四作目です。
宜しくお願いします。
あと、おやすみなさい。
生まれ直しのリスタート
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皆様は、現在の現実をどう思うでしょうか?
私はとても不満に思っております。様々な技術が生み出され、出来ることはとても多くなりました。
しかし、出来る事は増えても、現実ではない事---二次元などに対しての渇望などは、決して叶う事はありません。
王になりたい、無双をしたい、美少女達を侍らせたい、誰かを貶したい、自分自身が美少女になりたい、異世界でのんびりと過ごしたい、願いは決して尽きる事はないでしょう。
しかし、それと同時にその願いが叶う事もありません。
それではとても悲しいではないですか。科学万能と謳われていたとしても、根本的な人間の願いというものは叶いません。
そして、私の手元にはあらゆる願いを叶える事が出来る機械があります。それを使って、貴方方の願いを叶えて見せようと思っています。このメールは、厳正に審査した上で、100名に送っております。
なお、異世界に行きたい場合は、同じ世界に送られる事はない事になっております。
では、下の三つの質問に答えて頂けますでしょうか?
1、どの様な世界に行きたいのか
2、どの様な力が欲しいのか
3、私の事をどう思いますか
では、是非とも返答を。
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カーテンで閉じ切られた部屋。時計は夜の11時を指し示す。
そんな部屋の主は、自らのスマホを見ていた。この謎のメールを見て、どういう事なのかと思っていた。そもそも、彼はメールは基本使わない。メッセージアプリなどで充分に間に合うからだ。
返答をしようかどうか、悩んでいた彼だが、その指を動かしてメールの返答を書き始めていた。
メール自体はくだらないと一蹴されても仕方がないものだが、彼は世間一般的に言うところのオタクというものであった。といっても、引きこもったりはせず、普通に学校などに通っている。
怪しい物には手を出さない、心の中で絶対と言ってもいいほどだが、そういう風に彼は自身に決めていた。けれど、もしも、もしも本当だったらというほんの少しの希望に従って、彼はそのメールの返答を書き始めていた。
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1、どの様な世界に行きたいのか
どこでもいい。けど、いきなり死んだりするのは勘弁
2、どの様な力が欲しいのか
自分と相性が良い物を。高望みはしない
3、私の事をどう思いますか
胡散臭い
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取り敢えず、彼は自分自身の本心で書いてみた。冒険はあったら、男故にロマンを感じる。ただ、すぐに死にそうになる様な世界は勘弁願いたい。能力に関してもそうだ。下手にアニメなどの強い能力などを手に入れたとしても、使いきれる気はしないし、能力の本来の持ち主に怒られそうだ。
三つ目は馬鹿正直に書いた。誰がみても、胡散臭いと思う事間違いなしであろう。
彼は自分で書いたメールの返答を改めてみて、苦笑いをした。この歳になって何を書いているのかと。夢を見るのは小学生まで。彼はスマホを充電器にさして、布団にもぐって目をつぶった。
「おー、意外と返答が来てるねぇ」
どこかの家の一室。男とも女とも言えない中性的な容姿の存在は、自らの手の中にある黒い箱を弄りながら、ニヤニヤと笑っていた。
「いやー、馬鹿正直に書くもんなんだね。この人なんて、『美少女になりたい!』なんて書いているし、かと思いきや『聖剣が欲しい』なんてものもある。で、こっちの人は・・・おっ」
誰かの目に止まったのは、他の人物達と同じように馬鹿正直に書いた少年の返答。それを見て、誰かは今までとは違う雰囲気でニヤリと笑った。
「ふーん。相性が良いのねぇ。ねぇ、黒箱。この子と相性が良い物って何?」
『・・・ゲーム』
誰かは自らの手に持った黒い箱に問いかけた。側から見たら、明らかに不審者だ。そして、そんな問いに黒箱と呼ばれた黒い箱は答えた。誰かからのツッコミが入りそうだが、この部屋には誰かと黒箱しか居ない。
「そっかー、ゲームかぁ。よし。なら、スマホを持たせよう」
誰かはすぐさま、スマホという風に決定した。
「じゃ、黒箱。面倒くさいから、世界は小説を基にして」
「・・・了解」
誰かは、意味不明な言葉を黒箱に告げると、黒箱を放り投げた。重量に従っておちるかと思いきや、黒箱はふわりと宙に浮き、ゆっくりと回り始めた。
回り始めて30分程だった時、黒箱が一瞬、強く光った。そして黒箱は、いきなり床に落ちた。それを拾い上げて自らの足の上に置いた誰かは、宙を見ながら笑う。
「さて、願いは叶えた。好きに生きてね」
その日、世界中で46名が行方不明になるという事件が起きたが、10年、20年とたつと、次第に人々の記憶からは忘れ去られた。
くらい。彼が、最初に思ったのはそれだ。息苦しく、とてもくらい。流石に耐えきれず、ようやく目を開ける。たったそれだけのことなのに、なぜかとても疲れる。
彼は目を開けた瞬間、固まった。その光景がありえなかったのだ。絶句している彼の前にいた看護師らしき人達のうちの一人が、口を開く。
「現堂さん。元気な男の子ですよ」
新たな自身の親を見ながら、彼は心の中で思った。
どうやら自分は生まれ変わったらしいと。