The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題)   作:十五夜の月

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ちょっと期間が開きました。
今回はちょっと短めです。
まずは本編、ゆっくりどうぞ!


職場体験へ

 

なんとか全員のヒーロー名も決まり、授業が終了すると手渡されたのは大量の紙の束だった。

なんとこれら全てがヒーロー事務所からの指名の書類だそうで、珍しくガロウは深いため息を吐く。

 

「面倒だな・・・」

 

この一言に限る。

とにかく多すぎる書類の束を目の前にしてみると、一つ一つを確認する気など起こらないものだ。

考えてみれば書類の整理や確認などほとんどした事も無い。

 

「拳獣は幸せな悩みだな」

「どこがだ?俺は別にこだわるつもり無いんだよ」

「ふ〜ん、何処から来てんのさ?」

 

ため息に反応して書類を確認したのは瀬呂と耳郎の二人。そんな二人は直後、驚きの声を上げた。

 

「おまっ・・・!コ、コレッ!?」

「なにこれっ!?目が悪くなったのかな?」

「どうしたんだよ二人共?」

「なになに〜?何処からの指名?」

 

二人からの声に反応したのか、今度はそれを聞きつけて上鳴と芦戸の二人が寄ってきて、同じように驚き声を上げた。

 

「ちょっとこれ!?」

「ランク上位のヒーロー、総ナメしてんじゃねーか!!」

 

上鳴の言う通り上位ヒーローの殆ど全てから指名が入っている。

だがそれは爆豪や轟にだって言えるだろう。

 

「ランキングなんかは特に気にしてねえし、どれが良いとか正直分からねえ」

「確かに拳獣はランキングとか確認してなさそうだよねぇ」

 

ヒーロー自体に興味はあるが、好きなヒーローというものがガロウには無い。そういった訳でこの指名の量から一つだけ選ぶ作業に手間取っていた。

 

「まだ決まってないのか?」

「逆に聞くが、お前は決まったのかよ?」

 

思わぬ轟からの質問に、質問で返す。

轟は頷いて一枚の書類を、No.2ヒーローのエンデヴァー事務所からの指名書類を見せてきた。

 

「俺は親父の所に行く。まだ、決まってないなら拳獣も来るか?指名したって親父から聞いたけど?」

「あ〜・・・・・・っと、あったあった。これか」

「それだな」

 

書類の山から探してみれば確かにあった。エンデヴァー事務所からの指名書類。

 

「どうする?」

「悪くは無いな」

 

顎に手をやりながら考える。

クロの事務所からの指名があればそこに行きたかったが、職場体験は受け入れてない。

だとするならば他の事務所、それもヴィランに対応する可能性が高い事務所が良い。

 

そして、エンデヴァーとは少しとはいえ話した事もある。全く知らないヒーローという訳では無い。

 

「じゃあ俺、ここにするわ」

 

こうしてガロウの職場体験先が決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職場体験先の確定プリントを提出してから数日。職場体験当日。

 

「全員コスチュームは持ったな?公共の場所じゃ着用厳禁だからな、落としたりするんじゃないぞ?」

 

相澤からの注意を聞き終えるとA組一同はバラバラにばらける。向かう事務所が違うので当然のことだが方向が同じ者達も居る。

その中で、麗日が何やら飯田に向かって心配そうにしていたが何かあるのだろうか。

 

飯田の方は何か思いつめたような、これから職場体験に行く様な顔にはとてもじゃないが見えない。

 

「拳獣、早くしないと電車乗り遅れるぞ?」

「そうだな、行くか」

 

飯田の表情が僅かに引っかかったが、轟の言葉で視線を外す。

だが、真面目な人間ほど思い詰めれば先走ることがある事をガロウは知っていた。

 

「悪い轟、ちょっと先に行っといてくれ。直ぐに追いつく」

「分かった。改札で待っとく」

 

轟に断りを入れたガロウは、未だに思いつめた表情をしてる飯田に駆け寄り頭をちょっと強めに叩いた。

 

