The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題)   作:十五夜の月

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雄英高校入学
個性把握テスト 上


 

 

 

春とは、一年という期間において全ての始まりである。

そんな一年の始まりにガロウはと言うと。

 

「ズガ〜・・・グガァ〜・・・」

 

ただ寝ていた。

 

「グコォ〜・・・・ンガッ!」

 

目を覚まし、時計に目をやる。

時間は既に起床予定の時刻を大幅に過ぎていた。

 

「っ、やべっ!!」

 

ベッドから飛び起き、コンビニで買っておいた携帯食糧を片手に家を飛び出しーーー

 

「違ぇ!制服だ、制服」

 

普段着ていないから忘れていた。今日から雄英高校の生徒として学校に通う事を。

新品の制服に腕をとおして玄関とは逆方向、ベランダに足を運ぶ。

 

「こっちから行きゃ、間に合うか」

 

ガロウは躊躇うことなくベランダから飛び出した。

目の前の電柱に着地して、更に高く更に遠くへと飛ぶ。一般人からすればとんでもない光景ではあるが、当の本人、ガロウにとっては何かを食べながら出来るほどに簡単だった。

 

約数分後に普通に道を行くよりも早く、そして息を切らせることも無く、余裕で雄英高校にたどり着いていた。

 

「えーと、こっちの教室か・・・」

 

渡されていた資料に従い移動する。

そこは予想以上にデカい扉。

 

ーーーあぁ、バリアフリーってやつか。

 

一人で勝手に納得しながら扉を開ける。

 

 

「だから先程から言ってるだろ、机に足を掛けるなと!」

「うっせぇーな!関係ねぇだろ、端役が!」

 

 

騒々しい言い合いが繰り広げられていた、うち一人はあの時の真面目君。

巻き込まれるのも面倒なので手早く座席を確認して席に着いた。

 

「ねぇねぇ、君きみ!」

「あぁ?」

 

担当教師が来るまで寝ようと考えたガロウは声のした方に目を向ける。

 

「君って確か0ポイント倒してた人だよね?私、葉隠 透、よろしくね!」

「拳獣 牙狼だ。ガロウでいい」

 

軽く挨拶を交わして寝ようと思ったのだが、この短い会話に他の生徒も反応してしまった。

 

「オレも見てたぜ!凄ぇよな!オレは瀬呂 範太だ、よろしくな!」

「オレは上鳴 電気。アレを倒せるなんてあんたヤベェよ!」

 

急に集まってきた生徒達を鬱陶しく思いつつも邪険にすることは出来ずにガロウはやんわりと対応する。

 

「お友達ごっこしたいなら、他所へ行け!ここはヒーロー科だ!」

 

入口の方から聞こえた声に全員の意識が向いた。目をやると二人の生徒、そしてその後に寝袋に身を包んだ小汚い男が立っていた。

 

「はい、皆が静かになるまでに8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね。

担任の相澤消太だ、よろしくね」

 

ーーー担任かよ!

 

何時もは冷静なガロウも突然の教師に見えない教師の登場に心の中でツッコミを入れる。

覇気も感じられなければ特別に強いとも感じられない・・・イマイチだな。

戦闘意欲は掻き立てられない。

 

「全員、これを着てグラウンドに出ろ。同じものが机の横にかかってる」

 

机の横を見るとぶら下がった紙袋の中に上下揃った体操服が入ってる。

 

「先生、質問よろしいですか!」

「自分で考えろ、以上」

 

本当にアイツが教師なのか。

真面目くんの質問を無視して出ていく担任に疑いの目を向けつつも遅れれば面倒になる事は何となく分かったので、ガロウは素早く着替える。

 

「何やってるんだ君!まだ女子が居るじゃないか!」

 

着替えてると真面目くんにそう言われたが、ガロウは別に気にしない。

 

「インナー着てるんだから問題ねぇだろ。と言うより、お前らも急いだ方がいいぞ、あの人の性格的に」

 

真面目くんにそう応えると教室からグラウンドに向かう。

しかし、渡されていた資料には今日の予定は入学式とガイダンスと書かれていた、なのにいきなりグラウンドに出ろってどういう事だ。

考えても仕方が無いのでボーとしながらグラウンドで待つこと数分。やっとクラスの全員が集合した。

 

