「いよいよだねお兄ちゃん」
「ああ」
今日は戦車道全国大会で大洗の初戦の日。会場に到着した大洗学園のみんなは準備をしているところだ。
そこへ
「ハーイりっくー!」
「ケイさん?」
サンダースの隊長であるケイと副隊長のナオミが大洗のところへやってきた。やってきたと思ったら突然ケイはりくのところへ走り出した。
「会いたかったわりっくー!…………あれ?な?で避けるのよー!」
「久しぶりに会えたのは嬉しいですけどね、抱きつこうとしないでくださいね」
「りっくーのケチ〜まぁいいわ!あとでにしておくとして……」
「いや、後ででもしなくていいからな」
「今日はよろしくね!」
「はい!負けませんけどね、って俺が挨拶しちゃってもな〜」
「ってなわけで、会長の私が来たよ」
「タイミング良すぎ!?会長楽しんで見てたな!?」
りくは何度も抱きつこうとしたケイのことを避け続けていると、一度諦めたのか抱きつこうとするのをやめ、試合前の挨拶をし出した。そこにタイミングよく会長がやってきた。良すぎるくらいに……
「生徒会長の角谷杏だ、今日はよろしく頼む」
「アンジーね!よろしく」
「角谷杏だからアンジー?」
「馴れ馴れしすぎる!」
「まぁまぁ、ケイさんはこんな性格だからいちいち気にすんな」
会長とケイで挨拶をしているが、あまりにも馴れ馴れしすぎる呼び方に河島が少し怒っているが、ケイの性格を知っているりくが落ち着かせた。
「そうか、ところで何しに来た!」
「それはもちろんりっくーに会いに来たのよ!」
「そっか、じゃあ帰れ!」
「りっくーそれは酷いってば〜」
「隊長……ふざけるのもそれくらいに……試合前の親睦を兼ねて大洗を招待しに来たのよ」
「おっ、いいね〜」
「そういうことよりっくー!」
「最初からそう言えばいいのに……(まっ、ケイさんは招待しに来たのかわからんが……)」
「それじゃあ……っと、その前に、オッドボール三等軍曹!」
「っ!?見つかったであります!?」
サンダースのケイとナオミが大洗の所にやってきた理由は、試合前の親睦を兼ねた交流として招待しに来ていた。もっとも、ケイは本当にそれが目的では来ていないだろうが……
サンダースのブースに行こうとした時、優花里のことを見つけたケイが声をかけた。
「怒られるのかな?」
「大丈夫、ケイさんはそんな人じゃないさ。ケイさんはな」
「り、りく殿……その言い方は怖いであります……」
「この間は大丈夫だった?」
「は、はい。りく殿に電話がかかって来た時一緒にいました」
「それならよかったわ、また遊びに来てね!歓迎するから!」
「は、はい!ありがとうございます!」
「それと私のりっくーもね!」
「いや、ケイさんのじゃねぇから……」
サンダースの隊長であるケイは優花里の行動について怒っていない。ルール上認められていることだから特に怒らなかったのだろう。まぁ性格の問題もあると思うが。
招待を受けた大洗はサンダースの待機場所まで行くと、サンダースが金持ち高校ということを実感することとなった。
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『大洗学園VSサンダース大付属高校 試合開始!』
「作戦通りアヒルさんチームとウサギさんチームは偵察をお願いします」
「「了解です!」」
審判の合図で大洗学園の初戦が始まった。大洗は最初に決めていたように偵察を2両出して相手を探っている。
一方サンダースは……
「こちらウサギチーム!シャーマン6両が向かってきます!退避します!」
なんと10両中6両をいきなり森に投入している。半数以上をいきなり投入とは大胆な行動だ。
「6両!?多すぎだろ!?」
「急いで離脱してください!アヒルさんチームとあんこうチームで増援にいきます!」
みほの指示でウサギチームがなんとか逃げている。あんこうチームとアヒルチームがウサギチームと合流はできた。しかし……
『正面から3両来ました!』
「はぁぁあ!?いくらなんでも大胆すぎるだろ!?」
合流し森から出ようとしたあんこう、ウサギ、アヒルの3チームの前に、先回りしてきたサンダースの戦車が3両回り込んできた。さすがのりくも予想できなかったみたいだ。というよりおかしいと思い始めている。
