The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題)   作:十五夜の月

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前の話の文字数を超えちゃった!
その場面の状況を上手く文字で表現出来ない事に何とも言えない感情を抱きながら書いてます。
しかし、ここまで自分に文章力がないとは・・・
拙い文章力ですが今回もゆったり読んでください。



実力差

 昼休憩も終わり、いよいよ最終種目発表という事でグラウンドに降りてきてみれば少し異様な光景、と言うよりも何故かチアリーダーの格好をしたA組女子達が居た。

 

「・・・ねぇ、拳獣。あれ何?もしかして、私らB組もやらなきゃいけないの?」

「そういう訳じゃ無さそうだが?」

 

 丁度グラウンドに来たB組の中から、不安そうな表情で聞いてきた拳藤に適当に応えながら周りを見れば、この珍妙な光景を生み出した二人を見つけた。

 

「いやぁ〜、良いですなぁ」

「やっぱり、名案だったな!」

「ーーーお前らにしては、大成功ってとこだろうな?」

「「拳獣!?」」

 

 後ろめたさからか、それとも単に突然後から肩を組まれた事に驚いたのか、峰田と上鳴が肩を跳ね上がらせながら絶叫にも似た声音で叫ぶ。

 

「なんだよ拳獣!?別にいいだろ!?」

「そうだぞ!お前も嫌いじゃないだろ!」

 

 ダメ元でも良いと、ガロウを仲間に引き込もうかと囁きかける二人。僅かに力を込められた腕にまた肩を震わせる。

 だが、発せられたのは意外な言葉だった。

 

「まぁ、悪くは無いな」

「「へっ?」」

「良く鍛えられてる」

「「そっち!?」」

 

 まさか同じ事を考えている同士かと喜んだ二人であったが、自分たちとはそもそも見ていた視点が違っていた。

 だが、どうやら説教をしてくる気配もなかったので、結果的に二人は安堵する。

 

「騙しましたわね!?峰田さん、上鳴さん!!って、拳獣さんもですの!?」

「・・・こいつらと同類扱いはやめろ」

「もう手遅れだぜ、拳獣」

「あぁ、俺らは既に同士だ」

 

 迷惑でしかない仲間だぞ発言といい笑顔にイラッとしたので、安堵していた二人を女子達に投げ飛ばすようにして腕組を解いた。

 裏切り者、と叫びながら叩かれまくる二人に頑張れとエールを送ってその場を離れる。二人の身体に幾つの紅葉が出来るか、楽しみにしておこう。

 

「なに?拳獣って筋肉フェチ?」

「・・・・・・拳藤、絶対にそう呼ぶんじゃねぇ、特にお前のクラスの物間に聞かれるとーーー」

「聞かれると?」

「煽ってくるたびに、アイツを全力で殴ることになる」

「・・・うん、それはやめてくれ。多分、死ぬ」

 

 吹き出しそうになるも寸でのところで堪えて集合する。既にミッドナイトが壇上に立っており、トーナメントの説明を始めようとする。

 だが、その直前に待ったがかかった。手を上げたのは余りパッとしたところがない尾白。

 

「すみません。俺は最終種目、辞退します」

 

 ざわめき声が上がる。

 ここまで勝ち上がって来たと言うのに、ここで辞退する理由が分からなかったからだろう。更に尾白に続くようにして、B組からも辞退するものが一人だけ現れた。

 話を聞いている限りだと、何故か騎馬戦時の記憶がほとんど無く自身の実力を出せたかどうかも分からない。ならば、自分たちは最終種目に出るには相応しくないという考えに至ったらしい。

 

『どうなんのこれ、イレイザー?』

『ミッドナイトの采配次第だろ』

「・・・そういう青臭い話はさ、好み!!

  尾白、庄田の辞退を認めます!」

 

 好みで決めるという立場的には如何な判断によって、二人の辞退は正式に認められた。

 順当に考えれば抜けた二人に代わってトーナメントに進出するのは拳藤チームの誰かになるのだがそれを拳藤達は断り、鉄哲チームから鉄哲と塩崎が進出した。

 

「それでは、対戦相手はクジ引きで決めるわよ!」

 

 各自が順番にクジを引いた結果、ガロウは三回戦目に切島と当たる事になった。この試合を勝ち進めれば、第四試合のB組の鉄哲か少し気になっていた普通科の闘千と当たる事になる。

 第一試合では、気になっていた内のもう一人の普通科生徒、心操が緑谷と当たっている。両名共に余り手の内を知らない、心操に至っては接点すらないため、観察できる機会があることを僅かにだが喜んだ。

