The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題) 作:十五夜の月
今回のお話は、USJのヴィラン襲撃の前話になります。
まったり、ダラっと読んでください。
いつもと変わらない目覚めを迎え、いつもと変わらぬ朝食を取る。
いつもと同じように準備を済まし、いつもと同じようにベランダから飛び出して雄英高校へとガロウは向かう。
「なんだありゃ・・・」
いつもと同じ、ことの無い学校の校門前を見てガロウはポツリと呟いた。
ボイスレコーダーやマイク、カメラを持ったいわゆるマスコミ達が群れをなして校門前に人の障害物を作っている。
「相手するのも面倒臭い」
よくよく見れば緑谷や飯田と言った生徒達もマスコミに囲まれながら質問を受けているのがガロウには見えた。
それを見ながらググッと足を伸ばして力を溜めるように軽く膝を曲げる。
「あ、雄英高校の生徒さnーーー」
「いよっとぉ!!」
こちらに気付いて近寄って来たマスコミの事など無視して飛び上がった。
加速から生じる風と、地面を蹴って空中を跳ぶ浮遊感が何とも言えず心地良い。目前まで迫った校門の上部に手を付き、バク転をする様に飛び越えて残り僅かな浮遊感を堪能した後に着地。
その全てを見ていたマスコミ一人を除いて、誰にも気付かれることなく、いつもと変わらぬ足取りでガロウは教室に向かった。
◎
「昨日の戦闘訓練はお疲れ様、Vと成績はしっかりと見させてもらった」
鐘がなり、相澤が教室に入って来ると先程までマスコミの話で盛り上がっていた教室の中は静かになり全員が意識を相澤に向けて話を聞いている。
「拳獣」
「・・・おん?」
緑谷と爆轟に対する小言を半分、いや、ほとんど興味なさげに聞いていたガロウに充血した目を向けながら相澤は名前を呼んだ。
「その気の抜けた返事は直せ。
階段を壊して目標にたどり着けなくする判断は余り良いとは言えない。今回は読みが当たったのかもしれんが、個性で二階から入られるとかの、もしもの時の場合も考えろ」
「はいはい」
「返事は一回で十分だ」
相澤の話はほぼ聞き流していた。
仮にあの時二階から侵入されても対応する手段は幾つか用意してあったからだ。
「さて、それじゃあそろそろHRの本題に移ろうか。急で悪いんだが、今日は君たちに・・・」
作り出された沈黙に誰かがゴクリと生唾を飲んだのをガロウは聞いた。
「学級委員長を決めてもらう」
「「学校っぽいのきたぁ!!」」
何か効果音が付きそうな顔で言った相澤の言葉に、ドッと興奮の声が教室に沸き立った。
皆が手を挙げて我こそは、と主張する様子をガロウは詰まらなさげに見ていた。
勿論、手は挙げない。
やる気もないし、興味もない。
「静粛にしたまえ!」
沸き立つ教室を一人の男のよく通る声が鎮める。
「学級委員長は多をけん引する重要な仕事だ・・・やりたい者がやれるモノでは無いだろう!!」
ーーーうわぁ、どこまで真面目なんだよ・・・。
「周囲からの信頼あってこそ務まる聖務・・・民主主義に則りリーダーを決めるなら、投票で決める議案のはず!」
「そびえ立ってんじゃねぇか!!」
歯を食いしばりながら、真っ直ぐ伸びた飯田の手は何よりも明白に飯田の思いと性格を表しているようだった。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」
「そんなの皆自分に入れるだろ!」
ーーーやりたくないので、俺は他のやつに入れる。
「だからこそ、ここで複数票を取ったものこそ学級委員長に相応しいということになるのではないか?」
結局その後は飯田の発案通り投票で学級委員長を決めることになった。
特にこいつに、と言った考えもないガロウは配られた紙に適当な奴の名前を書いて投票した。
結果、学級委員長になったのは緑谷、副委員長として八百万が選ばれた。
そしてどうやら話を聞いていると飯田はほかの人物に票を入れたらしい。
ーーーやはりこいつは、馬鹿だ。
ガロウの飯田に対する印象が固まりつつあった。
◎
「さぁ~てと、昼飯昼飯」
午前中の授業をほぼ聞き流していたガロウは食堂へと足を向かわせた。格安で大量に食べれる雄英高校の食堂はガロウにとってとても良い環境である。
「やぁ、拳獣くん。今日はどうする?」
「肉料理を大量に」
初めて食堂を利用した時に見せたフードファイトの時からすっかり顔見知りになってしまったランチラッシュにガロウは注文して料理をまつ。
「なぁなぁ、君」
「あん?」
ちょんちょん、と肩を叩かれて目線を向けるとそこには一人の少女が立っていた。
「ちょっと横にズレてくれないか?取りたいものが取れなくって」
「あぁ、スマン」
言われてガロウは自分がいる場所が少女にとって邪魔になっていることに初めて気付き、言われた通りに横にズレる。
目当てのモノを取った少女は、ガロウに礼を言った時何か思い出した様な表情をして口を開いた。
「君ってあれだよな、フードファイトしてた人だよな?」
「見てたのか?」
「そうそう。
あたしは一年B組の拳藤一佳、よろしくな。え~と・・・」
「ガロウでいい。一年A組だ」
「ならそう呼ばしてもらうよ」
軽い自己紹介が終わる頃、ちょうど合わせたようなタイミングで注文した料理が出てきた。
「お待ち遠様!多いから気を付けてね」
「分かってるって」
大サイズのトレーふたつに乗せた大量の料理を両手で持って歩くガロウはまるで大道芸人の様である。
「そこの席空いてるみたいだな」
テーブル席を見つけた拳藤は自分の料理をそこに置く。ガロウも同じく料理をテーブルに置いて席に付いた。
「いつも一人なのか?」
「あたしはそんなに寂しいやつじゃないよ。
最近は基本、うちのクラスの捻くれ者が他所のクラスのやつに迷惑かけないようにしてるんだけどね。今日は他の奴と食うらしくて」
「捻くれ者ね・・・・・・」
ガロウは拳藤の言う、他人に迷惑をかけるレベルの捻くれ者を想像して出逢えば手が出るであろうという確信にも似た予感があった。
誰かと行動を共にしていると時間は早く感じるもので、気付けばガロウは全ての料理を平らげ、そのガロウを見て拳藤は驚いたように目を見開いた後、乾いた笑いを見せた。
「流石はフードファイター」
「なった覚えは無いな」
拍手と共に送られた賞賛の声に対して、ガロウは興味無さげに応える。
コップの水を一息で飲み、席を立つ。
ウゥーーーーーー!!!!
