The HERO 〜ロード・オブ・ガロウ〜 (仮題)   作:十五夜の月

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な、何が起こった・・・
お気に入りが・・・500越えだとぉぉぉおおお!
ありがとうございます!!
感謝!圧倒的感謝!!



戦闘訓練 中の二

 

 

 

 

「勝ったのはヒーローチームだが、今回のベストは飯田少年だな!!」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

 オールマイトは指を左右に振りながら、残念ながら違うと言う。

 

「さてさて、この中で何故そうじゃないのか、分かる人は居るかなぁ?」

「はい、オールマイト先生」

 

 オールマイトの質問に八百万が手を上げるのを、ガロウはつまらないと思いながら壁にもたれ掛かって見ていた。

 

「それは飯田さんが最も適切な行動をしていたからですわ。まず、爆豪さんの行動は完全なる独断。それに、これは緑谷さんも同様ですが屋内での大規模な破壊は愚策。

  ハリボテを核として扱っていませんでした。もしもアレが本物の核だとしたなら、あんな風な戦闘はしてはいけない。飯田さんはハリボテをただ一人だけ核として扱っていたからあのような形で奪われた。ヒーロー側は反則勝ちのようなものですわ」

「せ、正解だぜ・・・・・・くぅ〜・・・」

 

 最後は自分で締めたかったのだろうが八百万に思ったよりも全て言われてしまったオールマイトは悔しそうに八百万を褒めた。

 確かに八百万の意見は正しい。だが、飯田も結局の所は核を奪われた。正しい行動であったとしても、だ。

 

「まぁ、そんな所だな!という訳で、この後に戦闘訓練をする皆はその事を考えて、ハリボテでも本物の核として扱うように!!」

 

 そう言ってオールマイトは再び二つの箱の中からクジを抜き取り次の対戦相手を決めていく。

 

 

 

 ーーー退屈だな・・・。

 

 別のペア同士が戦うのをモニターを通してみていたガロウは、もう何回目になるか分からない欠伸を上げて瞼を擦る。

 はっきり言って飽きてきていた。珍しく、強そうな個性は何人かいる。だが、結局の所は学生であり戦闘面から学べることはない。

 

「拳獣さん、最後とはいえ流石に気を抜き過ぎですわ」

「んあ?」

 

 降り掛かってきた声に反応して無意識の内に閉じていた瞼を開け横を見ると、先程見事な回答を述べた八百万がこちらを睨んでいる。

 

「・・・べっつに良いだろ・・・見てたって意味ねぇよ」

 

 関係ない、とガロウは一蹴したつもりだったがどうやらガロウのその態度が八百万の何かに火を点けたようで。

 

「意味無いとは何ですか!ヒーローとは常に向上する者、していく者の事ですわ!」

「知ってるっての、んな事」

「でしたらーーー」

「しっかりと観察して、意味が無いとしか思えない。そう結論が出てんだから仕方ねぇだろ?」

「・・・・・・・・・っ」

 

 当然の様に堂々と言い張るガロウに対して、八百万の口からは次の言葉が出てこなかった。

 そうしてガロウの言葉により突然生まれた沈黙を意外な人物が破る。

 

「聞き捨てならねぇな、拳獣」

 

 それは戦闘訓練訓練を終えて戻ってきた轟だった。

 

「これが終わった後に戦う相手にも、興味なしか?」

「そう聞こえたんなら、謝るが?」

「・・・随分余裕だな?」

「おう。と言うより楽勝だと思ってる」

 

 ガロウは不敵に笑って、轟はその顔に僅かに怒りのこもった感情を露わにする。

 違う感情の灯った二人の目が交差し合う。

 

「拳獣・・・お前、個性把握テストの時のアレ、本気でやってたのか?」

「さぁ・・・どうだろうな?」

「まぁ、いい・・・この後の時は本気出せよ」

 

 目線を逸らして後ろを向き、轟は場を去っていく。

 

「お互いになぁ」

 

 そんな背中に向けて、ガロウは笑いながら声を掛ける。その瞬間、轟の肩が僅かに動いたのをガロウは見逃さない。

 

「・・・・・・・・・」

 

 ガロウの言葉に轟は何も返さなかった。

 

 

 

 

 ◎

 

 

 

「さぁーてと、どうすっかなぁ」

 

 目の前にはロケットの形を模したハリボテの核。戦闘訓練の最後を締めくくる戦いでガロウはヴィラン側になった。

 あと少しすれば爆豪と轟がここに攻め入ってくる。

 

「核は一番上のここに置いたままにして・・・下に降りるか」

 

 爆豪と轟、二人の性格を考えてみるとガロウ自身を避けて核に向かうことはまず考えにくい。

 

「・・・・・・階段、壊しとくか」

 

 少しの時間稼ぎのつもりでガロウは下に降りながら階段を壊して上に上がれないようにする。

 

「・・・こんなもんだな」

 

 数分もしないうちにガロウはビルの一階にたどり着き、階段があった場所は無数の瓦礫で埋もれていた。

 

 ーーー敵のお二人方は、どうしてるかね・・・。

 

 一階の構造を確かめるために歩き出したガロウはふと、そんな事を考えていた。

 

 

 

 ◎

 

 

 

 ーーーむ、無茶苦茶するなぁ、拳獣少年・・・。

 

 モニターに映るガロウが階段を全て壊し終えた所を見ながら、オールマイトは額に一筋の汗を流していた。

 足止めの為とはいえ、階段を壊すという行動を取ったのはガロウが初めてだからだ。

 

 ーーーって、次は壁を壊してるし!