 

 

 

 

 ◎

 

 

 

 

 レクリエーションも終わり、セメントスによる舞台建設も完了に向かうに比例して会場のボルテージが上がってゆくのを肌で感じる。

 ここからが本番と言っても過言ではないだろう。最終種目が、いよいよ始まる。

 

『さぁ、遂にここまでやってきた!!やっぱり最後はこれだ、ガチンコ勝負だ!!準備はいいか卵共!?良くなくっても始まるかんな!!最後まで全力で戦い抜けや!!!』

「・・・全力か」

 

 出すことにはならない、その考えは慢心でも何でもなく客観的に自身の実力と他の実力を比べて出た答えだ。

 

「そうだぜ、拳獣!全力でやろうぜ!!」

「・・・そうだな」

 

 己の拳をガンガンと合わせて言ってくる切島を見て考えれば、確かに硬化の個性を持つ切島と自分の相性は悪い。直接戦ったことも無いので、いったいどれだけの硬度を有しているのかも分からない。

 しかし、それでも負ける気はしなかった。

 既にガロウの興味は、舞台の上で緑谷と相対して立つ心操に向けられている。

 

「勝者、緑谷くん!二回戦進出!!」

 

 結果として、心操は緑谷に負けた。

 洗脳という、戦闘には向いていないが非常に強い個性で緑谷を追い詰めたが途中で緑谷が正気に戻ってからは早かった。

 尾白から対策を聞いていたらしく、洗脳を解いた後は一言も喋ることなく勝負を決めていた。

 

「とんでもない個性だな・・・」

 

 舞台を降りていく心操を見ながら、ガロウは若干安堵する。仮に、心操の個性を聞かずに戦うことになっていたとしたら負けていた可能性は大いにあったからだ。

 だが、これで一つの脅威は去った。

 

「拳獣くん、切島くん。そろそろ控え室に行った方がいいのではないか?」

「そうだな!先行っとくぞ、拳獣!」

「頑張れよ、二人とも!」

 

 背に受ける声援にヒラリと手を降って応え、控え室に向かう為に通路に出る。

 数分経ったぐらいだろうか。何やら轟音とどよめきが聞こえたかと思うと、轟の勝利と二回戦進出を知らせる声が聞こえてきた。

 

「・・・早すぎんだろ」

 

 制限範囲が決められていることを考えれば、轟の氷結の能力はとてつもなく有利だったがそれにしても早すぎる。

 

「さて・・・と、いよいよか」

 

 舞台の整備も済んだ。

 控え室を出て、舞台に歩を進める。

 

『続いて第三試合!!

 男気一筋ど根性!硬化!切島鋭児郎!!』

「いよっしゃあ!!!!」

 

 プレゼントマイクの紹介に合わせて切島が舞台に上がり、鼓舞するように気合いの入った雄叫びを上げた。

 ガロウも舞台に足をかける。

 

『正直言って実力が読めねぇよ!けど絶対にコイツは強いぞ!!拳獣 ガロウ!!』

「・・・・・・」

 

 試合開始が知らされると同時に、切島は腕を硬化させると構えをとる。それに対するガロウはただ普段の様にゆっくりと歩を進める。

 散歩でもしているかのように、警戒してる素振りもなくゆっくりと切島に向かって歩く。

 

『おっと、拳獣!構えることなく切島に近付いていく!』

「何のつもりか知らねえけど!遠慮なく行くぞ!!」

 

 近付いてくるなら迎え撃つと、短くステップを刻むと全力で硬化させた腕を振り抜く。ガロウは迫る拳を難なく受け流した。

 

「まだまだまだまだまだまだまだまだ!!」

 

 当たらなかったからどうした、何度も何度も拳を打ち出しては引き戻し、打ち出しては引き戻すを繰り返す。

 硬化の硬さにそこそこの速さも相まって、並の人間に当たればタダでは済まない。生憎とヒーロー科に在籍するものは皆が並の人間ではないが。

 中でも特にガロウは一線を画す。

 

『ラッシュラッシュ、ラッシュ!!!!切島、何度も拳を突き出す!けど・・・・・・一発も当たってねぇ!!どうなってんだよ!?』

『襲撃騒動の時に見たが、全部の攻撃を完璧に逸らしてやがるな』

『はぁ!当たってないなら切島の攻撃意味ないじゃん!?』

『・・・いや、それはどうだろうな』

 

 四十発以上の拳を流水岩砕拳で受け流した所で、双方が一度大きく距離を開けた。ガロウは自分の拳に視線を下ろしてから、切島を見据える。

 

