The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題) 作:十五夜の月
どーも!初めての人もそうじゃない人も!
ワンパンマンのガロウが好きなのと、ヒロアカ読み切ったので書いてみます!
気に入ってもらえれば幸いです!
感想もよろしく!
「っーーー」
気付けばベッドの上で寝ていた。
「・・・何処だここ」
男は、ガロウは警戒しながら身を起こす。
見知らぬ、しかし生活感ある普通の部屋に自分は居る。
「確か、あのハゲに負けて彼処から逃げて・・・」
ブツブツと独り言を呟きながら自身を確認。
着ている服、シャツに短パン、普通。
体調、いつもと変わりない、普通。
体、怪我なくいつもと変わりない高校生位の体型、ふつーーー
「いや、ちょっと待て!?」
姿鏡に映る自分を思わず二度見する。
明らかに身長が縮んでいた。
「・・・どうなってやがる。あの戦闘の反動が今になって出たのか?」
だが、他に体の異常はない。
ーーー兎に角、まずは現状の確認だ。
近くに気配はない。そっと部屋のドアを開けて廊下に出て確認。キッチン、風呂場、ベランダに人は居ない。
結局、どうやらここはアパートかマンション、という事だけしか分からない。
「本当になんなんだよ」
唯一手掛かりになりそうなのはポストに放り込まれていた新聞。
それを開く。
「ん〜と、なになに・・・、ヒーローが見事銀行強盗の敵を確保・・・。
ヴィラン?怪人じゃねぇのか?」
それに町の名前も変だ。A市、Z市、と言ったアルファベットの表記ではなく漢字で表記されているからだ。
ガロウはもう一つの手掛かり、新聞と一緒にポストに入っていた封筒に目を向ける。
表面には雄英高校受験票と書かれており、デカデカとキャッチコピーの様に『君もヒーローになれる!!』と書かれていた。
「ヒーローの育成学校?馬鹿馬鹿しい」
ガロウはそれをベッドの上に投げ捨てる。
そして、腹も減っていたので冷蔵庫を開けてみたが生憎あるのは水と卵のみ。
「情報集めがてらに、なんか食いに行こう」
机の上に財布が置いてあったのでそれをポケットにしまって、ガロウは玄関の扉を開けた。
◎
ーーー分からねぇ事だらけだな。
外に出てみれば何か分かると思っていたが今の所手がかりはなし。
誰かに監禁されていたとは考えられない。なぜならご丁寧にマンションの鍵が玄関に置かれていたからだ。
ーーー考えられるのは二つ。誰かの手によって彼処に連れてこられた。若しくは、オレの数日間の記憶が吹き飛んでいるだけか。
しかし、それでも自分の身体が縮んでいることの説明が出来ない。
ーーー身体は縮んでいるが、身体能力は下がっちゃ居ねぇな。
分かっていることは少なかった。新聞に載っていたヒーローの名前も聞いたことがないような名前だった。
もしかしたら、B級以下の雑魚かもしれない。聞いたことのない名前だと手がかりにしようがない。
「まぁ、取り敢えず飯だな、飯」
丁度目の前には焼肉屋があり、更にタイミングのいい事にサービスタイムと書かれている。
そして自身の鼻が僅かに香る肉の匂いを察知しここにしろと脳に呼び掛ける。
「寝起きだが、問題ねぇな」
店に入り、店員に案内されて一番奥のテーブル席に座りメニューを開く。
ガロウの目を引いたのは777gと書かれていた特大のステーキ。
「すみませぇーん。こいつ下さい」
「お、お客様。こちらの品はかなりの量が御座いますが、お一人で大丈夫ですか?」
「問題ねぇーよ」
店員の心配に一言で答える。
それから暫くするとガロウの目の前に特大の肉の塊が香ばしい香りとともに運ばれて来た。
「んじゃ、いただきまーす」
大きめにカットして口に頬張る。圧倒的な肉の存在感で口の中が一杯になり、溢れ出す肉汁が肉の旨みを舌に伝える。
一口、また一口と続けるとあっという間にその肉は姿を消していた。
ーーー足りねぇな・・・。
あれだけの肉の塊を食べたと言うのに、満足感には程遠い。一瞬とは言え、怪人になった影響かと思ったが気にすることなくメニューを開く。
幸い、今はサービスタイム中で料金も安く金に余裕もある。ガロウの決断は早かった。
