The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題) 作:十五夜の月
ゆったり行きましょ・・・
能力の詳細が分からない以上、下手に接近するわけには行かない。下手をすれば自分も他のクラスメイトたちのようにどこかに飛ばされかねない。
「行かせん!!」
「それはこっちのセリフだ」
床を抉り、舗装されていた地面の破片を全力で投合。さながら威力は規格外サイズの散弾銃と言った所である。
手応えも感じられず効いているようにも感じないが敵、黒霧の脚は止められる。
「こんなもの、効きはしない」
「僕の個性なら関係ないでしょう!」
既にガロウは攻撃を起こした場所に離脱していた。合わせたように13号の個性ーーーブラックホールーーーが発動。何でも吸い込み分解する超重力が黒霧に向けて解放された。
「ぬっ・・・ぐおぉぉお!?」
光すら吸い込む超重力が黒霧を捉えた。徐々に徐々に黒のモヤが13号の許に引き寄せられていく。必死に耐えているのか中々、距離は縮まらない。
しかし、確実に黒霧は漆黒の重力場に引き寄せられている。
「全力・・・です!!」
「っなに!?」
ガクンッ、と13号の吸引力が一気に上がり、その力に黒霧が負けた。
踏ん張りが利かなくなったのか既に黒霧と13号との距離は2mをきっている。まるで掠れた筆をさっと引いた様に黒いモヤが吸い込まれ始めた時、
ガロウが13号の身体を横に突き飛ばした。
「っ・・・拳獣くん!なにを!?」
「ほぉ・・・気付きましたか、やはり優秀」
体勢を崩した13号とガロウの横を黒霧が通り抜ける、目指してるのは出口に手を伸ばす飯田だ。
しかし、それをみすみす見逃す程にガロウは馬鹿でも弱くも無い。直ぐに足に力を入れ直し黒霧に向かって駆け出しーーーそして見た。
「やらせへん!」
飯田を守る為に動いていたのか、黒霧の直ぐ背後に麗日が迫ってたのだ。
「服を着てるってことは、少なくとも実体はあるんちゃうかな?」
ある種の賭けのような行動。
もし、実体と非実態の箇所を自由に切り替えられるとしたならば一瞬で麗日が危険な状態になるだろう。
「瀬呂!テープ!!」
「おう!!」
走りながら振り返らずに声を上げ、後からの短い返事を聞きながらもいっそう強く地を蹴り一気に距離をつめる。
「タッチ!」
結果だけを言うのであれば、麗日の行動は成功した。しかし、黒霧の身体にかかる重力が無くなっただけであり、麗日が危険なことに変わりはない。
「小娘!」
「伏せろ、麗日!」
案の定、標的を飯田から麗日に変更した黒霧のモヤが襲いかかろうとした瞬間に伏せた麗日の頭上を飛び越えたガロウの足が、黒霧の実態部分を捉えた。
重力を受けれない黒霧はガロウの蹴りを受けて踏ん張ることすら出来ずに弾かれる。
「よし!捉えた!」
「俺に任せろ、瀬呂!」
黒霧の身体に瀬呂のテープが貼り付き、逆端を砂藤が掴み力一杯に振り回し始め、投げ飛ばした間に飯田が扉を開けて外に出たのをガロウは確認した。
「・・・・・・逃げられましたか」
焦ることなく、不気味な程に冷静に呟いた黒霧の身体が黒いモヤに包まれていく。
「ならせめてーーー」
「13号と、それから特に優秀な彼だけはここで始末しておきましょう」
「っ!避けろ13号先生!!」
避けれたのは本当にたまたまだった。
音もなく匂いもなく、だがそれでも本来感じることすらなかっただろう物を感じて叫んでいた。
脊髄反射よりも早い反射神経で飛び退いたガロウの元いた場所が黒いモヤに抉り取られている。
「先生!」
誰かの叫び声で気が付き13号の居た方に目を向ければ、背中を黒いモヤに抉り取られている。
「まさか、あれを避けるとは・・・まぁ、13号を始末できたので良しとしましょう」