「やっと全員揃ったか、じゃあ今から個性把握テストを始めるぞ」

「「個性把握テスト!?」」

 

何人か驚きの声を上げるが、別に驚くことではないはずだ。教師が生徒の個性を知らない訳には行かないだろう。

 

「入学式は?ガイダンスは?」

 

なるほど、そっちの驚きか。

 

「ヒーローにそんな事する悠長な時間なんて無い。雄英高校は【自由】な校風が売り文句だが、それは先生側も同じことだ」

 

という事は、定められたルールに則らなければ一発で退学も有り得る、という事。

はぁ・・・笑えねぇ。

 

「どうやら一人気付いた様だが・・・。

まぁ、先に進もう。お前ら、中学の頃やっただろ?ソフトボール投げとかの個性禁止の体力測定」

「それをやるんですか?」

「そうだ、それを個性を使ってやる。爆豪、お前の中学の時のソフトボール、記録いくらだ」

「67m」

 

答えた爆豪に先生はボールを投げ渡す。

 

「んじゃ、円から出なけりゃ何してもいいから個性使って投げてみろ、思いっきり」

「んじゃまぁ・・・・・・死ねぇ!!」

 

・・・死ね?

妙な掛け声と共に爆発が起こり、ボールは高く遠くに飛んでいく。

爆破の個性か、殺傷能力の高そうないい個性だな。使い方も慣れてそうだ。

推測をしていると先生が持っている端末から電子音がなり、数字が表示される。

 

「まずは己の最大限を知るとこから始める。それがヒーローの素地を作る合理的手段」

 

ーーー705.2m。

それは常人では決して出せないような記録だ。個性を上手く使えばこうまで変わるのか。

だが、自身には特に必要のないものだ。

 

「面白そう・・・か」

 

その声がガロウの意識を思考から現実にと引き戻した。

 

「三年間、そんな腹積もりでヒーロー目指す気か?」

 

先生がかもし出す雰囲気が変化している。

どうやら、覇気がないという前言は撤回しないといけないようだ。

 

「よし、トータルの成績が最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分とする」

 

嘲笑うように宣言する。

周りの生徒の多くはかなり驚いた表情をしているが、ガロウからすれば別段気にすることではない。

 

「生徒の如何は俺達の【自由】・・・

ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

宣言を聞きながらガロウは退屈になる、と大きく欠伸をした。

 

「おい、拳獣」

「はい?」

 

急に自身の名を呼ばれて生返事を返す。

 

「そんなにこれからやる事が退屈か?」

「いやぁ、まぁ・・・はい」

 

どうやらこの教師にはバレていた様だ。そして聞かれたことに対してガロウは悪びれること無く肯定する。

 

「だったらお前だけトータル成績上位五位以内に、条件上げようか?」

 

不機嫌な事を隠すことない声音でガロウに問い掛けてくる。

周りからはガロウの事を心配する声が上がる。相澤先生もガロウの態度を戒めるつもりで言ったのだろう。

それに対するガロウの答えは、先生も周りの生徒達の予想を思いっきり裏切った。

 

「良いじゃないっすか、それ!俄然やる気が出てくる!」

 

その答えにここにいるガロウを除いた全員が面食らっていた。

しかし、知らないのだから仕方ない。

ガロウという男は一度とは言え、人間で有りながら人間以上の存在になった事がある事を。

 

数分後、ここに居る全員がガロウの実力を目の当たりにすることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも皆さん、十五夜です!
いろんな方から感想頂きました!ありがとうございます!

質問で、ガロウの苗字に付いての質問がありました。
一応、【拳獣】と書いて、『けんじゅう』と読みますが、イマイチ納得してません。もしかしたら変えるかもしれません、ごめんなさい!先に謝っておきます!

それから、ガロウの住所とか戸籍とかに付いての質問もありました。
これについてはある程度考えては居ます。
ですが、ハッキリと出すべきか、出さなくても意外と問題無いかもしれないんじゃないか、という風に悩んでます。
なので、いつかちゃんと書くかも知れません。

色んな感想、質問ありがとうございます。
これからもどうぞ、よろしくお願いします!
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