「このまま突っ切ります!あんこうが先行するのでついて来てください!」
「マジですか!?」
「了解です!」
みほの判断で、前方からやってきた3両の間を通って脱出を試みた。先行していたあんこうチームが抜けると、その後ろを走っていたウサギとアヒルチームも後に続いて脱出に成功した。
「3チームとも無事か!?」
「あんこうチームは無事です!」
「こちらウサギチーム、私たちも無事です!」
「アヒルチームも無事です!」
「3チームとも無事でよかった!とりあえず一旦身を隠してくれ!いきなり10両中9両を森に投入してくる大胆さだ。作戦を立て直さないとまずい」
「「「了解!」」」
無事に窮地を脱出した3チームは、りくの指示で一度身を隠すことにした。
その頃観客席では…………
「いきなり10両中9両って……すげぇことするな。やられない自信があるからか?…………ん?なんだあれ?まさかサンダースが不正?………あそこにいるのもしかして………」
普段はサポート役をしている翔太が空に浮かんでいる白い気球のようなものを見つけていた。ただ翔太にはそれがなんなのかわからない。誰かに聞こうと周りを見渡すと、とある人を見つけていた。
「隊長……サンダースが打ち上げているあれはやはり……」
「あぁ…エリカが思っている通りだろうな」
「やっぱりまほ姉だ!」
「「ん?」」
翔太が見つけたところにいたのは、黒森峰の隊長と副隊長であるまほとエリカだ。翔太はまほとは初対面ではない。だからまほのところに駆け寄っていったのだろう。エリカとは初対面だが。
「まさか……翔太か?」
「当たり!久しぶり!」
「ほんと久しぶりだな」
「隊長……この方は?見たところ大洗の生徒のようですが」
「翔太は昔よく一緒に遊んでたんだ。みほも一緒だったか」
「そうだな……ってそうじゃなくてまほ姉に聞きたいことがあってきたんだよ!」
久しぶりに再会した翔太とまほだったが、今は再会の喜びよりも大事なことがあってやってきている。そのためまほにすぐ聞きたいことを聞き始めた。初対面のエリカとまともに挨拶もせずに……
「あの浮かんでる白いのってなんだ?まさかサンダースが不正なことを……」
「それはない。褒められた事ではないがルールで禁止されているわけではない」
「褒められた事じゃないっていったい……」
「無線傍受機だ」
「…………えっ」
浮かんでいるものが無線傍受機だと聞いた翔太は、驚きのあまり目を丸くした。ルールでは禁止されていないとはいえ、こんなことをしてくるのかと……
「禁止されていなければルール違反にはならない。褒められたことではないが抗議してもおそらく審判団は聞いてくれないだろう」
「そんな……いくらルールで禁止されてないって言ったってこんなこと……」
「そうね、たしかにこんなことよくないと私も思うわ。それでもみほやりくなら乗り越えてくるでしょ。あなたはそう信じてないの?」
「………そうですね、りくやみっちゃん、みんなを信じます。あっ、俺佐藤翔太っていいます。2年です」
「そう、同い年ね。私も2年よ、黒森峰で副隊長をやってる逸見エリカ。よろしく」
「よろしく逸見さん」
ルール違反でないなら抗議しても無駄だと聞いた翔太は少しの間ショックを受けていた。だがエリカの言葉でみんなを信じることができた。みんなならなんとかできると、その流れでお互いに自己紹介を済ませた。
『全車ジャンクションに集合してください!立て直します!』
「どうやら気付いたようだな。集合と言いつつ集まっていない」
「ってことはみっちゃん気が付いたのか。となると連絡手段はやっぱり……」
『1両撃破した!だがもう1両には逃げられた!』
「よしっ!」
大洗がサンダースの車両を1両撃破したようだ。先に1両倒したのが大洗ということにエリカは驚いていた。まほは表情を変えずに見ていて、一緒にいた翔太は喜んでいる。
大洗が先にサンダースの車両を撃破したことにより、サンダースの隊長であるケイを本気にさせたようだ。
今回はここで終わりにします。次回でサンダース戦は終わらせるつもりです。ただし投稿はいつになるか未定です……
電車の移動時間だけで作っていたので、投稿まで時間かかってしまいました。それに構成も雑かもしれません。
次回は少しでも良くなるように頑張りますね。それでは次回もお楽しみに。