The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題)   作:十五夜の月

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USJの話に突入!
ゆらりと読んで。


ヴィラン強襲

 

 

 

 

 

 

 

 あの騒動の後、クラスの学級委員長は緑谷が辞退し飯田がやることになった。

 どうやら生徒達の混乱を見事な機転を利かして沈静化させたのが飯田らしく、それを知っている緑谷からの推薦らしい。

 馬鹿は馬鹿でも、ただの馬鹿ではないようだ。

 

「決まったみたいだな。

  それじゃあ、話に入るぞ。今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう一人の教師を含めた三人体制で見ることになった」

 

 寝袋から出てきた相澤が充血させた目を眠そうに開けながら教壇に立ってそう言う。

 発言に対して手を挙げたのは瀬呂。

 

「はーい。今日は何するんですか」

「災害水難何でもござれの、人命救助訓練だ。訓練の場所は離れたところにあるから各自素早く着替えてバスに乗るように。

  コスチュームでも体操服でも構わん、各自で判断しろ」

 

 

 

 ◎

 

 

 

 

 バスの窓枠に肘をついて顎に手をやり外の景色を眺める。近づいては遠ざかっていく風景が何度も何度も繰り返される。

 ガロウがいつも思っている事だが、雄英高校の敷地面積は一体幾らほどあるのだろうか。

 

「私、思ったことなんでも言っちゃうの、緑谷ちゃん、あなたの個性、オールマイトに似てる」

「そ、そそ、そうかなぁ~、ぼ、僕はそんな事ないと思うんだけど」

「オールマイトは緑谷みたいに怪我しないだろ、梅雨ちゃん。

 けど増強型はいいよな!派手だし出来ることも多い!!」

 

 騒がしい声を聞いて外の景色からバスの中へと視線を戻せば何やら自分たちの個性について話し合っているようだ。

 

「派手で強ぇって言ったらやっぱり轟と爆豪だよな!」

 

 名前を呼ばれた二人は興味が無いようでそっぽをむいている。

 

「爆豪ちゃんはキレてばかりで人気でなさそう」

「んだと!出すわコラ!!」

「ほら」

 

 まるで売り言葉に買い言葉、興味なさげにしていた爆豪はいっぺん、蛙吹の言葉に反応して怒鳴り散らした。

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだ様な性格って思われるのどうよ?」

「てめぇのボキャブラリーはなんだゴラ!!殺すぞ!」

 

 頭に血が上ると冷静になれないのか、蛙吹の言葉に乗っかるように上鳴が独特な表現で爆豪を煽るとオーバーリアクションと言って差し支えないぐらいにキレる。

 

「けどそれならガロウも凄いよな、その2人を圧倒ってよ」

「チッ・・・」

「・・・・・・」

 

 上鳴がこちらに振り向き話を振ってきたので意識をそちらに向ける。爆豪は舌打ちをして、轟は興味なしとでもいうかのように無反応。

 

「俺もガロウには驚いたぜ。増強型ってだけであそこまで戦えるモンなのか?」

「いや、別に増強型だからって訳じゃない」

「ならどういう訳なのかしら?」

 

 バスの中にいる殆どの者が蛙吹の問い掛けに対してガロウがどう答えるのだろうかと、興味を持った表情でガロウを見つめる。

 対するガロウは再び肘をつき、顎に手を当てて至極当然のことを言うように呟いた。

 

「個性は無いものと思って、戦ってるからだ」

 

 言い放たれた言葉を聞きながらも殆どのものが理解出来ていなかった。

 

「それってどういうーーー」

「お前らお喋りはそろそろ終わりだ」

 

 理解しようとする為に発せられた緑谷の言葉は全てを言い切る前に相澤によって断ち切られた。

 

 

 

 ◎

 

 

 

 

 見渡せば何でもある。

 山、海、川、森に住宅街。

 頭上を見上げれば雨風を凌ぐためなのかドーム状の屋根あるが、それが目に入ることさえ無ければ外だと思うぐらいに広い。

 

「すっげー!でけぇ!USJかよ!」

「水難事故、土砂災害、火事etc.....