「いたっ!?け、拳獣くん?何をするんだ?」

「ど、どしたん拳獣くん?」

 

いきなりの事に飯田も麗日も驚いて此方に視線を向ける。

 

「なんか変な事でも考えてるだろ、お前?」

「いや、変な事なんて考えては・・・」

「考えてんだろ。そういう顔になってるんだよ、バレバレだぞ。正直言って、全く似合ってないな」

「ちょっと、拳獣くん!」

 

麗日は怒ったように声を出した。

しかしそのお陰なのか、飯田の表情は僅かに和らいだ様に思える。

 

「何考えてるかは聞かないし言わなくてもいい。けどそんな顔するのは止めろ。ヒーローが他人を不安にさせんな」

「・・・・・・そんなに酷かったか?」

「おう、少なくとも麗日にはそう見えたんじゃないか?」

 

それだけ言って飯田から離れる。そろそろ電車の時間だ。

 

「ありがとね、拳獣くん」

「なんにもしてないが?」

 

 

 

 

 

 

 

時間ギリギリで電車に駆け込み、轟と一緒に揺れに揺られて暫く。電車を降りてまた暫く歩いたころ。

エンデヴァーヒーロー事務所の立派なビルが佇んでいた。No.2ヒーローともなればこれぐらいのスケールは当然なのかもしれない。

 

「お前は来たことあるのか?」

「いや、ない。親父のことは余り好きじゃないからな」

 

受付で話をすると、社長室に通される。

社長と聞き、ガロウは改めてこの世界でのヒーローという存在の立ち位置を実感した。自分の目指しているヒーローとは違うヒーロー像に、少し気分が悪くなる。

 

「どうした?」

「ちょっとムカついただけだ」

「胃薬貰ってくるか?」

「そのムカつきじゃねえよ」

 

通された部屋に入れば椅子に座り此方を見つめてくるエンデヴァーが居る。

 

「よく来た焦凍。そして拳獣ガロウくん。

ようこそ我がエンデヴァーヒーロー事務所へ、歓迎しよう」

 

椅子から立ち上がったエンデヴァーは、此方の前まで歩み寄ってくる。こうして近くから見ると鍛えられているのがよく分かった。

 

「拳獣くん、決勝戦は見事だったな。素晴らしい戦いぶりだった」

「ありがとうございます」

「さて本題だ。

今回、お前達二人にはプロヒーローの真の姿を見せてやろう。テレビで見るものとは違う裏面や現場で何が起きているのかなど」

 

エンデヴァーはそれだけ言うと書類持ってきて手渡した。

内容はこの事務所でのルールや見取り図が記載されている。粗暴な人物と思っていたが、こういう所の気遣いは出来るようだ。

 

「さて、二人には早速コスチュームに着替えてもらおうか。更衣室に案内させる。着替え終わればいよいよ職場体験の始まりだ」

 

 

 

 

 





初めての方も、いつもの方も読んで下さりありがとうございます。

まずはお礼です。
お気に入り3000突破しましたぁ!!ありがとうございます!!
思わず二度見しましたね、その後にガッツポーズしました。
めちゃくちゃ嬉しいです。一つ段階を上げれたかなって思います。
これも呼んでくださってる方々のお陰です。
本当にありがとうございます。

続いてはお知らせ・・・という名の宣伝です。
以前からオリジナル小説を書こうと思っていたのですが、
小説家になろう様でオリジナル小説の投稿を始めました。

「白き狐は血に染まる」というタイトルの小説です。

ハーメルンでも各章ごと纏めて投稿して行こうかなと思っていますが
URLも貼っときますので気になる方は読んで下さい。
・・・・・・気にならなくても読んで下さい!!
また、活動報告にも書いておきます。
出来れば、出来れば評価して頂ければ嬉しいです・・・。

URLです。 https://ncode.syosetu.com/n4280fm/

宣伝の話が長くなりましたが、此方の小説も、オリジナルの小説も両方とも頑張って投稿していきます。
何時も読んでくださった方も、初めて読んで下さった方も、これからもよろしくお願いします。

次回もお楽しみください。


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