その言葉を最後に黒霧は闇の中へと姿を消して行く。恐らく移動する場所は相澤が他の敵と戦っている広場だろう。
「麗日、13号先生を頼むぞ」
「ガロウくんは?」
「先生の援護だ」
短く答えて走り出す。
他のクラスメイトたちから制止の言葉をかけられるがガロウは止まらない。
未知なる脅威に心踊らせ、駆け出したのだから。
◎
「だいぶ数も減ってきたな・・・」
相澤が捕縛武器を引き寄せて二人の敵を無力化する。既に何人もの敵が無力化されており残りは僅か数人といった所である。
そんな相澤のことを離れた所から見ていた敵が首筋を指で掻きながら見ていた。
「はぁ・・・有象無象じゃ、どう足掻いてもこんなもんか」
身体中に手の様なオブジェを付けた敵はある種、予想していたように呟いた。
顔に付けた手のオブジェクト、上から被さるようにして伸びている前髪、その僅かな隙間からチラチラと見える目は相澤の事をじっと見ていた。
獰猛な猛獣の様な目ではない。冷静に、観察して分析するかの様な、普通の敵とはまた違った目をしていた。
その横で、黒いモヤが広がっていく。
「戻りました死柄木」
続きの言葉を促すように死柄木と呼ばれた男は黒霧の方を向く。
「すみません、生徒に一人逃げられました」
「は?・・・おいおいおい
・・・・・・・・・・・・黒霧、お前がワープゲートじゃなかったら殺してたぞ?」
「すみません」
誰もが怯むであろう殺気を浴びせられているのにも関わらず、黒霧は怯んだ様子すら見せずにやんわりと謝罪の言葉を口にした。
「だったらせめて、ちょっとでも平和を守る者を打ち砕いていこうか」
「分かりました」
死柄木の意見に黒霧が同意したのと、相澤が最後の敵を無力化したのは同時だった。
最初に動き出したのはやはり相澤。そして、焦っていた。
ーーーあっちには13号が居たはずだが・・・。
考えても状況が好転する訳では無いのは知っていたが、嫌な考えが頭から離れない。それを振り払うようにして手を横薙に払うがそれは避けられる。
「生徒を安心させる為に飛び出してきたのか?」
「・・・・・・・・・」
「イレイザー、お前の個性、多対一には向いてないだろ」
見抜かれている。
僅かな焦りと共に繰り出した肘打ちは容易く受け止められた。
「無理をするなよ、イレイザー」
「っ!?」
鋭い痛みと共に肘にヒビが入り、ボロボロと崩れ落ちていく。
直ぐに蹴りを入れて距離を空ける。
異質な個性に驚きはしたが、辛うじて腕は動く。焦りを悟られないように構えた。
そんな相澤を見て死柄木は思い出したように表情を変える。
「あぁ、そうだイレイザー・・・。
本命は俺じゃない」
背後に立つ気配に気付き、振り返る。
「本当はオールマイト用に用意したんだけどな。対平和の象徴、脳無だ。
ーーー楽しんでくれよ」
デカい。
体格で言うのならオールマイトよりもデカいかもしれない巨体。
脳が剥き出しなところが嫌悪感を強く感じさせる。ハッキリと言って異常だ。
「・・・・・・何分もつか、楽しみだな」
小説情報見てたら結構な回数読んで頂けてることに気付く今日この頃です。
いやぁ、頭が上がりませぬ・・・。
いろんな感想が来てました、ありがとうございます。
励みになる言葉とかもあって嬉しかったですね。
これからもよろしくお願いします。
そう言えば最近、暑くなってきてタンクトップ着てる人とかよく見ていて、自分も着たいと思ってしまい、似合う身体になるように毎日筋トレをしてるンですが・・・・・・。
アレですね、やっぱりキツイですねー、筋トレ。
いつか、ワイルドスピードのホブス位の肉体になりたいと、叶わぬ夢を思い続けています。
何の話だよ、という感じですが今回はここまで!
ではまた次回!