  ここは僕が作ったあらゆる事故や災害を想定した演習場。その名もーーー」

 

「ウソの災害や事故ルーム!!」

 

((USJだったァ!!))

 

 教師としてこの場に来ていたヒーロー、スペースヒーローの「13号」の言葉に周りの生徒達が沸き立った。

 名前が体を表すかのように、ヒーローネームに従った姿をしたヒーロー。宇宙服を模したスーツを身にまとった彼はとても戦闘などが出来そうには見えない。

 

「えー・・・、始める前にお小言を一つ二つ・・・三つ・・・、四つ・・・・・・」

 

(増える・・・)

 

「皆さんご存知だとは思いますがーーー」

 

 13号の言うことは個性飽和社会の現状、個性の危うさ、そしてその危うさを如何様にして人のために使うかである。

 

「以上、ご清聴ありがとうございました!」

「ステキー!!」

「ブラボー!!ブラーボー!!」

「んじゃ、そろそろ」

 

 麗日や飯田、相澤、他の生徒たちの声が騒がしい中でもガロウは神経を張り巡らせていた。

 

 頭の片隅に残っていた光景、警告。

 

 崩れ落ちていた雄英高校の鉄壁の門。

 

 だからこそ気づけたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「っ・・・・・・・・・・・・」

「ーーーっ!!一塊になって動くな!!13号!!生徒を守れ」

 

 闇が蝕むように空間に穴が空いていく。

 次いで、それに相澤が気付いた。

 相澤の大声に対する生徒達の反応は鈍い。当然といえば当然だろうが、そんな事を考慮してくれる程に今の現状は親切ではない。

 

「全員動くな!アレは・・・(ヴィラン)だ!!」

 

 闇が一気に空間を侵食し、一人、二人とその闇から姿を現し出る。

 

「13号避難開始!学校に連絡を試せ、上鳴お前も個性で連絡を試してみろ」

「了解っす!」

「先生はどうするんですか?個性を消すって言ってもあの数じゃ!!」

「安心しろ緑谷、一芸だけじゃヒーローは務まらん。・・・13号、ここは任せたぞ」

 

 生徒を安心させるような声音で言った相澤は現れた複数の敵へと駆け出す。それと同時に13号が生徒達の避難を開始しようとした。

 だがそこで、誰かが気づいたように言った。

 

「ねぇねぇ・・・ガロウくんはどこ行ったの?」

 

 言われて全員が周りを見回すもガロウの姿はどこにもない。ガロウが居ないという状況に何人かが慌て始めた時、ちょうど相澤が敵の射撃範囲に入ろうとしていた。

 

「真正面から突っ込んでくるとは!」

「大マヌーーー」

 

 敵の言葉はそこで区切られた。

 相澤による攻撃・・・・・・では無い。

 誰も気付かなかった。敵全員が、生徒達全員が、相澤でさえも予想外だった。

 立ち込める砂塵の中に意識を刈り取られて倒れ伏す敵が三人、その中心にガロウは立っていた。

 

「なにっ!?」

「えっ!」

「どこから!?」

 

 敵も、生徒も、教師も誰もが三者三様、様々な反応を見せる中で既にガロウは動き出す。敵を一撃で昏倒させると次の敵を掴み未だ行動を起こさない複数の敵に投げ飛ばした。

 そこまでの行動を見て相沢が、次いで敵が動き出す。

 

「拳獣!!」

 

 近くの敵を二人捕縛して頭同士をぶつけさせガロウの下に駆け寄ろうとするも如何せん敵が多い。しかし、注視してみると自分よりも戦い方が上手く、危なっかしい所など何処にもない。

 敵に蹴りを入れたガロウが名を呼ばれた事に反応したのか側に駆け寄ってきた。

 

