ログ・ホライズン “円卓の従者たち” 作:よなみん/こなみん
どうも、夜南 黒姫です。
最新話更新します。
また、他のssもご覧下さい。
それでは、お読みください
・・・このゲームに閉じ込められて数日・・・俺は慣れてしまった。
動きも、生活にも・・・
もちろん。戦闘にも・・・
俺は弓を引き直すと、小声で呟く
「・・・〈ロングショート〉」
そう言い弓を放つと矢は、謎の光を帯びて飛んでいく
狙いは遠くの薔薇ウサギ〈ローゼンラビット〉。
矢は一度落ちる動きを見せるが、途中で持ち直し・・・そして
「・・・やったぜ。」
みごと薔薇ウサギに命中する。
〈ロングショート〉は矢の威力を落とす代わりに、飛距離、さらには矢の素早さを上げる技である。
さらに俺の弓の名前は“唸る雷鳴の剛弓”、攻略サイトでは秘宝級のアイテムとして扱われるものである。
しかし、この新拡張パック・・・“ノウアスフィアの開墾”が登場したために・・・おそらくこいつは秘宝級からはランクが下がっているはず・・・
しかし、それでも入手できないアイテムであるから・・・皆欲しがるのだろうな
「にしても湿気てんなぁ・・・」
ドロップしたのは“赤薔薇の髪飾り”、さらに“赤薔薇の赤肉”が手に入った・・・
肉は正直使えるアイテムだが・・・
「料理人じゃないからな」
そう言っていると、突然電話みたいな感じのものがかかってくる
「・・・“念話”か?でも・・・」
このゲーム〈エルダー・テイル〉のシステム、ボイスチャットのシステムにはあまり触れたことがない・・・
俺は恐る恐るコンソールを押してみる・・・すると
「玲音!無事か!?」
「・・・カグラ?どうしたんだ?」
「よかったぁ・・・」
この声の主はカグラ、ギルド〈黒剣騎士団〉に加入している〈武士(サムライ)〉の女性だ。
彼女とは同時期に初め、初めてのフレンドでもあるから何かあれば助け合っていた仲である
しかし、彼女の慌てた様子を聞くと・・・そうでも無いらしい
「心配かけた?」
「当たり前だよ!」
・・・どうやら心配をかけてたみたいだ。
「ごめんごめん・・・それで?」
「この状況・・・どこまでわかる?」
・・・そんな言葉が、カグラから発せられる
・・・俺は冷静に分析する。
「拡張のことを調べたいんだね?」
「あぁ、攻略サイトだけじゃ、情報が足りなさすぎる。」
確かに、攻略サイトにはこんなことは書かれてはいなかった。
つまり、これは“予想外のイレギュラー”でもあり、向こうの“意図的な誘拐”でもあるのだ。
つまりこれは・・・
「ゲームじゃ・・・ない。」
「・・・だね。」
俺たちのこの言葉は・・・今の現状を説明するのには十分だった
しかし、考えれば不可解な点がいくつも出てくる。
まず、何故閉じ込めた?何故俺たちを?言い出せばきりがない。
しかし、今起きているのは事実だ。
俺たちは、それを受け止める義務がある・・・
「それで?電話かけたんだから何かあるんでしょ?」
「ええっと・・・私たちはエリート志望のギルドじゃん?」
「それで?」
「・・・“アイザック”がさ、レベル91を目指そうとか。」
「・・・91・・・」
俺はその数字に考え込む。
確かにこれまでの〈エルダー・テイル〉はレベル上限が90であったが、攻略サイトによれば〈ノウアスフィアの開墾〉でレベル91が解放されている
つまり、不可能なことではないが・・・
「でも、それは高レベのモンスター倒すんでしょ?」
「・・・そうかもね。」
・・・この世界に入ってわかったこと・・・それは単にログアウト出来ないだけではない。
飯や睡眠もいる・・・なんなら入浴も必要になる・・・
しかし、戦闘はそんな簡単なものではない。
例えば初心者のレベル6ぐらいの少年、少女がレベル20のモンスターを倒せたとしよう。それなら、経験値は倍近く貰えるが俺たちはそうはいかない。
レベル上限者〈カンスト〉は10下のレベルモンスターを狩ろうと経験値が手に入りにくいのだ。
そのため、どうしてもレベルアップを目指すのであれば高レベル・・・つまり90近いモンスターを狩る必要がある。
しかし、この世界に入ってしまい、戦闘にも慣れないようであれば、おそらく〈黒剣騎士団〉でも不可能だろう。
・・・カグラもそのことは承知しているはず。
「・・・そうか。ごめんね、なんか追究しちゃう感じで・・・」
「いいよ。だって玲音だからだよ?忘れてないよね?」
「・・・もちろん。」