食事で緩んでいた思考を瞬時に引き締める。
周りを見渡せば他の生徒達は突然の警報に浮き足立っている。
そしてそれは目の前の拳藤も同じであった。
「な、何これ?」
「落ち着け、慌てたら分かることすらも分からねぇ」
「う、うん。ガロウは落ち着きすぎな気がするんだけど」
「俺は何時も落ち着いているからな」
もう一度辺りを見渡せばまるで慌てふためくアリの群衆のように慌てた生徒達で食堂はごった返していた。
怒鳴り声や物が落ちる音、群衆が生み出す耳障りな騒音も相まって何が起きているのか把握することが出来ない。
そんな状況の中でガロウは目を動かして他のテーブル席の位置を確認していた。
「拳藤、ここ動くなよ。何が起きてるか確認してくる」
「確認って・・・こんなにごった返してたら動くことなんてーーー」
「何も通路なんか使わないさ」
いうや否やガロウは自分が座っていたソファの背もたれに足を掛けると隣のテーブルのソファの背もたれに飛び移った。
同じ要領で群衆の頭上を飛び越えていく様は体重など感じさせず、まるで羽のようである。
一番壁よりのテーブルにたどり着いたガロウは再び飛び上がり窓枠に手をかけて開けると外に出る。
「騒ぎの原因は・・・・・・アレか?」
多くの人の声が聞こえてくる。しかしそれは食堂から聞こえるのではない。
目を向けると校門から僅かに離れた付近に朝に見たマスコミの群れができていたーーー雄英高校の内部にだ。
だが、ガロウの視線がマスコミに向いていたのは僅かな間である。
直ぐにそれは別のもの、マスコミの群れの奥にあるものへと向けられる。
「・・・・・・どうなってるんだ?アレは」
マスコミの奥に見えるのは雄英高校の校門。マスコミなどの部外者が雄英高校に無断で立ち入れば即座に閉まり、誰の侵入も許さない鉄壁の門になる。・・・・・・らしい。
それが開かれていた。
いや、正確には
雄英高校は最新の設備を整えている・・・らしいので誤作動で開くことはまずないだろう。
幸いマスコミの方は集まってきた教師陣によって沈静化しつつある。
「なんか・・・不穏な空気になってきたな」
ガロウは自分が出てきた窓から食堂に戻ると誰かが対応したのか生徒達も落ち着きを取り戻していた。
警告の印であるかの様な打ち破られた門の事を頭の片隅に残し、ガロウは待たせている拳藤の下へと戻った。
いつも感想ありがとうございます。
『大変面白いです』
とか、
『更新頑張ってください』
とか、
すっごく励みになります。
やっぱり言葉ってやる気に繋がるんですねぇ。
他にもガロウに対する感想とかも書いて下さる方とかいて、
『男女ともにそこそこながらモテそう』
『ヒーローの卵達を導く身近な先導者。そして、相変わらずの戦闘狂』
成程ガロウってこういう風に見られてるんだなぁ、と気付かされる時もあります。
やっぱり他の人の目線って大切ですねぇ。
『あれ?デクは?もしかしていない?』
居ます!!
ただ、あんまし目立って書けてないです。
もうちょっとガロウと絡ませていけたらなぁて思ってます。
ヒロアカの主人公だもんねぇ・・・・・・この作品じゃ、あんまし目立ててないなぁ。
それから今回の話では何となく拳藤一佳さんと絡ませたりしてみました。
特に深い理由はありません。
ただの作者の好みです!
これからは後書きとかで、ちょいちょい感想を抜粋して返答したりとかしたいなぁ、て勝手に思ってます。
最後に、ヒロインにしたいキャラとか居ますか?
いたらコメントでどうぞ
頑張って絡ませて見せます
これからもどうぞよろしく。
コメントもよろしく、ではまた次回。