「拳獣、勝手に行動をするな。

  と、言いたいが・・・事態が事態だ」

「・・・どうしろと?」

「一人だけ敵を逃した、他の生徒達の方に行ってる。厄介そうな敵だが13号のサポート・・・出来るか?」

「了解です」

「合理的に行動しろ、説教は・・・・・・その後だ」

 

 話を最後まで聞き終えたガロウはすぐさま地を蹴る。僅かに足を曲げて、溜め込んだ力を解き放つように一気に伸ばした脚は速さに特化した飯田にも負けないスピードでガロウの身体を押し進める。

 クラスメイトの方を確認すればーーー生徒達の周りを黒い霧のようなものが覆っている。成程、あのモヤ自体が敵なら確かに厄介そうな敵である。

 

「まずは様子見だな」

 

 遠くから見ていた限り、クラスメイト達が苦しんでいた様子はなかったため、あのモヤは毒の類ではない。モヤの中から敵が出てきたことから、恐らくあのモヤは転移や転送を行う能力がある。実際、何人かのクラスメイトはその能力で飛ばされたのか姿が見えない。

 不用意に接近はまずい。

 走りながら地面に腕を突き立て、抉り、舗装されたコンクリートの破片を思いっきり投げつけた。

 

「なんだ!!」

 

 いきなりの奇襲は失敗。コンクリートの破片はモヤを突き抜けて飛んでいったり、モヤ自体に飲み込まれた。

 しかし、幸運なことに警戒したのかクラスメイトと13号からその敵は間を開ける。

 生まれた隙を見逃さずにガロウは一瞬で13号の下に駆け寄った。

 

「拳獣くん!何をしてるんだ君は!?」

「無事でしたか、拳獣くん」

 

 飯田と13号の声を聞きながらもガロウは目の前の敵から目を逸らさない。

 

「まさか、いきなり攻撃してきたその彼は生徒でしたか。てっきり我々の知らないヒーローだと思いましたよ。

 いやはや、油断は禁物。彼はとびきり優秀なようだ」

「褒められても嬉しく無いな」

 

 敵の言葉を適当に聞き流していた時、13号が見えない口を開いた。

 

「ここから一人だけ、助けを呼ばせに生徒を逃がします。飯田くん、君が行きなさい。申し訳ないですが、ガロウくんはその援護を」

「な、何故僕が!?」

「了解です」

 

 驚く飯田に対してガロウは素直に頷く。様々な経験をしているガロウの決断は早い。

 

「飯田、お前は学級委員長だろ?何が自分に出来てその中で何が最善なのか分かるはずだ。お前は賢いからな」

「・・・・・・分かった」

「行きなさい、飯田くん!」

 

 13号の声に弾かれたように飯田は個性を使い走り出し、それに対応するように敵も動く。

 そしてガロウも、未知なる敵にーーー僅かに心踊らせーーー地を蹴った。

 

 

 

 

 





はい、という訳でUSJの話に突入してヴィランと初の出会いです。
いやぁ、どうなるんでしょうか・・・、主にヴィランが・・・・・・。

えーと、まずアンケート的なやつ、活動報告でやるので興味ある方はそちら見てくだされば嬉しいです。
感想で書いてたのに、運営から消されてしまった読者の方々、作者の知識不足です。すみませんでした。

さて、前話での感想も色々頂きました。
色々気付かされることもあります。

『ガロウはラブラブしてるのは似合わなさそう』

・・・確かに分かる。
とかっていう風に、感想見てて、あ~、成程なぁってなる時もあります。

作者の体調の事を気遣って下さる方もいて感激です。

『好きです。(作品が)』

いきなりの告白かと思いました。
女だろうが男だろうが、どっちでも無かろうがドンと来い!
(とか言ってたらとんでもないことになりそうですね。)

はい、という訳でこれからどんどんと話は加速(予定)していきます。
では、また次回。


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