The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題) 作:十五夜の月
あぁー、久しぶりに投稿した・・・
久しぶり過ぎる気がする・・・
取り敢えずヌルッと本編どうぞ
「なあなあ!どうだった俺の試合?」
「・・・しつこい」
試合を見届けて観客席に戻ろうとした所を、試合を終えた闘千に捕まった。
ヒーロー科の鉄哲と普通科の闘千、二人の試合は未だ会場をどよめかせている。
「凄かったろ?」
「いや、全然」
「あれ、思ったより厳しい!?」
「俺ならもっと上手くやる」
「・・・なんだ、つまんねーの」
闘千は面白くなさげに、溜息を吐く。
「もっとやる気出してくれるって、期待してたんだけどなぁ」
「出すわけないだろ、余裕な相手に」
険しい雰囲気が少し漏れだしたのを感じる。
だが、ガロウが態度を変えることは無い。挑発しているつもりもない、本心由来の態度である。
それが分かっているからこそ、闘千は憤慨を覚えていた。拳を握りしめて、そこを細かに震わせている。
「・・・あんな宣誓をしたのに、負けたら恥をかくレベルじゃないぞ?」
「勝てると思ってんのか?」
「思ってるさ、勝たなきゃ面白くない」
「あっそ」
留めようとする闘千の手をするりとすり抜け、廊下を歩く。
抱いていた興味、その殆どがガロウの中から既に霧散していた。
「闘千・・・期待はずれか」
「あ、お帰り拳獣くん!」
「おう・・・って、なんだあれ?」
「いや・・・なんというか、瞬殺」
舞台上には二人の男女、A組の上鳴にB組の塩崎。一言で言うとすれば、悲惨という他ない光景が広がってる。
ツルに縛られて動けないだけならまだ良かったーーーいや、良くないがーーー個性の副作用でアホ面を晒すという、少し哀れにも思えてしまった。
「頼りすぎだな」
「・・・頼りすぎ?」
「頭が足りてねぇ」
上鳴がもう少し賢ければ、結果は変わっていたのかもしれない。闘千と話していた間に飯田と芦戸の試合も飯田の勝利で終わっていたらしく、残す試合は二試合だけになる。
「凄かったわ、拳獣ちゃん」
「引くくらいに圧倒してたね!」
「いや・・・勝てて当然だ」
「出たよ、圧倒的才能マン・・・」
慢心でも増長している訳でもない、当然である事を言ってみれば何人からは何とも表現し難い目で見られる。
ここに切島が居れば、拳を握りしめて、膝を打っていたことは間違いであろうことをガロウは躊躇うことなく、普段の会話の調子で話すのだ。
轟や爆豪は当然、聴き逃しはしない。
「簡単に言うんだな・・・」
「まぁな」
「俺にもそんなこと言えるのか?」
ギラつく目で問いただす轟に対しても、ガロウの態度は変わらない。
「なら改めて言おうか?俺が一位になる」
「んだとテメェ!?一位になんのは俺だ!!」
「会話に割り込むなよ爆豪。お前はまだ試合すらしてないだろ」
「爆豪、一勝もしてないから説得力ないぞ」
「お前ら・・・今ここでぶっ飛ばす!!」
飛びかかろうとする爆豪と、それを全力で抑えにかかる瀬呂達。いつ見ても、いつもより血気盛んで、罵詈雑言を吐くその姿はヒーローと言うよりかは最早ヴィランだ。
「声が漏れてんだよ!!クソ割れ髪!!!!」
「わざと漏らしてんだよ」
「ぶっ殺す!!!!」
表情筋が切れるんじゃないか心配になるほどに、表情を歪ませまくる爆豪から視線を外して進行していく試合を観戦する。
上鳴のウェイな試合の次に行われた飯田と芦戸の試合。最後までスピードにものを言わせて場外まで押し出した飯田の勝利に終わる。
「爆豪、そろそろお前の番じゃん。用意しなくっていいの?」
「それぐらい分かってるわドンマイ野郎!!」
「コイツ、ヒデェ・・・」
落ち込んだ瀬呂をよそに、目に見えるのでは無いかと思うくらいの闘志を溢れさせて観客席から出ていった。
一足先に出て行っていたのか、爆豪の対戦相手である麗日の姿も既にない。二人が準備をしている最中でも、他の選手達の試合は続く。
「八百万さんと常闇くんの試合・・・」
「時間があれば、ヤオモモが有利だよね」
「逆に、創造する隙を与えなければ八百万は何も出来ない可能性が高い」
「あ、そうか・・・。創造の個性が使えない以上、身体能力の点で常闇くんに劣る」
常闇と向き合っている八百万もその程度の事は分かっているだろうが、表情から見抜く限りはいい案は浮かんでないようだ。
試合の結果は高確率で常闇の勝利だろう。
外れる方が難しい予想を考えて、ガロウは静かに目を閉じた。
◎