・・・その言葉に隠れた好意に・・・俺はほっとする。
「それと玲音。良ければ〈黒剣騎士団〉に入らない?」
「・・・なんで?」
「・・・リーダーが欲しいってさ。「お前みたいな優秀の人材なら何時でも俺の側に置いてやるって。」」
・・・俺は以外だった。
確か“アイザック”といえば、二つ名では“黒剣”と呼ばれる程の実力者で、〈エルダー・テイル〉では“最強の守護騎士”とも呼ばれる人なのだ。
しかも彼のギルド〈黒剣騎士団〉はレベル上限者(カンスト)しか入団申請が出来ず、そこからもアイザック本人による品定めが始まるのだ。
つまり〈黒剣騎士団〉は完全なエリートギルドであり、戦力はアキバの街で二番目ぐらいなのだろう。
・・・俺は考え込んだ後
「ごめん。やっぱりギルドは嫌い・・・かな」
「・・・そう。・・・リーダーにはそう言っとくね。んじゃ」
そう言うと俺は通話を切る。
・・・俺はギルドは嫌いな訳では無い。
どちらかと言えば、ギルドが嫌いではなく、そこにいる人達が嫌いなのだ。
しかし、あのメンバーでいたころは嫌いではない
俺たちは、だいぶ前になるが、ある一つのチームを結成していた・・・それが〈エルダー・テイル〉の伝説の一つ、〈放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)〉である。
それはギルドではない。
しかし、そこには多くの人、暇人も、初心者も集まった。
そして皆でワイワイしようとする会なのだ。
しかし、俺はそこにいた。
レベル上限(カンスト)になっても、彼らは変わらず接してくれるからだ。
そこにはそれを引っ張る〈彼女〉がいて、俺たちは何時でも、どこへでも探検した。
・・・しかし、突然として〈放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)〉は解散した。
理由としてリアルの生活や、個人的な事情が挙げられる。
「・・・戻ろうかな。」
俺は一人、弓をしまい込むと〈アキバの街〉に向かって歩き出した。
◇
〈アキバの街〉は皆の拠点である。
この〈エルダー・テイル〉がまだ、ゲームの頃、初めてゲームをやる人にとってはお世話になるであろう場所だ。
他にも、ススキノ、シブヤと言った大都市が存在する中で、〈アキバの街〉には、半分ぐらいのプレイヤーがいた
「・・・ふう。」
俺は壊れかけたビルの中で、水を飲んでいた。
「・・・フレンドリストは開ける・・・アイテムもだ・・・」
俺は一人、情報を整理していた
「まずは・・・ログアウトは・・・出来ないよな。次は・・・」
画面に出てくるウィンドウをタッチしていくが、設定面のコンソールには反応がない
「・・・設定はほぼ死んでるか・・・」
・・・俺はフレンドリストを開き、ある人物へと連絡を取る
「・・・こちらシロエ、お久しぶりだね」
「・・・どうも。再びお世話になりますよ」
声の主は同じく〈放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)〉の快進撃を支えた青年。シロエだった。
「その様子だと、だいぶ落ち着いた?」
「あぁ、頭の中はスッキリしてる。」
「おお!?玲音か!?久しぶりだな!」
シロエさんとは別の声が聞こえる。この人は・・・
「直継さん?」
「おうよ!久しぶりだな!」
声の主は直継さんであり、この人も〈放蕩者の茶会(デボーチェリ・ティーパーティー)〉出身の人である
事情からゲームを中断したと聞いたが・・・
「復帰したんですか?」
「おう!仕事も安定してきたからな!」
「でも、復帰してこれだよね」
・・・その言葉は確かに・・・と思ってしまう
直継さんはため息をつく
「ほんとだぜ・・・まったく・・・悪い夢だろ」
「・・・まぁまぁ、一旦落ち着こうか。」
俺たちはその言葉に同意する。
この状況は確かに知らなかった・・・と言うよりは、信じ難い事だが、今は受け入れるしかないのだ
俺達が沈黙すると、俺は
「なんならそちらに合流しましょうか?こちらからでも向かうことは出来ますし」
「それがいいね。今からちょうど〈三日月同盟〉のギルドホールに行ってマリ姉と会うんだ」
「おっけ。じゃあそれで。」
俺は、懐かしき友人達に会うために、〈アキバの街〉を走り始めた・・・
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