「すいません。ここからここまで、全部ください。あと、水も大量に」
「え・・・は、はい」
メニューのステーキの欄にある、安くて量のある物を片っ端から頼む。一瞬、店員が固まっていたがガロウは気にしなかった。
そして数分後、ガロウの座っているテーブル席にはカラになった鉄板がこれでもかと積まれていた。
「ふー」
ガロウは満足感と共に店を出る。店員の声が消え入るようなものになっていたがガロウは気にしなかった。
因みにこの時のフードファイトが動画サイトに載せられていることにガロウが気付くのはもう少し先である。
「さてと、腹も膨れたしどうするかね・・・」
次の行動を考えていた時、ガロウの耳に助けを求める様な悲鳴じみた声が聞こえた。
「あ?なんだ?」
恐らくそう遠くない。
少しの興味がガロウの脚を動かす。
声がハッキリと聴こえるようになってきてることが、そこに近付いていることを意味する。
「なんだありゃ?」
そこでガロウの目に飛び込んできたのは手が四本もある身体のでかい男が銀行強盗をしている光景だった。
二本の手に大型の機関銃のようなものを持ちながら警察に向けて発砲している。そして、空いている手には、人質だろうか?泣き叫ぶ子供がいた。
「おい!ヒーローはまだ来ないのか!」
「もうすぐ、シンリンカムイが到着するはずです!」
「クソ!人質を何とかしないと!」
「うあぁぁああああ!!」
幾つもの声がガロウの耳に届いてくる。
中でも特に子供の叫び声が大きく聞こえた。
「たく・・・ヒーローが助け遅れるとか、あっちゃダメだろ」
ガロウは人混みを掻き分けて一歩前に出る。
野次馬の最前列まで来た瞬間、アスファルトを陥没させる力で地面を踏みしめて飛び出した。
ーーー
振り抜いた手から発せられた斬撃が腕を切り落とし、人質にされていた子供を助ける。
武術の達人、ボンブが使っていた旋風鉄斬拳。
ガロウの師匠でもあったシルバーファングが使う
「ぬぅあぁぁぁあ!? 誰だテメェ!!」
やっとコチラの存在に気付いた男が二つの銃口を向けた。
しかし、ガロウは焦った素振りを見せない。
「止めとーーー」
言葉を言い終えるよりも先に、二つの鉄の口から火とけたたましい破裂音と共に大量の銃弾を吐き出した。
対するガロウは、既に構えを取っている。
ーーー
迫り来る大量の弾丸を両の手で受け流し進行方向をずらす。ただし、真後ろには流さない。なぜなら子供がいるからだ。
「銃火器でオレを殺せないのは、デスガトリング戦で証明済みだ!」
最後の弾丸を流し切る。ビルの壁は幾つもの穴が空き、コンクリートは粉々に砕けていたが、ガロウの真後ろは全くの無傷!
デスガトリングの弾丸を弾いた時とは違い、手には擦り傷すらない。
「くっーーー、こ、この化け物が!」
弾が尽きたのだろうか。銃を投げ捨てた男が残っている三本の腕を振り上げて、全力で振り下ろした。
「あめぇよ」
「っーーーーーーーーー!!!」
だが、接近戦こそガロウの本領が発揮される事を当然ながらこの男は知らない。
拳はあらぬ方向へと流されて、がら空きになった胴へとアスファルトを陥没させる踏み込み、そのパワーが全て乗せられた拳がめり込む。
その威力は言うまでもなく強力で、道路を挟んだビルの壁に男を叩きつけた。
「ふぅー・・・・・・。
おい餓鬼。怪我とか大丈夫か?」
「・・・・・・」
「おい?」
「か、かっこいい!」
「あぁ?」
助けた子供がキラキラした目でそういった時、反応に困った。
「ねぇねぇ!お兄さんってプロヒーロー?」
「あぁん?別にオレはーーー」
ヒーローなんかじゃ無い、そう言おうとして言葉が途中で止まる。
それと同時に、ムカつくハゲ頭の顔と言葉が脳内に浮かび上がっていた。
『本当はヒーローに成りたかったんだな』
『お前は妥協して怪人を目指したんだ』
『俺のヒーローは本気の趣味だ!』
『教えてくれたな、お前が何者なのか』
ーーーだったら、今から本気で目指してやるよ
「ねぇねぇ!プロヒーロー何でしょ?」
「・・・違ぇよ」
ガロウはここに宣言する。
「オレは、趣味でヒーローを目指してる男だ」