

 

 一角獣ユニコーンのモビルアーマーはGMタイプへ走り寄り、そのままの勢いで各パーツが分離変形する!

 

 そしてGMタイプの各部に合体する!

 

 それは、まさに、

『聖鎧(クロス)』

 その言葉が相応しく、GMタイプは鎧を纏う。

 

 全てのユニコーンを纏ったGMタイプが発する光は、力を増し更に輝く。

 

 GMタイプの頭に、当てがわれたユニコーンの頭部。それは、一角のマスクに見えた。

 

「フルアーマー!?」

 目の前で、起きている事を自分の知識で考えるパイロットの答え。

 

 頭部の一角が光を纏い縦一文字に割れ始める。それと共にマスクも左右に割れ、収納される。

 

 下から現れたのは、

『顔』

 GMタイプには存在しないはずの顔。

 

 頭部の変形を終えた姿は、V字の角、メインカメラが人の目の様に一対であった。

 

 そう! それは、星座を守護とする伝説のモビルスーツ!

『ユニコーン・ガンダム』

 

 

「そんな虚仮威(こけおど)し!」

 トリガーを引く指に力を込める直前、

「馬鹿な…。」

 自分のモビルスーツが撃たれたと知った。

 それは、仲間に詫びる間も無く、死という光と爆発の花を咲かせた。

 

「引け!」

 部隊に撤退を指示したのは、手遅れだと知ったのは、部隊の半数以上を失ってからだった。

 

「逃げてくれた…。」

 緊張の重圧から解き放たれたバナージ。

 肩で息をし、

「この力なら…。」

と。

 

 

 これは、宇宙世紀の女神を護る少年の物語である。

 

 

『機動聖闘士(きどうせいんと)ユニコーン・ガンダム』

 

「君は、心のサイコミューを燃せるか?」

 




次回予告!

現れた黒いユニコーン・ガンダム!

そのパイロットは!?


「少年よ! 君のサイコミューは燃えているか?」
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