会場全体を震わせるような爆音でガロウの意識は覚醒した。砂埃の独特な匂いと、何かが焦げた匂いが鼻腔をくすぐる。
目を開けて見れば舞台はボロボロに砕け散っており、場外に倒れ伏す緑谷と壊れた舞台の上に立つ轟の姿を確認する。
どうやら、二試合分の時間を全て睡眠に費やしてしまったようだ。
「やっと起きたか、ちょうど起こそうと思っていたところだ」
「んぁ、悪いな常闇」
「お前の神経の図太さには感服する」
「それほどでもないさ」
話の次いでに寝ていた間の試合の結果を教えてもらえば、予想していた通り爆豪が勝ち上がっていた。
「緑谷は敗北か?」
「あぁ、中盤の粘りは見事だったんだがな」
「持久戦には向きそうに無いもんな」
「いや、それは轟も同じだった様だ」
説明を聞けば敵に塩を送ると言えばいいのだろうか、緑谷は轟に喝を入れた結果として敗北したらしい。
「何やりたかったんだよ、緑谷のやつ」
「それはあいつと轟しか分からんだろう」
「別にいいや、興味無いし」
運ばれていく緑谷、舞台を後にする轟の二人を見てもそこまで興味は湧かない。知る必要のないことまで調べようとする興味をガロウは持ち合わせていない。
「拳獣くん!次の試合は君が出るんだ!準備を始めなくっていいのかい?」
「ん?あー、舞台も修復中だしな、もう少しゆっくりするよ」
言われて次の試合が自身の出番である事に気付かされた。
対戦相手は例の普通科生徒、闘千。ぼんやりと頭の中で思い出しても、脅威には思えない明らかな格下。理由は特にないが、そんな男が流水岩砕拳で己に張り合おうとしている。
虫唾が走る。
『さぁ!準備は完了だ!!第二回戦、第二試合を始めるぞ!!』
プレゼントマイクの声を聴きながら、ガロウは思いついた。
「んじゃ、行ってくる」
常闇はハッキリと見た。ガロウの悪魔的と表現すべき笑みを。
椅子を破壊する勢いの蹴りで観客席を飛び出し、舞台へと飛び降りる。
『早速登場したのはヒーロー科、拳獣ガロウ!!
それに対するのは拳獣と全く同じ戦い方で見せ付けた普通科、闘千形象!!』
「・・・・・・同じ?」
入場ゲートから出てくる闘千を見れば不安など一切感じさせない、自信満々の表情を浮かべている。
絶対に勝てるとは思ってなくとも、可能性は有るとでも思っているのだろうか。
「自信有りそうだな?」
「おう、アンタには勝つさ」
思っているようだ。
「自分の技で負けたら、アンタはどんな顔をするのか興味がある」
「・・・思ってた通り、性格悪いな」
「いまさらだ、気にしない」
闘千は俺がしていたのと同じ構えをとる。
やはり流水岩砕拳を使うご様子だ。
『んじゃ、START!!』
合図と共に闘千が駆け出す。
一歩、二歩と確かに地面を踏みしめて向かって来る姿は、ガロウの目にかつてのB級程度のヒーロー達と重なって見えた。
お互いの射程圏内まで、既に残るは二歩程度の距離しかない。
ようやくガロウも拳を構える。
残り一歩。意外にも、拳を打ち込む準備に入ったのはガロウが先だった。
闘千は笑みを浮かべる。確かな自信を胸にその拳に己の手を、そっと合わせた。
「っーーー」
次の瞬間には吹き飛んでいた。
ガロウではなく、闘千が吹き飛ばされた。
自身の背に感じる激痛で、グラウンドの壁まで吹き飛ばされた事を理解する。口の中いっぱいの鉄の味と一緒に、脳内には疑問で溢れかえっていた。
「少し力を出せばこんなもんか・・・あまり調子に乗るなよ」
口いっぱいになっていた血と、苦痛を吐き出した時に、聞こえてくる声は冷ややかだ。
「それ使うなら、せめてあと百倍は強くなってからにしろ」
聞きながら、意識朦朧とする中で何が起こったのか理解した。受け流そうと合わせた己の手は押し切られ、少しの軌道をも変えることが出来なかった。
流す事の出来なかった一撃が、自分を一瞬にして場外に吹き飛ばし行動不能へと追い込んだ。
「俺とお前じゃ、格が違うんだよ」
まさに言葉の通り。油断大敵とはこの事。
言いたいことは言い切ったのか背を向けてガロウは歩き出す。
血に濡れた顔で背中を見る事しか出来ない闘千。その目にはとてつもなく巨大な壁が見えていた。
今回は表現が薄っぺらくなってしまった気がする。
ゴメンね!☆
改めて文で何かを表現するのって、難しいと思いました。
と言うよりも何かだいぶ久しぶりな気がする。
知らぬ間にUAも150000超えてたし・・・感想もありがとう!!
マジでありがとう!!
えーと、こんな感じですが今後も頑張って行ければいいかなって思ってます。
これからも沢山の方に読んでくだされば嬉しいです。
では、また次回。