 

 そんなオールマイトの少しの驚きなど気にもせずにモニターに映るガロウが今度は部屋と部屋を区切る壁を破壊し始めた。

 

「うお!ガロウの奴、素手で壁を壊してる」

「オレみたいに硬化の個性でも無いのに、痛くねぇのかな?」

 

 生徒の何人かもガロウの行動に驚いたり疑問を抱いたりしていた。

 

「オールマイト先生!」

「ん?どうかしたかい、飯田少年!」

「建物の被害は最小限にするように仰っていた筈ですが、拳獣君のあの行動はどうなのでしょうか?」

 

 なるほど、飯田の質問ももっともである。誰から見ても今のガロウの行動はただただ建物を破壊してるだけにしか見えない。

 オールマイトは、いい質問だ!と言ってから言葉を続ける。

 

「飯田少年の質問ももっともだな!だが、映像をよく見てみるんだ。拳獣少年が壊しているのは部屋と部屋を区切っている壁だけであって、柱などは壊していないだろう?

  どうやら、ちゃんと建物にダメージがない程度で自分の戦いやすいステージを作っているようだぜ!」

「な、なるほど」

 

 ーーーまぁ、階段の破壊はやり過ぎかも知れないが・・・。

 

 もし、轟か爆豪のどちらかが何らかの方法で上の階に行ってしまえば、階段を壊してしまったガロウにそれを追う手段はない。

 だが、ガロウがそんな事も考えずに階段を壊す訳がないとオールマイトは思っている。万が一、その様な状況になったとしてもガロウならば対応出来る。

 根拠は無い確信がオールマイトの心の中にはあった。

 

 ーーーさてさて、対戦相手の轟少年と爆豪少年はーーーーーー。

 

『だから、オレが相手するって言ってんだろぉが!半分野郎!!』

『いや、アイツの相手はオレがする』

 

 ーーーやっぱりか!!

 

 半分、いや殆ど予想通りだった二人の現状に思わずオールマイトは心の中で突っ込んだ。

 チームという事を少しも感じさせない二人。

 

「相変わらずだな、爆豪の奴・・・」

「轟さんも轟さんですわ。何を張り合っているのか・・・」

「ケロ。二人ともプライドが高すぎるからじゃないかしら?」

「だろうなぁ・・・二人とも実力はあるのによ」

 

 生徒達が言うことは的を得ていた。二人とも実力はある。それこそ、充分すぎるほどに。しかし、それ故に我が強いのだ。

 

「けど、それ以上にオレはガロウの方が気になるな」

「ケロ。上鳴ちゃんの言う通りね。拳獣ちゃん、本当に一人で大丈夫なのかしら?」

「個性把握の時は圧倒的だったけどなぁ」

 

 オールマイトも生徒達も改めてモニターのガロウに注目する。丁度、最後の一枚の壁をぶち抜いて準備が完了した所だった。

 

「なら、皆はそれを含めてよく見ておくように!結果がどうなるにせよ、きっと君たちにとって何かプラスになる筈だ!」

 

 

 

 

 ◎

 

 

 

 

「よーし、広くなった広くなった」

 

 ホコリを払いながらガロウはぐるりと周りを見渡して呟く。

 廊下と部屋を区切る壁は一切なくなり、残っているのは柱のみでもしもの時はそれを盾にすれば戦いやすい。

 

 ーーーどう攻めてくるか・・・。

 

 一応入口には階段の瓦礫をいくつか積み上げてバリケードを作ってあるが、直ぐに壊されるだろう。

 

 警戒すべきは轟の氷結。

 手足を凍らされた位であれば何とか対応できるかも知れないが、全身を凍らされれば脱出は難しいかもしれない。

 そこまで考えたところで、オールマイトの開始の声が響いた。

 

 それと同時に、辺りの気温がガクンと下がったようにガロウは感じた。

 

「・・・・・・来たか」

 

 轟の氷結が来ると警戒した時、入口にあった瓦礫が爆発とともにガロウに向かって吹き飛んでくる。

 そして、ほぼ同じタイミングで壁を、天井を、床を氷がこちらに向かって来た。

 

「おっ、意外と連携?」

 

 瓦礫と氷が迫ってくる。

 しかし、ガロウは慌てない。

 

 タンッ、とその場で飛び上がり氷を回避しながら空中で向かってくる瓦礫を砕き、流し、避ける。床を陥没させる程のガロウの脚力がこの浮遊時間を生み出す。

 

 全ての脅威を空中でやり過ごし氷漬けの床に着地した時、既に轟と爆豪の二人は入口よりこちら側に立っていた。

 

「んじゃ、始めますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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