「っ・・・、お前の攻撃なら効かねぇよ!!」

「へぇ、思ってたより硬い」

 

 様子見として力を抑えて此方からも何発か攻撃を叩き込んでみたが、意外と固く完璧に打撃が通らなかった。しかし、もう少し威力を上げれば問題は無い。実際に多少のダメージは入ってるようだ。

 

「切島。少しやり方を変えるぞ」

「何をしたって無駄だぜ、拳獣!」

 

 走る勢いに乗せて繰り出されるテレフォンパンチ。それを弾いて手首を掴む。

 

「つ〜かま〜えた」

「っうぉお!?」

 

 前に進む力を利用し腕を捻りあげながら体重を掛けて地面に押し倒せば、綺麗な関節技が決まる。反射的に全身を硬化させて地面との激突をノーダメージにしたようだが、そのせいで動きは封じられたのだ。

 

「どんなにお前が硬かったとしても、こんな風に対処は簡単だ」

 

 余りの早業にワンテンポ遅れてからの歓声。切島にとってはそれが悔しく、何とか逃れようと藻掻くがビクともしない。

 数十秒程が経ち、切島が僅かに諦めようとした所で不意に拘束が解かれた。

 

「なんのつもりだよ?」

「殴り合いだ。好きだろ、多分?」

 

 一歩引いた位置から見下ろしてくるガロウに僅かなイラつきを覚えつつ、切島は立ち上がり全身を硬化させる。聞かなくとも、下に見られている事が切島には分かった。

 

「後悔しても知らねぇかんな!!」

「そういうのは、まともに一発でも当ててから言え」

 

 向かってくる拳を、一歩も動くことなくガロウは迎え撃った。硬化された拳に生身の拳をぶち当てる、十人が聞けば十人が無茶無理と応えそうな荒業をガロウはやってのけている。

 この荒業に誰よりも驚いたのが切島だ。硬化している拳はただ単に硬いだけではないことを、本人だからこそよく知っている。硬化した皮膚は剃刀のように鋭いのだ。幼い頃の実体験でそれはよく知っていた。

 

「っどーなってんだよ!?」

 

 疑問が困惑が、思わず漏れ出すが目の前の男は応えない。ガロウのその冷静さに、切島は焦ってしまった。焦りにより、パンチの威力に意識が傾いてしまい、ほんの僅かだがやや大振り気味になったのだ。

 

「もうそろそろ、いいか」

「っーーー!?」

 

 急に視界からガロウの姿が消えた。突き出した拳を潜り抜けて、懐に入られた事に気付くのが少し遅れた。視線を下ろせば、意地の悪い笑みを浮かべたガロウが自分の胸部に掌を添えている。

 密着された状態からパンチは無理だと分かってる。だが、猛烈に嫌な予感がする。反射的に全力で胸部を硬化させたのは勘だ。

 

「無駄だって」

「っ!!?」

 

 それは切島にとって初めての体験となる。

 身体が内側から爆発した様に錯覚した。強烈な痛み、次いでコンクリートの冷たさと固さが今の自分が舞台に横たわっていることを教えてくれる。

 彼方に飛んでいく意識の中で、ガロウという男と自分の間にある決定的な差を理解した。

 

「いい運動にはなった、ありがとな」

 

 嫌味にしか聞こえない言葉を最後に、切島は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回も読んで下さりありがとうございます。

感想にガロウの性格についてのがあったんですが、
実はヒロアカの世界に来てのガロウの性格とかがまだしっかり固まってません!ブレブレかもしれないです、ゴメン!!
ガロウからすれば緑谷達って子供だと思うので、接し方を厳しくすべきか優しくすべきか・・・

他にも感想頂いてます!
幾つか載せさせて貰います。

ガロウがヒーローを目指しているだけで本当に嬉しい…。
この作品好きです、頑張って下さい!

爆豪がガロウの弟分に見えて可愛い!
今回も最高でした次の更新も楽しみです

いやぁ、嬉しい!!
感想を見た時はスキップしたいくらいに嬉しくなりました!ありがとう!!これだけで頑張れる自分は単純だと思う。
これからも質問や感想を待ってます!

次回はオリキャラと鉄哲の勝負になります。
それでは皆さん、さようなら

追記
ガロウに好みの女性のタイプとかあるのかな?
あ、因みに作者は腹筋割れてそうな女性とか好みです。
なので最近はミルコに蹴られたい・・・、て思う事があって私やべぇなって思ってる。
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