主人公のヒロインを誰にするか・・・それが問題だ。
このキャラがいい!こんなキャラを出して!というような意見があれば、どしどしください。是非ともお待ちしてます。
では、どうぞ!
俺が生まれ変わって、早くも5年が過ぎた。
どうやら俺は、現堂という苗字の家に生まれたらしい。両親もとてもいい人で、何度心の中で感謝したか分からない。
ただ問題だったのは、食事の時だ。まぁ、元が高校生だったのだ。まぁ、俺は赤ん坊、そして目の前には母親。・・・正直なところ、どんな拷問かと何度も思った。
そんなこんなで今日まで過ごして来たが、内面がとっくに大人だからか、幼稚園では友人の一人すら出来なかった。お陰で、一人で体を鍛えたりするぐらいしか出来なかったため、中々に強くなって来たと思う。
そして、そんな俺を見ていたからか父---現堂智治から、とある提案が出てきた。
「ケイ。最近体を動かしているみたいだけど、何でだ?」
「んと、つよくなりたいから」
「そっか、ケイは強くなりたいんだね」
というような会話を先週したばかりなのに今日の朝、唐突に父は俺にこう言った。
「今日は、八重樫流道場に行くからな」
「やえがしりゅう、どうじょう?」
「うん?言っていなかったか?」
「うん」
俺が父にそういうと、父は顎に手を添えて「伝えていなかったっけ・・・」と呟いていた。
八重樫流道場。未だにこの世界がどの世界なのかは分かっていないが、普通の世界である事は分かっている。しかし、八重樫という名前からは、とある小説が思い浮かぶ。
『ありふれた職業で世界最強』という小説に出てくるヒロインのうちの一人、八重樫雫の家が確か八重樫流道場だったはずだ。
けれど、まだ確信はできない。何にせよ、目の前で硬直しながら何かを呟いている父を元に戻すとしよう。
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「ここが、やえがしりゅうどうじょう?」
「そうだ。実は父さんとこの八重樫流道場の師範代である虎一くんはね、友人なんだ。それで、うちの子が体を鍛えてるって事を伝えたらいい、うちに来てみないかって言われたんだ」
八重樫虎一。八重樫雫の実の父親で、八重樫流道場の師範代。原作では南雲ハジメに対して、様々な事をしていたが、俺に対して何をしてくるかは分からない。何もしてこない可能性の方が高いぐらいだ。
どちらにせよ、八重樫流は覚えておいて損は無い。上手く体を鍛える方法などを教えてもらえれば、生き残れる可能性は高くなっていく。
「虎一くん、来たよ」
父がこれぞ和風!というような扉を叩くと、中から若い女性が出てきた。
「はい、何方かしら?」
「あ、久し振りです。霧乃さん」
「ああ、智治くん。夫からは話を聞いています。そちらの子がケイ君で良いのかしら?」
「ええ、うちの自慢の息子です」
「あら、そうなの」
父が自分の事を誇らしげに言ってくれるのは嬉しいが、目の前の霧乃さんをどうにかして欲しい。先程から穴が空くほど俺を見てくるのだ。
「・・・この子なら問題はないかしら」
「?どうかしました、霧乃さん」
「いいえ、何でもないわよ?」
さ、入って。霧乃さんの言葉を聞いて、俺と父は入っていく。美人に見られるのは役得だという話だが、これは中々に辛い。それに最後に言っていた、問題はないという言葉はどういう意味なのだろう。
・・・今からでも帰らせてはもらえないだろうか。少々憂鬱になりながら、父に手を引かれて八重樫家の中を歩き、道場に通じている扉の前まで来た。
父は何事も無く、扉を開くとそれと同時に自分に対してよくは分からないが、威圧感の様なものが向けられているのが分かった。
「久し振り、虎一くん。元気だったかい?」
「ああ、それでその子が?」
「そう、うちの自慢の息子だ」
父と虎一さんが話しているが、俺はそれどころじゃない。先程からずっと威圧感があるのだ。冷や汗が出て止まらない。
「すまないが、智治。ちょっと君の息子と話がしたみたい。いいか?」
「ん?いいよ。それじゃあ、僕は別の場所に行ってるよ」
「ああ、助かる」
その会話が終わると、父は初めに入ってきた扉をまた通り、部屋の外に出て行った。
そして道場の中では、俺と虎一さんの二人だけが残っている。威圧感がどんどん増していく中、俺はどうすればこの状態から抜け出せるのかを考える。
そして5分程たったあたりで、ふと威圧感が消えた。
どっと疲れた気分になり、俺は静かに息を整えながら、虎一さんの様子を見る。虎一さんは何故か、笑顔で俺の事を見ていた。
「中々に根性はある様だ」
「あ、ありがとうございます」
「では、何を学びたい?」
何故か認められた上に、何を学びたいかを聞かれた。何を学びたいのか、か。原作では、八重樫流道場は娘の雫は知らなかったが、ある意味忍びの様な事が出来た家だ。と言っても、雫ですら剣術に体術、投擲術を教えられていたのだ。実際、様々な事を教えられるのだろう。とりあえずは、雫と同じものを学んでおこう。
「けんじゅつとたいじゅつ、あと、できればとうてきじゅつもまなびたい、です」
「ほぉ・・・」
俺が学びたい事を言ったら、虎一さんが俺の方をじいっと見てきた。霧乃さんの時は緊張しただけだが、虎一さんの場合は、緊張と恐怖の二つだ。逃げ出したい衝動に襲われながらも、ぐっとその気持ちを抑えて、虎一さんの顔を見る。
じっと俺を映す虎一さんの黒い目。それを見ながら俺は静かに待つ。すると、虎一さんが再び口を開いた。
「何故、強くなりたい?」
「なんでか?」
「ああ。強くなる意味なんてないだろう?」
「それは・・・」
確かに、普通に生まれて強くなる意味なんて、ほとんどないだろう。改めて思うと、俺はまだ確認できていないが、何かしらの力を貰っている、筈だ。それを考えても、俺は強くなる必要はない。なら、なんで俺が強くなりたいのか、その理由は・・・ある。
「まもり、たいんです」
「守りたい?」
「はい。いまのぼくは、ちちたちにたすけてもらっています。けど、いつかこまったときにぼくがちちをまもりたいんです」
正直に、心から思っている事を言う。これに関しては、一切の嘘偽りはない。前世では親に対して、何も返す事は出来なかった。だから、今回は親に対して何かを返したいのだ。
「そうか・・・」
虎一さんはその一言を聞いて、黙ってしまった。何かいけない事を言ってしまったかと思いながら、俺は内心冷や汗をかく。そんな重い空気の中、入ってきた扉が開いた。
「ケイ。今日はもう帰るよ」
「あ、はい」
救世主、父が降臨した。
そして、迎えに来た父に手を引かれ、後ろからの虎一さんの視線を気にしながら帰っていく。
「明日から、道場に来たまえ、ケイくん」
その虎一さんの言葉を聞けて安心できたのか、俺は家に帰ってきたら、自分のベッドに倒れこんで眠ってしまった。
今日も明日も、チョコミントアイスを食べます。
チョコミントアイス美味しいなぁ・・・。